37 / 61
5戦目
色ボケ猫
しおりを挟む
「だからダメだって言ってるでしょー!」
「もう無理なのにゃ! 我慢できないのにゃ!」
高めの二つの音声で目が覚める。語尾が間延びする話し声はすぐにエリアスさんだと分かったが、語尾がにゃという話し方をしている人間には会った事がないので全くの他人だろうと思いつつベッドから起き上がろうとする。
「??」
しかし体が、特に下半身が全く動かせる感じがしなかったのでよくよく見ると、エリアスさんではない別の人間らしい生き物が僕の身体にのしかかっていた。
「あ! しまったにゃ! 騒ぎすぎて起きてしまったにゃ!」
その生き物は見た目小さな子供という感じだったが、顔の体毛やらピンと上向きに生えている耳やらを見る限り、猫人族だと分かった。ただその猫人族は予想通り僕の知り合いじゃなかったから、何故にのしかかられているのかは理解できなかった。
「あ、良かったセキヤ君。目が覚めたんだねー」
「何が良いのか分からないので、順を追って説明して欲しいんですが?」
「よろしいにゃ。ならば分かりやすく行動で説明するにゃ」
僕はエリアスさんに質問したはずなのに、何故か体に乗っている猫人族が僕の服を脱がそうとしてきた。
「ちょっとー!」
「さすがにやりすぎだ、バカ」
エリアスさんが止めに入るよりも先に、僕は猫人族の尻尾の付け根に火の魔法を当てて軽く炙った。
「んにゃーーーー!!」
猫人族はすぐに僕の身体から離れてそのまま部屋を飛び出しそうな勢いで転げまわった。
「にゃー……、中々やるにゃ。にゃーの弱点をすぐに見抜くとは……!」
転げまわって尻尾に火が付いてないかを念入りにチェックした後で話し始める。さっきまでの興奮気味のテンションも、弱点を刺激された痛みである程度落ち着いたようだった。
「お前には説明を求めてない。そこでじっとしてろ」
眠っている最中に体の上に乗ってくるどころか服を脱がそうとした時点でこいつはまともな奴じゃないと判断した僕は、命令口調で強いプレッシャーを与えた。さっきみたいに騒がれるのも僕は嫌いだからだ。
「ああん……。そんな冷ややかな目で睨まれるのも悪くないにゃ」
――こいつ、絶対ヤバい奴だ。
息を少し荒くして体をくねらせている猫人族は無視して、エリアスさんに事情を説明するようにお願いする。
「ええとー、話すとちょっと長くなるんだけどー……」
そう言い始めながら、これまでの経緯をゆっくり丁寧に教えてくれた。
まずこの猫人族はクヌーという名前である事とエリアスさんに憑依していた事を教えてもらった。
どうやらここに来るまでの道中で僕たち、主に僕が魔物退治している姿を目撃したらしく、その勇ましい姿に一目惚れしたのが事の発端との事。猫人族の姿では告白しても取り合ってもらえないだろうし、ぶっちゃけ一晩だけでもそういう関係になれれば良いという思いで、最初はエリアスさんの身体を乗っ取ってチョメチョメしようとしたらしい。
「ああ、だから今日はずっと部屋にいたんですか?」
この猫人族のクヌーに憑依されていたせいで体が本調子じゃなかったのかと推測した。
「うん、そうなのー。それでおかしいなーって自分の身体を色々調べてみたら、この子に悪戯されてるって気づけたのー」
クヌーは他人に憑依できる魔法を使えて、それで人間世界の暮らしを盗み見ていた内に、人間と色々付き合ってみたい思いがだんだんと強くなり、終いにはそういう関係性を作りたいとまで思うようになっていたと続ける。
「それで好みの見た目をした男の人を探していたら、セキヤ君を見付けたってわけらしいのー」
そこからはエリアスさんに憑依し機会を伺っていたのだが、エリアスさんに存在がバレてやむなく勢いで僕に迫ったという流れになっていたのだ。
「やはり急な睡眠術では大した効果が無かったにゃ。……もう少し準備時間があれば……にゃ」
エリアスさんの説明を聞いていたら部屋の隅にいたクヌーが何やら不敵な笑みを浮かべていた。どうやらまだ僕の身体を狙っているようだった。
「それで私としては恋する女の子の味方になりたいからー、セキヤ君にできれば彼女の想いを受け止めて欲しいんだけど―」
説明を全て聞いてここまでの流れを全て理解していたけど、続くエリアスさんの発言は全く理解できなかった。
「今なんて言いました?」
「だからー、クヌーちゃんとセキヤ君がチョメチョメすれば全部丸く収まるんだけどー、どうかなーって話だよー」
「収まるわけないじゃないですか!?」
――いきなり何言いだしてんだこの人!
