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Ⅰ 恋愛天使のリカル
①
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黒い毛並みに赤いリボンの猫。恋愛天使であるリカルの外見はまるで魔女の使い魔だ。
この黒色が天使っぽくないのだ。そう思って黒い毛並みを見つめるが、どうにもならない容姿にため息をつく。
金色の瞳を輝かせて、リカルは『拗れ』を見つけるために地上を見渡した。
河川敷では穏やかな陽の元で野良猫が二匹、毛づくろいをしあっている。
(いいなぁ)
労わり合うような光景に心惹かれて、リカルは猫たちをじっと見つめた。
猫であった頃のようにリカルも自分を舐めてみる。しかし猫ではないリカルは、当然何も感じない。
自分と猫たちを見比べてリカルは少し寂しい気持ちになった。
リカルがゆっくり歩き猫たちに近づくと、寝転がっていた猫たちは飛び起きて全力で威嚇をする。
そうだよな、とリカルは苦笑いする。
「ごめんね。邪魔しようとしたわけじゃなくて……」
リカルが話しかけると二匹の猫は脱兎のごとく逃げていく。
(まぁ、俺はもう猫じゃないし)
とぼとぼと肩を落として歩くが、リカルの足音はしない。
時々猫のように振舞いたくなり、こうして地面を歩くが、リカルは天使であり地面を歩く必要がない。
これは、猫の真似ごとだ。足音がしないのも、影が出来ないことも、当然なのだ。
たとえ猫を真似てみても、生きている猫たちの瞳にリカルは映っていない。動物は感が良いからリカルの気配だけは気が付いているようだが。
もちろんリカルの存在は人間の目にも映らない。天使なんて名前だけで、本当は孤独だとリカルは思う。地上の幸せと笑顔をただ見つめる寂しい存在だ。
リカルは地面を歩いて空を見上げてみた。
地上から遠い空。空の向こうにはリカルが行けなかった場所がある。
――いつか許されて、そこに行けたら、仲間と触れ合えるのだろうか?
届かない鳴き声を上げたくなる。
(撫でて欲しい、な)
心の底に沸き上がる思いを胸に秘めて、リカルは猫を真似て背を丸くした。少しの間、じっとしていた。
猫の頃に大好きだった優しい日差しを浴びて。
この黒色が天使っぽくないのだ。そう思って黒い毛並みを見つめるが、どうにもならない容姿にため息をつく。
金色の瞳を輝かせて、リカルは『拗れ』を見つけるために地上を見渡した。
河川敷では穏やかな陽の元で野良猫が二匹、毛づくろいをしあっている。
(いいなぁ)
労わり合うような光景に心惹かれて、リカルは猫たちをじっと見つめた。
猫であった頃のようにリカルも自分を舐めてみる。しかし猫ではないリカルは、当然何も感じない。
自分と猫たちを見比べてリカルは少し寂しい気持ちになった。
リカルがゆっくり歩き猫たちに近づくと、寝転がっていた猫たちは飛び起きて全力で威嚇をする。
そうだよな、とリカルは苦笑いする。
「ごめんね。邪魔しようとしたわけじゃなくて……」
リカルが話しかけると二匹の猫は脱兎のごとく逃げていく。
(まぁ、俺はもう猫じゃないし)
とぼとぼと肩を落として歩くが、リカルの足音はしない。
時々猫のように振舞いたくなり、こうして地面を歩くが、リカルは天使であり地面を歩く必要がない。
これは、猫の真似ごとだ。足音がしないのも、影が出来ないことも、当然なのだ。
たとえ猫を真似てみても、生きている猫たちの瞳にリカルは映っていない。動物は感が良いからリカルの気配だけは気が付いているようだが。
もちろんリカルの存在は人間の目にも映らない。天使なんて名前だけで、本当は孤独だとリカルは思う。地上の幸せと笑顔をただ見つめる寂しい存在だ。
リカルは地面を歩いて空を見上げてみた。
地上から遠い空。空の向こうにはリカルが行けなかった場所がある。
――いつか許されて、そこに行けたら、仲間と触れ合えるのだろうか?
届かない鳴き声を上げたくなる。
(撫でて欲しい、な)
心の底に沸き上がる思いを胸に秘めて、リカルは猫を真似て背を丸くした。少しの間、じっとしていた。
猫の頃に大好きだった優しい日差しを浴びて。
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