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元治2年/慶応元年
幕間:ある日の原田さん
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慶応元年のとある日。
この日の新選組西本願寺屯所はビッグニュースで荒れていた。
「えええええ!!!左之さん!嘘だろ!?」
「嘘じゃねえって。なんなら今度会わせてやろうか?」
「ちくしょー!左之に先を越されるとか!何がいけないんだ?俺の何がいけないんだ!」
大広間で、原田さんが永倉さんと平助君に囲まれて詰め寄られている。
まあ、その気持ちはわからなくもないよ。
(原田さんが結婚ね………)
『人生、何があるかわからぬな』
(でも原田さんだって20半ばだよ?結婚ぐらいするって)
『それが普通か。むしろ結婚ができていない永倉の方が珍しいのか?』
(そうでもなくない?土方さんだって結婚してないし)
『ああ、そうか』
今日、原田さんが近藤さんたちに結婚の報告をしたのだ。お相手は誰だったかな………?まさという人だったと思う。確か本願寺の近くに家を構えたとかなんとか。
『平隊士どもは、結婚しても家族と離れ離れになるが、幹部は良いのだな』
(幹部ほどになれば、家族が近くにいても死ぬのは怖くないってことなんじゃない?)
実際、近藤さんは京に妾邸持ってるし。
(どんな人なんだろう?)
『あの荒物の死に損ね左之助の奥方じゃ。きっと気の強い方なのだろうな』
(ほむろもついにそのあだ名、覚えたんだ)
『こうも屯所中で呼ばれておれば、嫌でも覚えるわい』
原田さんの奥さんのことは気になったけど、今はこの大量の洗濯物の方が大事だ。
物干し竿があるいつもの場所で洗濯をして、それらを干していると、建物の中からフラッと原田さんが出てきた。
「ん?ああ、雫か。いつもありがとな」
私がそっちを向くと、原田さんも小さくてをあげてくれた。
しかし原田さんがずいぶんげっそりしてるような気がするんだけど?
「ん?この状態か?さっきまで新八やら平助やら、平のやつらに追いかけ回された直後なんだ」
ああ、なるほど納得。
ついでだ。原田さんの奥さんについて聞いてみよう。
"原田さんの奥さんって、どんな方ですか"
「まさのことか?そうだな、素直で気が強くて、いい女だよ」
"前々から知り合いだったんですか"
「ああ。そこそこ前から付き合いはあったんだ。好意を寄せてくれていたし、俺の方も気に入ってたからな」
これはラブラブになれる気がする。
"そういうのって、ちょっと羨ましいです"
「なんだ?お前も結婚に興味あるのか?」
"私だって女です。興味があることにはありますよ"
「そっか。まあ、お前はエラいべっぴんさんだし、穏やかだで優しくて、おまけに頭もいい。男には困らないと思うぜ」
褒められてるはずなのに…………なんかそれ、嫌だな。男をたぶらかす悪女みたいでさ。
"そりゃどうもです"
「あれ?拗ねた?なんか、気に障ることでも言ったか?」
"大丈夫です、気にしてません"
「えっと………悪、い?」
なんで疑問系………。
"本当になんでもないんです。気にしないでください"
「……そうなのか?それならいいんだが………」
"原田さんの奥さん、いつかお会いしてみたいです"
「なら、俺が休みの時に一緒に家まで来るか?」
"いいんですか?それ"
「いいって。まさも、そういうのを気にする女じゃねえさ」
普通は気になるんじゃないのかな?新婚の旦那が知らない女(男装してるから男?)連れてきたムッとすると思うんだが。
「平気だって。新選組にすっげえ美人の医務係がいることは、まさも知ってるからな」
え。知ってんの?
…………。
"では、機会があれば"
「おう!まさにも事前に話し通しとくよ」
やっぱり人間、好奇心には勝てないものだ。
この日の新選組西本願寺屯所はビッグニュースで荒れていた。
「えええええ!!!左之さん!嘘だろ!?」
「嘘じゃねえって。なんなら今度会わせてやろうか?」
「ちくしょー!左之に先を越されるとか!何がいけないんだ?俺の何がいけないんだ!」
大広間で、原田さんが永倉さんと平助君に囲まれて詰め寄られている。
まあ、その気持ちはわからなくもないよ。
(原田さんが結婚ね………)
『人生、何があるかわからぬな』
(でも原田さんだって20半ばだよ?結婚ぐらいするって)
『それが普通か。むしろ結婚ができていない永倉の方が珍しいのか?』
(そうでもなくない?土方さんだって結婚してないし)
『ああ、そうか』
今日、原田さんが近藤さんたちに結婚の報告をしたのだ。お相手は誰だったかな………?まさという人だったと思う。確か本願寺の近くに家を構えたとかなんとか。
『平隊士どもは、結婚しても家族と離れ離れになるが、幹部は良いのだな』
(幹部ほどになれば、家族が近くにいても死ぬのは怖くないってことなんじゃない?)
実際、近藤さんは京に妾邸持ってるし。
(どんな人なんだろう?)
『あの荒物の死に損ね左之助の奥方じゃ。きっと気の強い方なのだろうな』
(ほむろもついにそのあだ名、覚えたんだ)
『こうも屯所中で呼ばれておれば、嫌でも覚えるわい』
原田さんの奥さんのことは気になったけど、今はこの大量の洗濯物の方が大事だ。
物干し竿があるいつもの場所で洗濯をして、それらを干していると、建物の中からフラッと原田さんが出てきた。
「ん?ああ、雫か。いつもありがとな」
私がそっちを向くと、原田さんも小さくてをあげてくれた。
しかし原田さんがずいぶんげっそりしてるような気がするんだけど?
「ん?この状態か?さっきまで新八やら平助やら、平のやつらに追いかけ回された直後なんだ」
ああ、なるほど納得。
ついでだ。原田さんの奥さんについて聞いてみよう。
"原田さんの奥さんって、どんな方ですか"
「まさのことか?そうだな、素直で気が強くて、いい女だよ」
"前々から知り合いだったんですか"
「ああ。そこそこ前から付き合いはあったんだ。好意を寄せてくれていたし、俺の方も気に入ってたからな」
これはラブラブになれる気がする。
"そういうのって、ちょっと羨ましいです"
「なんだ?お前も結婚に興味あるのか?」
"私だって女です。興味があることにはありますよ"
「そっか。まあ、お前はエラいべっぴんさんだし、穏やかだで優しくて、おまけに頭もいい。男には困らないと思うぜ」
褒められてるはずなのに…………なんかそれ、嫌だな。男をたぶらかす悪女みたいでさ。
"そりゃどうもです"
「あれ?拗ねた?なんか、気に障ることでも言ったか?」
"大丈夫です、気にしてません"
「えっと………悪、い?」
なんで疑問系………。
"本当になんでもないんです。気にしないでください"
「……そうなのか?それならいいんだが………」
"原田さんの奥さん、いつかお会いしてみたいです"
「なら、俺が休みの時に一緒に家まで来るか?」
"いいんですか?それ"
「いいって。まさも、そういうのを気にする女じゃねえさ」
普通は気になるんじゃないのかな?新婚の旦那が知らない女(男装してるから男?)連れてきたムッとすると思うんだが。
「平気だって。新選組にすっげえ美人の医務係がいることは、まさも知ってるからな」
え。知ってんの?
…………。
"では、機会があれば"
「おう!まさにも事前に話し通しとくよ」
やっぱり人間、好奇心には勝てないものだ。
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