「言っときますけど、そういう事はまだ僕には早いし興味もないので、エリアスさんがこの色ボケ猫の手助けをするって言うなら、別の相手を探すっていう方法で協力してください!」
「でもでもー、クヌーちゃんも数ヶ月探してようやくこの人ならって思える人に出会ったって言ってたからー、多分見付けるの難しいと思うんだよー」
「何ヶ月でも何年でも勝手に探してろって話ですよ! エリアスさんも体乗っ取られてたんですよね!? 迷惑かけられた相手に何でそんなに優しくするんですか!?」
「恋する女の子の味方でいたいからだよー」
「理由になってないですし、それだったらさっき言ったように別の方法でって言ってるんです!」
「でもでもー……」
エリアスさんと完全に平行線の言い合いになってしまって、どうにも収拾がつかない状態になってしまった。
――何でこの人、この猫人族に肩入れするんだ?
何となく並々ならない、むしろ個人的な理由が多分に含まれているような気すら感じられるエリアスさんの普段では考えられない気迫に、このままでは押し切られそうで一瞬背筋がゾクッとした。
――誰が会って間もない奴とチョメチョメするか!
気を引き締め直して、自分は間違ってない事を再確認して、別の答えがそこにある事に気付く。
――いや、これって単に問題を先送りにしてるだけな気が……。
それでもこの状況は一旦収まるし、何より自分にとってもメリットがあるこの提案を飲んでもらった方が好都合だと思い、その考えを二人に話す。
「エリアスさん、それからそこの猫人族も」
「クヌーって呼んでもらえると嬉しいにゃ」
「呼ぶかどうかはこれから決める。とりあえず、一旦保留って提案を飲んでくれます?」
「どういう事ー?」
「僕としてはそういう関係になりたくないっていうのは、まず相手の事を全く知らないのが一番の問題なわけなんですよ。見ず知らずの相手とチョメチョメしたいって思うほど盛ってないので、できればちゃんとしたお付き合いを積んだ上でお願いしたいです」
「つまりー?」
「これから僕と行動を共にして、僕の研究なり剣闘大会の手伝いをしてもらえれば、僕としてもそういう事をしても良いと言うわけです」
――実際にはそんな気は一切ないが。
「まあ要は条件付きで良いなら後々したいようにしていいって事です。それまで我慢できるかどうか次第ですね」
問題はすでに我慢しきれずに僕を襲おうとしたクヌーの方だが、そっちの方を見てみると、思いの外キラキラとした目でこちらを見ていた。
「そんにゃ条件で良いのかにゃ!? それならむしろこっちからお願いしたいくらいにゃ!」
――あれ、割とあっさり受け入れたな?
「まさか人間と懇ろになるだけじゃなく、恋人チックな事もできるとは思ってもみなかったにゃ! 私デートは漁港が良いにゃ!」
「良かったねー、クヌーちゃん。セキヤ君も中々やるねー」
「……あれ?」
自分の考えた提案が通って喜ばしいはずが、何故かやらかした雰囲気が漂って、また背筋がゾクッとした。
――別に間違った提案はしてないよな……?
