7 / 32
本編
1年生 秋 第5話
しおりを挟む今日の会議の内容は、夏休みまでの利用者の報告と図書委員会でも文化祭で何かイベントをやろうと言う話だった。
そして、栞の販売とジャンル毎に本の紹介。それと文化祭の1ヶ月前からは文化祭にまつわる本を図書室で紹介しようということに決まった。
一応は決まったが、ただ他にも案があれば次の会議の時に出して欲しいとのことだった。
「…夏休み明けたら一気に周りで文化祭の話多くなったよね」
「今年は楽しめるかな、文化祭…」
「中学の時文化祭楽しくなかったって言ってたもんね」
「そうそう、ぜーんぜん楽しくなかった」
「まあ、僕もというか…お互いクラスの催し物が忙しくて一緒にまわれなかったけど」
「そうそう、一緒にまわろうとか言ってたけど凄い忙しかった」
実際クラスの催し物だけでとても忙しく、ほとんど楽しめなかった。
「でも、その分高校で楽しめばいいじゃん」
「まあ、そうなんだけどさ、まだクラスにも馴染めてないし…図書委員会で催し物するのも初めてだし…」
そうなんだけど…
私は、はあとため息をついた。これで今日何回目だろう。
図書委員会の催し物という話が出て少し期待も芽生えた。
だが、素直に楽しみたいという気持ちと、不安な気持ちがまだ入り混じっていた。
「今から弱気になってどうするんだよ」
「まあ、そうだけど…」
今も私は2組、彼は4組とクラスが違うが、実は彼とはまだ1度も同じクラスになったことがなかった。
そして元々、人とつるむのが苦手で中学でもクラスに馴染めていなかった。
それに、さっき言ったようにクラスの催し物だけでとても忙しかったということもある。
だが、文化祭が苦手な理由はそれだけではない。
中学の文化祭でクラスの催し物があったのだが、その当時のクラスで、文化祭の準備期間中に女子のクラスメイト数人と揉めてしまい、結局文化祭が終わるまで続いてしまった…それがきっかけで、クラスに馴染めないままその年にあった修学旅行に行き、そして卒業式を迎えた…
という思い出がある。でも。
でも、今年は楽しめるかな。
いやでも、まだクラスに馴染めていない私。
やっぱり不安だ。
「今年は文化祭一緒に催し物出来るんだし」
「まあ、確かに…」
「楽しめるように、協力するって。
僕が楽しませてあげるから。」
「えっ…」
……えっ、あれ…?えっ…⁈
「えっ?あっ、えっ…と、いや別に深い意味は…」
なんだろうこれは。この感じ…
「…ふふっ」
「えっ…なっ」
「ありがとう」
「っ…ああ、どうも」
気づいたら私は自然と笑っていた。
楽しませてあげる。彼はそう言った。
その時の横顔はとても穏やかで。
私はその横顔をみて不思議と不安が和らいだ。
「期待してるね」
「…頑張るよ」
中学の時は、クラスメイトと揉めたままで。更にクラスの催し物が忙しく教室から一歩も出られない。って状況だったけど…
そうだ、今年は図書委員としても文化祭に携わる。それに彼と同じ催し物をする。そして大好きな本を紹介できる。
それだけで、私は充分ではないか。
その楽しませてあげるって言葉…少し信じてもいいかな。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
今日でお別れします
なかな悠桃
恋愛
高校二年の碧は黒髪のショートボブ、眼鏡の地味な女の子。特別目立つこともなく学校生活を送っていたが、阿部貴斗との出会いによって環境がガラリと変わっていく。そして碧はある事を貴斗に隠していて...
※誤字、脱字等など見落とし部分、読み難い点申し訳ございません。気づき次第修正させていただきます。
俺が宝くじで10億円当選してから、幼馴染の様子がおかしい
沢尻夏芽
恋愛
自他共に認める陰キャ・真城健康(まき・けんこう)は、高校入学前に宝くじで10億円を当てた。
それを知る、陽キャ幼馴染の白駒綾菜(しらこま・あやな)はどうも最近……。
『様子がおかしい』
※誤字脱字、設定上のミス等があれば、ぜひ教えてください。
現時点で1話に繋がる話は全て書き切っています。
他サイトでも掲載中。
目の前で始まった断罪イベントが理不尽すぎたので口出ししたら巻き込まれた結果、何故か王子から求婚されました
歌龍吟伶
恋愛
私、ティーリャ。王都学校の二年生。
卒業生を送る会が終わった瞬間に先輩が婚約破棄の断罪イベントを始めた。
理不尽すぎてイライラしたから口を挟んだら、お前も同罪だ!って謎のトバッチリ…マジないわー。
…と思ったら何故か王子様に気に入られちゃってプロポーズされたお話。
全二話で完結します、予約投稿済み
距離を置きたい女子たちを助けてしまった結果、正体バレして迫られる
歩く魚
恋愛
かつて、命を懸けて誰かを助けた日があった。
だがその記憶は、頭を打った衝撃とともに、綺麗さっぱり失われていた。
それは気にしてない。俺は深入りする気はない。
人間は好きだ。けれど、近づきすぎると嫌いになる。
だがそんな俺に、思いもよらぬ刺客が現れる。
――あの日、俺が助けたのは、できれば関わりたくなかった――距離を置きたい女子たちだったらしい。
この男子校の生徒が自分以外全員男装女子だということを俺だけが知っている
夏見ナイ
恋愛
平凡な俺、相葉祐樹が手にしたのは、ありえないはずの超名門男子校『獅子王院学園』からの合格通知。期待を胸に入学した先は、王子様みたいなイケメンだらけの夢の空間だった!
……はずが、ある夜、同室のクールな完璧王子・橘玲が女の子であるという、学園最大の秘密を知ってしまう。
なんとこの学園、俺以外、全員が“訳アリ”の男装女子だったのだ!
秘密の「共犯者」となった俺は、慣れない男装に悩む彼女たちの唯一の相談相手に。
「祐樹の前でだけは、女の子でいられる……」
クールなイケメンたちの、俺だけに見せる甘々な素顔と猛アプローチにドキドキが止まらない!
秘密だらけで糖度120%の学園ラブコメ、開幕!
隣の家の幼馴染と転校生が可愛すぎるんだが
akua034
恋愛
隣に住む幼馴染・水瀬美羽。
毎朝、元気いっぱいに晴を起こしに来るのは、もう当たり前の光景だった。
そんな彼女と同じ高校に進学した――はずだったのに。
数ヶ月後、晴のクラスに転校してきたのは、まさかの“全国で人気の高校生アイドル”黒瀬紗耶。
平凡な高校生活を過ごしたいだけの晴の願いとは裏腹に、
幼馴染とアイドル、二人の存在が彼の日常をどんどんかき回していく。
笑って、悩んで、ちょっとドキドキ。
気づけば心を奪われる――
幼馴染 vs 転校生、青春ラブコメの火蓋がいま切られる!
俺は陰キャだったはずなのに……なぜか学園内でモテ期が到来した件
こうたろ
青春
友人も恋人も居ないボッチ学生だった山田拓海が何故かモテだしてしまう。
・学園一の美人で、男女問わず憧れの的。
・陸上部のエースで、明るく活発なスポーツ女子。
・物静かで儚げな美術部員。
・アメリカから来た金髪碧眼でハイテンションな留学生。
・幼稚園から中学まで毎朝一緒に登校していた幼馴染。
拓海の生活はどうなるのか!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる