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02 初仕事と、それから
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放課後──結局私は1人で生徒会室にやってきた。涼介くんの意向で放課後の集まりはなくなった。DVDも、『青空とレモンティー』でほぼ決定だけど……やっぱり一応目を通しておかないと。実は問題のあるシーンがあったら困っちゃうし。だから、せめて私だけでも、放課後を潰してでも見なきゃと思ったのだ。さて……時間も惜しいし、早いとこ見始めちゃおう。
と、思ったけど。
「……あぁっ!」
そこで、私は重大な事実に気が付く。そうだった。プレイヤー、片付けちゃったんだ!
私は岡本くんの仕事の完璧さを恨めしく思いながら、とりあえずまとめられていたコードを解く。……さっぱり分からない。これをどこに繋げばいいの? コードを片手にテレビの裏を見てみるけど、差し込み口がどれだかすら分からない。困った……これは困った。みんなをうまくまとめることも出来ないし、こんなことも出来ないなんて。
「……うぅ、これじゃ会長失格だよ……」
半泣きになりながら呟いた。──その時だった。
「あれ、自覚あったんですか?」
不意に生徒会室の扉が開くと共に、毒のある一言が降ってきた。弾けるように振り返ると、そこには案の定、仏頂面の岡本くんが立っていた。
半泣きになっていたことなんて知られたくない。慌てて顔を引き締める。
「……どうしたの、岡本くん。忘れ物?」
「先輩じゃあるまいし、そんなヘマしませんよ」
「っ! じゃあ何で!」
私の言葉には答えず、つかつかと中に入ってくると、そのままプレイヤーの前にやって来た。少し屈みこむと、私からコードを奪い取ってプレイヤーをセットし始める。
──え? 何で……?
私の混乱を読み取ったのか、説明するように言う。
「昼休み、先輩が納得していない様子だったので。片付けた後に片付けないほうがよかったかなと思って、セットし直しに来たら案の定コード片手に固まってましたね」
「いっ……今からセットするところだったし……!」
「はいはい、バカの一つ覚えみたいに言い訳しないでくださいねー」
そう言うと岡本くんは、片手で私の頭をポンポンと叩いた。子供扱いされてるみたいで、ムッとしてあとずさる。……でも、言い訳は事実。それに、わざわざ来てくれるなんて、実はいい人なのかも、しれない。
私は岡本くんを見ながら聞こえないくらいの声で呟いた。
「……ありがと」
「お礼なら聞こえるように言ってください。はい、DVD出してください」
聞こえてるんじゃない! やっぱり言わなければよかった。そんなことを考えながら持っていたDVDを差し出した。DVDを差し込んで、読み込み中の表示がテレビに現れる。
岡本くんはそのまま出ていくのだろう。そう思って席に座ってテレビ画面を見ていると、岡本くんは予想外な行動に出た。岡本くんは、私の隣にどっかりと腰掛けたのだ。驚いて口を開けたまま岡本くんを眺めていると、また私の表情を読み取ったのか、
「どうせだし付き合おうと思ったんですよ。何か問題ありますか?」
と真顔で言われたのだった。
「いえ……」と曖昧に言葉を濁して、私はテレビに視線を戻した。岡本くんの考えてる事がわからない……。
青空のアップから始まったその映画は、確かに杏奈が言っていたとおり普通の青春もののようだった。男女4人の高校生を描いた、青春ストーリー。それぞれが部活に、勉強に、友情に、恋に、悩みながらも成長していく。タイトルのレモンティーは、彼らが揃って好きな飲み物らしい。
あ、主人公の幼なじみに恋する男の子って、この人か。マイマイが言っていた松井駿くん……確かにイケメンだ。物語は、駿くん演じる男の子が、恋に悩むところへと進んでいく。
《出来ることならさ、あいつを抱き締めたり、キスしたりしてぇよ……》
《……何言ってんだ、急に》
《急にじゃねぇよ! ──あいつが、好きなんだ。でも、今の関係を壊したくねぇ……》
うーん、恋愛の描写って、どこまでがセーフなんだろう。そのシーンを見ながらそんなことを考えていると、横にいた岡本くんが画面を見ながら不意に喋りだした。
と、思ったけど。
「……あぁっ!」
そこで、私は重大な事実に気が付く。そうだった。プレイヤー、片付けちゃったんだ!
私は岡本くんの仕事の完璧さを恨めしく思いながら、とりあえずまとめられていたコードを解く。……さっぱり分からない。これをどこに繋げばいいの? コードを片手にテレビの裏を見てみるけど、差し込み口がどれだかすら分からない。困った……これは困った。みんなをうまくまとめることも出来ないし、こんなことも出来ないなんて。
「……うぅ、これじゃ会長失格だよ……」
半泣きになりながら呟いた。──その時だった。
「あれ、自覚あったんですか?」
不意に生徒会室の扉が開くと共に、毒のある一言が降ってきた。弾けるように振り返ると、そこには案の定、仏頂面の岡本くんが立っていた。
半泣きになっていたことなんて知られたくない。慌てて顔を引き締める。
「……どうしたの、岡本くん。忘れ物?」
「先輩じゃあるまいし、そんなヘマしませんよ」
「っ! じゃあ何で!」
私の言葉には答えず、つかつかと中に入ってくると、そのままプレイヤーの前にやって来た。少し屈みこむと、私からコードを奪い取ってプレイヤーをセットし始める。
──え? 何で……?
私の混乱を読み取ったのか、説明するように言う。
「昼休み、先輩が納得していない様子だったので。片付けた後に片付けないほうがよかったかなと思って、セットし直しに来たら案の定コード片手に固まってましたね」
「いっ……今からセットするところだったし……!」
「はいはい、バカの一つ覚えみたいに言い訳しないでくださいねー」
そう言うと岡本くんは、片手で私の頭をポンポンと叩いた。子供扱いされてるみたいで、ムッとしてあとずさる。……でも、言い訳は事実。それに、わざわざ来てくれるなんて、実はいい人なのかも、しれない。
私は岡本くんを見ながら聞こえないくらいの声で呟いた。
「……ありがと」
「お礼なら聞こえるように言ってください。はい、DVD出してください」
聞こえてるんじゃない! やっぱり言わなければよかった。そんなことを考えながら持っていたDVDを差し出した。DVDを差し込んで、読み込み中の表示がテレビに現れる。
岡本くんはそのまま出ていくのだろう。そう思って席に座ってテレビ画面を見ていると、岡本くんは予想外な行動に出た。岡本くんは、私の隣にどっかりと腰掛けたのだ。驚いて口を開けたまま岡本くんを眺めていると、また私の表情を読み取ったのか、
「どうせだし付き合おうと思ったんですよ。何か問題ありますか?」
と真顔で言われたのだった。
「いえ……」と曖昧に言葉を濁して、私はテレビに視線を戻した。岡本くんの考えてる事がわからない……。
青空のアップから始まったその映画は、確かに杏奈が言っていたとおり普通の青春もののようだった。男女4人の高校生を描いた、青春ストーリー。それぞれが部活に、勉強に、友情に、恋に、悩みながらも成長していく。タイトルのレモンティーは、彼らが揃って好きな飲み物らしい。
あ、主人公の幼なじみに恋する男の子って、この人か。マイマイが言っていた松井駿くん……確かにイケメンだ。物語は、駿くん演じる男の子が、恋に悩むところへと進んでいく。
《出来ることならさ、あいつを抱き締めたり、キスしたりしてぇよ……》
《……何言ってんだ、急に》
《急にじゃねぇよ! ──あいつが、好きなんだ。でも、今の関係を壊したくねぇ……》
うーん、恋愛の描写って、どこまでがセーフなんだろう。そのシーンを見ながらそんなことを考えていると、横にいた岡本くんが画面を見ながら不意に喋りだした。
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