「もう無理なのにゃ! 我慢できないのにゃ!」
高めの二つの音声で目が覚める。語尾が間延びする話し声はすぐにエリアスさんだと分かったが、語尾がにゃという話し方をしている人間には会った事がないので全くの他人だろうと思いつつベッドから起き上がろうとする。
「??」
しかし体が、特に下半身が全く動かせる感じがしなかったのでよくよく見ると、エリアスさんではない別の人間らしい生き物が僕の身体にのしかかっていた。
「あ! しまったにゃ! 騒ぎすぎて起きてしまったにゃ!」
その生き物は見た目小さな子供という感じだったが、顔の体毛やらピンと上向きに生えている耳やらを見る限り、猫人族だと分かった。ただその猫人族は予想通り僕の知り合いじゃなかったから、何故にのしかかられているのかは理解できなかった。
「あ、良かったセキヤ君。目が覚めたんだねー」
「何が良いのか分からないので、順を追って説明して欲しいんですが?」
「よろしいにゃ。ならば分かりやすく行動で説明するにゃ」
僕はエリアスさんに質問したはずなのに、何故か体に乗っている猫人族が僕の服を脱がそうとしてきた。
「ちょっとー!」
「さすがにやりすぎだ、バカ」
エリアスさんが止めに入るよりも先に、僕は猫人族の尻尾の付け根に火の魔法を当てて軽く炙った。
「んにゃーーーー!!」
猫人族はすぐに僕の身体から離れてそのまま部屋を飛び出しそうな勢いで転げまわった。
「にゃー……、中々やるにゃ。にゃーの弱点をすぐに見抜くとは……!」
転げまわって尻尾に火が付いてないかを念入りにチェックした後で話し始める。さっきまでの興奮気味のテンションも、弱点を刺激された痛みである程度落ち着いたようだった。
「お前には説明を求めてない。そこでじっとしてろ」
眠っている最中に体の上に乗ってくるどころか服を脱がそうとした時点でこいつはまともな奴じゃないと判断した僕は、命令口調で強いプレッシャーを与えた。さっきみたいに騒がれるのも僕は嫌いだからだ。
「ああん……。そんな冷ややかな目で睨まれるのも悪くないにゃ」
――こいつ、絶対ヤバい奴だ。
息を少し荒くして体をくねらせている猫人族は無視して、エリアスさんに事情を説明するようにお願いする。
「ええとー、話すとちょっと長くなるんだけどー……」
そう言い始めながら、これまでの経緯をゆっくり丁寧に教えてくれた。
まずこの猫人族はクヌーという名前である事とエリアスさんに憑依していた事を教えてもらった。
どうやらここに来るまでの道中で僕たち、主に僕が魔物退治している姿を目撃したらしく、その勇ましい姿に一目惚れしたのが事の発端との事。猫人族の姿では告白しても取り合ってもらえないだろうし、ぶっちゃけ一晩だけでもそういう関係になれれば良いという思いで、最初はエリアスさんの身体を乗っ取ってチョメチョメしようとしたらしい。
「ああ、だから今日はずっと部屋にいたんですか?」
この猫人族のクヌーに憑依されていたせいで体が本調子じゃなかったのかと推測した。
「うん、そうなのー。それでおかしいなーって自分の身体を色々調べてみたら、この子に悪戯されてるって気づけたのー」
クヌーは他人に憑依できる魔法を使えて、それで人間世界の暮らしを盗み見ていた内に、人間と色々付き合ってみたい思いがだんだんと強くなり、終いにはそういう関係性を作りたいとまで思うようになっていたと続ける。
「それで好みの見た目をした男の人を探していたら、セキヤ君を見付けたってわけらしいのー」
そこからはエリアスさんに憑依し機会を伺っていたのだが、エリアスさんに存在がバレてやむなく勢いで僕に迫ったという流れになっていたのだ。
「やはり急な睡眠術では大した効果が無かったにゃ。……もう少し準備時間があれば……にゃ」
エリアスさんの説明を聞いていたら部屋の隅にいたクヌーが何やら不敵な笑みを浮かべていた。どうやらまだ僕の身体を狙っているようだった。
「それで私としては恋する女の子の味方になりたいからー、セキヤ君にできれば彼女の想いを受け止めて欲しいんだけど―」
説明を全て聞いてここまでの流れを全て理解していたけど、続くエリアスさんの発言は全く理解できなかった。
「今なんて言いました?」
「だからー、クヌーちゃんとセキヤ君がチョメチョメすれば全部丸く収まるんだけどー、どうかなーって話だよー」
「収まるわけないじゃないですか!?」
――いきなり何言いだしてんだこの人!
