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Ⅰ 恋愛天使のリカル
②
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「あぁ、アホらし」
未練がましい自分に嫌気がさして、リカルは空を駆けあがった。野良猫を見つけて感傷に浸ってしまった。
「俺は何してんだよ。さ、仕事、仕事!」
リカルは空中に停止して地上を見下ろした。
リカルの目にはたくさんの『恋愛の糸』が見えている。恋愛天使の仕事は、この恋愛の糸がこじれて『悪』に変わる前に絡まりを解くこと。絡まりがとれないのなら、最終手段は切断する。
恋や愛は嫉妬や悪意に変わりやすい。
嫉妬や悪意で罪を犯せば『魂の罪』を負うことになり、死後の輪廻の輪から弾かれる。魂の罪が許されるまで『仕事』をしなくてはいけなくなる。
そんな悲しい魂を少しでも救うのがリカルの役目だ。
リカルには一人だけ仕事仲間がいる。少女の姿をした救済天使のルルだ。
地上の天使たちは稀に互いの姿が見える者がいる。ルルとリカルは幸運な事に互いが認識できる。だが、救済天使のルルはリカルにあまり興味がないのが切ないところ。
同じ猫なら舐めあえたかもしれないのに。そう思いながらリカルは微笑んだ。ルルのことを考えると心がホワッとする。
「さ、集中するぞ」
空から闇になった地上を見つめ、糸の拗れを見極める。集中して見ていると、糸が小さな毛玉になっているのが見えてきた。
「見つけた。『拗れ』だ」
リカルは空から駆けおり、毛玉もとの高層マンションの一室を覗いた。
マンションの一室で怒鳴り合う男女が見える。
「仕方が無い、じゃないでしょう⁉」
若い女性の方が怒鳴っている。顔を真っ赤にして鬼の形相だ。
「仕方がないんだって! 仕事の出張なんだ!」
男性も眉間にしわを寄せて怒鳴り返している。二人ともテーブルを挟んで前のめりに怒りを顕わにしている。
「仕事でも、彩香と二人は嫌だって言っているじゃない! せめてホテルは別にしてって言ったじゃない!」
男性は睨むように彼女を見てから、わざとらしく大きく息を吐いた。
「お前なぁ、いい加減にしろよ。もっと聞き分けが良いヤツかと思ったのに。あ~あ、こんなことなら彩香と結婚すりゃ良かったよ」
男性の一言に、女性が身体を震わせて怯んだ。
そのまま言葉を交わさず男性が立ち去る。彼は玄関ドアを勢いよく閉めて出て行ってしまった。
少しその場で立ち尽くしていた女性が、ダイニングテーブルに突っ伏して泣き始める。
(わぁ、これは、どうしようかな)
どちらにつこうか考えて、リカルは男性を追った。
未練がましい自分に嫌気がさして、リカルは空を駆けあがった。野良猫を見つけて感傷に浸ってしまった。
「俺は何してんだよ。さ、仕事、仕事!」
リカルは空中に停止して地上を見下ろした。
リカルの目にはたくさんの『恋愛の糸』が見えている。恋愛天使の仕事は、この恋愛の糸がこじれて『悪』に変わる前に絡まりを解くこと。絡まりがとれないのなら、最終手段は切断する。
恋や愛は嫉妬や悪意に変わりやすい。
嫉妬や悪意で罪を犯せば『魂の罪』を負うことになり、死後の輪廻の輪から弾かれる。魂の罪が許されるまで『仕事』をしなくてはいけなくなる。
そんな悲しい魂を少しでも救うのがリカルの役目だ。
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地上の天使たちは稀に互いの姿が見える者がいる。ルルとリカルは幸運な事に互いが認識できる。だが、救済天使のルルはリカルにあまり興味がないのが切ないところ。
同じ猫なら舐めあえたかもしれないのに。そう思いながらリカルは微笑んだ。ルルのことを考えると心がホワッとする。
「さ、集中するぞ」
空から闇になった地上を見つめ、糸の拗れを見極める。集中して見ていると、糸が小さな毛玉になっているのが見えてきた。
「見つけた。『拗れ』だ」
リカルは空から駆けおり、毛玉もとの高層マンションの一室を覗いた。
マンションの一室で怒鳴り合う男女が見える。
「仕方が無い、じゃないでしょう⁉」
若い女性の方が怒鳴っている。顔を真っ赤にして鬼の形相だ。
「仕方がないんだって! 仕事の出張なんだ!」
男性も眉間にしわを寄せて怒鳴り返している。二人ともテーブルを挟んで前のめりに怒りを顕わにしている。
「仕事でも、彩香と二人は嫌だって言っているじゃない! せめてホテルは別にしてって言ったじゃない!」
男性は睨むように彼女を見てから、わざとらしく大きく息を吐いた。
「お前なぁ、いい加減にしろよ。もっと聞き分けが良いヤツかと思ったのに。あ~あ、こんなことなら彩香と結婚すりゃ良かったよ」
男性の一言に、女性が身体を震わせて怯んだ。
そのまま言葉を交わさず男性が立ち去る。彼は玄関ドアを勢いよく閉めて出て行ってしまった。
少しその場で立ち尽くしていた女性が、ダイニングテーブルに突っ伏して泣き始める。
(わぁ、これは、どうしようかな)
どちらにつこうか考えて、リカルは男性を追った。
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