今日も花の匂い

おが

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花の香

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朝誰も来ていない教室に向けて僕は出発の準備をする。急いで丼の米をかきこんで、自転車をめいいっぱいこいで、バスと同時に乗り場に着いて、汗を拭き、息を整えてから、学校を目指す。
いつもと変わらない景色を眺めたせいか、視覚がうんざりしていたんです。聞こえる音は毎日変わらず、耳が退屈していたのです。触覚、味覚、そして嗅覚。みんな固まったままだったのです。
機械みたいな歩みでバスに別れを告げ、コンクリートの道を踏んで学び舎に向かった。桜の咲いていない道を通り過ぎ、校門の前に立った。自転車置き場には忘れられたようにいくつかの車輪が伺える。そして下駄箱で靴を履こうと下を向いた時。
花の香り。
一体なんの花の香りかは知らないが、確かに花のような優しいものを鼻が感じ取っていた。
花は僕のすぐ側で、すんと凛と咲いていたのです。
綺麗で美しい花とともに階段を上ります。
一段、また一段。
僕が息をかけると、花は自由に揺れます。時には僕が思ってもいない揺れ方をして驚くこともありました。
しかし、そんなあなたの笑顔には僕が揺らされていたのです。
どんな人の笑顔も素敵ですが、あなたの笑顔には勝てるものはなかったなぁ。
あなたの横顔は何を考えているのか分からなかったけど、二つの距離と心は互いに引き合っていて、徐々に互いに歩みを寄せていました。
おっと!
気付けば教室、中にはクラスメイトが一人。
二人で入るには少し恥ずかしかったね。
そこから何も無かったかのように僕らは黙り込んで、それぞれの作業に取り掛かる。
クラスメイトにはニヤニヤされていたけど、そんなに悪い気もしなかった。
また教室の扉をあける音がした、クラスメイトはやってきたガールフレンドと共にどこかに行ってしまっちゃった。
「あの二人仲良いね。」
「そうやね。」
短い言葉を交わし始めました。
その後に僕がなにか言おうと口を動かしかけたのをあなたは見ていたかな?
それともあなたも心を投げようとしていたのでしょうか?
答えを知る方法を今は持ち合わせていないなぁ。
いつかまたあの花の香りを嗅ぐことは出来るのかなぁ。
今、桜の花びらと共に、あの香りが風に乗ってやって来ている気配を感じたような気がした。
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