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四十二発目 島の宿
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「王都から?こんな辺鄙な島にようこそお越し頂きました」
口ひげを生やした中年の宿屋の主人は愛想の良い笑みを浮かべながら言う。
「しかしどうやってこの島に?船で・・転送魔法?そのような便利なものあるのですな!世界は広いですな!」
ここは島の宿屋。海辺から少し行くとそこには白い石造りの建物がいくつもある街がある。街は漁業と訪れる観光客で成り立っているらしい。小さな街の小さな通りには魚や野菜を売る市場がいくつも並んでいた。
宿屋の主人は笑みを浮かべて日焼けした浅黒い肌と対照的な白い歯を見せながら俺たちを出迎えた。その白髪がいくぶん混じった黒髪は後ろに撫で付けられている。
「ええと、後ろのお連れ様二名は?」
「ああ、妻です」
「おふたりとも?」
「ええ、まあ」
「両手に花というやつですな!おふたりともお美しい!ウチの女房とは大違いだ」
俺の後ろにいるシュヴェーアトは鼻高々といったところだがマギーはやや照れくさそうである。
「それではこの宿帳にご記名頂けますか」
「ああ、はい」
アリサから習った読み書きを今こそ試す時だ。俺は宿帳に自らの名前を書く。文字を書きながらアリサの部屋での情事をふと思い出す。ランプの灯に照らされたその美しい顔が歪み小さな口からこぼれる喘ぎ声を。
「シュヴァンツ様?もしかして勇者の?」
「いや・・」
「ハハハ!失敬!勇者様がこのような小さな島の宿屋など泊まるわけがありますまい。さあ、荷物をお運びしましょう」
通された部屋はそこそこの大きさでテラスからは街とその向こうに見える海が一望出来る。ベットは大きいがひとつしかない。
「ベットはひとつだけですがよろしいでしょうか?」
主人は俺にたずねる。その手には俺が持参した鞄が握られている。
「まあ、大丈夫ですよ」
主人は一瞬シュヴェーアトとマギーを交互にチラッと見ると何やら意味ありげな笑みを浮かべた。
「そうですか。かしこまりました。ところで海に入られましたか?」
「ええ」
「そうでしたか。潮の香りがしたもので。浴場で汚れと疲れを落とすのがよろしいかと」
「そうですね」
「それではごゆっくり。私は失礼します」
そう言って主人は部屋を出る。お喋り屋がいなくなり部屋は急にしんとなる。
「さて、みんなじゃあひと風呂浴びるか」
俺はひとり、浴場の湯に浸かる。ここは宿屋なので当然ながら男湯、女湯で別れている。客は俺たちだけではなさそうだが浴場には俺だけのようだ。壁の向こうにはシュヴェーアトとマギーがいるのだろう。ふたりはどんなやり取りをしているのか。ここからさっぱりわからない。
食堂での夕食では島で取れた海鮮物を使った料理が振る舞われた。
「ここは小さな宿ですからな。料理も私が作ってるんです。お口に合いましたかな」
「ええ」
主人は頼まれもしないのにそれから料理や素材について解説を続けたが適当なところで切り上げ部屋に戻るとした。
テラスからは潮の匂い、遠くからは波の音が聞こえる。眼下に見える白い石造りの街にはそれぞれ灯が灯ってるいるのが見える。
俺とシュヴェーアト、マギーはそれぞれ宿の用意した薄い布で出来た寝間着を羽織っている。前側で紐を結ぶ簡単な作りだ。俺の右側にはシュヴェーアト、左側にはマギーが立ち同じ風景を眺めている。
左右に立っているふたりの尻に手を伸ばす。寝間着の薄い布越しに尻の感触が伝わってくる。シュヴェーアトの尻は筋肉質でしなやかな弾力を放ち、マギーの尻は小ぶりでどこまでも柔らかい。
尻を揉まれながらシュヴェーアトは爛々とした眼差しをこちらに向けマギーはややうつむき気味である。シュヴェーアトの前だと恥ずかしいのだろうか。転送魔法で飛ばされた田舎の村で痴態を見せつけたというのに。
ふたりの手を取って部屋の中のベットの前まで誘う。大きめのベッドだ。三人でも大丈夫だろう。俺はシュヴェーアトとマギーに告げる。
「さあ、ふたりとも脱いで裸になるんだ」
口ひげを生やした中年の宿屋の主人は愛想の良い笑みを浮かべながら言う。
「しかしどうやってこの島に?船で・・転送魔法?そのような便利なものあるのですな!世界は広いですな!」
ここは島の宿屋。海辺から少し行くとそこには白い石造りの建物がいくつもある街がある。街は漁業と訪れる観光客で成り立っているらしい。小さな街の小さな通りには魚や野菜を売る市場がいくつも並んでいた。
宿屋の主人は笑みを浮かべて日焼けした浅黒い肌と対照的な白い歯を見せながら俺たちを出迎えた。その白髪がいくぶん混じった黒髪は後ろに撫で付けられている。
「ええと、後ろのお連れ様二名は?」
「ああ、妻です」
「おふたりとも?」
「ええ、まあ」
「両手に花というやつですな!おふたりともお美しい!ウチの女房とは大違いだ」
俺の後ろにいるシュヴェーアトは鼻高々といったところだがマギーはやや照れくさそうである。
「それではこの宿帳にご記名頂けますか」
「ああ、はい」
アリサから習った読み書きを今こそ試す時だ。俺は宿帳に自らの名前を書く。文字を書きながらアリサの部屋での情事をふと思い出す。ランプの灯に照らされたその美しい顔が歪み小さな口からこぼれる喘ぎ声を。
「シュヴァンツ様?もしかして勇者の?」
「いや・・」
「ハハハ!失敬!勇者様がこのような小さな島の宿屋など泊まるわけがありますまい。さあ、荷物をお運びしましょう」
通された部屋はそこそこの大きさでテラスからは街とその向こうに見える海が一望出来る。ベットは大きいがひとつしかない。
「ベットはひとつだけですがよろしいでしょうか?」
主人は俺にたずねる。その手には俺が持参した鞄が握られている。
「まあ、大丈夫ですよ」
主人は一瞬シュヴェーアトとマギーを交互にチラッと見ると何やら意味ありげな笑みを浮かべた。
「そうですか。かしこまりました。ところで海に入られましたか?」
「ええ」
「そうでしたか。潮の香りがしたもので。浴場で汚れと疲れを落とすのがよろしいかと」
「そうですね」
「それではごゆっくり。私は失礼します」
そう言って主人は部屋を出る。お喋り屋がいなくなり部屋は急にしんとなる。
「さて、みんなじゃあひと風呂浴びるか」
俺はひとり、浴場の湯に浸かる。ここは宿屋なので当然ながら男湯、女湯で別れている。客は俺たちだけではなさそうだが浴場には俺だけのようだ。壁の向こうにはシュヴェーアトとマギーがいるのだろう。ふたりはどんなやり取りをしているのか。ここからさっぱりわからない。
食堂での夕食では島で取れた海鮮物を使った料理が振る舞われた。
「ここは小さな宿ですからな。料理も私が作ってるんです。お口に合いましたかな」
「ええ」
主人は頼まれもしないのにそれから料理や素材について解説を続けたが適当なところで切り上げ部屋に戻るとした。
テラスからは潮の匂い、遠くからは波の音が聞こえる。眼下に見える白い石造りの街にはそれぞれ灯が灯ってるいるのが見える。
俺とシュヴェーアト、マギーはそれぞれ宿の用意した薄い布で出来た寝間着を羽織っている。前側で紐を結ぶ簡単な作りだ。俺の右側にはシュヴェーアト、左側にはマギーが立ち同じ風景を眺めている。
左右に立っているふたりの尻に手を伸ばす。寝間着の薄い布越しに尻の感触が伝わってくる。シュヴェーアトの尻は筋肉質でしなやかな弾力を放ち、マギーの尻は小ぶりでどこまでも柔らかい。
尻を揉まれながらシュヴェーアトは爛々とした眼差しをこちらに向けマギーはややうつむき気味である。シュヴェーアトの前だと恥ずかしいのだろうか。転送魔法で飛ばされた田舎の村で痴態を見せつけたというのに。
ふたりの手を取って部屋の中のベットの前まで誘う。大きめのベッドだ。三人でも大丈夫だろう。俺はシュヴェーアトとマギーに告げる。
「さあ、ふたりとも脱いで裸になるんだ」
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