真面目に生きたいのにジョブ遊び人って…ホンマもんの遊び人やん!

3匹の子猫

文字の大きさ
18 / 99

第18話 王家

しおりを挟む
『終わったよ!』
俺は皆の下に戻った。

『おつかれさま!』
『ご苦労だった!』
『おう!おつかれ!』
皆が声を揃えて労ってくれる。


『アラン、改めて言わせてくれ!よくぞ無事に戻ってくれた!!』
エリスが凛とした声で言う。

『エリスさん、ありがとうございます。色々ありましたが、無事に戻って来れました。』


『うむ、その色々を出来れば我々に聞かせて貰えないか?その小さなネズミのこと、どうやって戻って来れたのかを…』

『この子は、ましろと言います。崖の下で色々あって俺のペットになりました。

詳細に関してはある程度までは教えてもいいのですが、その前にその内容をこの4人以外の誰にも言わない約束をして貰えるのなら説明させて貰います。

ちょっと世間には知られたくない事実がいくつも混じっていまして…』


『ましろ殿宜しく頼む。先程の活躍ぶり素晴らしかった!
私はエリス・ローランという。
アランの心配は分かった!言える範囲の説明で構わない。他言しないことは約束しよう。イアンもそれでいいだろう?』

『俺は勿論いいぜ!ここまできて話を聞けない方があり得ないぜ!!』

『私はアランの不利になるようなことはしないわよ!むしろ、私に全部話せないのは何故なのかを詳しく聞きたいところだわ!?』


(ビアンカに言えるかよ!触るだけで絶頂させるスキルを覚えて、ましろを籠絡させました…なんてよ !)


俺はクリスに落とされてからのことを、簡潔に説明した。

『クリスさんの指示で、崖の側で松明を照らしていると、クリスさんが突然体当たりをしてきて崖から落ちたんです。

俺が目を覚ますと、そこは狭い洞窟で、その先にはボス部屋の扉がそびえ立っていました。後ろは崖、食料も水もなかったから、前に進むしかなく、泣く泣く1人でボスと戦いました。

長い死闘の結果なんとか勝つことが出来たんですが、そこでましろと出会ったんです。ましろは500年ものあいだ、このダンジョンのダンジョンマスターをしてました。

まあ…そこから色々あって…俺のペットになることになったんですが…まあそこはいい。。』


『待て!そこかなり気になるところだ!!ざっくり省略し過ぎじゃないか?もう少し頼む!』
イアンがうずうずした様子で聞いてくる。

『この辺りに言えない内容が詰まってまして…すいません。』

『しかし、ましろ殿は500年もの間ダンジョンマスターだったということなら、あの強さは納得出来る。

そして、先の戦闘中モンスターが消えなくなっていた謎も解けたな。アランがダンジョン核を持ち去ったか、破壊したからだな!?』


『はい。その後、ダンジョンの外へ繋がる道をましろに作って貰った後で、ダンジョン核を破壊しました。

これにはいくつか理由があったのですが、俺が魔法を使えるようになりたかった以外の理由は、ましろのプライバシーのことが関わるのでこれも言えません。

その後は、外に出て、そのままここへ向かった次第です。

このダンジョンは、王国にとっても貴重な食料資源だったと思うので、俺が攻略したことは出来れば知られたくないのです。約束通り、秘密にして貰えるようお願いします。』


『本当にざっくりはしていたが、まあ状況は分かった!説明ありがとう。こちらも軽く説明をしよう。

アランが崖から落ちたとき、イアンが気配感知で様子をみていたのだ。それで、イアンはクリスの嘘がすぐ分かり、私に報告してくれた。

一度は崖のところでクリスを追い詰めたのだが、大量のネズミに囲まれてな…仕方なく解放し、一緒に戦っていたんだ。

私の魔力とイアンの矢が無くなったのを好機とみたのか隙を突かれて逃げられてしまった…

アランにビアンカ済まなかった。。』
エリスは頭を下げる。


『止めてください!頭を上げてください!!エリスさんは何も悪くないじゃないですか!?』

『いや!私もアランに隠していたことがあってな…それが原因でクリスはアランにあんなことをしたらしいのだ!だから、責は私にあるのだ。』

『その理由は予想出来ないですが、エリスさんがクリスさんに俺を崖から落とせと命令していないなら、エリスさんのせいではないですよ!』

『そんな命令するわけなかろう!

しかし、私に巻き込まれて命を失いかけたという事実は変わらない。隠していたこととは、私の父が、クリスタリア王国の現国王ヴェルサス・ルイ・クリスタリアであることなのだ…

クリスはアランの運の良さを危険視して、王位継承争いで邪魔になると判断し、殺害を試みたのだ!』

『えっ!エリスさんが王女様!?』
俺はエリスを凝視する。

『先日話した通り、王家とは関わりなく生きてきたのだがな…クリスの話では私は既に王家の一員であり、継承権第3位、第2王女エリス・クリスタリアだそうだ…』

『人としてすごい人とは思ってましたが、まさかそんなとこまでそんな雲の上の存在だったなんて!!

でもエリスさんは王位なんて興味なさそうな気もしますが…』


『そうだな…王位には、正直興味ない。

興味云々よりも、王国の王となる者は、本来、幼少より王家の人間として英才教育を受け、国を動かせるほどの知識、人脈、人望、行動力を持たねばならん。そんなもの私には無いからな!』

『そうでもねーかもよ!

嬢さんは、幼少から国王の支援で実は英才教育を受けていたという情報が回って来てたぜ。

そして、行動力や人望に関してはこの1週間の様子を見る限り問題ないと思うぜ!たった1年ではあるが、王家に仕えてきた俺が言うんだから間違いないと思うぜ!

…むしろ、かなりまともな部類だ!

まあ、人脈はねーだろうが、それはこれから作ればいいんだからその気になれば何とかなるんじゃねーのか?』
イアンが言う。

『やはり、私は幼少から父の支援を受けていたのか…アランの言う通りだったな。。だが、私は他の候補者と争う気もないし、必要以上に仲良くする気もないぞ!私が叶えたいのはローラン家復興だ!』

『嬢さん…ちょっと言いにくいんだけど、それもう叶っちまってるぜ!嬢さんが王家に入った時点でローラン家は大貴族の仲間入りだ。既に屋敷も大きな屋敷に移ってる頃じゃないか?

むしろ、これからを心配しな!今の国王が在位している間は心配はいらねー。

だが、次の国王になる人間が嬢さんをどう思っているかで、ローラン家の益々の繁栄も、取り潰しもあり得るぜ!!それを決めるのは、全てこの先の嬢さんの行動次第だ!

出会った頃の嬢さんは王家とは縁を切るつもりだったようだが、それもしちゃいけねー!次の日にはローラン家は無くなってしまう。それを可能とするのが王家ってやつだ!』


暫しの沈黙が続く…

『そうか…私が何も知らぬだけで、既に私も逃げ出せぬところにいるのだな。。イアンも王家の誰かに仕えているのか?』

『いや!俺はこの通り、敬語もおべっかも好きじゃない。だから、特に誰にも仕えてはいない…

あえて言うなら現国王だけだ!

俺は国王に嬢さんを助けてやってくれと頼まれたからここにいる。クリスも同じように誰にも仕えてはいないはずだったから一緒にいるはずだったんだがな。。

秘密裏に誰かと繋がってたんだろう…

まあ、奴のことはどうでもいい。俺は、今のところは嬢さんの味方のつもりだ…嬢さんが望んでくれるなら、1つ条件を飲んでもらえれば、仕えてもいいと思ってる。』


『条件?』

『あ~!アランを部下として雇うこと。それだけだ!』

『えっ!?俺??』

あまりに場違いな王家の話に、急に名指しされた俺はすっとんきょうな声を出してしまう。


『クリスではないが、俺もアランの運には興味がある。運があれば例え嬢さんが王になれなくても、最悪殺されたり、辺境へ飛ばされたりはしねーんじゃないかってな。

…何よりアランは俺の予想を越えたことをする奴だから、見てて楽しいってのもある!』


『イアンの思惑は分かった!

前も言ったが、私はアランもビアンカも是非私の部下となり、共に働いて貰いたいと思っている。これは、別にアランの運が欲しいのではない!共にいたいと、共にパーティーを組み続けたいと思ったから誘っただけだ。

イアンの条件をアランやビアンカに強制させる気はない!

アラン、ビアンカ、もう1度問おう…私と共に働いてはくれないか!?』


『前も言いましたが、父の許可さえあれば俺は働くこと自体は嫌ではないんですが、王家について全然知識がないので分からないのですが、俺たちがエリスさんの下で働くとして、どんな仕事になるんでしょうか?』

『それは、私の直属の家来として、常に私の警護や世話をすることになると思う。』

『嬢さんそれはちょっと違うぜ。王家の血を引く者の身を守るのは、近衛兵の中から選ばれると決まっている。勿論指名はできるが、それでも王家から近衛兵として雇われていることが条件だ。

それには、1週間後に行われる就職試験に合格しなくてはならない。

他にも側で生活の世話をする従者なんかもあるが、余程の信用ある家柄か、特別な技能を持った人間でないと雇われないって聞く。

この2人が嬢さんの側で仕えるには、やはり1週間後に行われる試験に合格して、近衛兵になることだな!

試験を受ける推薦は嬢さんができるから心配はない!2人の実力なら正直受かるとは思うんだが…あの人次第だな。。』

『あの人!?』

『そうだ!【近衛兵団団長 ブライト・ガンクレット】。あの人が出てくると試験が無茶苦茶にされかねん!取り敢えず無茶苦茶な人で、常識は一切通じない!…だが、強い!!そして、熱い男だ。』

『じゃー俺たちがエリスさんの下で働くには、まずは俺の父のところへ戻り許可を貰った上、1週間後に王都である試験に合格して、近衛兵の切符を掴むしかないのですね…』

俺にはそれが途方もないくらい高いハードルに感じた…


『そうだ!嬢さん、まずはアランの父親の説得だ!今から向かうぞ!』

『わ、私たちも一緒に向かうのか?』

『王女様自らスカウトしに来たとあっては、アランの父親も断れんだろう!?時間もあるんだ。寄り道するだけで成功率を上げれるなら行動すべきだぜ!』


こうして俺らはイアンの勢いに流されるまま、エリスたちを連れて、村に戻ることになったのだった…

しおりを挟む
感想 11

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

腹違いの妹にすべてを奪われた薄幸の令嬢が、義理の母に殴られた瞬間、前世のインテリヤクザなおっさんがぶちギレた場合。

灯乃
ファンタジー
十二歳のときに母が病で亡くなった途端、父は後妻と一歳年下の妹を新たな『家族』として迎え入れた。 彼らの築く『家族』の輪から弾き出されたアニエスは、ある日義母の私室に呼び出され――。 タイトル通りのおっさんコメディーです。

ざまぁされるための努力とかしたくない

こうやさい
ファンタジー
 ある日あたしは自分が乙女ゲームの悪役令嬢に転生している事に気付いた。  けどなんか環境違いすぎるんだけど?  例のごとく深く考えないで下さい。ゲーム転生系で前世の記憶が戻った理由自体が強制力とかってあんまなくね? って思いつきから書いただけなので。けど知らないだけであるんだろうな。  作中で「身近な物で代用できますよってその身近がすでにないじゃん的な~」とありますが『俺の知識チートが始まらない』の方が書いたのは後です。これから連想して書きました。  ただいま諸事情で出すべきか否か微妙なので棚上げしてたのとか自サイトの方に上げるべきかどうか悩んでたのとか大昔のとかを放出中です。見直しもあまり出来ないのでいつも以上に誤字脱字等も多いです。ご了承下さい。  恐らく後で消す私信。電話機は通販なのでまだ来てないけどAndroidのBlackBerry買いました、中古の。  中古でもノーパソ買えるだけの値段するやんと思っただろうけど、ノーパソの場合は妥協しての機種だけど、BlackBerryは使ってみたかった機種なので(後で「こんなの使えない」とぶん投げる可能性はあるにしろ)。それに電話機は壊れなくても後二年も経たないうちに強制的に買い換え決まってたので、最低限の覚悟はしてたわけで……もうちょっと壊れるのが遅かったらそれに手をつけてた可能性はあるけど。それにタブレットの調子も最近悪いのでガラケー買ってそっちも別に買い換える可能性を考えると、妥協ノーパソより有意義かなと。妥協して惰性で使い続けるの苦痛だからね。  ……ちなみにパソの調子ですが……なんか無意識に「もう嫌だ」とエンドレスでつぶやいてたらしいくらいの速度です。これだって10動くっていわれてるの買ってハードディスクとか取り替えてもらったりしたんだけどなぁ。

傷物転生令嬢マグダリーナと原初の魔法使いエステラの幻想譚-女神とスライムの光とともに- (旧タイトル:ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異

天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる―― ※他サイトでも掲載しています ※ちょいちょい手直ししていってます 2026.12.14 タイトル変更 旧タイトル:ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活

義妹がピンク色の髪をしています

ゆーぞー
ファンタジー
彼女を見て思い出した。私には前世の記憶がある。そしてピンク色の髪の少女が妹としてやって来た。ヤバい、うちは男爵。でも貧乏だから王族も通うような学校には行けないよね。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜

深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。 処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。 なぜなら彼女は―― 前世で“トップインフルエンサー”だったから。 処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。 空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。 タイトルは―― 『断罪なう』。 王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。 すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、 国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。 そして宣言される、前代未聞のルール。 支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。 処刑台は舞台へ。 断罪はエンタメへ。 悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。 これは、 処刑されるはずだった悪役令嬢が、 “ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。 支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、 それとも――自由か。

処理中です...