乙女ゲーム?それは過去の話です

灯月

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ものしり

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ドックは藍色の門の守り人で鉱山から取れる宝石はラピスラズリ
知らないことはないというくらいのものしりで先生とも呼ばれているわ
彼処の人達って頭がいい人ばっかりで苦手なのよね 正論で全て論破してくるから

ゲームでは7人の中で最年長だったんだけど、今は父さんの方が年上
人の2、3倍生きる守り人達は己の力で進む時間などを変えることができる
父さんは私の事もあり 出来るだけ人と同じように歳をとるために余分に力を使っている
すっごく申し訳ないのだが嬉しい
まぁ、私が2つ歳をとると父さんは1つ分しか歳をとらないのよね
あ、人間の見た目年齢の話よ? 実際は百年くらい生きてるみたい

あぁ、失礼したわ
また話がそれたわね つい父さんの話となると熱くなってしまってね

前の先生は
「貴女は本当に楽しい人です。 私の知らない事ばかり知っている」
「年齢など気にしなくていい、私が何とかします」
とかいって主人公ちゃんのスノーをべた褒めしまくってたのよね
私が生まれてからそんな姿見たことないけど

乗っていたトロッコが藍の鉱山についた
相変わらず油が足りなそうな音をして止まる

「…んー、今度油ささないといけないわね」
「やはりルベライトがきましたか」

来ることがわかっていたかのようについたその場にドックが立っていた

「お出迎えありがとうございます? ドックさん」
「いえ、暇していたところなので」

父さんにも暇して欲しいわ と思いながら一礼をした
ドックも変わらずの綺麗な礼だ

髪は低い位置で一つにまとめてある蒼く黒め
ラピスラズリのような藍の目をしているが眼鏡によってその目は黒に見える
人の歳だと36歳なのだが20代後半に見えるくらいシワがない
私からしたら残念ポイントの一つだ

「グランピーは相変わらずですか?」
「はい、変わらず仕事ばかりやってて休んでいるところを見ません ドックさんからも言ってください」
「ルベライトも相変わらずですね」

当たり前だ
父さんは大事なんだぞ!
とっとと仕事覚えて父さんには休みをあげたいのよ!

「これ、赤の鉱山で取れた量や今後どのようにやるか書かれている書類ですわ」
「ありがとう 変わらず読みやすく、わかりやすい 他の所でもそうやって欲しいものです」

ドックから藍の門の書類を見る 相変わらず綺麗な達筆の字だなとみる
この世界と前世の世界とでは言葉が違う、前世の言葉も世界からすると難しいと言われていたが
こちらの方が難しいのよね 標準語だけでなく魔法語、精霊語もあるし 発音が難しい
幼い頃は父さん達の話している言葉わからなくって頑張って覚えようとしたんだから
チートとか無いわよ

「では、書類も頂いたので失礼しますわ」
「もう行かれるんですか?」
「ええ、仕事できたんですもの」

早く終わらせて帰りたいのよ こっちは

「そうですか… 良いお茶入ったのですが」
「また今度頂くか、送ってくだされば」
「お菓子や本なども用意したのですが」
「…結構ですわ お休みはゆっくりとしてください」

私は丁重にお断りして次へと向かった

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