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04 いけ!校内見回り大作戦!
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「何で不貞腐れてるんですかね、この人は」
部室棟に向かう途中、不意に葵くんが言った。私は、不機嫌な顔を隠しもせず、葵くんに向き直る。
「当たり前でしょ、杏奈に協力頼むなんて」
「ってことは、やっぱり行くつもりだったんですね。ネクラさんの所」
ギロリと睨まれて、自分が墓穴を掘ったことに気がついた。思わず両手で口を塞ぐと、葵くんは長いため息をついた。
「……何で分からないんですか、本当に」
「分からないよ! だって、女の子が苦しんでるのを助けたいもん! 女の子たちに何かあったら大変だし!」
「へぇ。その口ですか、そんなこと言うのは」
「!? いひゃいいひゃいいひゃい!」
葵くんは私の頬をつまんで横に伸ばした。
痛い痛い痛い! 何すんのよ葵くんのばか!
「言っときますけどね、日向先輩」
やっと両手を離してくれた葵くんは、真剣な顔で私を見た。急にそんな顔をするもんだから、私は動けなくなってしまう。
「先輩だって、女の子、なんですからね」
「え……」
驚いた。性格がねじ曲がってる葵くんに、女の子扱いされるとは。もしかして、人の行動を制限したりしていたのは、私のこと心配してくれて──。
「ただでさえ人より小さいんです。相手が力できたら敵うわけないじゃないですか。冷静に考えてから行動をしてください」
「なっ……!」
また人のこと小さいって言う! さっき感謝しようとしたこと、取り消す。誰が葵くんに感謝なんかするもんか。
「小さいからって、バカにしないでよ! これでもやればできるんだから!」
「しっ……──静かに。誰か来ました」
「っ!?」
葵くんは私の反論を丸無視して、私に覆い被さった。葵くんはそのまま木の影に隠れる。
葵くんが言った通り、誰か来たらしい。早足の足音が遠くから聞こえる。私は葵くんの腕から逃れながら、足音がする方を見てみる。長い前髪で顔を隠すようにして歩く、細長くて猫背な人影。キョロキョロと回りを気にしながら、袋を片手に、こちらへ向かってくる──。
あれは、間違いない。ネクラくんだ。
「少し様子を見──」
「そこのあなた!」
葵くんの言葉が終わる前に、私は思わず木陰から飛び出し声をあげた。辺りを気にして歩いていた分、ネクラくんは驚いたのかびくりと体を震わせ、持っていた袋を落とした。
「話を聞かせてもらうわよ!」
「……っ!」
ネクラくんは、私が近寄ろうとしたところで、背中を見せて駆け出した。逃げるつもり!?
「こ、こら! 待ちなさい!」
「あ、日向先輩!」
私は、逃げたネクラくんを夢中で追いかけた。後ろから葵くんの声がしたけど、そんなこと気にしている余裕なんてなかった。
* * *
「だから冷静に考えろって言ってるのに!」
たった今、ネクラを追いかけていった日向を見ながら、葵は言った。何度言えばわかるのか。いや……わからせようとするのが無理なのか。
──とにかく、後を追っ……。
木陰から出て走り始めたところで、ネクラが置いていった袋に気がついた。少し考えて、それを拾い上げる。
「……これは……」
中身を確認して、小さく呟いた。そして、それと同時に後ろに感じた、何かの気配。葵は振り返って、その気配の正体に向かって言った。
「……お前が、犯人だったのか」
* * *
部室棟に向かう途中、不意に葵くんが言った。私は、不機嫌な顔を隠しもせず、葵くんに向き直る。
「当たり前でしょ、杏奈に協力頼むなんて」
「ってことは、やっぱり行くつもりだったんですね。ネクラさんの所」
ギロリと睨まれて、自分が墓穴を掘ったことに気がついた。思わず両手で口を塞ぐと、葵くんは長いため息をついた。
「……何で分からないんですか、本当に」
「分からないよ! だって、女の子が苦しんでるのを助けたいもん! 女の子たちに何かあったら大変だし!」
「へぇ。その口ですか、そんなこと言うのは」
「!? いひゃいいひゃいいひゃい!」
葵くんは私の頬をつまんで横に伸ばした。
痛い痛い痛い! 何すんのよ葵くんのばか!
「言っときますけどね、日向先輩」
やっと両手を離してくれた葵くんは、真剣な顔で私を見た。急にそんな顔をするもんだから、私は動けなくなってしまう。
「先輩だって、女の子、なんですからね」
「え……」
驚いた。性格がねじ曲がってる葵くんに、女の子扱いされるとは。もしかして、人の行動を制限したりしていたのは、私のこと心配してくれて──。
「ただでさえ人より小さいんです。相手が力できたら敵うわけないじゃないですか。冷静に考えてから行動をしてください」
「なっ……!」
また人のこと小さいって言う! さっき感謝しようとしたこと、取り消す。誰が葵くんに感謝なんかするもんか。
「小さいからって、バカにしないでよ! これでもやればできるんだから!」
「しっ……──静かに。誰か来ました」
「っ!?」
葵くんは私の反論を丸無視して、私に覆い被さった。葵くんはそのまま木の影に隠れる。
葵くんが言った通り、誰か来たらしい。早足の足音が遠くから聞こえる。私は葵くんの腕から逃れながら、足音がする方を見てみる。長い前髪で顔を隠すようにして歩く、細長くて猫背な人影。キョロキョロと回りを気にしながら、袋を片手に、こちらへ向かってくる──。
あれは、間違いない。ネクラくんだ。
「少し様子を見──」
「そこのあなた!」
葵くんの言葉が終わる前に、私は思わず木陰から飛び出し声をあげた。辺りを気にして歩いていた分、ネクラくんは驚いたのかびくりと体を震わせ、持っていた袋を落とした。
「話を聞かせてもらうわよ!」
「……っ!」
ネクラくんは、私が近寄ろうとしたところで、背中を見せて駆け出した。逃げるつもり!?
「こ、こら! 待ちなさい!」
「あ、日向先輩!」
私は、逃げたネクラくんを夢中で追いかけた。後ろから葵くんの声がしたけど、そんなこと気にしている余裕なんてなかった。
* * *
「だから冷静に考えろって言ってるのに!」
たった今、ネクラを追いかけていった日向を見ながら、葵は言った。何度言えばわかるのか。いや……わからせようとするのが無理なのか。
──とにかく、後を追っ……。
木陰から出て走り始めたところで、ネクラが置いていった袋に気がついた。少し考えて、それを拾い上げる。
「……これは……」
中身を確認して、小さく呟いた。そして、それと同時に後ろに感じた、何かの気配。葵は振り返って、その気配の正体に向かって言った。
「……お前が、犯人だったのか」
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