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Main Story
パーティードレスは制服で
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「俺の家に来るのはまぁいい。諦めた」
読書をしていた私に、ヒトシさんは突如言った。突然何を言い出すのか。諦めた、なんて大層な言い方ね。
「でもな、来るにしても、その格好はどうなんだ」
ヒトシさんは頬杖をつきながら私の姿を眺めた。私もそれに合わせて自分の姿を見下ろす。
なんてことはない、高校の制服だ。ジャンパースカートの、渋い緑の制服は可愛くてお気に入りだ。
「……ただの制服じゃない」
「制服だよ。制服」
言っている意味が分からなくて、私は首を傾げた。
「お前、学校終わってすぐ来てるんだろ?」
「うん」
「俺にもあるじゃんか。世間体とか周りの目とか周りの目とか」
あぁ、なんだ。そういうこと。そんなとるに足らないこと、ヒトシさんは気にしていたのか。
「周りの目なら大丈夫でしょ。ここ、パパの会社の人しか住んでないんだし。知らない女の子が社宅にいるよりは皆気にならないでしょ」
「……俺が気にするんだよ」
深く溜め息をつくヒトシさん。気にするって、なにがよ? わけわからない。
だいたい、ヒトシさんは乙女心ってものをわかってないのよ。学校終わってすぐに会いたいって私の気持ち、何で分からないのかしら。だんだん腹が立ってきたので、私は持っていた本を机に置いて、勢いよく立ち上がった。
「分かったわよ。脱ぐわよ」
「!?」
リボンをほどこうとすると、ヒトシさんは慌てて手首をつかんだ。
「ここで脱ぐな!!」
「はぁ!? さっき制服は嫌って……」
「だからって脱ごうとするな!!」
「何よ! どっちよ!? わけわかんないわよヒトシさんのバカー!!」
そう叫んで怒り出す私に、ヒトシさんはほとほと困り果てた顔をしたのだった。
存外、オトコゴコロも難しい。
読書をしていた私に、ヒトシさんは突如言った。突然何を言い出すのか。諦めた、なんて大層な言い方ね。
「でもな、来るにしても、その格好はどうなんだ」
ヒトシさんは頬杖をつきながら私の姿を眺めた。私もそれに合わせて自分の姿を見下ろす。
なんてことはない、高校の制服だ。ジャンパースカートの、渋い緑の制服は可愛くてお気に入りだ。
「……ただの制服じゃない」
「制服だよ。制服」
言っている意味が分からなくて、私は首を傾げた。
「お前、学校終わってすぐ来てるんだろ?」
「うん」
「俺にもあるじゃんか。世間体とか周りの目とか周りの目とか」
あぁ、なんだ。そういうこと。そんなとるに足らないこと、ヒトシさんは気にしていたのか。
「周りの目なら大丈夫でしょ。ここ、パパの会社の人しか住んでないんだし。知らない女の子が社宅にいるよりは皆気にならないでしょ」
「……俺が気にするんだよ」
深く溜め息をつくヒトシさん。気にするって、なにがよ? わけわからない。
だいたい、ヒトシさんは乙女心ってものをわかってないのよ。学校終わってすぐに会いたいって私の気持ち、何で分からないのかしら。だんだん腹が立ってきたので、私は持っていた本を机に置いて、勢いよく立ち上がった。
「分かったわよ。脱ぐわよ」
「!?」
リボンをほどこうとすると、ヒトシさんは慌てて手首をつかんだ。
「ここで脱ぐな!!」
「はぁ!? さっき制服は嫌って……」
「だからって脱ごうとするな!!」
「何よ! どっちよ!? わけわかんないわよヒトシさんのバカー!!」
そう叫んで怒り出す私に、ヒトシさんはほとほと困り果てた顔をしたのだった。
存外、オトコゴコロも難しい。
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