ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里

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非日常な話編

日常に潜む非日常なお話 第三話

ドアの先は、またも漆黒の闇だった。

しかし、ゴーグルの暗視補正のおかげか、
ぼんやりと部屋の輪郭は捉える。

そこそこの広さがある空間に、
スポットライトのような照明装置と、
椅子が2つあることは確認できた。

どうやらほかにも
なにか置かれているようだが、
細かくは確認できなかった。

「……誰かいるのか?」

周囲を見渡していると、
反対側の扉が開く気配がした。

誰かがこちらへ歩いてくる。

その人物が部屋の中央に
差し掛かった瞬間、
スポットライトが点灯し、
その体を照らし出した。

ただし、光が当たっているのは
「首から下」だけだ。

ゴーグル越しに
映し出されたその光景に、
俺は息を呑んだ。




そこには、息を飲むほど
艶めかしい裸体が浮かび上がっていた。

指定した通りの、
いや、それ以上の豊満な乳房。
くびれた腰から滑らかに
伸びる脚のライン。
そして、手入れされた秘部。
紛れもなく、全裸の女が
こちらへ近づいてくる。

ふと自分を見下ろすと、
自分の身体にも同様に
スポットライトが当たっていた。
なるほど、顔は闇に隠し、
肉体だけをさらけ出す演出か。
互いに「肉の塊」として
対峙させられる感覚に、
理性が揺らぐ。

女は俺の目の前まで来ると、
スッと肩に手を置いた。
耳元のスピーカーから、
ノイズ交じりの声が響く。

「今日は初めてだってね。どう? 気分は?」

加工された声だが、どこか甘い響きを含んでいる。

「ああ……初めてだよ。友人に誘われてね。なかなかいい雰囲気じゃないか」

「あら、初めてなのに余裕があるのね。その感じなら、すぐに始めても大丈夫かしら?」

「どういうことだ?」

「ここのルールでね、初心者には私みたいに慣れた人間がマッチングされるの。
 私がリードしてあげるってこと」

女はそう言うと、
俺の前に跪くようにしゃがみ込んだ。





視界いっぱいに、
豊かな胸の谷間が広がる。

この異常な空間と、
目の前の圧倒的な肉感。

俺の男根はすでに怒張し、
痛いほど張り詰めていた。

女の細い指が、
熱を持った俺のイチモツに触れる。

「ふふ、元気ね」

慣れた手つきで亀頭を撫で回し、
竿をしごき上げると、
俺は小さく呻き声を漏らした。

冷たい空気の中で、
女の手のひらの熱だけが
際立って感じられる。

マスクをしているため
口での奉仕はないと思っていたが、
女は俺のモノを
自身の豊かな胸で挟み込んだ。

柔らかく、温かい肉の感触が
竿を包み込む。

「くっ……」

人生で初めて味わう
パイズリの快感。

視覚的にも、
自分の男根が
白い乳房の波間に
埋もれていく様は
あまりに刺激的だった。

女は俺のことなどお構いなく、
胸を激しく上下させ、
先端を乳首で擦り上げるように
刺激してくる。

「っ……もう、限界だ……出していいか?」

たまらず肩に手をついて懇願すると、
女はスピーカー越しに妖艶に囁いた。

「ええ……そのまま出しちゃって」

女が胸の谷間を強く寄せ、
俺のモノを締め上げた瞬間、
迷うことなく絶頂が訪れた。

ドクドクと勢いよく白濁液が飛び出し、
女の胸元と腹部を汚していく。
女は嫌がる素振りも見せず、
それを手で掬い取り、
自分の肌に塗り広げるように伸ばした。

そして、俺の手を握り
、絡めるように指を這わせる。

「いい出っぷりね。……じゃあ、もうすぐしましょうか?」

「え? ああ、いいけど……ベッドはないよな?」

「そんな普通じゃつまんないでしょ? そうね……まずはバックでどう?」

女は立ち上がり、
壁に手をついて大きくお尻を突き出した。

その瞬間、ゴーグルの視界に
赤い警告表示が出る。

『注意:部屋の隅にあるコンドームを装着してください』

表示に従い、備え付けの箱から
コンドームを取り出し、
まだ熱も冷めやらぬ
モノに装着した。

突き出された女の尻は、
これ以上ないほど
魅惑的な曲線を描いていた。

後ろから腰を掴み、
ゆっくりと先端をあてがう。

ぬるりと熱い粘膜が
俺を受け入れる。

ズブ、ズブズブ……と
根本まで沈み込ませると、
女の声が脳内に直接響いてきた。

「あん……いい……あなた、いいもの持ってるじゃない」

「そうか? あまり使ってないんだがな」

「もったいない。今日は私で、もっと気持ちよくなって」

腰を引いては打ち付けるたびに、
濡れた結合部から卑猥な水音が弾ける。

それにしても、
この女の締まりは異常だ。
吸い付くような膣壁が、
俺のモノを逃さないと
言わんばかりに絡みついてくる。

「いいっ! ……もっと! もっと激しくして!!」

スピーカー越しの喘ぎ声が大きくなる。
ノイズ混じりのその声は、
まるで脳を直接レイプされているような
錯覚を覚えさせた。

このままでは秒殺されそうだ。

俺は少し間を置くために提案した。

「せっかくだから、体勢を変えないか? その胸も楽しませてくれよ」

「いいわよ……あなた、本当に初めて? とってもいいわよ」

女が体を起こすのに合わせ、
背後からその身体を抱きすくめる。

たわわな乳房を両手で鷲掴みにし、
指先で尖った乳首を摘み上げた。

「あっ、あんっ!」

女の体がビクンと跳ね、
膣内の締め付けが一層強くなる。

顔は見えない。名前も知らない。
だが、互いの快楽だけを貪り合うこの行為は、
どんなセックスよりも純粋で、
動物的だった。

女の乱れた呼吸音と、
俺の荒い息遣いが
マイクを通して混ざり合う。

「はぁ、はぁ……もう出る……いいか?」

「あん! あん! きて!! 中に出して!!!」

理性の歯車が完全に外れ、
俺は獣のように腰を打ち付けた。

「いくぞ……あぁぁぁぁッ!!!!」

「あ~~~~ん!!! いくぅ~~~ッ!」

視界が真っ白になるほどの快楽と共に、
コンドームの中へ精を解き放つ。

女も同時に達したようで、
内壁がギュウギュウと痙攣し、
俺のものを絞り上げてきた。

余韻に浸りながら荒い息を
整えていると、女が言った。

「ねぇ……ここのルールで、終わった証拠を残さなきゃいけないの。
 使用済みのアレを、部屋の隅の箱に入れてきてくれる?」

言われるがままに陰茎を抜き、
重たくなったゴムを外して指定の箱へ投入した。

『セックス完了を確認。残り時間は15分です』

無機質なAIのアナウンスが耳に響く。

「あと15分あるみたいだが、どうする?」

俺が尋ねると、
女は汗ばんだ体で寄り添ってきた。

「そうね……なんか相性良すぎたみたい。もう一回、しない?」

「奇遇だな。俺もそれを提案しようとしてた」

部屋をざっと見渡してみたところ、
部屋の隅に簡易的なマットがあるのを見つけた。

そこで今度は正常位で互いを求め合った。

改めて感じる極上のスタイルと、
蕩けるような中の感触。

終了5分前のアナウンスが流れる頃、
俺たちは二度目の絶頂を迎え、果てた。

「はぁ、はぁ……今日は楽しかったわ」

「俺もだ。あんたが誰かは知らないが、とにかく最高だった」

「ほんとね。そうそう、またここに来るときにね、
 偶然同じ時間に来てたとしたら、”前回と同じ相手を選ぶ”機能があるからさ……
 覚えておいてね」

そう言い残し、
女は扉の向こうへ消えていった。

俺も身支度を整え、
最初の部屋に戻る。

「ピーッ」という音と共に
マスクのロックが外れた。

あれこれ付いているマスクを外すと、
そこには汗で濡れた自分の顔が
部屋にあった鏡に映っていた。

ボディシートで体を拭き、服を着る。
受付に戻り、端末で支払いを済ませると、
出口への光が灯った。

店の外に出ると、
そこはこの店に入るときに見た
なんのことのない平凡な
夜の商店街だった。

冷たい夜風が火照った頬を撫でる。

ポケットの中のスマートフォンが震え、
同僚からの「先に出た。居酒屋にいる」
というメッセージが表示された。

とりあえず記載されている
居酒屋に向かうことにした。

居酒屋までは徒歩で数分のようだ。

それにしても地下での出来事が
まるで幻だったかのように、
なんてことない日常が目の前にある。

しかし、俺の股間に残る鈍い痺れと、
指先に残るあの女の肌の感触だけが、
それが現実だったことを生々しく証明していた。

こうして、俺はとんでもない非日常を知ってしまった。

これから泥沼のようにハマっていくことになるのだが……
その後日談は、またの機会に譲るとしよう。
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