9 / 11
護衛候補は靴を脱ぎたい
しおりを挟む
辺りの騒めきが鎮まり、緊張感に包まれる。
どうやら用意された証人も、王家の監視員の前には出てくることができないようだ。
「あら、そちらが言う証人は居ない様ですわねー?あぁ、ご存知かと思いますけれど、本人の証言は証拠にはなり得ませんわよ」
「くっっっ!」
悔しげな声を上げたティーダは、憎々しげにエイディアーナを睨むが、本人はどこ吹く風に見返すばかりだ。
「貴様、罪を認めないどころか脅すとはっ!グレゴリ、この者を捉えて牢獄へ繋げよ!」
フランクリンの呼びかけに、後ろに控えていた側近候補の男がザッと前へと出てくると、エイディアーナを捕らえるべく、壇上から降りたところで
「うっっぐぎゃぁぁっぁあぁぁぁぁ!」
足を押さえてゴロゴロ転がってのたうちまわった。
「……?大丈夫ですの?」
エイディアーナは思わず、足元に転がるグレゴリなる男を覗き込んで心配してしまった。
「く、足が!!靴のっっいだだだだ!」
なんだかグレゴリは立ち上がれない様子。
靴といっても、護衛を兼ねて出席したグレゴリは、装飾のついた軍服を着ており、足元は編み上げのショートブーツだ。淑女が膝をついてブーツの紐を解くのは遠慮したいところである。
どうしたものかとエイディアーナは壇上の人たちを見上げる。
お互いどうしたらと微妙な雰囲気で見つめ合い、エイディアーナは先に口火を切った。
「では、皆さまどうやら大変そうですし、私は先にお暇いたしますわね。破棄の件は承りましたわ」
綺麗なカーテシーを披露したエイディアーナは、クルッと踵を返して会場を去って行った。
後に残るのは、痛みに悶絶するグレゴリと呆然と佇むフランクリン始め3人であった。
どうやら用意された証人も、王家の監視員の前には出てくることができないようだ。
「あら、そちらが言う証人は居ない様ですわねー?あぁ、ご存知かと思いますけれど、本人の証言は証拠にはなり得ませんわよ」
「くっっっ!」
悔しげな声を上げたティーダは、憎々しげにエイディアーナを睨むが、本人はどこ吹く風に見返すばかりだ。
「貴様、罪を認めないどころか脅すとはっ!グレゴリ、この者を捉えて牢獄へ繋げよ!」
フランクリンの呼びかけに、後ろに控えていた側近候補の男がザッと前へと出てくると、エイディアーナを捕らえるべく、壇上から降りたところで
「うっっぐぎゃぁぁっぁあぁぁぁぁ!」
足を押さえてゴロゴロ転がってのたうちまわった。
「……?大丈夫ですの?」
エイディアーナは思わず、足元に転がるグレゴリなる男を覗き込んで心配してしまった。
「く、足が!!靴のっっいだだだだ!」
なんだかグレゴリは立ち上がれない様子。
靴といっても、護衛を兼ねて出席したグレゴリは、装飾のついた軍服を着ており、足元は編み上げのショートブーツだ。淑女が膝をついてブーツの紐を解くのは遠慮したいところである。
どうしたものかとエイディアーナは壇上の人たちを見上げる。
お互いどうしたらと微妙な雰囲気で見つめ合い、エイディアーナは先に口火を切った。
「では、皆さまどうやら大変そうですし、私は先にお暇いたしますわね。破棄の件は承りましたわ」
綺麗なカーテシーを披露したエイディアーナは、クルッと踵を返して会場を去って行った。
後に残るのは、痛みに悶絶するグレゴリと呆然と佇むフランクリン始め3人であった。
365
あなたにおすすめの小説
【完結】婚約破棄させた本当の黒幕は?
山葵
恋愛
「お前との婚約は破棄させて貰うっ!!」
「お義姉樣、ごめんなさい。ミアがいけないの…。お義姉様の婚約者と知りながらカイン様を好きになる気持ちが抑えられなくて…ごめんなさい。」
「そう、貴方達…」
「お義姉様は、どうか泣かないで下さい。激怒しているのも分かりますが、怒鳴らないで。こんな所で泣き喚けばお姉様の立場が悪くなりますよ?」
あぁわざわざパーティー会場で婚約破棄したのは、私の立場を貶める為だったのね。
悪いと言いながら、怯えた様に私の元婚約者に縋り付き、カインが見えない様に私を蔑み嘲笑う義妹。
本当に強かな悪女だ。
けれどね、私は貴女の期待通りにならないのよ♪
【完結】欲をかいて婚約破棄した結果、自滅した愚かな婚約者様の話、聞きます?
