異世界行ったらステータス最弱の上にジョブが謎過ぎたからスローライフ隠居してたはずなのに、気づいたらヤバいことになってた

カホ

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第1章 レッツスローライフ

謎すぎる職業 (1)

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「うへぇ………死ぬかと思った………」

木登り開始から1分、私は無事木のてっぺんに到着した。

この木はてっぺんがちょっと平べったい木で、いかにもなんか変な鳥の巣がありそうな感じだったが、運良くてっぺんには何もなかった。

私はようやく安寧の地を見つけたのです。

「ああ…………今なら15時間ぐらい寝れそう……」

安寧の地を手に入れた瞬間やる気が全て失せるっていうね。

死ぬほど走ったのと空腹でヘロヘロになっていたこと諸々が重なって、今私は究極に疲れている。速攻で夢の世界に旅立てる気がするよ。

「……いやいや、シャキッとしろ私。まだ寝ちゃダメだから………」

最終安全確認もしないといけないよ。ついでにさっき木登りの時に何か落としたからできればそれを拾っておきたいよ。

私は木からニュッと顔を出し、下を覗いた。

そこにはガリガリと爪で幹を引っ掻いている虎の姿が。

………そんな恨めしそうな目で見ないでくださいよ。餌強奪したことは謝りますから。私も生きるのに必死だったもんで。

しばらくすると、虎は木に登れないことを悟ったのか、そのままクルッと向きを変えて去って行った。

「ふぅ………一件落着」

根本的なところは落着してないけど、今は全ての思考をぶん投げよう。今の私に必要なのは休息だ!

「あ、そうだ」

忘れてた。休息の前にさっき落としたものを拾っておかないと。私はもう一回木から顔を出す。

8m下方の地面によーく目を凝らすと、キラッと光る何かが根元に落ちている。あれかな?

周囲に何もいないのを確認する。右!よし、問題ない。左!OKOK。もう一回右!よしよし、大丈夫そうだな。

私は慎重に木から降りる。極限疲労状態だからちょっとでも気を抜くと落っこちる。やべえ、気をつけよう。

道中危うい場面もあったが、なんとか落ちずに地面までたどり着いた。

私は屈み込み、そこに落ちていたプレートを拾い上げる。

天使の翼みたいな形をしていて、ダイヤモンドみたいに透き通っている綺麗なプレートだ。やばい、すごいかわいい。

そのプレートの中には、可愛いピンク色の文字がたくさん浮いていた。やべえ、科学技術ないとか言ってたけど、これはこれですげえよ。字が浮くとかアンビリバボーだよ。

「とりあえず、詳しい内容は上で読もう………」

下で読んでその間にモンスター来ちゃったらシャレにならないし。

行きの10倍くらいの時間をかけて、私は再び木上に戻る。もうね、追いかけられる恐怖が去ったから限界突破は終わったんですよ。

さて、戻ってきました私の城。いや私のかどうかは知らないけどね。そもそも城じゃないことはツッコんではいけないよ!!

さっき拾ったプレートには結局何が書いてあるんだろう?私は早速プレートに書いてある文字を読む。


- -《天海 千夜》- - - - - - - -


「ふぇ!?」

突然自分の名前が飛び込んできて、私は素っ頓狂な声をあげた。ちょっと待て!こういう風に名前が出るってことは………。

「これステータスプレートだったの!?」

超大事なものじゃないか!!何軽々しく落としてるんだよ私ーーー!!!しかも6m虎の足元とか、超危険に晒してしまったじゃないか!!!!

「………ステータス読もう」

もうツッコむのもめんどくさくなってきた。
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