29 / 75
全力で
しおりを挟む
二人に出会ったのは最初の町の酒場だった。
子供の来る場所じゃないと言われ、引き返そうとすると人にぶつかってしまった。
大丈夫か坊主、なんて大きな手でわしわしと頭を撫でられた。
一度だけ付き合ってやる。なんて言ってくれた戦士さんと、
戦士さんが連れてきた僧侶さんが、今でも一緒について来てくれているのは本当に嬉しいよ。
▽
マデラと神楽が勇者達の相談を受けている頃、
のぼせた事と酔いが回った事により、ぐったりと動けないハーピィとパパラは、
吸血鬼から狙われていた。
部屋の中を細かく飛び回り、隙あれば血を頂こうとする吸血鬼を、
そうはさせまいとリリスが応戦する。
障壁を張り、魔法を使い、時には直接弾いて。
リリスも酒が周り、いつもの実力は出せないでいるし、何より自分の魅了が効かない吸血鬼相手でかなり苦戦している。
それでも、それでも、自分の配下と酒飲み仲間である2人を、本人の同意無く血を吸わせるわけにはいかない。
と酔いにも負けず、デタラメ相手に応戦しているのである。
「もういい加減に諦めたらどうですの!?」
「そんな事言うってことは~、そろそろバテてきました~?」
ツヅラオと呼ばれた妖狐には期待をしていませんでしたけど、流石にわたくし一人では限界が近いですわね。
と内心で唇を噛むも、表には絶対に出さない。
少しでも顔に出せば、あのデタラメはますます調子に乗るだろうから。と。
元々リリスの戦闘能力は並み以上ではあるが、他のSランクのマスター達には及ばない。
その魅了魔法により、あらゆる敵を無力化出来る事がリリスのSランクマスターとなった最大の要因であるし、無抵抗の相手を倒すことに戦闘能力はそこまで必要ないからだ。
肉弾戦はもとより、魔法も扱えはするが並み以上といった程度。
少なくとも、眼前のうざったい黒い跳ね回る存在を取らえられるほど速さは無く、一発で仕留められるほど威力も無い。
風呂から上がると部屋に用意されていた布団や枕を空中に浮かせ、動きを制限してみようと試みたが、
逆に利用され、こちらの視界を制限されるよう使われてしまった。
「そろそろ~、お腹が空いたので~、本気出しますね~」
と言うやいなや
速度が上がる。
下手すればハーピィに匹敵しそうなその速さは、もはやリリスがどうこう出来る速度ではない。
ここまでか、なんて諦めが頭を過った時である。
「えーい!なのです!」
とツヅラオが枕を投げた。
いや、当たるわけがない。と思ったが、すぐにその意図を理解する。
注意を引いてくれたのだ。吸血鬼の。
結果、声の方を確認する為に一瞬速度が緩んだ吸血鬼を、リリスは捉える事に成功する。
捉えると言っても魔法などでではなく、いわゆる相手の上半身に乗りかかるマウントポジションと呼ばれる格好だ。
そしてツヅラオの投げた枕が見事にヒットする。
……吸血鬼のではなく、マデラの顔面にではあるが。
ベフッなんて音を立てて、ゆっくりずり落ちる枕を見て、
吸血鬼とわたくしは二人そろって爆笑いたしましたわ。
そこには、恐怖を感じる無表情で立っているドラさんが居ましたが。
*
流れが分からないが、とりあえず馬乗りで動きを封じられている吸血鬼が何かしていたんですかね。
……ふふふ。
「ツヅラオ、状況の説明をお願いします」
「はひっ!きゅ、吸血鬼さんが、二人の血を狙っていたのです。な、なので、リ、リリスさんが応戦していたのです。そ、それで、ぼ、僕も手伝おうと、ま、枕を、投げて……」
そんなに怯えなくて結構ですよ。ツヅラオには怒っていませんからね。
部屋を見渡せば、なるほど、リリスの魔法でかところどころ焦げたり、裂かれたりしている箇所が見受けられますね。
「リリス、そこの黒い生き物から少し離れて貰えますか?」
「え、えぇ……」
離せば逃げると思うのだが大丈夫だろうか、と思いはしたが、何分マデラの無表情がとにかく怖く、言われたままにするしかない。
リリスが離れるのと、2人のデタラメが目に追えぬ速度で動くのが同時だった。
ちょ、まっ、バキッ、グシャ、だ、待って、ベキッ、バシン、どす。
ものの数秒の出来事、
見れば床に叩きつけられ、マデラの尻尾で押さえつけられている吸血鬼の姿が。
「降参です~。なので放して貰えます~?いや、本当に痛いんです~。もうしませんから~」
「直接口を付けての吸血、及び本人の許可が無い吸血は禁止していましたよね?」
直接血を吸えば、問答無用で吸血鬼へと種族を変えさせてしまうし、吸血行為自体が魔力を吸われる事と同義だ。
それにと続け、
「先程勇者のパーティから闇の様なものに襲われたと伺いました。あなたですよね?」
「はて~?何を根拠に~?」
何のことだ、ととぼける。
「ツヅラオ、モンスターの中で闇、もしくは影のみで行動するモンスターは記憶にありますか?」
ダンジョン課で過ごしていればモンスターの情報などそこらに転がっている。
私の記憶に影、または闇そのものなど魔王様以外に居ない。
「いえ、記憶にないのです」
二人の記憶にないという事は、可能性は2つ。
新種のモンスターか、別のモンスターが何らかの形で変身なりしているか、である。
新種のモンスターの可能性は勇者たちが生きている事で否定された。
新しいモンスターは今の世界の状況を理解しておらず、人間を殺さないという手加減をしない為である。
そして変身している可能性はもちろん、吸血鬼以外が変身している、と言った場合もあるだろう。
しかし、勇者達が手も足も出なかったなどと言うふざけた強さに変身出来るモンスターなど限られてくる。
そして極めつけは、吸血鬼が血を吸おうとしている事と、”嘘”をついていない事である。
彼の魔法を使えば、簡単に血が吸えているはずで、それをしなかったという事は、それだけ消耗しているという事だ。
……自分より弱くしたとはいえ、魔王様を模すのに想像以上の魔力を消費したのだろう。
「あっさりばれちゃってますね~。楽しかったですよ~?人間が絶望していく様を見届けるのは~」
キヒヒと気味の悪い笑いをし、彼は言う。
「久しぶりに楽しい充実したイタズラでしたよ~?」
と。
こいつ、……本当に一度潰しておいた方がいいのでは?
なんて思っていると、ワインを片手に姉御が登場。
「あんたら何しとるん?ほら、蝙蝠。ワイン持ってきたで。」
「きゃっほ~。ありがとうございま~す」
がっちりと押さえつけていた筈なのに難なく抜けられ、ワインに一直線。
そんな様子を見ながら、私とリリスとツヅラオは同じタイミングでため息をつくのだった。
子供の来る場所じゃないと言われ、引き返そうとすると人にぶつかってしまった。
大丈夫か坊主、なんて大きな手でわしわしと頭を撫でられた。
一度だけ付き合ってやる。なんて言ってくれた戦士さんと、
戦士さんが連れてきた僧侶さんが、今でも一緒について来てくれているのは本当に嬉しいよ。
▽
マデラと神楽が勇者達の相談を受けている頃、
のぼせた事と酔いが回った事により、ぐったりと動けないハーピィとパパラは、
吸血鬼から狙われていた。
部屋の中を細かく飛び回り、隙あれば血を頂こうとする吸血鬼を、
そうはさせまいとリリスが応戦する。
障壁を張り、魔法を使い、時には直接弾いて。
リリスも酒が周り、いつもの実力は出せないでいるし、何より自分の魅了が効かない吸血鬼相手でかなり苦戦している。
それでも、それでも、自分の配下と酒飲み仲間である2人を、本人の同意無く血を吸わせるわけにはいかない。
と酔いにも負けず、デタラメ相手に応戦しているのである。
「もういい加減に諦めたらどうですの!?」
「そんな事言うってことは~、そろそろバテてきました~?」
ツヅラオと呼ばれた妖狐には期待をしていませんでしたけど、流石にわたくし一人では限界が近いですわね。
と内心で唇を噛むも、表には絶対に出さない。
少しでも顔に出せば、あのデタラメはますます調子に乗るだろうから。と。
元々リリスの戦闘能力は並み以上ではあるが、他のSランクのマスター達には及ばない。
その魅了魔法により、あらゆる敵を無力化出来る事がリリスのSランクマスターとなった最大の要因であるし、無抵抗の相手を倒すことに戦闘能力はそこまで必要ないからだ。
肉弾戦はもとより、魔法も扱えはするが並み以上といった程度。
少なくとも、眼前のうざったい黒い跳ね回る存在を取らえられるほど速さは無く、一発で仕留められるほど威力も無い。
風呂から上がると部屋に用意されていた布団や枕を空中に浮かせ、動きを制限してみようと試みたが、
逆に利用され、こちらの視界を制限されるよう使われてしまった。
「そろそろ~、お腹が空いたので~、本気出しますね~」
と言うやいなや
速度が上がる。
下手すればハーピィに匹敵しそうなその速さは、もはやリリスがどうこう出来る速度ではない。
ここまでか、なんて諦めが頭を過った時である。
「えーい!なのです!」
とツヅラオが枕を投げた。
いや、当たるわけがない。と思ったが、すぐにその意図を理解する。
注意を引いてくれたのだ。吸血鬼の。
結果、声の方を確認する為に一瞬速度が緩んだ吸血鬼を、リリスは捉える事に成功する。
捉えると言っても魔法などでではなく、いわゆる相手の上半身に乗りかかるマウントポジションと呼ばれる格好だ。
そしてツヅラオの投げた枕が見事にヒットする。
……吸血鬼のではなく、マデラの顔面にではあるが。
ベフッなんて音を立てて、ゆっくりずり落ちる枕を見て、
吸血鬼とわたくしは二人そろって爆笑いたしましたわ。
そこには、恐怖を感じる無表情で立っているドラさんが居ましたが。
*
流れが分からないが、とりあえず馬乗りで動きを封じられている吸血鬼が何かしていたんですかね。
……ふふふ。
「ツヅラオ、状況の説明をお願いします」
「はひっ!きゅ、吸血鬼さんが、二人の血を狙っていたのです。な、なので、リ、リリスさんが応戦していたのです。そ、それで、ぼ、僕も手伝おうと、ま、枕を、投げて……」
そんなに怯えなくて結構ですよ。ツヅラオには怒っていませんからね。
部屋を見渡せば、なるほど、リリスの魔法でかところどころ焦げたり、裂かれたりしている箇所が見受けられますね。
「リリス、そこの黒い生き物から少し離れて貰えますか?」
「え、えぇ……」
離せば逃げると思うのだが大丈夫だろうか、と思いはしたが、何分マデラの無表情がとにかく怖く、言われたままにするしかない。
