真面目に生きたいのにジョブ遊び人って…ホンマもんの遊び人やん!

3匹の子猫

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第46話 嘘のように平和な日々

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俺たちは、服を着て地上に出るのだが、途中にいたマリアの部下の見張りたちは、俺たちを見て驚き攻撃しようとするのだが、マリアが一言、「下がりなさい!」と言うだけで無力化することができた。


そのまま、何事もなく俺たちは王宮まで戻ることができた。

ハリーの部屋に無事を伝えに行くと、そこには見知った顔が勢揃いだった。

ハリーにレオナルド、奇跡を起こした俺たちを見て驚きの顔をしているナディアとマリン、エリスとイアンに、婚約者であるビアンカがそこにはいた。

『アラン!?

アランとアクティーが、デートに行ったまま行方が分からなくなったと聞いて皆で集まって対策を講じていたのだが…

一体どこに行っていたのだ?』
エリスが問いかけてくる。

『アラン!!まさか…みんなに心配かけといて、昨日から今までずっとアクティーとエッチなことしてたなんてことはないわよね!?』

ビアンカが鬼の形相で詰め寄ってくる。


完全に否定できないので、苦笑するしかできないのだが、

『俺とアクティーは、昨日のデートの最中に襲われて、さっきまで、マリア王女に捕まっていたんだ。危なく殺されるとこだったよ…』

俺の言葉で部屋の空気は緊張に包まれる。


『で…、さっき和解して、一緒にここまで戻って来たんだ。マリア王女部屋へ入って下さい。』

『!?』

部屋にいる皆には、その状況についていけず、固まることしか出来なかった…マリアが部屋に入るとそれが事実と分かり、ますます思考の整理が追い付かない状況となるのだった。

暫く続いた沈黙を破ったのはレオナルドだった。

『どういうことだ?なぜ、ここにマリア王女が!?』

『ですので、和解して味方になってくれたんです。それで、ハリー王子とエリス王女にもきちんと会って、これからのことを話した方が誤解なく分かり合えるのではと思い、そのまま連れて来ました。』

『相変わらず、君には驚かされてばかりだ…』
レオナルドは、呆れたように言った。



それから、直ぐに場所を会議室に移し、ハリー王子、マリア王女、エリス王女による、王族会談が執り行われた。


最初に言葉を発したのはマリア王女だった。

『まず始めに言わせて貰うわね。

私は、今日、王位にも、王族であることにも、聖女として民の憧れであることもどうでも良くなったの。王位は、ハリー王子がこのまま勝手に継げばいいと思うわ。

私は、政治に必要以上に関わるつもりもない代わりに、敵対するつもりもないわ。

私は、これからの人生をアランに捧げると誓ったの!アランが喜ぶことのために協力することは厭わないけど、もし、アランが嫌がることを、アランや私に強要しているようだったら、その時は躊躇い無くそいつを殺す!!

私の言いたいのは、それだけよ。』

会議室にいる人間は皆、
「うわ~またやったな…お前…」
という顔で俺をジト目で見てくる。


『仕方ないだろう?俺だけでなくアクティーの命も懸かってたんだから…そんな目で見ないでくれよ!』


『そうだ!アクティーの件だけど、依頼は組織に取り下げるのは勿論だけど、アクティーのことも私が身請けするよう話を進めておくから、組織とのことも気にしないでよろしくてよ。』

マリアが物凄く助かる提案をしてくれる。


『私のためにどうして?』
アクティーも戸惑っているようだが、

『誰があなたのためと言いましたか?私はアランがそうすれば喜ぶと思ったから、そう動くのです!変な勘違いはしないで欲しいですわ。』


マリアが、どれだけのお金を組織に払ったのかは謎だが、こうして、アクティーは正式に暗殺者を引退でき、組織との関わりも消えた。

マリアには、色々と思うところはあるのだが、これには素直に感謝はしないといけないだろう。


その後の会談では、概ね問題なく話が進み、ハリー王子を王にするよう協力する協定を結ぶに至った。

会談の際、俺をマリア王女の護衛にしたいとのマリアからの強い要望もあったが、ハリーの先生もあるし、ラトル教育村の件があるので今は無理だということで渋々諦めていた。


それからの日々は、本当に嘘のように平和な日々だった。

俺は、毎日ハリーに勉強を教え、他の時間はハリーと遊んだり、ナディアとマリンと談笑したり、たまには、レオナルドから武術を教わったりもした。

また、ほぼ毎日公務を終えたマリアが訪れ、俺の側にいる。当初、マリアは公務も辞めると言っていたが、それでは一部の人間から煙たがられたり、敵を作る恐れがあるので、半分ほどに減らすだけにして、続けるようアドバイスした。

ナディアとマリンのこともあり、アリスト教を下手に敵に回したら、使徒がまた牙を剥いてくる恐れがあったからの指示だった。


マリアは、以前とは変わり、聖女としての仮面を外し、愛する男のために頑張ってるスタンスを全面に押し出したため、

最初は民から戸惑われたが、今では聖女である王女が、一般人であるただの男に対し、一途に尽くす姿をロマンスとして、多くの女性が騒ぎ、噂し、ミュージカルの演目に取り上げようという話まで出てるようだ。


…マジでやめて欲しい。。

また、男性からは今まで聖女様であり、雲の上の方だったため、話しかけるのも憚られていたのだが、マリアの一般人へのロマンスの影響で、逆に話しかけても良かったのか?と少しずつ気軽に話しかけて来るものも現れるようになった。

マリア自身はそれを煩わしく思っているようだが、その素っ気なく扱われる態度ですら、逆に親しみやすい感じに受け入れられ、今マリアは王都の民から塩対応アイドルのような存在となっていた。


そして、ラトルの村は計画通り教育村として小規模ながら動きだし、高評価を貰っている。今は、多くの人間を受け入れられるように宿の整備と学園となる建物が作られているところだ。

親父や村のみんなは、俺の助けになるのならと全面的に協力してくれている。そして、村はかつてない盛り上がりをみせていた。


そしてもう1つ、王国学園学園長ミグルス・ミドローアから正式に俺に対して謝罪とお願いがあったのだ。

ラトルで行ってる俺の作った教育方法とテキストを見て、このままでは学園が潰れるとまで思ったそうだ。

それも仕方ないだろう…料金は学園の5分の1程度で、分かりやすいテキストと教育方法。習得期間に至っては、学園で1年以上かけて教えてた内容を1ヶ月で習得させるというものだったのだから。

ミグルスからのお願いというのは、今後もラトルでは掛け算と割り算を教えないで欲しいということだった。

それと、学園で使う全てのテキストを、俺に作成して欲しいとのことだった。そして、それを使った教育方法を一から学園の先生たちへ教えて貰えないかと頼んできたのだ。


俺は皆と話し合った末に、この話を受け入れた。別に学園を潰したい訳でもないし、学問の発展には学園の存在はあった方が良いと思ったからだ。

基礎学問は安く、早いラトルで学び、それ以上の学問を欲すれば学園でゆっくり、深く学べる。それによって、学園に通うもののレベルそのものも向上する。

ゆくゆくは、学園内に研究専門の施設を併設し、技術を向上させるための研究を行う場所を作ることも提案した。

先生たちや卒業生や優秀な在校生で協力して、この国を豊かにする技術を開発する。なんて夢のある話だ!とミグルスは感動していた。


不思議なくらい、全てのことが上手くいっていた。その中心にいる俺の存在が周りからも目立ちはじめ、注目する者が現れてることにも気づかずに…


俺は、この幸せな平和な時がいつまでも続いていくと疑いもしてなかった。

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