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第2章 チート街道驀進(不本意)
森とドラゴン (2)
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湖畔に来て早々に新しい薬草を12種類も見つけて、調子に乗っている私は、もう少し湖の奥に行ってみようと決意した。
いやいや、人間欲が出ると怖いよ?
「できればあと5種類くらいは欲しいかも……」
そんなことをボソボソつぶやきながら、私は進んでいく。すでにだいぶ湖から離れている。ショコラブーツの効果で、普通の人間の走行速度に2倍の早さで歩いていますからね!
まあ、結果から言えば、私の探索はそこそこ成功した。湖のさらに奥だったからなのか、レア度が高そうな薬草が2種類手に入った。
ただ、全体的に考えれば、私は失敗したんじゃね?と思ってしまうのだ。
面倒な居候を増やすことになったからね!!
◇ ◇ ◇
時間は、私が2種類目の薬草を見つけた直後だった。
私は大きな岩山の隙間からにゅっと15cmほど飛び出ている夜色(星空みたいな感じ)のトゲのようなものの前に立っている。
「…?」
そして私は今、目の前に表示されている鑑定結果に首をひねっていた。
???……???
「何も表示されないんじゃあ、どうしようもなくね?」
しかも鑑定結果が全文『?』だから、素材なのかモンスターなのかもわからない。
「……抜けるかな?」
試しに、私はそのトゲのようなものをつかんで、手前に引っ張ってみた。
抜けなかった。そしてちょっとなめらかだった。
「周りの岩を分解したら抜けるかな?」
私はトゲの周囲にある岩を、分解スキルで崩した。
「んー……まだダメか」
かなり崩したつもりだったんだが、トゲはまだ抜けない。もうちょっと広げる?
岩をさらに一回り分解した。しかしトゲは抜けない。 じゃあ、もう一回。もう一回。もう一回……。
「繰り返してるうちに壁に穴が開いちゃった!!」
夜色のトゲが抜けないから周辺の岩を分解し続けてたら、岩壁そのものに穴が空いたというね!!
やばくね?これ崩れたりしないかな?
穴の先に目をやると、そこにも夜色の塊が。
「穴の先にも夜色があるぞ…?」
あれ?このトゲ本当に薬草?ものっそい不安になってきたんだけど。
「……もうちょっと穴を広げて、いっそ私が中に入ってみようかな?」
危ないものがあった時のために、方位磁石にMPを通しておく。防御魔法、発動!だよチクショーー!!
「分解!」
掛け声の必要はないけど、こっちの方がかっこいいでしょ!!
パッと岩が消え、人一人通れるほどの空間ができた。 私は慎重に穴をまたぐ。
夜色の塊は、穴の先にも広がっている。しかも、でかい。
あれ…?なんかこれ、モンスターっぽいぞ…?えっと…私来てよかったのかな…?
そーっと正面に回る。
「ドラゴン!?」
思わず叫んでしまい、私は慌てて手で口を押さえた。
そこには、どう頑張ってもドラゴンにしか見えない、巨大な夜色のモンスターが横たわっていた。
いやいや、人間欲が出ると怖いよ?
「できればあと5種類くらいは欲しいかも……」
そんなことをボソボソつぶやきながら、私は進んでいく。すでにだいぶ湖から離れている。ショコラブーツの効果で、普通の人間の走行速度に2倍の早さで歩いていますからね!
まあ、結果から言えば、私の探索はそこそこ成功した。湖のさらに奥だったからなのか、レア度が高そうな薬草が2種類手に入った。
ただ、全体的に考えれば、私は失敗したんじゃね?と思ってしまうのだ。
面倒な居候を増やすことになったからね!!
◇ ◇ ◇
時間は、私が2種類目の薬草を見つけた直後だった。
私は大きな岩山の隙間からにゅっと15cmほど飛び出ている夜色(星空みたいな感じ)のトゲのようなものの前に立っている。
「…?」
そして私は今、目の前に表示されている鑑定結果に首をひねっていた。
???……???
「何も表示されないんじゃあ、どうしようもなくね?」
しかも鑑定結果が全文『?』だから、素材なのかモンスターなのかもわからない。
「……抜けるかな?」
試しに、私はそのトゲのようなものをつかんで、手前に引っ張ってみた。
抜けなかった。そしてちょっとなめらかだった。
「周りの岩を分解したら抜けるかな?」
私はトゲの周囲にある岩を、分解スキルで崩した。
「んー……まだダメか」
かなり崩したつもりだったんだが、トゲはまだ抜けない。もうちょっと広げる?
岩をさらに一回り分解した。しかしトゲは抜けない。 じゃあ、もう一回。もう一回。もう一回……。
「繰り返してるうちに壁に穴が開いちゃった!!」
夜色のトゲが抜けないから周辺の岩を分解し続けてたら、岩壁そのものに穴が空いたというね!!
やばくね?これ崩れたりしないかな?
穴の先に目をやると、そこにも夜色の塊が。
「穴の先にも夜色があるぞ…?」
あれ?このトゲ本当に薬草?ものっそい不安になってきたんだけど。
「……もうちょっと穴を広げて、いっそ私が中に入ってみようかな?」
危ないものがあった時のために、方位磁石にMPを通しておく。防御魔法、発動!だよチクショーー!!
「分解!」
掛け声の必要はないけど、こっちの方がかっこいいでしょ!!
パッと岩が消え、人一人通れるほどの空間ができた。 私は慎重に穴をまたぐ。
夜色の塊は、穴の先にも広がっている。しかも、でかい。
あれ…?なんかこれ、モンスターっぽいぞ…?えっと…私来てよかったのかな…?
そーっと正面に回る。
「ドラゴン!?」
思わず叫んでしまい、私は慌てて手で口を押さえた。
そこには、どう頑張ってもドラゴンにしか見えない、巨大な夜色のモンスターが横たわっていた。
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