乙女ゲーム?それは過去の話です

灯月

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ねぼすけ

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さて、次はスターピー
日本語だとねぼすけの所へ行こうかしら

スターピーは青の守り人で鉱山から取れる宝石はサファイアよ
うちで取れてるルビーって確かサファイアなのよね
サファイアの中で赤色のものをルビーって呼ぶんだったかしら、前の時に簡単に調べただけだから実際はどうだったか忘れたわ
この世界では、別物って呼ばれてることが多いわね
サファイアは水精霊の力を借りれて、ルビーは火精霊の力を借りれる
私は属性は違うけど、この二つを使うとき 魔力の使い方や精霊との関わりかたが似てるから同じものなのかもって思ってるわ
…嫌がる人の方が多いのだけどね 火と水は分かちあえないらしい

「…やっぱし、少し涼しいわね」

赤の門は季節でいうと夏のようで、砂漠などが少し離れたところにあるわ
幼い頃からそれが普通だったから暑さにはなれてるのよ
あ、私の肌色は小麦よ 赤茶の髪に良く似合ってるから気に入ってるわ 別に前は白かったとかいう訳じゃないから、普通?くらいよりも黄色かったんだから 馬鹿にされたこともあったわね

ここの青の門は季節でいうと冬とまでは行かないけど、涼しいのよね
一年中溶けない雪山が鉱山の方にあって、私は鉱山の方にはいかないわ だって、寒いんだもん
だから、今回も門の方へ向かうためトロッコのレールを変えた

キィーっとうるさい音を出しながら別のレールへと移る
藍の鉱山からは青の鉱山に行った方が早いのよね
ま、絶対にこの服装じゃいかないわよ

「ついたわね」

門についてトロッコからおりた
相変わらず静かなところだなーっと思いながら近くにいた青の兵士さんに声をかける
少し待つようにと言いながら、いつもの屋敷の部屋に案内された

「物静かすぎて嫌なのよねぇ」

静かなのは悪くないと思うし、寝ることは好きよ? でもここまで静かなのは嫌なのよね
屋敷の中も行き交う人がいて、挨拶すれば笑顔で返してくださる 少しくらい騒がしい方がいいのよ 私にはね

「やぁ、ルベライト いらっしゃい」

変わらない眠そうな声がしてそちらを向く

「スターピーさん、久しぶりです」

綺麗な青いふわっとした短めの髪に細い水色の目
目を開いてることも珍しいので水色って知っている人レアなのよね

あ、久しぶりってのはスターピーは大体寝ているためこうやって起きている事があまりないため 喋ったのが久しぶりだからよ

「ん、席に座って?」

そう言われたが、直ぐに貰うものもらったら次にいくつもりなのでお断りした

「えー、残念だなぁ」

残念そうに聞こえないんですけど…
相変わらずの美人さんなので色々と得しているのだろう 優しい喋り方でのほほんとしているとことかが女の子に人気らしい
私は父さん一筋なので わからないわ

「書類ですわ」
「ありがとー」
「…書類くださいます?」

私はとっとと行きたいのですわ
ここだけじゃなくって他でも時間とられるんですもの

「えー 渡すと帰っちゃうでしょ?」
「ええ。 早く次にいきたいのですわ」
「…やだ」

むすっとした顔されてもかわいくないですわよ
良い大人なんですからやめていただきたいですわ
顔とかはいいんですから

「ずっと、一緒にいたい」
「嫌ですわ。 ここは寒いんですもの」
「僕が温めてあげるから」

前世の私だったらきゅんとかしてちょっとながされてもいいかもとかかもですが
今の私にはそんなものは無いですわ
かっこいいし美人さんなのは認めますが、私の父の友人とそういうのになるのは勘弁です
…前世のお陰でたまにときめいたりしますが

「結構です 私が今欲しいものは書類ですわ」

そういうとスターピーはあきらめたらしく、書類をくれた
はじめからくれればいいのに

「あんまし、意地悪すると来てくれなくなるかもだから… またきてね」

ちゃんと下がるところは下がってくださるところはスターピーの良いところですわ
多分、めんどくさいだけだと思うけど

「えぇ、また来ますわ」

父さんが少しでも楽になるように

「…僕がそっちに行ければ良いんだけど、僕の居場所はここだから」

その独り言聞こえてますわよ
まぁ、聞こえなかったことにして部屋を出ていった

スターピーのそういうちゃんと割りきってるところは尊敬しますし、好きですわ
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