水月 潮
恋愛
ルシア・ローレル伯爵令嬢はある日、婚約者であるイアン・バルデ伯爵令息から婚約破棄を突きつけられる。
正直に言うとローレル伯爵家にとっては特に旨みのない婚約で、ルシアは父親からも嫌になったら婚約は解消しても良いと言われていた為、それをあっさり承諾する。
その1ヶ月後。
ルシアの母の実家のシャンタル公爵家にて次期公爵家当主就任のお披露目パーティーが主催される。
ルシアは家族と共に出席したが、ルシアが夢にも思わなかったとんでもない出来事が起きる。
※設定は緩いので、物語としてお楽しみ頂けたらと思います
*HOTランキング10位(2021.5.29)
読んで下さった読者の皆様に感謝*.*
HOTランキング1位(2021.5.31)
ダンスパーティーで婚約者から断罪された挙句に婚約破棄された私に、奇跡が起きた。
ねお
恋愛
ブランス侯爵家で開催されたダンスパーティー。
そこで、クリスティーナ・ヤーロイ伯爵令嬢は、婚約者であるグスタフ・ブランス侯爵令息によって、貴族子女の出揃っている前で、身に覚えのない罪を、公開で断罪されてしまう。
「そんなこと、私はしておりません!」
そう口にしようとするも、まったく相手にされないどころか、悪の化身のごとく非難を浴びて、婚約破棄まで言い渡されてしまう。
そして、グスタフの横には小さく可憐な令嬢が歩いてきて・・・。グスタフは、その令嬢との結婚を高らかに宣言する。
そんな、クリスティーナにとって絶望しかない状況の中、一人の貴公子が、その舞台に歩み出てくるのであった。
やめてくれないか?ですって?それは私のセリフです。
あおくん
恋愛
公爵令嬢のエリザベートはとても優秀な女性だった。
そして彼女の婚約者も真面目な性格の王子だった。だけど王子の初めての恋に2人の関係は崩れ去る。
貴族意識高めの主人公による、詰問ストーリーです。
設定に関しては、ゆるゆる設定でふわっと進みます。
【完結】どうぞお気遣いなく。婚約破棄はこちらから致しますので。婚約者の従姉妹がポンコツすぎて泣けてきます
との
恋愛
「一体何があったのかしら」
あったかって? ええ、ありましたとも。
婚約者のギルバートは従姉妹のサンドラと大の仲良し。
サンドラは乙女ゲームのヒロインとして、悪役令嬢の私にせっせと罪を着せようと日夜努力を重ねてる。
(えーっ、あれが噂の階段落ち?)
(マジか・・超期待してたのに)
想像以上のポンコツぶりに、なんだか気分が盛り下がってきそうですわ。
最後のお楽しみは、卒業パーティーの断罪&婚約破棄。
思いっきりやらせて頂きます。
ーーーーーー
婚約破棄でかまいません!だから私に自由を下さい!
桗梛葉 (たなは)
恋愛
第一皇太子のセヴラン殿下の誕生パーティーの真っ最中に、突然ノエリア令嬢に対する嫌がらせの濡れ衣を着せられたシリル。
シリルの話をろくに聞かないまま、婚約者だった第二皇太子ガイラスは婚約破棄を言い渡す。
その横にはたったいまシリルを陥れようとしているノエリア令嬢が並んでいた。
そんな2人の姿が思わず溢れた涙でどんどんぼやけていく……。
ざまぁ展開のハピエンです。
その言葉、今さらですか?あなたが落ちぶれても、もう助けてあげる理由はありません
有賀冬馬
恋愛
「君は、地味すぎるんだ」――そう言って、辺境伯子息の婚約者はわたしを捨てた。
彼が選んだのは、華やかで社交界の華と謳われる侯爵令嬢。
絶望の淵にいたわたしは、道で倒れていた旅人を助ける。
彼の正体は、なんと隣国の皇帝だった。
「君の優しさに心を奪われた」優しく微笑む彼に求婚され、わたしは皇妃として新たな人生を歩み始める。
一方、元婚約者は選んだ姫に裏切られ、すべてを失う。
助けを乞う彼に、わたしは冷たく言い放つ。
「あなたを助ける義理はありません」。
公爵令嬢エイプリルは嘘がお嫌い〜断罪を告げてきた王太子様の嘘を暴いて差し上げましょう〜
星井ゆの花(星里有乃)
恋愛
「公爵令嬢エイプリル・カコクセナイト、今日をもって婚約は破棄、魔女裁判の刑に処す!」
「ふっ……わたくし、嘘は嫌いですの。虚言症の馬鹿な異母妹と、婚約者のクズに振り回される毎日で気が狂いそうだったのは事実ですが。それも今日でおしまい、エイプリル・フールの嘘は午前中まで……」
公爵令嬢エイプリル・カコセクナイトは、新年度の初日に行われたパーティーで婚約者のフェナス王太子から断罪を言い渡される。迫り来る魔女裁判に恐怖で震えているのかと思われていたエイプリルだったが、フェナス王太子こそが嘘をついているとパーティー会場で告発し始めた。
* エイプリルフールを題材にした作品です。更新期間は2023年04月01日・02日の二日間を予定しております。
* この作品は小説家になろうさんとアルファポリスさんに投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる