22 / 59
secret club
chapter.15 The waiting room is a mysterious room
しおりを挟むsecret clubから夫を入会させことより発生した報酬の話と共に届いたメール。
そのメールの内容というのは、secret clubからのとても魅力的な提案だった。
それというのも、夫の最初の訪問のときに、
自分が女性人なった夫の相手をするという、とても興味深い提案。
もちろん迷うことなくすぐにその話に乗ったのはお伝えしたとおり。
そんなドキドキするような提案の実行日は、なんと今日の夕方。
そのメールを目にした瞬間に、迷わず仕事は午後休を取った。
なんとか午前中で仕事を終わらせて職場を後にした。
そして、ゆっくりとランチを楽しもうと近くのお店入った。
ランチプレートをゆっくり食べて待ち遠しい時間になるのを待った。
そんな贅沢な時間ををゆっくりと過ごしていると、
ランチタイムも終わりの時間になっていた。
お店もそろそろ閉店ですと声をかけられたので、会計をして店をでた。
スマートウォッチで今の時間を確認すると、これでもまだ時間が余っている。
もう少しだけ街をブラブラしようかな?と商店街のほうへと歩き出してみる。
街並みを見ながら少し進んだところで、ふとこんなことを思い立った。
万が一あのビルの入り口で夫と出くわすようなことになっては、
せっかくの計画が台無しになってしまう。
それだけは絶対に避けたい。
そこで一度secret clubのサポート窓口に電話をしている。
事情を話すと、少し早めにsecret clubに向かってよいことになった。
いつはドキドキとワクワクなビルまでの道のりなのに、
今日はなんだかとても怖い道のりに感じる。
万が一夫と出くわしてしまったらどうしよう?
そんなスリルとも言えるちょっとした恐怖を感じながら、
一歩一歩歩いていく。
なお、ここまでの道すがらで夫の姿を見ることはなかった。
少し安心したところでsecret clubビルに到着した。
いつもどおりにチェックインを済ませてみる。
しかし、モニターには予約時間前ですという表示がでたので、
画面に右下にあった問い合わせボタンを押した。
少しして画面に人のアイコンが表示されて問い合わせ内容を音声で聞かれた。
自分の名前を名乗り、先ほどサポート窓口に連絡をしていることや、
今回のメールの提案について聞きたいので早めに訪問したことを伝えた。
しばらく確認の時間があったが、そのままお入りくださいという返答がきた。
こうしてようやくゲートが開いた。
真っ暗な廊下には、いつものように進むべき道が光が照らされている。
いつもとはちょっと違う、なんとも言えない緊張感を持ちながら廊下を進む。
そしていつもと同じ個室に辿りついた。
慣れた感じで荷物を机に置いて椅子に座ると、
目の前の大型モニターにぼんやりとした人が映し出される。
先ほど概要を伝えてあっただけにすぐに今日の段取りを説明してくれた。
今回はまず、夫が初回の女性になるタイミングということで、
少し時間がかかるとのこと。その間は待機になることが説明される。
また、夫の女性になった後に、今回の企画用の用意された男性データに、
夫の心理データが取り込まれて今回飲む薬が作られるとのこと。
その薬が完成するのに5分程度かかるので、それが完成したあとで
いつものように男性になるプロセスがはじまるとのこと。
先に変身が完了してしまう夫との入場のタイミングについては、
こちらが男性になるまでの時間をうまく調整してくれるとのことだった。
そのあとは夫が女性になった姿や、座っている場所を教えてくれるとのことで、
あとは好きなように過ごしてよいとのことだった。
ここまでの説明を聞いてるだけで、なんともいえない興奮が湧き上がってくる。
そして、最後に夫の訪問予定時間がモニターに表示された。
いまからちょうど15分後。
音声案内でなにか飲み物をお持ちしますか?と聞かれたので、
オレンジジュースをお願いした。
しばらくしてオレンジジュースが部屋の小窓から提供される。
それを口にしながら夫の到着を待つのだった。
言葉にできない湧き上がる興奮を感じながら。
1
あなたにおすすめの小説
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
