33 / 75
ダンジョン職業病
しおりを挟む
思うんだけどさ。
なんだ?
どこの町も治安いいよね。盗賊とか、見た事無いし。
盗賊なる位なら冒険者になるだろ。わざわざモンスターと戦ってるのにさらに人間まで敵に回す理由が無い。
それに、盗みなどを働かなければならない程、生活が苦しくならない様に国や街が様々な政策を行ってくれていますし。
?私腹を肥やすような統治者は居ないって事?
んな事したら冒険者来なくなるからな。それか逆に大勢来てその椅子から降ろされるか。だから本当に国や街を守りたいって思ってる人らが統治するし、冒険者もそれに応えるのさ。クエストなんかでな。
段々と考え変わってきちゃうよ。そんな話聞くと。
▽
「おかえリー。結構時間掛かったネー」
魔王様の倉庫漁りで一時間程待ってましたからね。思ったより遅くなってしまいました。
出かけたのが朝早かったのでまだ昼には少し早い時間帯。
「今日は皆さん何をなさいますの?」
「特に予定はあらへんなぁ」
「酔い覚ましニ空飛んでくルー」
「お姉さまから決して離れず一日べったりする予定ですわ」
「皆さんに付いていくのです」
今日の予定をリリスが聞けば、思い思いに考えていない。か好きな事をする。と言った返答。
「ドラさんは何をなさるご予定で?」
「ゆっくり温泉を楽しもうかと思っていましたが?」
昨日の温泉は酔い潰れてのぼせた方々のおかげで少ししか堪能出来ませんでしたので。
などと考えていた時である。
唐突に、バサバサと羽音が響く。皆が無意識にハーピィを見ると、
「いヤ、私あんなニ不細工な音出さないヨ?」
と本人にしか分からないような表現で否定された。
では一体誰が……と、窓の外を見れば、
こちらは私達にも分かる不細工な見た目の鳥が、口に何か手紙を咥えて、しかし体から煙を上げながら、何とか今の高度を保っている。というような光景があった。
*
たくさんのモンスターが集まり、皆が皆思い思いの事を呟く、あるいは漏らす、……あるいは呻く。
「は~い、痛いのは最初だけだからね~。ちょっと燃えるけど我慢してね~」
一見若い、しかしよく見れば顔や手には皺があり、老いている。というよりは萎びていると表現した方がしっくりくるような白衣に身を包んだその者は、
その容姿で一番に目につくであろう燃え続ける髪の毛を引き抜きながら言う。
燃え続ける、しかしすぐに後から後から生えてくる故に、一向に炎が燃やし尽くすことが無い髪を引き抜き、すぐに目の前のモンスターの腕に押し当てる。
「――っ!?」
冒険者から毒矢を受け、化膿している右腕に押し付けられた髪は、ゴウッと白衣の者の手ごと、盛大な火柱を作る。
あまりに唐突に起こったその現象に、思わず全力で後退し、警戒するオークは……しかし。
化膿した部分どころか、右腕にあった全ての傷が跡形も無く治っている事に驚く。
「あぁごめんねー。やっぱり驚くよね~」
にへらぁ、と笑顔をオークに向け、お大事にーと手を振る彼は、
モンスター専用の医療機関『地水空』の空担当、神獣 〈不死鳥〉である。
「ちょっとー空の。いつもみたいにゆったりやってんじゃないわよー?」
「あぁ、悪いね水の。応援を頼んでみたからもう少しの辛抱だねぇ」
水の、と呼ばれた、赤白黒の模様の入った法被を着た少女の見た目の彼女は、水担当の神獣〈錦鯉〉。一度龍へと成ったが自分で錦鯉に戻った変わり者である。
「いや、お前ら。手当全部俺に任してんじゃねぇよ。働けごら」
黙々と寝かされているモンスター達に処置を施していたがもう我慢の限界。と最後の地担当の神獣〈麒麟〉が二人にかみつく。
立派な角に端整な顔立ちで、如何にも何でもこなすと纏っている空気で語っている。
「僕は外科だからねー。よくわかんないんだよー」
「薬湯なら言われた分は作ったわよ。それとも何?弱音?」
「使えねぇ……」
そんなやり取りをしながらも各々が未だに捌ききれない患者の列にうんざりし始めたころ。
ようやく、不死鳥の応援に応じてくれた彼女らが到着した。
「何やら書面で読めば大変なようですが……いかがしましたか?」
燃える様な真っ赤な髪の女性を先頭に、九尾1体とサキュバスが2体。
「おう魔王の言いなり。てめぇの人事のせいでご覧の有様だよ!」
ビシッ、と麒麟が紅蓮髪の女性を指差しさらに叫ぶ。
「ここに寝てるモンスター全員、熱中症だ馬鹿野郎!」
*
熱中症、熱い場所等で体温が上昇し様々な症状を併発する……人間ではこう説明される。
ではモンスターでは?基本的な説明は変わらない。が、併発した症状により魔力が制御出来なくなり最終的には暴走してしまう事もある為、人間同様甘く見れない症状である。
「話聞けばほぼ全員が最近になって火山のダンジョンに配置されたっつってんだよ。それまで熱い場所に居なかったのに急にんな場所に移動させられるなんざそら熱中症にもなるだろって話だ!」
「というわけで、手伝ってね。ドラゴンさん達」
と、人手が足りないと書かれた手紙の主の所へ迎えば、そうまくし立てられ手伝う事に。
そもそも相手は神獣どもですし、私たちと文字通り格が違う存在の為、基本的に歯向かえないのですが。
神獣
文字通り神の使いの獣。
今の魔王様の作ったこの世界を、バランスの取れた世界と評し、そのバランスを保つ為に、と神から独立してモンスターに手を貸す存在。
手を貸す、と言っても共に戦うといった事はせず、もっぱら医療機関であるこの地水空で病気やケガなどを治してくれている。
いくらモンスターが人間に比べタフで自然治癒力が高いと言っても、毒やマヒといった状態異常や、容赦のない冒険者の一撃で四肢切断から全身やけど等、自力ではどうあがいても回復できない状態に陥ることもある。そんなモンスターがここに送られ、彼らの手腕によりごく短期間でダンジョンへ戻る事が出来るのだ。
若干癖のある3人だが、協力的な事には変わりないし、何より腕は確かである。
そんな彼らの手助けの為、私たちは言われるままに配置へ。
まず姉御は錦鯉の元へ。薬湯を共に作るとの事。
続いてリリスとパパラ。これは麒麟の元で熱中症のモンスター達への対応。
体内で暴走しかける魔力の流れを正すとかなんとか。
そして私は不死鳥の元へ。
回復魔法を用いて不死鳥への助力と、もう一つ。不死鳥を殺すという役割も。
なんだ?
どこの町も治安いいよね。盗賊とか、見た事無いし。
盗賊なる位なら冒険者になるだろ。わざわざモンスターと戦ってるのにさらに人間まで敵に回す理由が無い。
それに、盗みなどを働かなければならない程、生活が苦しくならない様に国や街が様々な政策を行ってくれていますし。
?私腹を肥やすような統治者は居ないって事?
んな事したら冒険者来なくなるからな。それか逆に大勢来てその椅子から降ろされるか。だから本当に国や街を守りたいって思ってる人らが統治するし、冒険者もそれに応えるのさ。クエストなんかでな。
段々と考え変わってきちゃうよ。そんな話聞くと。
▽
「おかえリー。結構時間掛かったネー」
魔王様の倉庫漁りで一時間程待ってましたからね。思ったより遅くなってしまいました。
出かけたのが朝早かったのでまだ昼には少し早い時間帯。
「今日は皆さん何をなさいますの?」
「特に予定はあらへんなぁ」
「酔い覚ましニ空飛んでくルー」
「お姉さまから決して離れず一日べったりする予定ですわ」
「皆さんに付いていくのです」
今日の予定をリリスが聞けば、思い思いに考えていない。か好きな事をする。と言った返答。
「ドラさんは何をなさるご予定で?」
「ゆっくり温泉を楽しもうかと思っていましたが?」
昨日の温泉は酔い潰れてのぼせた方々のおかげで少ししか堪能出来ませんでしたので。
などと考えていた時である。
唐突に、バサバサと羽音が響く。皆が無意識にハーピィを見ると、
「いヤ、私あんなニ不細工な音出さないヨ?」
と本人にしか分からないような表現で否定された。
では一体誰が……と、窓の外を見れば、
こちらは私達にも分かる不細工な見た目の鳥が、口に何か手紙を咥えて、しかし体から煙を上げながら、何とか今の高度を保っている。というような光景があった。
*
たくさんのモンスターが集まり、皆が皆思い思いの事を呟く、あるいは漏らす、……あるいは呻く。
「は~い、痛いのは最初だけだからね~。ちょっと燃えるけど我慢してね~」
一見若い、しかしよく見れば顔や手には皺があり、老いている。というよりは萎びていると表現した方がしっくりくるような白衣に身を包んだその者は、
その容姿で一番に目につくであろう燃え続ける髪の毛を引き抜きながら言う。
燃え続ける、しかしすぐに後から後から生えてくる故に、一向に炎が燃やし尽くすことが無い髪を引き抜き、すぐに目の前のモンスターの腕に押し当てる。
「――っ!?」
冒険者から毒矢を受け、化膿している右腕に押し付けられた髪は、ゴウッと白衣の者の手ごと、盛大な火柱を作る。
あまりに唐突に起こったその現象に、思わず全力で後退し、警戒するオークは……しかし。
化膿した部分どころか、右腕にあった全ての傷が跡形も無く治っている事に驚く。
「あぁごめんねー。やっぱり驚くよね~」
にへらぁ、と笑顔をオークに向け、お大事にーと手を振る彼は、
モンスター専用の医療機関『地水空』の空担当、神獣 〈不死鳥〉である。
「ちょっとー空の。いつもみたいにゆったりやってんじゃないわよー?」
「あぁ、悪いね水の。応援を頼んでみたからもう少しの辛抱だねぇ」
水の、と呼ばれた、赤白黒の模様の入った法被を着た少女の見た目の彼女は、水担当の神獣〈錦鯉〉。一度龍へと成ったが自分で錦鯉に戻った変わり者である。
「いや、お前ら。手当全部俺に任してんじゃねぇよ。働けごら」
黙々と寝かされているモンスター達に処置を施していたがもう我慢の限界。と最後の地担当の神獣〈麒麟〉が二人にかみつく。
立派な角に端整な顔立ちで、如何にも何でもこなすと纏っている空気で語っている。
「僕は外科だからねー。よくわかんないんだよー」
「薬湯なら言われた分は作ったわよ。それとも何?弱音?」
「使えねぇ……」
そんなやり取りをしながらも各々が未だに捌ききれない患者の列にうんざりし始めたころ。
ようやく、不死鳥の応援に応じてくれた彼女らが到着した。
「何やら書面で読めば大変なようですが……いかがしましたか?」
燃える様な真っ赤な髪の女性を先頭に、九尾1体とサキュバスが2体。
「おう魔王の言いなり。てめぇの人事のせいでご覧の有様だよ!」
ビシッ、と麒麟が紅蓮髪の女性を指差しさらに叫ぶ。
「ここに寝てるモンスター全員、熱中症だ馬鹿野郎!」
*
熱中症、熱い場所等で体温が上昇し様々な症状を併発する……人間ではこう説明される。
ではモンスターでは?基本的な説明は変わらない。が、併発した症状により魔力が制御出来なくなり最終的には暴走してしまう事もある為、人間同様甘く見れない症状である。
「話聞けばほぼ全員が最近になって火山のダンジョンに配置されたっつってんだよ。それまで熱い場所に居なかったのに急にんな場所に移動させられるなんざそら熱中症にもなるだろって話だ!」
「というわけで、手伝ってね。ドラゴンさん達」
と、人手が足りないと書かれた手紙の主の所へ迎えば、そうまくし立てられ手伝う事に。
そもそも相手は神獣どもですし、私たちと文字通り格が違う存在の為、基本的に歯向かえないのですが。
神獣
文字通り神の使いの獣。
今の魔王様の作ったこの世界を、バランスの取れた世界と評し、そのバランスを保つ為に、と神から独立してモンスターに手を貸す存在。
手を貸す、と言っても共に戦うといった事はせず、もっぱら医療機関であるこの地水空で病気やケガなどを治してくれている。
いくらモンスターが人間に比べタフで自然治癒力が高いと言っても、毒やマヒといった状態異常や、容赦のない冒険者の一撃で四肢切断から全身やけど等、自力ではどうあがいても回復できない状態に陥ることもある。そんなモンスターがここに送られ、彼らの手腕によりごく短期間でダンジョンへ戻る事が出来るのだ。
若干癖のある3人だが、協力的な事には変わりないし、何より腕は確かである。
そんな彼らの手助けの為、私たちは言われるままに配置へ。
まず姉御は錦鯉の元へ。薬湯を共に作るとの事。
続いてリリスとパパラ。これは麒麟の元で熱中症のモンスター達への対応。
体内で暴走しかける魔力の流れを正すとかなんとか。
そして私は不死鳥の元へ。
回復魔法を用いて不死鳥への助力と、もう一つ。不死鳥を殺すという役割も。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜
サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。
〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。
だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。
〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。
危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。
『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』
いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。
すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。
これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~
緋色優希
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。
老聖女の政略結婚
那珂田かな
ファンタジー
エルダリス前国王の長女として生まれ、半世紀ものあいだ「聖女」として太陽神ソレイユに仕えてきたセラ。
六十歳となり、ついに若き姪へと聖女の座を譲り、静かな余生を送るはずだった。
しかし式典後、甥である皇太子から持ち込まれたのは――二十歳の隣国王との政略結婚の話。
相手は内乱終結直後のカルディア王、エドモンド。王家の威信回復と政権安定のため、彼には強力な後ろ盾が必要だという。
子も産めない年齢の自分がなぜ王妃に? 迷いと不安、そして少しの笑いを胸に、セラは決断する。
穏やかな余生か、嵐の老後か――
四十歳差の政略婚から始まる、波乱の日々が幕を開ける。
異世界へ行って帰って来た
バルサック
ファンタジー
ダンジョンの出現した日本で、じいさんの形見となった指輪で異世界へ行ってしまった。
そして帰って来た。2つの世界を往来できる力で様々な体験をする神須勇だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる