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本編
1年生 秋 第6話
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それから数日後、9月の末にある期末テストに生徒たちは追われていた。
そして、放課後の図書室。
ここでも、テスト勉強と格闘している2人の姿があった。
「ああ、何だっけこれ…」
「何それ、私も分からないんだけど…」
「えっ、分からないの⁈」
「そんな驚かなくても…私、なんでも解ける訳では無いし」
「…愛川に解けない問題があるなんて」
「そのために勉強してるんじゃない」
「まあ、そうだけども…」
自分で言うのも何なのだが、私は昔から勉強は割と得意な方でいつも順位も割と上位の方に入っている。
ただ、授業中はつまらないし暇だし、まあ別に真面目に聞いている訳では無いからこうしてテスト前は一応勉強している。一応ね。
まあ、ほとんど教える側のような気もするけど。
「これは…」
私は教科書とプリントを見比べる。
大体は教科書かプリントを見れば分かる。
「硫酸…水酸化カルシウム…」
「そこの、化学式の…イオン反応式みたいなのが分からん…」
「なるほど、アレーニウスの定義では硫酸はえーっと…酸で…水酸化カルシウムは塩素…でその式を書けと…」
「そうそう、式とか書いてないからさ。授業でも言ってたけどよく分からなかったしさ」
「式ねえ…式か…」
「硫酸が酸で水酸化カルシウムが塩素なのは分かったんだけど」
「えっ、逆にそれよく分かったね」
「元の化学式だけ見て解いた」
「…頭いいのか悪いのか」
「別に普通だよ…多分」
多分?…お
「……解けた」
「え…えっ、はやっ」
「いやでも、合ってないかもしれないし」
「んー、多分合ってると思う。ほら、この辺見れば…」
「この辺…?ああ、なるほど…よし、じゃあこれだ」
「ありがとう、助かった」
「いやいや、お互い様だって。えっと、この式の解き方はまず…」
…と、こんな感じで勉強し大体のテスト範囲を勉強し終える頃には18時過ぎになっていた。
「18時…最終下校時刻ギリギリだ…」
「良かった、何とか終わって」
「ほんと、助かったよ」
「いやいや、だからお互い様だって…教えてるのって凄い勉強になるんだから」
「そうか、でもまあお礼になんか奢るよ」
「えっ…でも」
「いいよ、その分僕の行きたいところ着いてきて」
「行きたいところ…?分かった、ありがと」
「ああ」
「じゃあ…カーテン閉めておくから、最後に鍵お願いします」
「了解」
9月に入ってからは18時を過ぎるともう外はほとんど真っ暗だ。1ヶ月前まではまだ夕方だったのに…早いな。
それにしても、行きたいところってどこなんだろう。……うーん、まあ行けば分かるか。
「よし、これで最後だ…」
今日は私が当番だったので、ちょうど良かった。
カーテンを閉めて、図書室の当番チェック表に丸をする。
もちろん、全て良し…と。
まあ、一応確認。もう一度辺りを見直す。机の上には自分達のカバン以外何もない…椅子にも…何も…
「わぁっ!」
「って…うわ!」
「全部大丈夫だよ」
「ああ、ありがと…って言うか脅かさないでよ」
「だって、気づかないくらい真面目に仕事してるのが面白くて、はは」
「えっ、何故…って言うかもう、びっくりした…夜なんだから脅かさないでよ」
「ごめん、つい」
「ついって…」
顔が全然反省していない顔だ。
…つい大きな声を出してしまった。
ちょうど今は2人しかいなかったから良かったものの、普段の図書室だったら絶対周りの人こそびっくりする声だった。
良かった、他に人がいなくて。
試験準備期間は部活も一旦停止になるが、その試験準備期間は今週末から。
期間外ではあるとは言え、放課後も授業後から最初の1時間は図書室で勉強する人も何人かいた。けど、流石に日の暮れる前には全員帰っていった。
「愛川、カバン…ほら」
「あ…ありがと」
そうか、2人…2人しか…ふたり……
「うわっ……!」
「なっ、何、どうしたの。もう脅かしてないけど」
「あっ…な、何でもない」
「…?本当?」
「うん、本当」
何で、今更動揺なんかしてるんだ私。
今までも別に2人きりだった時くらい…あった……
なんか最近こんな事が多い気がする。
何気ない一言に喜んだり、期待したり、幸せを感じたり、妙にそわそわする感じがしたり…ちょっと不安になったり……
なんかこれって…
『まもなく最終下校時刻となります。最終下校時刻は18時半です。校内に残っている生徒の皆さんは気をつけて下校して下さい。繰り返します…』
「あ…」
「あ、あと10分だ。急ごう」
「あっ…そ、そうだね」
なんかこれって、なんだか…
………いやいやいや、そんなことは…きっと気のせいだ。
そうそう、きっと気のせい…脅かされてびっくりしただけだ。
そして、放課後の図書室。
ここでも、テスト勉強と格闘している2人の姿があった。
「ああ、何だっけこれ…」
「何それ、私も分からないんだけど…」
「えっ、分からないの⁈」
「そんな驚かなくても…私、なんでも解ける訳では無いし」
「…愛川に解けない問題があるなんて」
「そのために勉強してるんじゃない」
「まあ、そうだけども…」
自分で言うのも何なのだが、私は昔から勉強は割と得意な方でいつも順位も割と上位の方に入っている。
ただ、授業中はつまらないし暇だし、まあ別に真面目に聞いている訳では無いからこうしてテスト前は一応勉強している。一応ね。
まあ、ほとんど教える側のような気もするけど。
「これは…」
私は教科書とプリントを見比べる。
大体は教科書かプリントを見れば分かる。
「硫酸…水酸化カルシウム…」
「そこの、化学式の…イオン反応式みたいなのが分からん…」
「なるほど、アレーニウスの定義では硫酸はえーっと…酸で…水酸化カルシウムは塩素…でその式を書けと…」
「そうそう、式とか書いてないからさ。授業でも言ってたけどよく分からなかったしさ」
「式ねえ…式か…」
「硫酸が酸で水酸化カルシウムが塩素なのは分かったんだけど」
「えっ、逆にそれよく分かったね」
「元の化学式だけ見て解いた」
「…頭いいのか悪いのか」
「別に普通だよ…多分」
多分?…お
「……解けた」
「え…えっ、はやっ」
「いやでも、合ってないかもしれないし」
「んー、多分合ってると思う。ほら、この辺見れば…」
「この辺…?ああ、なるほど…よし、じゃあこれだ」
「ありがとう、助かった」
「いやいや、お互い様だって。えっと、この式の解き方はまず…」
…と、こんな感じで勉強し大体のテスト範囲を勉強し終える頃には18時過ぎになっていた。
「18時…最終下校時刻ギリギリだ…」
「良かった、何とか終わって」
「ほんと、助かったよ」
「いやいや、だからお互い様だって…教えてるのって凄い勉強になるんだから」
「そうか、でもまあお礼になんか奢るよ」
「えっ…でも」
「いいよ、その分僕の行きたいところ着いてきて」
「行きたいところ…?分かった、ありがと」
「ああ」
「じゃあ…カーテン閉めておくから、最後に鍵お願いします」
「了解」
9月に入ってからは18時を過ぎるともう外はほとんど真っ暗だ。1ヶ月前まではまだ夕方だったのに…早いな。
それにしても、行きたいところってどこなんだろう。……うーん、まあ行けば分かるか。
「よし、これで最後だ…」
今日は私が当番だったので、ちょうど良かった。
カーテンを閉めて、図書室の当番チェック表に丸をする。
もちろん、全て良し…と。
まあ、一応確認。もう一度辺りを見直す。机の上には自分達のカバン以外何もない…椅子にも…何も…
「わぁっ!」
「って…うわ!」
「全部大丈夫だよ」
「ああ、ありがと…って言うか脅かさないでよ」
「だって、気づかないくらい真面目に仕事してるのが面白くて、はは」
「えっ、何故…って言うかもう、びっくりした…夜なんだから脅かさないでよ」
「ごめん、つい」
「ついって…」
顔が全然反省していない顔だ。
…つい大きな声を出してしまった。
ちょうど今は2人しかいなかったから良かったものの、普段の図書室だったら絶対周りの人こそびっくりする声だった。
良かった、他に人がいなくて。
試験準備期間は部活も一旦停止になるが、その試験準備期間は今週末から。
期間外ではあるとは言え、放課後も授業後から最初の1時間は図書室で勉強する人も何人かいた。けど、流石に日の暮れる前には全員帰っていった。
「愛川、カバン…ほら」
「あ…ありがと」
そうか、2人…2人しか…ふたり……
「うわっ……!」
「なっ、何、どうしたの。もう脅かしてないけど」
「あっ…な、何でもない」
「…?本当?」
「うん、本当」
何で、今更動揺なんかしてるんだ私。
今までも別に2人きりだった時くらい…あった……
なんか最近こんな事が多い気がする。
何気ない一言に喜んだり、期待したり、幸せを感じたり、妙にそわそわする感じがしたり…ちょっと不安になったり……
なんかこれって…
『まもなく最終下校時刻となります。最終下校時刻は18時半です。校内に残っている生徒の皆さんは気をつけて下校して下さい。繰り返します…』
「あ…」
「あ、あと10分だ。急ごう」
「あっ…そ、そうだね」
なんかこれって、なんだか…
………いやいやいや、そんなことは…きっと気のせいだ。
そうそう、きっと気のせい…脅かされてびっくりしただけだ。
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