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1 来たれ、名探偵部!
来たれ、名探偵部! 2
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「うんしょ」
わたしは立ち上がって、クローゼットを開けた。
真新しい中学の制服がかかったハンガーを取り出す。
「今日から、中学生かあ」
なんだか、大人になった気がするな。
わたしは制服を身につけて、姿見の前に立った。
「うん、わたしもなかなか、似合ってる」
隼人と同じ学校だから、同じようにグレーのブレザーに、ネイビーのタータンチェックのリボンと膝上のプリーツスカート。
成長することを見越して、ブレザーはちょっと大きめなんだけど、身長は百五十五センチあるから、もうあまり伸びない気もする。ちなみに、六年生の時はクラスで真ん中くらいの身長だったよ。
肩まである黒髪は、寝起きでもさらっと真っすぐで光沢があるけど、一応ブラシでとかしておく。
朝は頭が回らないとわかっているので、カバンの準備は昨日のうちにすませておいた。
そのカバンをつかんで一階におりると、パンとコーヒーのいい匂いがしてきた。顔を洗って歯を磨いてから、ダイニングに向かった。
「おはよう、隼人」
「おはよう」
隼人はブレザーをぬいで、代わりに青いエプロンをつけていた。
隼人はパンを焼いて、スクランブルエッグを作ってくれている。テーブルにのっているポテトサラダはタッパーに入っているから、隼人のお母さんが作ってくれたのを、持ってきたんだろうね。
あと、湯気の立ったミルクいっぱいのコーヒーもいれてくれてある。
「いただきます」
わたしは手を合わせた。
朝はだいたい、こうやって二人で一緒に食べてるんだ。
「ねえ隼人、部活は何部に入るの?」
「決めてない。マユカは?」
「よくぞ聞いてくれました!」
わたしはコーヒーカップをタンッとテーブルに置いた。
「名探偵部に入りたい!」
「……推理小説好きが集まる部活?」
「小説じゃないよ。実際に謎を解いて、凶悪犯を捕まえる部!」
「そんな部あるわけないし、学校に凶悪犯がいたら怖いだろ」
「じゃあ、失せもの探しでもいい。シャーペンとか」
「急にレベルが下がったな」
隼人はあきれた表情をしながらパンをかじった。
「名探偵部、ないかな?」
「ないよ」
「私立なのに?」
「私立は万能じゃない」
「私立ならあると思って、がんばって勉強したのに!」
「努力のベクトルがおかしい」
「本当にないかなあ」
珍しい部活がたくさんあるってうわさを聞いたから、選んだ中学なのに。
わたしは納得できないまま、二人で電車に乗って学校に向かった。
わたしたちが入学する中学校は、小学校から大学まで揃っている付属進学校で、敷地がすごく広いんだ。生徒の人数も多いから、マンモス校って呼ばれてるよ。
学校の玄関に、クラス分けの紙が貼られていた。
クラスが七つもあるなか、わたしと隼人は同じクラスになった。
「やったね隼人!」
クラスになじみの友達がいるって、心強い!
「うん」
隼人もちょっとうれしそうな顔をしている。
わたしは立ち上がって、クローゼットを開けた。
真新しい中学の制服がかかったハンガーを取り出す。
「今日から、中学生かあ」
なんだか、大人になった気がするな。
わたしは制服を身につけて、姿見の前に立った。
「うん、わたしもなかなか、似合ってる」
隼人と同じ学校だから、同じようにグレーのブレザーに、ネイビーのタータンチェックのリボンと膝上のプリーツスカート。
成長することを見越して、ブレザーはちょっと大きめなんだけど、身長は百五十五センチあるから、もうあまり伸びない気もする。ちなみに、六年生の時はクラスで真ん中くらいの身長だったよ。
肩まである黒髪は、寝起きでもさらっと真っすぐで光沢があるけど、一応ブラシでとかしておく。
朝は頭が回らないとわかっているので、カバンの準備は昨日のうちにすませておいた。
そのカバンをつかんで一階におりると、パンとコーヒーのいい匂いがしてきた。顔を洗って歯を磨いてから、ダイニングに向かった。
「おはよう、隼人」
「おはよう」
隼人はブレザーをぬいで、代わりに青いエプロンをつけていた。
隼人はパンを焼いて、スクランブルエッグを作ってくれている。テーブルにのっているポテトサラダはタッパーに入っているから、隼人のお母さんが作ってくれたのを、持ってきたんだろうね。
あと、湯気の立ったミルクいっぱいのコーヒーもいれてくれてある。
「いただきます」
わたしは手を合わせた。
朝はだいたい、こうやって二人で一緒に食べてるんだ。
「ねえ隼人、部活は何部に入るの?」
「決めてない。マユカは?」
「よくぞ聞いてくれました!」
わたしはコーヒーカップをタンッとテーブルに置いた。
「名探偵部に入りたい!」
「……推理小説好きが集まる部活?」
「小説じゃないよ。実際に謎を解いて、凶悪犯を捕まえる部!」
「そんな部あるわけないし、学校に凶悪犯がいたら怖いだろ」
「じゃあ、失せもの探しでもいい。シャーペンとか」
「急にレベルが下がったな」
隼人はあきれた表情をしながらパンをかじった。
「名探偵部、ないかな?」
「ないよ」
「私立なのに?」
「私立は万能じゃない」
「私立ならあると思って、がんばって勉強したのに!」
「努力のベクトルがおかしい」
「本当にないかなあ」
珍しい部活がたくさんあるってうわさを聞いたから、選んだ中学なのに。
わたしは納得できないまま、二人で電車に乗って学校に向かった。
わたしたちが入学する中学校は、小学校から大学まで揃っている付属進学校で、敷地がすごく広いんだ。生徒の人数も多いから、マンモス校って呼ばれてるよ。
学校の玄関に、クラス分けの紙が貼られていた。
クラスが七つもあるなか、わたしと隼人は同じクラスになった。
「やったね隼人!」
クラスになじみの友達がいるって、心強い!
「うん」
隼人もちょっとうれしそうな顔をしている。
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