22 / 50
本編
21
しおりを挟む「さぁ、こちらへ。」
ハイド様に手を引かれて足を踏み入れたのは、寝室だった。
ただ、ベッドメイクの途中だった昨日とは違ってスッキリと片付いている。
寝室の入口へ僕のカバンを置いたハイド様は、僕の手は離さずにベッドまで進む。
「え、ちょっ、僕、準備が…」
「準備?」
ハイド様は、僕の手を握ったまま立ち止まって振り返る。
「はい。その…実は僕、あの後お風呂に入っていないのです。その…襲われて庭を逃げて、戻って来た調理場で眠ってしまいましたから。」
ハイド様は僕の話を聞くと、
「ならば私が消毒をしよう。行こう。」
言うと再び僕の手を引いて、ベッドの向こう側の頭側にある扉に手を掛けた。
お嬢様のお部屋と同じ間取りだとするならば、そこは…
「さぁ、こちらだ。」
扉の向こうへ僕を引き入れると、器用にも後ろ手に扉を閉めて、
カチャリ…
どうやら施錠もされたようだ。
そのまま僕の背中側へ移動すると、次の扉を開く。
「さぁ、洗ってやろう。私のイード。」
そこは僕の予想通り、簡易的なシャワールームだった。
「脱がせ」
「いいえ! 自分で脱げますので。」
ハイド様が僕を見ている。
ボタンに手を掛けるのを、ボタンホールへボタンを潜らせるのを、プツリという音を、シャツの右と左の身頃が左右に離れて行くのを…
僕は緊張で手を震わせながら、何とか1番下までボタンを外すことに成功すると、ハイド様に背を向けてシャツを肩から床へと落とした。
「ハッ!」
ハイド様が息を飲むのが聞こえる。
カツ…
ハイド様の足音が聞こえる。
僕は、恥ずかしくて後ろを振り返れない。
すると、僕の背中にゴツゴツとした大きな手のひらがツーッと腰まで下りていった。
「きれいだ、イード。」
ハイド様は言うと、僕の首筋へ唇を押し当てる。
そのまま強く吸い付いて、僕の首筋はチリリと痛んだ。
「ン!」
刺激に声が漏れれば、
「すまない。印を付けたくて。」
ハイド様が同じ場所に舌を這わせた。
それから、僕の前へ回られたハイド様は、今度は痛々しそうな表情をされた。
そう。見下ろした僕の体には、歯型や痣がたくさんできていたんだ。
僕もさっき服を脱いで驚いた。
──ハイド様も驚かれ、気持ちが退かれただろうな…
「痛いだろう。でも少し我慢させる。」
ハイド様はシャワールームへ僕の手を引いた。
ここは、簡易的なシャワールームではあるけれど、貴族家のものなので、従者にお世話させられるようなスペースがある。
僕も手を引かれて誘導されたのはここ。普段ハイド様がお世話されるための浴用椅子だった。
ハイド様はズボンの裾と袖を捲り上げると、柔らかな布にお湯を纏わせて緩く絞り、僕の体を手早く拭き上げた。
それから今度は下穿きに指を掛け、ゆっくりと下ろす。
足先を引き抜くと、ハイド様は僕の切っ先を持ち上げて観察を始める。
深夜に爪で弄られたことを思い出す。きっと傷になっているのだろう。
ハイド様はこちらも手早く拭くと、今度は石鹸を泡立て、僕の胸や切っ先を優しく洗ってくださった。
ハイド様の優しい指遣いに、僕は変な気になってしまいそうになるのを堪えながら、変な声が出ないように両手を口に押し付けて我慢した。
そうしてザバリと湯を掛けられると、
「では次は、イードの後孔を確かめさせてくれないか?」
真面目顔のハイド様が、椅子の座面に僕の背中があたるような体勢にして、僕の両足を開かせながら膝が耳に触れるくらいにした。
その足が戻って行かないように僕に抱えさせると、僕のお尻に熱い吐息が掛かる。
それから、シワを広げるようにしたり、出すことが仕事の穴に何かが触れたりした。
《誰が》と言われればハイド様だと答えられるが、僕からは股間の切っ先の向こうにハイド様の美しい髪が見えるだけしかわからない。
それに、自分の足を抱えることになった僕は、口を押さえ付けることはできなくなった。
「…んっあ…」
すると自然と変な声が出てしまい、それにつれて切っ先が自我を持ったように太く立ち上がって行くのも見える。
「ハイド様ぁ…?」
ハイド様から反応はない。
けれど、切っ先の張り詰めた感じに焦ってきた。
「ハイド様ぁ…僕、もぅ」
「うん、蕾は硬い。こちらは大丈夫だな。」
ふわっとした何かがお尻を撫で、
「ひあんっ!」
僕の切っ先が弾け、立ち上がったハイド様の服の、胸を濡らしてしまった。
「はぁ…はぁ…僕ぅ…申しわ…ふぅ…あっ……」
「ここ、痛くなかったかい?」
ハイド様が弾けてしまった先に触れて言う。
「はぃ…だいじょ」
「ならば、湯に浸かっても大丈夫だな。」
気付けば僕は、ハイド様に抱き上げられていた。
ハイド様の素肌の肩や上腕の筋肉が盛り上がっているのを、ぼんやりと見上げた。
18
あなたにおすすめの小説
【8話完結】いじめられっ子だった俺が、覚醒したら騎士団長に求愛されました
キノア9g
BL
いじめられ続けた僕は、ある日突然、異世界に転移した。
けれど、勇者として歓迎されたのは、僕を苦しめてきた“あいつ”の方。僕は無能と決めつけられ、誰からも相手にされなかった。
そんな僕に手を差し伸べてくれたのは、冷酷と恐れられる騎士団長・ジグルドだった。
なのに、あいつの命令で、僕は彼に嘘の告白をしてしまう――「ジグルドさんのことが、好きなんです」
それが、すべての始まりだった。
あの日から彼は、僕だけをまっすぐ見つめてくる。
僕を守る手は、やさしく、強くて、どこまでも真剣だった。
だけど僕には、まだ知られていない“力”がある。
過去の傷も、偽りの言葉も超えて、彼の隣にいてもいいのだろうか。
これは、いじめられっ子の僕が“愛されること”を知っていく、嘘と覚醒の物語。
全8話。
巣ごもりオメガは後宮にひそむ【続編完結】
晦リリ@9/10『死に戻りの神子~』発売
BL
後宮で幼馴染でもあるラナ姫の護衛をしているミシュアルは、つがいがいないのに、すでに契約がすんでいる体であるという判定を受けたオメガ。
発情期はあるものの、つがいが誰なのか、いつつがいの契約がなされたのかは本人もわからない。
そんななか、気になる匂いの落とし物を後宮で拾うようになる。
第9回BL小説大賞にて奨励賞受賞→書籍化しました。ありがとうございます。
愛され少年と嫌われ少年
透
BL
美しい容姿と高い魔力を持ち、誰からも愛される公爵令息のアシェル。アシェルは王子の不興を買ったことで、「顔を焼く」という重い刑罰を受けることになってしまった。
顔を焼かれる苦痛と恐怖に絶叫した次の瞬間、アシェルはまったく別の場所で別人になっていた。それは同じクラスの少年、顔に大きな痣がある、醜い嫌われ者のノクスだった。
元に戻る方法はわからない。戻れたとしても焼かれた顔は醜い。さらにアシェルはノクスになったことで、自分が顔しか愛されていなかった現実を知ってしまう…。
【嫌われ少年の幼馴染(騎士団所属)×愛され少年】
※本作はムーンライトノベルズでも公開しています。
【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】
古森きり
BL
【書籍化決定しました!】
詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります!
たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました!
アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。
政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。
男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。
自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。
行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。
冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。
カクヨムに書き溜め。
小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。
催眠術をかけたら幼馴染の愛が激重すぎる⁉
モト
BL
魔法が使えない主人公リュリュ。
ある日、幼馴染で庭師の息子のセスが自分をハメようと企てていることを知る。
自分の身の危険を回避する為に、魔法が使えなくても出来る術、催眠術をセスにかけた。
異常に効果が効きすぎてしまって、おぉお!? 俺のことをキレイだと褒めて褒めて好き好き言いまくって溺愛してくる。無口で無表情はどうした!? セスはそんな人間じゃないだろう!?
と人格まで催眠術にかかって変わる話だけど、本当のところは……。
2023に『幼馴染に催眠術をかけたら溺愛されまくちゃった⁉』で掲載しておりましたが、全体を改稿し、あまりに内容変更が多いのでアップし直しました。
改稿前とストーリーがやや異なっています。ムーンライトノベルズでも掲載しております。
竜人息子の溺愛!
神谷レイン
BL
コールソン書店の店主レイ(三十七歳)は、十八歳になったばかりの育て子である超美形の竜人騎士であるルークに結婚を迫られていた。
勿論レイは必死に断るがルークは全然諦めてくれず……。
だが、そんな中で竜国から使者がやってくる。
そしてルークはある事実を知らされ、レイはそれに巻き込まれてしまうのだが……。
超美形竜人息子×自称おじさん
親友と同時に死んで異世界転生したけど立場が違いすぎてお嫁さんにされちゃった話
gina
BL
親友と同時に死んで異世界転生したけど、
立場が違いすぎてお嫁さんにされちゃった話です。
タイトルそのままですみません。
【完結】最初で最後の恋をしましょう
関鷹親
BL
家族に搾取され続けたフェリチアーノはある日、搾取される事に疲れはて、ついに家族を捨てる決意をする。
そんな中訪れた夜会で、第四王子であるテオドールに出会い意気投合。
恋愛を知らない二人は、利害の一致から期間限定で恋人同士のふりをすることに。
交流をしていく中で、二人は本当の恋に落ちていく。
《ワンコ系王子×幸薄美人》
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる