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フラグ回収
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そういえば自己紹介がまだでしたね。
モンスターは基本お互いを呼ぶときは種族で呼ぶのであまり気にしませんでした。
私は一応人間と共に働いておりますので、人間に習って呼び名を自分で考えました。
マデラ・レベライト と呼んでいただいております。以後お見知りおきを。
何故このタイミングで自己紹介なのか不思議でしょうが、まぁ昨夜寝る前のフラグを回収してしまっているからで……
言ってしまえば[面倒なこと]が起きてしまったわけで、
「なぁ、マデラさんよぉ!聞いてんのかよぉっ!」
そう私に向かって吠える2人組の冒険者に私の名を呼ばれた時に、そういえば自己紹介をしていなかったと思い出した次第でございます。
遅ればせながらも自己紹介が出来たのはこの二人のクレーマーのおかげという事にしましょう。
*
朝、いつものように出勤し、夜の内に送られてきた書類の量が、昨日の3分の1程度しかない事に喜び、
書類の内容も思ったような面倒な報告書も無く、宝箱の中身になるアイテムの補充願いやモンスターの補充願い、いつもの仕事内容ばかりであった。
この分ならば余裕だと午前中に意気揚々と書類を片付けていれば、
遠くから聞こえる喧騒と、窓口でダンジョン課を案内する職員の声。
明らかに不機嫌です、文句があります。
といった顔でこちらに近づいて来る冒険者二人組は開口一番
「あんたの仕事が杜撰なせいで大怪我をした。どうしてくれる?」
と大声で怒鳴りつけてきたのだ。
これだけでは流石に私もクレーマーなどと決めつけたりはしない。
「大変申し訳ありません。詳しい話をお聞かせ願えますか?」
とりあえず頭を下げ説明を要求
「そのまんまだ!あんたがダンジョンのランク付けしてんだろ!?そのランクに従ってダンジョンに潜ったら明らかに適性より強いモンスターだらけだったんだ!ありゃ詐欺だ!そのせいで3か月も病院暮らしで商売あがったりだったんだぞ!」
二人組の体格がいい方、装備的に戦士系だろうか、不満をぶちまけてくる。
「こちとらその下のランクのダンジョンは余裕でクリア出来る程度には強くなったんだ!あれが詐欺じゃないとするならば何なのか説明しろよ!…マデラさんよぉ!」
チラリと私の胸の名札を確認し、二人組の小さいほう、装備的には盗賊系も声を荒げる。
「申し訳ございません、ただいまダンジョンの情報を確認して参ります。どこのダンジョンの事か場所を伺ってもよろしいでしょうか?」
「中央街はずれの湖のダンジョンだ!」
あぁ……その説明だけで何となく予想がついた。
確かにダンジョンは刻一刻と姿を変える。中に居るモンスターから、昨日の様にダンジョンマスターが変わったりもする。
モンスターによって地形が変わることもあれば、ダンジョンの環境に適した姿にモンスターが姿を変える事だって当然ある。
それらに対応しても冒険者達に情報が行くには少しばかりのタイムラグがどうしても発生してしまうし、そのせいで今回の様にランクに見合わないダンジョンになってしまっていたならそれは事故だ。
今回の件のダンジョン
中央街はずれの湖のダンジョン
適性ランクC
主な特徴 状態異常攻撃持ちが多く状態異常耐性ほぼ必須 水属性のモンスターがほとんどである
ダンジョンマスター ヴォジャノーイ
見た目は髭の生えたカエル男である 本人曰く不死
ある程度攻撃を受けたら宝箱を吐いて逃げる様通達済み
不死性以外の脅威は少ない
ダンジョン情報を確認し、冒険者二人に目をやり、
使用している防具を観察。
やっぱりか、と一人で納得し、二人をクレーマーと位置づけ対応の為二人の元へ
「大変お待たせいたしました。ダンジョンの情報を確認したところ特にCランクで問題無いかと思われますが」
「はぁ!?じゃあなんで俺等が大怪我しなくちゃならなかったんだよ!?」
「失礼ですが使用なされている防具に状態異常耐性はございますか?」
そう、それが彼らがダンジョンでボコられて怪我をした理由だろう。
「あぁ!?」
「見たところ防具屋で売られているままの装備のようですが、こちらで配布しておりますダンジョン情報では状態異常耐性必須ときちんと記載しております。お二人はちゃんとダンジョンの紹介を経てこちらのダンジョンに挑戦されましたか?」
「そ、それは……」
断言する。二人はダンジョンの紹介を受けていない。
大方Dランクのダンジョンが余裕であった為、酒場などで近くのCランクのダンジョン情報を聞き、ろくに調べもせずに突撃したのだろう。
結果、耐性が無い防具であったために状態異常に振り回され大怪我したと……
私が紹介したダンジョンでそうなったのなら、まだ私にも多少は非があるだろうが、自業自得としか言いようがない。
よって、クレーマーと認定した。
「だけどよぉ!」
いきなり自分らに非があると言われ、はいそーですか。と食い下がってくれるわけも無く、
まだ突っかかろうとしてくるが……
まるでタイミングでも計っていたかのように
「お前らさ、冒険者ってのはあらゆる不測の事態に備えとくもんだ。自分らの準備が足りなかった責任を、俺ら役人に擦り付けるのはちーっと違うよな?」
のそっと私の後ろからミヤさんが会話に入ってくる。
「命あっただけマシだし、命が助かったのは彼女がそこのダンジョンのマスターと色々な契約をしてくれてるからだ。そこに感謝はあれど八つ当たりはよくはないな」
突如会話に入ってきたおっさん。思わず
なんだ!?と食い掛ろうとする二人だが、
ミヤさんの事を知っているのか先ほどまでの怒鳴っていた勢いはどこへやら
「「はっ、はい!すいませんっしたぁー!」」
直立不動で敬礼し謝罪する二人。
後で
「大体の冒険者は冒険者になる前に俺の指導を受けるからな」
と彼らが敬礼までした理由を聞き
クレーム対応……今度からミヤさんに任せたいなぁ……
と心から思った。
モンスターは基本お互いを呼ぶときは種族で呼ぶのであまり気にしませんでした。
私は一応人間と共に働いておりますので、人間に習って呼び名を自分で考えました。
マデラ・レベライト と呼んでいただいております。以後お見知りおきを。
何故このタイミングで自己紹介なのか不思議でしょうが、まぁ昨夜寝る前のフラグを回収してしまっているからで……
言ってしまえば[面倒なこと]が起きてしまったわけで、
「なぁ、マデラさんよぉ!聞いてんのかよぉっ!」
そう私に向かって吠える2人組の冒険者に私の名を呼ばれた時に、そういえば自己紹介をしていなかったと思い出した次第でございます。
遅ればせながらも自己紹介が出来たのはこの二人のクレーマーのおかげという事にしましょう。
*
朝、いつものように出勤し、夜の内に送られてきた書類の量が、昨日の3分の1程度しかない事に喜び、
書類の内容も思ったような面倒な報告書も無く、宝箱の中身になるアイテムの補充願いやモンスターの補充願い、いつもの仕事内容ばかりであった。
この分ならば余裕だと午前中に意気揚々と書類を片付けていれば、
遠くから聞こえる喧騒と、窓口でダンジョン課を案内する職員の声。
明らかに不機嫌です、文句があります。
といった顔でこちらに近づいて来る冒険者二人組は開口一番
「あんたの仕事が杜撰なせいで大怪我をした。どうしてくれる?」
と大声で怒鳴りつけてきたのだ。
これだけでは流石に私もクレーマーなどと決めつけたりはしない。
「大変申し訳ありません。詳しい話をお聞かせ願えますか?」
とりあえず頭を下げ説明を要求
「そのまんまだ!あんたがダンジョンのランク付けしてんだろ!?そのランクに従ってダンジョンに潜ったら明らかに適性より強いモンスターだらけだったんだ!ありゃ詐欺だ!そのせいで3か月も病院暮らしで商売あがったりだったんだぞ!」
二人組の体格がいい方、装備的に戦士系だろうか、不満をぶちまけてくる。
「こちとらその下のランクのダンジョンは余裕でクリア出来る程度には強くなったんだ!あれが詐欺じゃないとするならば何なのか説明しろよ!…マデラさんよぉ!」
チラリと私の胸の名札を確認し、二人組の小さいほう、装備的には盗賊系も声を荒げる。
「申し訳ございません、ただいまダンジョンの情報を確認して参ります。どこのダンジョンの事か場所を伺ってもよろしいでしょうか?」
「中央街はずれの湖のダンジョンだ!」
あぁ……その説明だけで何となく予想がついた。
確かにダンジョンは刻一刻と姿を変える。中に居るモンスターから、昨日の様にダンジョンマスターが変わったりもする。
モンスターによって地形が変わることもあれば、ダンジョンの環境に適した姿にモンスターが姿を変える事だって当然ある。
それらに対応しても冒険者達に情報が行くには少しばかりのタイムラグがどうしても発生してしまうし、そのせいで今回の様にランクに見合わないダンジョンになってしまっていたならそれは事故だ。
今回の件のダンジョン
中央街はずれの湖のダンジョン
適性ランクC
主な特徴 状態異常攻撃持ちが多く状態異常耐性ほぼ必須 水属性のモンスターがほとんどである
ダンジョンマスター ヴォジャノーイ
見た目は髭の生えたカエル男である 本人曰く不死
ある程度攻撃を受けたら宝箱を吐いて逃げる様通達済み
不死性以外の脅威は少ない
ダンジョン情報を確認し、冒険者二人に目をやり、
使用している防具を観察。
やっぱりか、と一人で納得し、二人をクレーマーと位置づけ対応の為二人の元へ
「大変お待たせいたしました。ダンジョンの情報を確認したところ特にCランクで問題無いかと思われますが」
「はぁ!?じゃあなんで俺等が大怪我しなくちゃならなかったんだよ!?」
「失礼ですが使用なされている防具に状態異常耐性はございますか?」
そう、それが彼らがダンジョンでボコられて怪我をした理由だろう。
「あぁ!?」
「見たところ防具屋で売られているままの装備のようですが、こちらで配布しておりますダンジョン情報では状態異常耐性必須ときちんと記載しております。お二人はちゃんとダンジョンの紹介を経てこちらのダンジョンに挑戦されましたか?」
「そ、それは……」
断言する。二人はダンジョンの紹介を受けていない。
大方Dランクのダンジョンが余裕であった為、酒場などで近くのCランクのダンジョン情報を聞き、ろくに調べもせずに突撃したのだろう。
結果、耐性が無い防具であったために状態異常に振り回され大怪我したと……
私が紹介したダンジョンでそうなったのなら、まだ私にも多少は非があるだろうが、自業自得としか言いようがない。
よって、クレーマーと認定した。
「だけどよぉ!」
いきなり自分らに非があると言われ、はいそーですか。と食い下がってくれるわけも無く、
まだ突っかかろうとしてくるが……
まるでタイミングでも計っていたかのように
「お前らさ、冒険者ってのはあらゆる不測の事態に備えとくもんだ。自分らの準備が足りなかった責任を、俺ら役人に擦り付けるのはちーっと違うよな?」
のそっと私の後ろからミヤさんが会話に入ってくる。
「命あっただけマシだし、命が助かったのは彼女がそこのダンジョンのマスターと色々な契約をしてくれてるからだ。そこに感謝はあれど八つ当たりはよくはないな」
突如会話に入ってきたおっさん。思わず
なんだ!?と食い掛ろうとする二人だが、
ミヤさんの事を知っているのか先ほどまでの怒鳴っていた勢いはどこへやら
「「はっ、はい!すいませんっしたぁー!」」
直立不動で敬礼し謝罪する二人。
後で
「大体の冒険者は冒険者になる前に俺の指導を受けるからな」
と彼らが敬礼までした理由を聞き
クレーム対応……今度からミヤさんに任せたいなぁ……
と心から思った。
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