幕末☆妖狐戦争 ~九尾の能力がはた迷惑な件について~

カホ

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元治元年

幕間:なんで?

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「ダメだ」

 土方さん、開口一番それですか。

 禁門の変の翌日、私は大広間で幹部連中に囲まれていた。もちろん、私たちがここを出ることを伝えるためだ。

 しかし、私が事前にその旨について超簡単に書いておいた書状を読んで、土方さんはダメとのたまった。

 なんで??

(新選組が私を匿っても、いいこと何もないよ?むしろ悪いことしかないよ?)
『上に同じじゃ』
(私ならほっぽり出しても死にやしないよ?そんなヤワじゃないし)
『むしろ殺してもまだ死なぬしな』

 まあ、この会話は誰にも聞こえてないんだけどね。

「お前のようなひょろいガキ、京の街に放り出してみろ。あっという間に斬られるだろうが」

 いや、だからそんなヤワじゃないって。むしろ滅多のことじゃ死なない(と思う)し。

 あっという間に斬られるってとこは否定しないけど。実際斬られたからここに世話になってるんだし。

「そもそも雫ちゃん、剣もろくに使えないもんね」

 そりゃそうだわい。太平の世で生まれ育った私が、刀なんて使えるわけないでしょうが。剣道やってたわけじゃないし………。

 て、沖田さんそのにやけ面はやめてくださいよ。何企んでるのか心配になる。

「君は松本先生に用があるのではないのか?そんな君が京を出てしまったら大変なのでは………」

 近藤さん、誰も京を出るなんて言ってないですよ。松本先生が戻ってくるまでは京で暇を持て余しますよ。

 そもそも、京に来たのは松本先生を訪ねるためでもあるんだ。それをほっぽってしまったら康順先生にだって申し訳ない。

「君は何も気にすることはないんだよ。襲撃者がいるのなら、撃退すればいいだけの話だよ」

 井上さん、そんなこと言わんといて。はいって言いたくなっちゃうから。お父さん気質だから頼りたくなっちゃうんだって。

「あんたがここを出るのは、昨日のようなことに俺たちを巻き込まないためか?」

 ぐぬぬ。斎藤さん鋭い。図星を刺された。

「俺は止めたんだけどな。迷惑だなんて思わねえからここにいろって」
「そうだぜ、雫ちゃん。長州の追っ手なんて、俺たちが追っ払ってやるよ」
「ああ。どうせ敵ならまとめて相手した方が楽だしな」

 このトリオはいつもこーゆーときに仲良く結託しやがって。つーかあいつらは長州勢じゃないし。皆さんの敵じゃないし。

「あの時、俺たちはあんたを保護すると約束した。武士に二言はない」

 えええーー。土方さんここで武士の誇り持ち出しちゃう?

「私も、君にはいてもらわないといけませんね」

 うええええ、山南さんまでーー!

「君の薬に関する知識を、私はまだまだ学び足りないですし」

 うおーい、山南さーん。本音が漏れてますよー、いいんすかー。

(なんでこの人たちはこんな時に無駄に頑固なんだい?)
『説得失敗じゃな。どうする?脱走するか?』
(うーん、どうしようか)
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