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翌日2
しおりを挟む「あっつ……」
腕の中で身じろぎした和さんは一瞬固まった後、俺の体を押し退けて体を起こした。狸寝入りしている俺を見下ろしている気配を感じる。
「あー……」
いろいろ思い出したのか、和さんは掠れた声を漏らすと項垂れた。
暑かったのだろうが、思いっきり体を押しやられて、ため息を吐かれたら傷つくんだが。
和さんは俺の体を跨いでベッドから降りた。まさかこのまま帰ってしまうのかとヒヤヒヤしたが、シャワーの音が聞こえてきたのでホッとした。
寝たふりを続けているとマジで帰ってしまいかねないので、俺も起きて脱衣所に着替えを置いておいた。
「悪い、起こした?」
パンツ一枚でシャワーから出てきた和さんは、ベッドに横たわる俺のそばに腰を下ろした。
「ごめん、勝手にシャワー借りた。あとタオルも」
「いいですけど、着替え置いといたのに何でパンイチで出てくるんですか」
「え、マジ?」
もう一度脱衣所に戻ろうとする和さんの腕を掴んだ。
「着替えなくていいですよ。なんならパンツも脱いでください」
そのまま体を引き寄せると、和さんは大した抵抗もなくベッドに仰向けになった。
「初めて来た男の部屋で爆睡するの、無防備すぎじゃないですか」
覆い被さる俺の顔を見上げた和さんは、キョトンとした表情を崩してニヤニヤ笑った。
「彼氏の部屋じゃん」
「…………」
俺は無表情で和さんを見下ろしていたが、心臓が爆発しそうだった。適当にこういうこと言うの、本気でやめて欲しい。
顔を寄せて唇を重ねると、和さんは素直に舌を差し出した。お互いの唇を舐め合うような、じれったいキスをしながら、しっとりと水気を含んだ肌を撫でる。
「あのさ」
俺の手がパンツの中に入ったところで、和さんが唇を離した。
「もう、今日ヤルの無理だから。ケツにまだお前のが入ってるみたいなんだよ」
「へえ」
もう一度パンツの中に手を入れようとすると、パシッと叩はたかれた。
「まじでケツ壊れるって」
和さんは、半勃ちになった俺の股間へ視線を向けると、体を起こした。
「口でするから我慢して」
和さんは四つん這いになると、ベッドの上で胡座をかいた俺の股間に顔を埋めた。
腰をしならせて尻を上げたポーズは、自分がどう見られているかわかっているヤツだ。あざといと思いつつ、下半身はしっかり反応した。
一気に硬さを増したちんこに気をよくしたのか、和さんは上目遣いに俺を見上げると、無言でニヤニヤ笑った。得意げな顔がめちゃくちゃかわいい。
昨日の夜は興奮し過ぎて口でしてもらう余裕もなかったが(無理にさせて機嫌を悪くされても嫌だし)、和さんのフェラは、ちんこ好きなんだなってしゃぶり方だった。
味わうようにねっとりと舌で舐めて、先端に吸い付く。頼んでないのに自主的に喉奥を突いて、ピクピクと背中を震わせた。
フェラ自体は緩慢な動きだったが、それすら長く楽しむために、わざといかせないようにしているみたいだった。
「そんなんじゃいけませんよ」
上顎をカリで擦ると、和さんは潤んだ目で見上げてきた。いや、本当はその顔だけで全然イケる。
「挿れないから、ここ貸してください」
和さんをベッドにうつ伏せにすると、閉じた太腿の間に濡れたちんこを挟んだ。和さんはすぐに意図を理解して、隙間をなくすように脚を寄せる。
俺はシーツと和さんの間に手を差し入れて、和さんのちんこを握った。緩く反応はしているけど、完全には勃ち上がっていない。
和さんのちんこを扱きつつ、腰を前後に揺らす。その気にさせて、あわよくば『やっぱり挿れて』って言ってくれるのを待ってみたけど、和さんは時折声を漏らすだけでおねだりはしてくれなかった。
諦めた俺はさっさと出してしまおうと、太腿じゃなくてもう少し上、尻の間で腰を振った。包み込まれる感覚は全然違うけど、ビジュアル的にはヤってるのと変わらない。和さんのケツの穴がひくひくしている感触が伝わってきて興奮した。
「裕貴……」
和さんはもじもじと俺の方を振り返って名前を呼んだ。
「……やっぱり挿れて」
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