いつか二度目のプロポーズを

ヒロシン

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甘々な日々、ビターもあるです!

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 今回、白姫と結婚した事により、お互いの会話に今までとは違う表現が使われたのだった。

 「姫、お早うです!♡」

僕がそう言うと

 「ヒーロ、お早うなの~!♡」

姫も当然、呼びすてで、答える。

 二人とも、会話の語尾にハートマークが、頻繁に使われ始め、仲の良い感じが見て取れる。
 
 「朝から、大好きな姫に会えて、幸せです!」

と、僕

 「私も嬉しいの~!」

と、姫
 中の良い会話は留まる事を知らず、

 「今から、仕事です!  行って来ます!」
 「チュッ!♡」

僕が、行って来ますのキスをすると

 「行ってらっしゃい! 頑張ってね!」
 「チュッ♡」

姫も、ノリノリで返すのだった。
 
 ギルドの皆も最初こそ驚いたり冷やかしたりしたのだったが、毎日見せつけられ、最早これが当たり前の光景になっていた。
 ギルドのチャットでさえこの状態である。
これが二人きりの個人チャットになると、もっと大胆になっていくのだった。

 「姫!   ギュッ!♡」
 「今日も、物凄く可愛いいです!♡」

僕が姫に抱きつき、可愛いと褒めると
 「あっ♡」
 「ヒーロ、嬉しい♡  もっとして♡」

姫も僕に甘えてくるのでした。

 この時、新婚の二人にとって、一番楽しくて毎日がワクワクした日々であったのは間違いなかった。
 僕も毎日、姫の事を思って、それこそゲームをしていない時も、一日中白姫の事を考えていました。
 
 今、何してるのかな? 元気にしてるかな?

 僕は、こんな事ばかり考え、姫と会えない時間すらも楽しく過ごせていたのだった。

 そして、今の時刻は夜、ギルドのチャットで、メンバーとの会話を楽しくした後で、姫と僕はみんなに、お休みなさいの挨拶をした後

 僕が一番楽しみにしていた、二人きりの時間が始まるのだった。

 「姫、二人きりですね♡、待ち遠しかったです!」

 「ヒーロ、私もこの時を待ってたの♡!」

二人とも、お互い待ちわびてた瞬間がきて、気持ちが昂ぶっていた。

 「もう、待ちきれません!」

 「抱きしめます!  ギュッ!」

はやる気持ちを抑えられずに、姫を抱きしめる

 「あっ♡!」

 「ヒーロ,嬉しい♡!」

白姫も気持ちは同じようで、もちろん喜ぶのでした。
 それから二人は、愛を語り、表現出来うる全ての方法で愛情を伝えたのだった。
 気持ちは通じ合い、心が満たされてゆくのが分かった。
 そして、決まって最後には、二人で一緒に眠るというふうに締めくくるのであった。

 「姫、今日も凄く楽しかったです!」

 「姫と一緒に寝れて、幸せです♡」

 「ゆっくりと、お休みなさいませ!」

と、言うと

 「私も、物凄く楽しかった!」

 「貴方と一緒にいると、とても安心なの♡」

 「ヒーロ、お休みなさい!」

と、姫が答える。

 「チュッ♡」
 「チュッ♡」

お休みなさいのキスをして、二人はゲームを終えるのでした。

 僕は、スマホを置いて、コーヒーを淹れる。
 
 ブラックでそのまま一気に飲み干すと、ひと息つく。
 「ふぅーーーっ。」

さっきまでの楽しい会話の余韻に浸りながら、それとはまた別の事を考えていた。

 「今日も聞けなかったな。」

僕は独り呟いた。

 最近、とても楽しくて毎日が充実しているのだけど、気がかりな事、もちろん姫の事なのだが、どうしても聞かなきゃいけない事を、言えずにいたのだった。
 そう、正直にいえば、聞くのがとても怖かったのである。
 楽しければ楽しいほど、また、姫の事を好きになればなるほど、聞くのをためらってしまうのだった。

 「明日こそ、聞こう!」

またしても、独り呟く。
 
 僕は、まだコーヒーの香りのする部屋で、自分自身に強く言い聞かせた。

 そして次の日の夜、

 「姫、ちょっといいかな?」

僕はこれまで聞けずにいた事を聞く為に、意を決して声をかけたのだった。

 「ヒーロ、どうしたの?」

白姫は、何事か分からなかったが、個人チャットで答えた。

 「姫、本当はもっと早く聞かなきゃならなかったんですけど。」

 「僕は姫に、聞くのが怖かったです!」

 「以前、姫が話してた事を聞かなきゃと思って!」

僕は、矢継ぎ早に話しかけた。

 「何のことなの?」

ただならぬ雰囲気に、白姫も少し緊張気味であった。

 「姫は、もうすぐ結婚するんじゃなかったでしたか?」

僕は、とうとう質問をしてしまった。

 白姫とは、今、結婚しているのだが、
 もちろん、僕が今聞いているのは、リアルでの事であった。

 「以前、姫は婚約者がいて、近々結婚すると言ってたの、僕は忘れていません。」

 「もし、リアルで結婚するのなら、たとえゲームの中であれ、姫との結婚は終わりにしなければと思っています!」

 「僕が、婚約者の立場なら、ゲームの中ででも他人と結婚してる姫を見たくないです!」

 そうなのである、姫はリアルでの結婚を控えているはずだったのでした。
 僕は以前、姫が結婚すると言っていた、その事をずっと覚えていました。
 でも、その事を聞くのが、とても怖かったのだ。
 本気で姫の事を、好きになっていたからである。
 震えながら姫に質問して、多少の後悔もあったが、避けては通れない問題を、どうしても聞かなければならなかった事を話せて、僕は姫の返事を、じっと待ったのでした。

 「その件だったのね。」

姫は、しばらくしてから、ポツリと返事をした。

 「確かに、私には婚約者がいて、結婚の話をしたわね。」

 「ヒーロには、ちゃんと話しないといけなかったのに!」

 「いろいろ悩ませて、ごめんなさい!」

姫は、悪かったと謝るのだった。

 「あの縁談の話は、破談になったの!」

 「だから、結婚はしないのよ!」

姫は、僕の欲しかった答えを聞かせてくれたのでした。

 「そうだったのでしたか!」

 「本当は、姫の結婚が駄目になった事を、それを喜ぶべきじゃないのは、よく分かっているのですが。」

 「ごめんなさい! 本当に良かったです!」

 「ずっと、この事が心に引っかかってました!」
 「聞くのが怖かったです!」

僕の正直な気持ちを、姫に伝えたのだった。

 「私も、いろいろあったの!」
 
 「ヒーロには、いつかは話さないといけないと、考えてたのに!」

 「ずっと言えなくて、本当にごめんね!」

白姫も、胸の中にずっとあったモヤモヤを、言えなかった事を、ヒーロにぶつけたのでした。

 「姫、これからもこのまま、このゲームの中で結婚しててもいいのです?」

僕は、改めて姫へ問いかけた。

 「もちろんよ!」

姫は即答した。 そして、次の白姫の言葉は思いもかけずに、僕も驚いたのだった。

 「なんなら、リアルでも結婚する?」

と、姫は言った。

 え? 姫はなんて? リアルで結婚?
僕は、もちろん物凄く嬉しい気持ちもあったのだが、驚きのほうが大きくて、すぐに答えられなかった。
 でも、その時すでに姫の事を本気で好きになっていた僕は、もちろん真剣に考え、姫に返事をしました。

 「姫、僕は姫の事を本気で好きです!」

 「もちろん、二人の将来の事を、考えたことも、もちろんありました。」

 「だから、姫が今結婚するって言ってくれたの、物凄く嬉しかったです!」

と、素直な気持ちを言って、さらに

 「でも、僕は自分自身の心が弱いのが嫌です!  今のままの自分では姫に釣り合うとは思えません!」

 「僕の心が強くなって、姫の事を守れるくらい、ずっと支えていく事が出来るくらいになれた時、もし許されるなら」

 「その時また改めて、僕は姫にプロポーズをしてもいいですか?」

 「リアルで、姫に直接プロポーズをしてもいいですか?」

僕は、精一杯考えて、姫に本気で答えたのだった。

 「ヒーロ、ちゃんと二人の将来の事を考えてくれて、嬉しい!」

 「ヒーロがプロポーズをしてくれるのを、ずっと待ってるね!」

姫は、僕がまたプロポーズをしてくれるのを待つと答えてくれたのでした。

 本当に今更だけど、僕達はまだ、お互いの姿も、顔も、声すらも、分からないのに、将来の話をしているのでした。

 他人が聞いたら、本当におかしな話だと思います。  
 ですが僕達は、僕も姫も本気で将来、結婚したいと思っていたのだった。
 僕は姫の純粋なところに、そして、いつもマイペースだけど、ちゃんと皆の事を考えて、気遣いも出来る優しいところに、その人柄に惹かれていました。
 もちろん、姫に直接逢いたい、声を聞きたいと思っていました。
 人を好きになればそう思うのが当然です。
 ですが、この時の僕達は、お互いの人柄それだけでも、将来の相手として考える事が出来たのでした。
 
 「姫、貴方の事を、本当に愛しています!」

 「ヒーロ、私も、貴方の事を愛しています!」

僕達は、お互いに愛を再確認出来て、それを言葉にするのでした。

 僕はこの時のこの事を、この日姫が言ってくれたこの言葉を、絶対に忘れないと誓ったのでした。

 
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