「言っときますけど、そういう事はまだ僕には早いし興味もないので、エリアスさんがこの色ボケ猫の手助けをするって言うなら、別の相手を探すっていう方法で協力してください!」
「でもでもー、クヌーちゃんも数ヶ月探してようやくこの人ならって思える人に出会ったって言ってたからー、多分見付けるの難しいと思うんだよー」
「何ヶ月でも何年でも勝手に探してろって話ですよ! エリアスさんも体乗っ取られてたんですよね!? 迷惑かけられた相手に何でそんなに優しくするんですか!?」
「恋する女の子の味方でいたいからだよー」
「理由になってないですし、それだったらさっき言ったように別の方法でって言ってるんです!」
「でもでもー……」
エリアスさんと完全に平行線の言い合いになってしまって、どうにも収拾がつかない状態になってしまった。
――何でこの人、この猫人族に肩入れするんだ?
何となく並々ならない、むしろ個人的な理由が多分に含まれているような気すら感じられるエリアスさんの普段では考えられない気迫に、このままでは押し切られそうで一瞬背筋がゾクッとした。
――誰が会って間もない奴とチョメチョメするか!
気を引き締め直して、自分は間違ってない事を再確認して、別の答えがそこにある事に気付く。
――いや、これって単に問題を先送りにしてるだけな気が……。
それでもこの状況は一旦収まるし、何より自分にとってもメリットがあるこの提案を飲んでもらった方が好都合だと思い、その考えを二人に話す。
「エリアスさん、それからそこの猫人族も」
「クヌーって呼んでもらえると嬉しいにゃ」
「呼ぶかどうかはこれから決める。とりあえず、一旦保留って提案を飲んでくれます?」
「どういう事ー?」
「僕としてはそういう関係になりたくないっていうのは、まず相手の事を全く知らないのが一番の問題なわけなんですよ。見ず知らずの相手とチョメチョメしたいって思うほど盛ってないので、できればちゃんとしたお付き合いを積んだ上でお願いしたいです」
「つまりー?」
「これから僕と行動を共にして、僕の研究なり剣闘大会の手伝いをしてもらえれば、僕としてもそういう事をしても良いと言うわけです」
――実際にはそんな気は一切ないが。
「まあ要は条件付きで良いなら後々したいようにしていいって事です。それまで我慢できるかどうか次第ですね」
問題はすでに我慢しきれずに僕を襲おうとしたクヌーの方だが、そっちの方を見てみると、思いの外キラキラとした目でこちらを見ていた。
「そんにゃ条件で良いのかにゃ!? それならむしろこっちからお願いしたいくらいにゃ!」
――あれ、割とあっさり受け入れたな?
「まさか人間と懇ろになるだけじゃなく、恋人チックな事もできるとは思ってもみなかったにゃ! 私デートは漁港が良いにゃ!」
「良かったねー、クヌーちゃん。セキヤ君も中々やるねー」
「……あれ?」
自分の考えた提案が通って喜ばしいはずが、何故かやらかした雰囲気が漂って、また背筋がゾクッとした。
――別に間違った提案はしてないよな……?
0
あなたにおすすめの小説
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
『追放された底辺付与術師、実は【全自動化】のチートスキル持ちでした〜ブラックギルドを追い出されたので、辺境で商会を立ち上げたら勝手に世界規
NagiKurou
ファンタジー
「お前のような、一日中デスクに座って何もしない無能はクビだ!」
国内最大のギルド『栄光の剣』で、底辺の付与術師として働いていたアルスは、ある日突然、強欲なギルドマスターから追放を言い渡される。
しかし、彼らは知らなかった。ギルドの武器の自動修復、物流の最適化、資金管理に至るまで、すべてアルスの固有スキル【全自動化(ワークフロー構築)】によって完璧にシステム化され、回っていたことを。
「俺がいなくなったら、あの自動化システム、全部止まるけど……まあいいか」
管理権限を解除し、辺境へと旅立ったアルス。彼は自身のスキルを使って、圧倒的な耐久力を誇る銀色の四輪型重装ゴーレムを作り出し、気ままな行商を始める。
一度構築すれば無限に富を生み出す「全自動」のチートスキルで、アルスの商会は瞬く間に世界規模へとスケールしていく!
一方、すべてを失ったギルドは、生産ラインが崩壊し、絶望のどん底へと突き落とされていくのだった……。
回帰した貴公子はやり直し人生で勇者に覚醒する
真義あさひ
ファンタジー
名門貴族家に生まれながらも、妾の子として虐げられ、優秀な兄の下僕扱いだった貴公子ケイは正妻の陰謀によりすべてを奪われ追放されて、貴族からスラム街の最下層まで落ちぶれてしまう。
絶望と貧しさの中で母と共に海に捨てられた彼は、死の寸前、海の底で出会った謎のサラマンダーの魔法により過去へと回帰する。
回帰の目的は二つ。
一つ、母を二度と惨めに死なせない。
二つ、海の底で発現させた勇者の力を覚醒させ、サラマンダーの望む海底神殿の浄化を行うこと。
回帰魔法を使って時を巻き戻したサラマンダー・ピアディを相棒として、今度こそ、不幸の連鎖を断ち切るために──
そして母を救い、今度こそ自分自身の人生を生きるために、ケイは人生をやり直す。
華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
はぎわら歓
恋愛
国家占い師である胡晶鈴は、この中華・曹王朝の王となる曹隆明と結ばれる。子を宿した晶鈴は占術の能力を失い都を去ることになった。
国境付近の町で異民族の若い陶工夫婦と知り合う。同じく母になる朱京湖とは、気が合い親友となった。
友人になった夫婦と穏やかな生活を送るはずだったが、事情のある朱京湖と間違えられ、晶鈴は異国へと連れ去られてしまった。京湖と家族の身を案じ、晶鈴はそのまま身代わりとなる。
朱彰浩と京湖は、晶鈴の友人である、陸慶明に助けを求めるべく都へ行く。晶鈴の行方はずっと掴めないままではあるが、朱家は穏やかな生活を営むことができた。
12年たち、晶鈴の娘、星羅は才覚を現し始める。それと同時に、双子のように育った兄・朱京樹、胡晶鈴との恋に破れた医局長・陸慶明とその息子・陸明樹、そして実の娘と知らない王・曹隆明が星羅に魅了されていく。
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
処刑された王女、時間を巻き戻して復讐を誓う
yukataka
ファンタジー
断頭台で首を刎ねられた王女セリーヌは、女神の加護により処刑の一年前へと時間を巻き戻された。信じていた者たちに裏切られ、民衆に石を投げられた記憶を胸に、彼女は証拠を集め、法を武器に、陰謀の網を逆手に取る。復讐か、赦しか——その選択が、リオネール王国の未来を決める。
これは、王弟の陰謀で処刑された王女が、一年前へと時間を巻き戻され、証拠と同盟と知略で玉座と尊厳を奪還する復讐と再生の物語です。彼女は二度と誰も失わないために、正義を手続きとして示し、赦すか裁くかの決断を自らの手で下します。舞台は剣と魔法の王国リオネール。法と証拠、裁判と契約が逆転の核となり、感情と理性の葛藤を経て、王女は新たな国の夜明けへと歩を進めます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる