真面目に生きたいのにジョブ遊び人って…ホンマもんの遊び人やん!

3匹の子猫

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第38話 それぞれの配属先

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アクティーの件、ビアンカとの婚約、童貞卒業、浮気、ハリー陣営との会談、ラオスとの件、本当に色々あった2週間の休暇も終わりを迎え、とうとう勤務に戻る日がやって来た。

アレッジさんから、同期へ辞令が渡される。

俺は、勿論ハリーのところ。
ビアンカも、勿論エリスのところ。
ラオスとユーゴは、王宮門兵。
そしてアクティーは、なんとビアンカと同じエリスのところだった。

これは、エリスの決めたことなのだが、ハリーに近づくために、アクティーが俺やビアンカを利用して、協力関係にあるエリスに近づいて部下にして貰ったという設定らしい。一応は、何もしていないのではなく、成果を出してるところを作ることも目的の1つのようだ。

現在、その元凶のマリア王女を嵌める作戦を着々と立てているようだ。


アレッジさんが話を始める。
『今年は、王家から直属の部下への要請が非常に多かった。運が良かったな!今回なれなかった者も、これから配属先で、真面目に実績を積めば、認められ、直属へのスカウトもあるから、与えられた仕事を手を抜くことなく頑張っていきたまえ。

では…これより新しい配属先に移動し、それぞれの業務に従事しろ!これで、俺の研修は全て終了だ。皆ご苦労だった。健闘を祈る!!』

『ありがとうございました!』×5


こうして、俺たちの新たな生活が始まったのだった。



早速、俺はハリーのところへ向かった。

ハリーの部屋に入ると、そこには、ハリーは勿論、レオナルド、ナディア、マリンの4人が待っていた。

『アラン!やっと来てくれたか!?これからは、ずっと一緒に過ごせるな!』
ハリーは嬉しそうに言う。

『今日からお世話になります、アランです。改めてよろしくお願いします。』

『身内だけの時は、そんなに畏まらなくていいわよ!これからよろしくね!』
ナディアが、俺の手を両手で握って色っぽく言ってくる。

『アラン、よろしくね!』
マリンも同じように、両手で握ってくる。ナディアとは逆に少し幼く感じる雰囲気だ。

『やっぱり、スキルが発動してないと触れられても普通なのね?』

『そうみたいね…まあ、ちょっと触れるだけで毎回あの気持ち良さだったら、一緒に仕事出来ないけどね?』


ナディアとマリンは、絶技が発動してない時に触れても危険はないのかを確認のために手を握って来てたようだ。


『あの時は、スキルを受けて頂き、ありがとうございました。スキルが発動してなければこのように普通なので、心配しないで下さい。むやみにスキルを使ったりもしませんので。』

俺が、2人を安心させるために言ったのだが、2人の反応は…

『仕事中は駄目だけど、仕事が終わったらいつでもお姉さんたちに使ってくれてもいいのよ♪』

『そうそう!あれは、刺激が強すぎてちょっと怖いけど、何度でも経験したくなるスキルだったわ♪』


『ナディア!マリン!朝っぱらから、新人に向かって何を言ってるんだ!?』

見かねたレオナルドが、2人を叱りつける。

『はい。すいません!』×2


『改めて、レオナルドだ。あの会談の後、君のことを色々と調べさせて貰った。それによって、今は以前ほど人となりは怪しんではいないが、危険な能力を持つ者として警戒していることは変わらない。

行動には気をつけることだ。』

『はい、肝に銘じます。レオナルドさんにも、いつか信頼してもらえるように頑張ります。』


『…それで、俺はどんな仕事をすればよいのでしょうか?』

『ない。』

『えっ?』

『特にないと言ったのだ。勿論、基本はハリー様の護衛だ。1日、ハリー様のそばで護衛をする以外に今はアランに振るような仕事はない。

護衛の仕事も、王宮には我々以外も多くの近衛兵が交代で巡回し、この部屋の外も多くの兵が守っている。

よって我々は、ハリー様の護衛と教育に集中できるのだ。


俺はハリー様に武芸を教えている。ナディアとマリンは、貴族・王族としてのマナーを教えている。

その他の教育も一流の専門家が、ここに教えにやってくる。


だから、今すぐに何かの仕事を与えることはできん。正直、護衛の仕事もまだ信用出来ない者が混じるのは、連携が崩れ、危険が増すだけだ。当面は護衛の邪魔にならないよう、見てるだけでいい!』


(仕事をするために就職したのに、仕事がないって…

いや、プロの料理人も「一流の仕事を見て盗め」と言うしな…見るのも大事な仕事か!頑張ろう。)

『はい。しっかり見て学ばせて頂きます!』



こうして、本当に見るだけの毎日が始まったのだ。1週間も皆の生活を見ていると、ここのことが少しずつ見えてきた。ハリーは、まだ幼いため、王家の人間として、外に出て何かを行う、所謂、公務と呼ばれる仕事は滅多にないようだ。

その代わりに1日の殆どが、何かの勉強という毎日で、子供であるハリーには非常に息の詰まる生活であった。

その勉強も、教科書も資料も、黒板もない状況で、一流と呼ばれる先生の非常に専門的な話を、延々一方的にされているだけで、授業というよりは、自分はこんなことも知ってるのですよ!という自慢話を一方的にされているようにしか見えなかった。

あれは、教育といえるのだろうか?


俺の思う教育は現在の教え子のレベルに合わせて、相手が分かりやすいように砕いて話す。そして、出来るだけ楽しく勉強を出来るように、出来ることは誉め、少しずつ難易度を上げ、それを乗り越える楽しさを教えて上げることだと思っている。


この世界に来て、村でも教育の水準が低いことは重々理解していたが、まさか、国のトップになるための教育の場まで、この程度の水準とは…

何故俺が教育にこんなに興味を示すのかといえば、実は、俺は前世の大学生の頃、家庭教師のバイトを4年間していた。沢山の子達を教えてきた経験もあり、ハリーの教育の環境の悪さが気になってしょうがないのだ。


俺とハリーは、ハリーが自由な時間はよく雑談をしてたのだが、今日は思いきってハリーに本音を聞いてみた…

『ハリー、この1週間お前の生活を見せて貰ったが、今の生活辛くないか?』

『辛くないとは言えないけど、王家の者としての勤めだし、仕方ないよ。』

『ハリーはあの授業で、内容を理解出来てるのか?俺にはかなり分かりにくいものに感じたが…』

『少しは分かっているさ。勉強を続ければきっと理解出来るようになるはずさ!』

『やっぱり、理解出来てなかったか…あれでは仕方ないと思うぞ。

例えばな、今日のあの授業の内容だと・・』

俺は、噛み砕いてハリーに分かるように教えてあげる。

『・・というわけだ。理解出来たか?』


『…すごい!アランすごいよ!!分かりやすい!アランは勉強を教える天才だ!!』

『大袈裟だ。昔、村の皆に教えてたから、慣れてるだけだ。』

『それだけじゃ、こんなに分かるようには、教えられないよ!』

『他も色々と教えてよ!』

俺は、ハリーに暫く勉強を教えてあげた。

ハリーは、理解も早く、難しくても少しヒントをあげると、理解出来るようになる、非常に優秀な生徒だった。

『ハリーすごいぞ!よく理解したな!!』

俺はハリーの頭をごしごしと撫でて誉めてやると、ハリーは嬉しそうに、次を求める。理解することも誉められるのも楽しくなってきたのだろう。


『全然休憩の時間では無くなっちゃったな…なんだか済まなかったな。』

『何でアランが謝るのさ?勉強を教えてもらって、今までで、1番楽しく、勉強が捗った時間だったよ♪

そうだ!明日からもアランが僕の勉強を教えてよ!!』


『それは、レオナルドさんが許してくれたらだな…』

『アランが教えてくれたら、彼に高い給金を払わずに済むし、僕の勉強も捗る。断る理由がないさ!』


『ハリーは王様になるんだ。もっと深く考えないといけないよ。

その場合、彼は急に仕事を失うことになる。貯えを、あまりしてないかもしれない…下手をすると急に仕事をクビにした人間を逆恨みするかもしれない。ハリーはどうしたらいいと思う?』

『次の仕事が見つかるまで、生活を保証してやるとか?』

『それも間違いではないけど、それだと彼らはいつまでも働かないかもしれない…せめて期限は決めてないといけない。

しかし、期限を決めても、働かないで金が貰えると思ったら、最後の期限を迎えるまで仕事を探さないかもしれない…

その場合によく使われるのが、最後の給金を多目に渡して、次の仕事が見つかるまでの保証としてあげることだ。

これから、ハリーが決める様々なことで、自分や国の利益を考えるのは当然だけど、それによって不利益を被る者もいるかもしれないということは常々考えないといけないんだよ。

そういう存在は無くすことは出来ないけど、ハリーが恨まれずに済ます方法も、必ず存在するはずだからね。』

『すごいな。アランは政治にも精通してるのか?』

『いや、俺のはそんな大した知識ではないよ。これは、政治ではなく生きていくための知恵だよ。敵は出来るだけ作らないようにね。』

『そうか…実践するのは難しそうだけど、言ってることはよく分かったよ。実践出来るように考えてみるよ。』

『ああ。そうしてくれると嬉しいよ。友達として、ハリーには味方は多く、敵は少ない方が安心できるしな。』


ハリーが、レオナルドに勉強を俺から教わりたいと話すと、レオナルドから、明日先生としての資質をみるために、現在の先生と俺に同じ内容の授業をそれぞれ1時間してもらい、その様子を3人が判定して決めるということに決まった。


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