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5 ニセモノの写真を見抜け!
ニセモノの写真を見抜け! 2
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「ここはとなりの県にある美術館だ」
と、生徒会長が答えてくれた。
ここって、けっこう遠かったような……。
「学校から美術館まで、片道二時間半かかる」
「それで、写した時間は……あっ!」
リーゼント先輩の後ろには、時計台があって、その時計の針は三時をさしていた。
「アチャー、だめですよ生徒会長。写真を撮ってからすぐに学校に向かっても、五時三十分になっちゃいます!」
「どちらの写真も捏造の可能性があるなら、同じように検証したほうがいいだろう」
「そうだった!」
逆に言えば、この写真におかしなところがなければ、金髪センパイがかなり疑わしいってことになるね。
よし、おかしなところ探しだ!
やっぱり、一番細工した可能性が高いのは、時計だよね。
ただこの時計台は三階建ての上にあるから、リーゼント先輩が時計の針を動かすことは不可能だと思う。
「じゃあ、さっきと同じように、撮影した日が本当にこの日か、確認しなきゃですね!」
写真に日付が載っていればいいのに、ないんだよね。
金髪センパイの写真と違って、リーゼント先輩以外に人は写っていない。一緒に写っている人に、日付を確認できないね。
野外で撮影したようで、背景は時計台のほかに、いくつかの石像も写っている。
「日付は確認できているんだ。問題の日曜日で間違いない」
「どうしてわかったんですか?」
生徒会長は、写真の端に移っている黒っぽいところを指さした。
「これが気になって、美術館に問い合わせた。すると、これはメンテナンス中の石像で、黒い布をかぶせていたのは、日曜日の一日だけだそうだ。オープン時間の八時半から閉館時間の五時まで、布がかぶりっぱなしだったそうだ」
「じゃあ、日付は間違いないんですね」
「そう考えていいだろう」
美術館の人がウソをつくはずがないもんね。
「じゃあ残る可能性は、写したあとに加工しているかどうかですね!」
「この時計の時計版は複雑な模様が入っているから、針の部分だけ加工するのは難しそうだ」
大地センパイが言った。
たしかに丸い時計の内側は、幾何学模様のような、抽象画のような絵になっている。その絵を損なわないようにするためか、数字ではなく、宝石のようにきれいな石が埋め込まれていた。
「どう、名探偵」
大地センパイに言われて、わたしは考え込んでしまう。
うう、わからない。ぜんぜん、ひらめかない……。
「そうそう、最終検証ってことで、彼ら二人をここに呼んである」
えっ、不良さんがここに来ちゃうの⁉
「そのときまでにわからなければ、彼らは無罪放免。もっと範囲を広げて、別の犯人を捜さなければいけないね」
「何時に来るんですか?」
「三十分後かな……」
生徒会長はそう言って、腕時計を見た。
うわあっ、もう時間がない!
「や、やっぱり、隼人も呼びます!」
わたしはスマートフォンを取り出して、二枚の写真をカメラで写した。
その写真を添付して、
隼人、助けて!
どっちかが、捏造写真のはずなんだよ。
謎を解かないと、不良が来ちゃう!
あと三十分しかない。文芸・名探偵部に来て!
そう書いて送った。
隼人、来てくれるかな……。
と、生徒会長が答えてくれた。
ここって、けっこう遠かったような……。
「学校から美術館まで、片道二時間半かかる」
「それで、写した時間は……あっ!」
リーゼント先輩の後ろには、時計台があって、その時計の針は三時をさしていた。
「アチャー、だめですよ生徒会長。写真を撮ってからすぐに学校に向かっても、五時三十分になっちゃいます!」
「どちらの写真も捏造の可能性があるなら、同じように検証したほうがいいだろう」
「そうだった!」
逆に言えば、この写真におかしなところがなければ、金髪センパイがかなり疑わしいってことになるね。
よし、おかしなところ探しだ!
やっぱり、一番細工した可能性が高いのは、時計だよね。
ただこの時計台は三階建ての上にあるから、リーゼント先輩が時計の針を動かすことは不可能だと思う。
「じゃあ、さっきと同じように、撮影した日が本当にこの日か、確認しなきゃですね!」
写真に日付が載っていればいいのに、ないんだよね。
金髪センパイの写真と違って、リーゼント先輩以外に人は写っていない。一緒に写っている人に、日付を確認できないね。
野外で撮影したようで、背景は時計台のほかに、いくつかの石像も写っている。
「日付は確認できているんだ。問題の日曜日で間違いない」
「どうしてわかったんですか?」
生徒会長は、写真の端に移っている黒っぽいところを指さした。
「これが気になって、美術館に問い合わせた。すると、これはメンテナンス中の石像で、黒い布をかぶせていたのは、日曜日の一日だけだそうだ。オープン時間の八時半から閉館時間の五時まで、布がかぶりっぱなしだったそうだ」
「じゃあ、日付は間違いないんですね」
「そう考えていいだろう」
美術館の人がウソをつくはずがないもんね。
「じゃあ残る可能性は、写したあとに加工しているかどうかですね!」
「この時計の時計版は複雑な模様が入っているから、針の部分だけ加工するのは難しそうだ」
大地センパイが言った。
たしかに丸い時計の内側は、幾何学模様のような、抽象画のような絵になっている。その絵を損なわないようにするためか、数字ではなく、宝石のようにきれいな石が埋め込まれていた。
「どう、名探偵」
大地センパイに言われて、わたしは考え込んでしまう。
うう、わからない。ぜんぜん、ひらめかない……。
「そうそう、最終検証ってことで、彼ら二人をここに呼んである」
えっ、不良さんがここに来ちゃうの⁉
「そのときまでにわからなければ、彼らは無罪放免。もっと範囲を広げて、別の犯人を捜さなければいけないね」
「何時に来るんですか?」
「三十分後かな……」
生徒会長はそう言って、腕時計を見た。
うわあっ、もう時間がない!
「や、やっぱり、隼人も呼びます!」
わたしはスマートフォンを取り出して、二枚の写真をカメラで写した。
その写真を添付して、
隼人、助けて!
どっちかが、捏造写真のはずなんだよ。
謎を解かないと、不良が来ちゃう!
あと三十分しかない。文芸・名探偵部に来て!
そう書いて送った。
隼人、来てくれるかな……。
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