異世界行ったらステータス最弱の上にジョブが謎過ぎたからスローライフ隠居してたはずなのに、気づいたらヤバいことになってた

カホ

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第1章 レッツスローライフ

殺す気ですか!? (2)

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「もうヤダ…………」

森にあるあまたな木のうちの一本、その太い枝の上で体育座りをしながら、私は遠い目をしていた。

なぜだ。なぜ私はこんなにも運がないのだ。異世界に転移させてこられたかと思えば転送失敗してこの世界で最も危険な場所に落とされて、かと思えばサーベルタイガーに追いかけ回されて。もはや全次元一の不幸者の称号を与えられるほど。

「ステータスオール1のチクショーーー!!!」
「グルルルガアアアアア!!!」
「返事しないでよ!!」

さっきから私を追いかけていたサーベルタイガーは、今文字通り虎視眈々と私がおりてくるのを待っている。

「どっか行ってよ!!お願いだから!!」

私は100g10円の安肉だから!!美味しくないから!!!

だからそんな『なんだろうあれ?』みたいな好奇心溢れてそうな目でこっち見ないでよ!!

異世界辛い。………泣いていい?

体育座りを続行しながら、私はしらみつぶしにステータスプレートを取り出す。

「HAHAHA、目の前がすっきり見やすいステータスだねー」

ほら、全部1だよ。ぞろ目ぞろ目。素敵だよー。悲しくなんてないんだからね!!!

「………………あれ?」

ステータスプレート表裏をぐるぐる見てたら、ちょっとした疑問を思いついた。

「分解って、モンスターに使えるの?」

スキル:分解の説明文にはターゲットに指定したものを好きな大きさにまで分解できるって書いてあったよね?

「ちょっとやってみる………?」

私は落ちないように枝から身を乗り出し、下で未だガルルガルルいってるサーベルタイガーを見た。

「………何もしないよりはマシだ!」

頑張れ私!女は度胸!!

私は意を決して、サーベルタイガーをターゲットに分解を発動させてみた。

パァン。

サーベルタイガーが光の粒子となって消えた。

…………え?

え?え??ちょっと待って?今何が起こった?サーベルタイガーどこに行った?さっきまで木の根元にいたのに、もう姿が見えない!?

待って待って、どうなってるの?これ分解のせい?分解を使ったせいなの!?


『レベルアップしました』


「倒せちゃったの!?」

嘘でしょ!?こんなせこい方法で倒してもOKなの!?サーベルタイガーごめんね!?名誉な散り様を与えてやれなくて!!


『新たな説明文が追加されました』


ん?新しい説明文?

とりあえず私はステータスプレートを取り出し、分解の説明文を呼び出す。


分解……指定したものを好きなサイズにまで分解することができる。モンスターに使うとイチコロ


「マジで!?」

強!!強すぎるでしょこれ!!劣等生並みにやばいよ!!私に使いこなせるのか!?

「で、でもとりあえずモンスターへの対処法は見つかったね………」

今はそれを喜んでおこう………。

人外になりかけてることなんて気にしてられるかボケーーー!!!
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