リリスが離れるのと、2人のデタラメが目に追えぬ速度で動くのが同時だった。
ちょ、まっ、バキッ、グシャ、だ、待って、ベキッ、バシン、どす。
ものの数秒の出来事、
見れば床に叩きつけられ、マデラの尻尾で押さえつけられている吸血鬼の姿が。
「降参です~。なので放して貰えます~?いや、本当に痛いんです~。もうしませんから~」
「直接口を付けての吸血、及び本人の許可が無い吸血は禁止していましたよね?」
直接血を吸えば、問答無用で吸血鬼へと種族を変えさせてしまうし、吸血行為自体が魔力を吸われる事と同義だ。
それにと続け、
「先程勇者のパーティから闇の様なものに襲われたと伺いました。あなたですよね?」
「はて~?何を根拠に~?」
何のことだ、ととぼける。
「ツヅラオ、モンスターの中で闇、もしくは影のみで行動するモンスターは記憶にありますか?」
ダンジョン課で過ごしていればモンスターの情報などそこらに転がっている。
私の記憶に影、または闇そのものなど魔王様以外に居ない。
「いえ、記憶にないのです」
二人の記憶にないという事は、可能性は2つ。
新種のモンスターか、別のモンスターが何らかの形で変身なりしているか、である。
新種のモンスターの可能性は勇者たちが生きている事で否定された。
新しいモンスターは今の世界の状況を理解しておらず、人間を殺さないという手加減をしない為である。
そして変身している可能性はもちろん、吸血鬼以外が変身している、と言った場合もあるだろう。
しかし、勇者達が手も足も出なかったなどと言うふざけた強さに変身出来るモンスターなど限られてくる。
そして極めつけは、吸血鬼が血を吸おうとしている事と、”嘘”をついていない事である。
彼の魔法を使えば、簡単に血が吸えているはずで、それをしなかったという事は、それだけ消耗しているという事だ。
……自分より弱くしたとはいえ、魔王様を模すのに想像以上の魔力を消費したのだろう。
「あっさりばれちゃってますね~。楽しかったですよ~?人間が絶望していく様を見届けるのは~」
キヒヒと気味の悪い笑いをし、彼は言う。
「久しぶりに楽しい充実したイタズラでしたよ~?」
と。
こいつ、……本当に一度潰しておいた方がいいのでは?
なんて思っていると、ワインを片手に姉御が登場。
「あんたら何しとるん?ほら、蝙蝠。ワイン持ってきたで。」
「きゃっほ~。ありがとうございま~す」
がっちりと押さえつけていた筈なのに難なく抜けられ、ワインに一直線。
そんな様子を見ながら、私とリリスとツヅラオは同じタイミングでため息をつくのだった。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜
サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。
〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。
だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。
〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。
危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。
『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』
いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。
すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。
これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~
緋色優希
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。
老聖女の政略結婚
那珂田かな
ファンタジー
エルダリス前国王の長女として生まれ、半世紀ものあいだ「聖女」として太陽神ソレイユに仕えてきたセラ。
六十歳となり、ついに若き姪へと聖女の座を譲り、静かな余生を送るはずだった。
しかし式典後、甥である皇太子から持ち込まれたのは――二十歳の隣国王との政略結婚の話。
相手は内乱終結直後のカルディア王、エドモンド。王家の威信回復と政権安定のため、彼には強力な後ろ盾が必要だという。
子も産めない年齢の自分がなぜ王妃に? 迷いと不安、そして少しの笑いを胸に、セラは決断する。
穏やかな余生か、嵐の老後か――
四十歳差の政略婚から始まる、波乱の日々が幕を開ける。
異世界へ行って帰って来た
バルサック
ファンタジー
ダンジョンの出現した日本で、じいさんの形見となった指輪で異世界へ行ってしまった。
そして帰って来た。2つの世界を往来できる力で様々な体験をする神須勇だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる