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神崎未緒里

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ITADAKIアプリ

アプリ生活 1日目

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心なしか急ぎ足な自分に気がついた。
なぜだかわからないが胸が高鳴るのを感じた。

突然手に入れた不思議なアプリ。



ITADAKIアプリという奇妙なネーミングだ。

説明によれば異性の他人になることができるらしい。
本当にそんなアプリが存在するのだろうか?
正直、まるで信じていなかったそのアプリであるが、
道すがら突然起動して
見知らぬ女性の身体データを入手することに成功してしまった。
これはもしかしてもしかするかも?
と早速自宅に帰って試してみることにした。

自分でもなぜ急ぎ足だったのかわからなかったが、
少し息があがるぐらいの勢いで自宅に到着した。



玄関に入ると、ドアの鍵をかけたことをしっかりと確認した。
万が一このアプリが本物だった場合のことも考えてだ。
この時点で疑いの気持ちから、
もしかして本物では?という思いが強くなっていたのも事実だ。

帰宅してすぐに手を洗った。



急いで帰宅をして喉が乾いたので水を一杯飲んだ。



一息ついたところで部屋の椅子に腰かけて、
先ほどのアプリを起動してみることにした。

アプリの画面が立ち上がると、
どのデータを読み込みますか?と見たことのないメニューが現れた。
そこには「マイデータ」と「久美子」の2つが表示されていた。
迷わず「久美子」をタップした。

読み込み中とバーが表示され、しばらくして読み込みが完了した。



さきほどの女性の3Dモデルとでもいえばいいのだろうか?
指で大きくしたり回したりすることができる人形のような画像が表示された。
最初に自分のデータを読み込んだときと同じように
人形のような画像は各部ごとに分けられている。
髪の毛や顔、腕、胸やお尻というように。



改めて画像を見てみるとやはり胸がすごい。
形がよいうえにかなりの大きさだ。
試しに胸部分をタップしてみると、「サイズ確認」というメニューがあった。
それを押してみると「90 Hカップ」と表示された。
なんと、サイズやカップまで分析されるのか。
このアプリの凄さにごくりと唾を飲み込んだ。

一旦、サイズ表示を閉じてもう一度胸部分をタップしてみる。
さきほどの「サイズ確認」の下にもう一つある
「ロード」というボタンを押してみた。
最初に押したときにはなにも起こらなかったメニューだ。
今回は次のようなメッセージが表示された。

「このデータをロードするには身体をフォーマットする必要があります。
フォーマットしますか?」

フォーマットとは??素朴な疑問が思い浮かんだが、
強烈な興味がそれを上回った。
「はい」を迷わずタップした。

「フォーマットを開始します。スマートフォンを両手で持って目を閉じてください」

言われるままに両手でスマートフォンを持ち、目を閉じた。



そうすると次のような音声案内が聞こえた。

「では、フォーマットを開始します。終了するまで決して動いたり、
スマートフォンを離したりしないでください。」
「開始します」

その後、ピーっという音がした。

なにかスマートフォンから熱気が手に伝わってくる。
その熱気が身体中に徐々に広がっていく。
なんだかとても気持ちいいと感じた。
しばらくその状態が続き、またピーという音がした。

「フォーマット完了です。次に接続を行います。そのままでお待ちください」

ここでも言われるままにそのまま待った。
再びピーという音がした。
今度は手先がビリビリとする。
やがてこれも同じように身体中に広がっていった。
不思議と不快感はない。

少々時間がすぎてまたもピーという音がした。

「接続完了いたしました。お疲れ様です。目をあけて動いていただいて問題ありません」

そう案内が流れたので目をあけた。
スマートフォンの画面にはまたあの女性の人形のような画像が表示されている状態だった。



もう一度胸の部分をタップしてロードボタンを押した。

「胸のデータをロードしますか?」

「はい」と「いいえ」が表示されたので迷わず「はい」をタップする。

「ではデータをロードします。スマートフォンを両手で持ってください。
データのロードが終わりますと身体の変化が始まりますので、
変化が終わるまでスマートフォンを離さないようにお願いします」

そう音声案内が流れたので言われるままにスマートフォンを両手で持った。
それを認識したのかピーという音ががして、
画面にはロード中というバーが表示された。



順番データが読み込まれていく。
いまのところ身体に変化はない。
バーが最後まで色がついたところで変化が始まった。

なんとも言えない感覚が自分の胸あたりに感じる。
いうなら胸の肉が溶けるような感覚だ。
そして少しづつ熱くなる。

その状態が5分ほど続いたところで一度その感覚と熱さはひいた。

と、感じた次の瞬間、今度は胸のあたりがギュっと締め付けられるような
少し痛い感覚を感じた。
どうなっているのか?と胸あたりを見てみると、
服の胸のあたりが徐々に膨らんでいるのが見えた。



このアプリは本物だったんだ。
そう考えている間にも胸の痛みが強くなってくる。
同時にどんどんと胸が大きくなる。
骨が軋むような痛みも襲ってきた。
なんとかその痛みに耐えた。

20分ほどその状態で耐えていると、すっと痛みが引いた。
と同時に胸が大きくなる現象が止まった。
そしてまたピーという音が聞こえた。

画面には「ロード完了」と表示されている。
その文字をタップするとこう案内音声が流れた。

「始めてのデータロードいかがでしたでしょうか?
かなりの痛みも伴いますので1か所の変化は1日2度を目途に実施ください。
元に戻す際にも同じような痛みを伴いますのでご注意ください」

続いて画面に説明文が表示された。

それによると身体の変化は箇所ごとよりも全身で行うほうが痛みは一度で済むとのこと。
言われてみればたしかにそうだと納得した。
また、元に戻す際にも時間がかかるので計画的に利用することをお勧めされた。
これにも納得するしかなかった。

次にチュートリアルが表示された。
どうやら複数の身体データがあると各部を組み合わせて、
カスタマイズした全体図を作ることができるようだ。
つまり自分の理想の身体を手に入れられるということかと驚愕した。

一旦、アプリは初期画面に戻った。
先程の痛みを思い出して、
まずは胸を確認してみようとアプリを終了した。

改めて自分の胸を見てみると、いままでみたことのない膨らみがそこにあった。



当たり前だが男性用の服をきているのではちきれんばかりに膨らんで見える。

恐る恐る触ってみる。
想像を超えた柔らかさだ。
思わず自分で胸を揉んでしまう。
なんともいえない心地よさを感じる。
それを続けていると乳首あたりがムズムズしてきた。
少し触ってみると身体がビクンと反応した。
いままで感じたことのない感覚だ。
もう少し触ってみようと指先で乳首を触っているとだんだん乳首が固くなってくる。
と同時に、言葉にできない気持ちいいという感覚が襲ってくる。

それは普段、アレでフィニッシュするときのような気持ちよさだ。
気づけばアレもビンビンになっていた。

こうなるともう止まらない。
胸を揉み乳首を刺激するとどんどんと快楽が体中に襲ってくる。
もうただその快楽に身を任せるだけだった。

しばらくそうしているとついにアレが勝手に限界を迎えるのを感じる。
もうそれをどうすることもできなかった。
胸と乳首から訪れる快楽が絶頂と言わんばかりに高まったその瞬間、
アレから勝手に大量の液体が吹き出した。
ズボンの中が液体まみれになる。
しかし普段と違い、まだ身体が快楽の余韻に浸っている。

液体まみれで気持ち悪いこともあり、服をすべて脱いだ。
胸以外は以前のままなのがとても不思議な光景だが、
裸になるとより胸の卑猥さが目立つ。



さきほど出したばかりなのにすぐアレが大きくなった。
そして裸のままで胸を揉んだ。
また快楽が身体中に行き渡る。
乳首を刺激するたびに強烈な快楽が重ねるように襲ってくる。
アレが絶頂に向かっているのを感じる。
裸なのでそのまま出してはまずいと思って、
財布からゴムを取り出してつけた。
そして、つけてすぐに一度出てしまった。

こうして不思議なアプリの魅力に最初から翻弄されてしまい、
気づけば3時間ほどオナニーを続けてしまった。

このアプリは本物だ。
心から確信をした。

このままでは際限なくオナニーをしてしまいそうだったので、
一度元に戻ることにした。

先ほどと同じ手順でマイデータをダウンロードした。
大きくなる時も激痛だったが元に戻る時も同じぐらいの痛みを感じる。
やはり本当に身体の構造が変わっているんだなと痛感した。
そうして30分ほどかけて元に戻った。

次は全身すべてを変化させてみたいと自然に思い浮かんだ。
しかし、どうせならもっと身体データが欲しいことも事実であった。
明日は電車にでも乗ってみることに決めた。

こうしてアプリの凄さを痛感した1日目の体験は終わった。
間違いなく自分の生き方が変わった1日だった。

同時にもう戻れない何かの扉を開けた日であったことも、
後になって痛感した一日でもあった。
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