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第47話 閑話 ましろの冒険 前編
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私は、ましろにゃ。
この名前は、新しいダーリンのペットになることが決まったときに付けて貰った名前だにゃ。ダーリンは、人間でアランというにゃ。
不思議な力で、私を気持ちよくしてくれるにゃ。
偶然が重なり、約500年ダンジョンマスターとして過ごし、ネズミとしては、桁外れの能力を得たという話にゃ。
実際は、ただダンジョンの奥で500年、当時のダーリンにイチャイチャしながら過ごしてただけだから、そんな凄い能力を持っているのか、自分ではよく分からないにゃ…
『何で語尾が「にゃ」なのか?』
同じことをダーリンにも聞かれたけど、500年のあいだ、当時のダーリンにずっと甘えてたら、いつの間にか口癖になってたにゃん。私は甘え上手なネズミなのにゃー♪
あれは、アランが王都と呼ばれる大きな街に就職試験を受けるために向かったときのこと。ましろは、ダーリンの邪魔にならないよう別行動することにしたのだった。
ましろが500年ぶりにダンジョンの外で見た世界は、不思議に充ち溢れていた。街はとんでもなく大きく、人が溢れかえっており、多くの店からは美味しそうな匂いがましろを誘っていた。
ましろが、その匂いに釣られて近づくと、人間たちはましろに気づくと、ひどいことに「シッシ!こっちに近づくな!」と言って追い返すのだ。
中には棒を振り回して、追いかけて来る者もいた。
(ひどいにゃ。ひどいにゃ。街の人間は、何もしてない私を邪魔者扱いしてくるにゃ…こんなにかわいい姿なのに失礼しちゃうにゃ!
いつも優しく撫でてくれる、ダーリンを見習って欲しいにゃ!!)
と、さっき別れたばかりのアランが最初に出会った人間で良かったとしみじみと思うのだった。
人間に追われて逃げた先には、街の中から地下へと川が流れ込む洞窟があった。
(街の中にも、ダンジョンが出来たのかにゃ?)
私は、早速探検をすることにしたのだった。
中は、ちょっと不潔で臭かったが、我慢出来ないほどではなかった。流れる川は、薄汚れていて、飲むことはできそうにない。
『毒を持ったスライムが出てきそうなダンジョンだにゃ…』
ましろは、恐る恐るダンジョンの奥に潜っていった。進めば進むだけ、周りは暗くなり、空気は穢れ、匂いも徐々にきつくなっていった。
暗く視界は悪くなっていくが、ネズミはそもそも目はあまり良くなく、補助器官としか利用しない生き物なので関係ない。
その優れた聴力は、犬と同等の能力を持ち、体毛やひげは、微細な空気の振動をコウモリのように読み取り、障害物や気配をほぼ完璧に把握できるのだ。
ましろはかなり奥まで進んだのだが、モンスターは1匹も現れなかった。代わりに現れたのは…
『止まれ!!ここが、俺の縄張りと知っての侵入か?』
ましろの3倍ほどの大きさのドブネズミが声を掛けてくる。
『ん?だれにゃ?』
『俺は、この辺りを縄張りとするビッグ様だ!ここへ何をしにきた?』
ビッグは、威厳を込めて自己紹介をした。
『私は、ましろだにゃ!初めましてなのにゃ。
ここへは、探検に来ただけにゃ。』
『よく見ればいい女じゃないか!?お前、俺の女になれ!!』
ビッグは、突然求愛行動をしてくるが、
『遠慮するにゃ!私には、素敵なダーリンがいるんだにゃん♪他の男なんて米粒ほども興味ないにゃー!』
『なんだと?俺の縄張りに入って来ておいてそんな勝手は許さん!いいから俺の子供を生むんだ!!』
ビッグは、求愛を断られてもしつこく子作りを迫ってくる。
ましろはビッグのしつこさにちょっと煩わしくなって、無視して奥へ進もうとする。
『待て!』
ましろの前に飛び出てきたビッグは…ましろに軽く触れたと思った瞬間、何メートルも先にある壁に吹き飛び、全身を強打していた。その衝撃は、まるでドラゴンにでも吹き飛ばされたが如く未知のものだった。
ビッグは、そのまま血を吐き、気絶してしまった。
『勝手にぶつかってきて、勝手に吹っ飛んで、何がしたいんだにゃ…?』
ましろは呆れつつも、如何にも死にかけのネズミになってしまったビッグを放っておくのも気が引けたので、暫くは介抱してやることにした。
30分もすると、ビッグは起き上がり、飛び込むように土下座した。
『す、すいませんでしたー!!
強いなら強いって言ってくださいよ…
でも、姉御のその強さを見込んで、お願いがあります。
俺の縄張りである、この「地下下水道」の奥にある、一番気に入っていた広間の部屋へ、最近怪しい人間どもが頻繁に訪れるようになっているんです。さらに、その部屋を勝手に作り替えて怪しい部屋へしてしまってるんです!
姉御の力でそいつらを追い出して貰えないですか?』
(奥にある広間の部屋にゃ?ダンジョンのボス部屋かにゃ?ダンジョンの攻略には、どうせボスは倒さないといけないし、やってみるにゃ。。)
『何とか出来るかは分からないけど、やるだけやってみるにゃ!』
こうして、ましろは、ただの地下下水道をダンジョンと盛大に勘違いし、そこでのビッグとの妙な出会いによって、王都で密かに進んでいた、王都を滅ぼしかねないほどの邪教による怪しい儀式へ巻き込まれることになるのだった…
この名前は、新しいダーリンのペットになることが決まったときに付けて貰った名前だにゃ。ダーリンは、人間でアランというにゃ。
不思議な力で、私を気持ちよくしてくれるにゃ。
偶然が重なり、約500年ダンジョンマスターとして過ごし、ネズミとしては、桁外れの能力を得たという話にゃ。
実際は、ただダンジョンの奥で500年、当時のダーリンにイチャイチャしながら過ごしてただけだから、そんな凄い能力を持っているのか、自分ではよく分からないにゃ…
『何で語尾が「にゃ」なのか?』
同じことをダーリンにも聞かれたけど、500年のあいだ、当時のダーリンにずっと甘えてたら、いつの間にか口癖になってたにゃん。私は甘え上手なネズミなのにゃー♪
あれは、アランが王都と呼ばれる大きな街に就職試験を受けるために向かったときのこと。ましろは、ダーリンの邪魔にならないよう別行動することにしたのだった。
ましろが500年ぶりにダンジョンの外で見た世界は、不思議に充ち溢れていた。街はとんでもなく大きく、人が溢れかえっており、多くの店からは美味しそうな匂いがましろを誘っていた。
ましろが、その匂いに釣られて近づくと、人間たちはましろに気づくと、ひどいことに「シッシ!こっちに近づくな!」と言って追い返すのだ。
中には棒を振り回して、追いかけて来る者もいた。
(ひどいにゃ。ひどいにゃ。街の人間は、何もしてない私を邪魔者扱いしてくるにゃ…こんなにかわいい姿なのに失礼しちゃうにゃ!
いつも優しく撫でてくれる、ダーリンを見習って欲しいにゃ!!)
と、さっき別れたばかりのアランが最初に出会った人間で良かったとしみじみと思うのだった。
人間に追われて逃げた先には、街の中から地下へと川が流れ込む洞窟があった。
(街の中にも、ダンジョンが出来たのかにゃ?)
私は、早速探検をすることにしたのだった。
中は、ちょっと不潔で臭かったが、我慢出来ないほどではなかった。流れる川は、薄汚れていて、飲むことはできそうにない。
『毒を持ったスライムが出てきそうなダンジョンだにゃ…』
ましろは、恐る恐るダンジョンの奥に潜っていった。進めば進むだけ、周りは暗くなり、空気は穢れ、匂いも徐々にきつくなっていった。
暗く視界は悪くなっていくが、ネズミはそもそも目はあまり良くなく、補助器官としか利用しない生き物なので関係ない。
その優れた聴力は、犬と同等の能力を持ち、体毛やひげは、微細な空気の振動をコウモリのように読み取り、障害物や気配をほぼ完璧に把握できるのだ。
ましろはかなり奥まで進んだのだが、モンスターは1匹も現れなかった。代わりに現れたのは…
『止まれ!!ここが、俺の縄張りと知っての侵入か?』
ましろの3倍ほどの大きさのドブネズミが声を掛けてくる。
『ん?だれにゃ?』
『俺は、この辺りを縄張りとするビッグ様だ!ここへ何をしにきた?』
ビッグは、威厳を込めて自己紹介をした。
『私は、ましろだにゃ!初めましてなのにゃ。
ここへは、探検に来ただけにゃ。』
『よく見ればいい女じゃないか!?お前、俺の女になれ!!』
ビッグは、突然求愛行動をしてくるが、
『遠慮するにゃ!私には、素敵なダーリンがいるんだにゃん♪他の男なんて米粒ほども興味ないにゃー!』
『なんだと?俺の縄張りに入って来ておいてそんな勝手は許さん!いいから俺の子供を生むんだ!!』
ビッグは、求愛を断られてもしつこく子作りを迫ってくる。
ましろはビッグのしつこさにちょっと煩わしくなって、無視して奥へ進もうとする。
『待て!』
ましろの前に飛び出てきたビッグは…ましろに軽く触れたと思った瞬間、何メートルも先にある壁に吹き飛び、全身を強打していた。その衝撃は、まるでドラゴンにでも吹き飛ばされたが如く未知のものだった。
ビッグは、そのまま血を吐き、気絶してしまった。
『勝手にぶつかってきて、勝手に吹っ飛んで、何がしたいんだにゃ…?』
ましろは呆れつつも、如何にも死にかけのネズミになってしまったビッグを放っておくのも気が引けたので、暫くは介抱してやることにした。
30分もすると、ビッグは起き上がり、飛び込むように土下座した。
『す、すいませんでしたー!!
強いなら強いって言ってくださいよ…
でも、姉御のその強さを見込んで、お願いがあります。
俺の縄張りである、この「地下下水道」の奥にある、一番気に入っていた広間の部屋へ、最近怪しい人間どもが頻繁に訪れるようになっているんです。さらに、その部屋を勝手に作り替えて怪しい部屋へしてしまってるんです!
姉御の力でそいつらを追い出して貰えないですか?』
(奥にある広間の部屋にゃ?ダンジョンのボス部屋かにゃ?ダンジョンの攻略には、どうせボスは倒さないといけないし、やってみるにゃ。。)
『何とか出来るかは分からないけど、やるだけやってみるにゃ!』
こうして、ましろは、ただの地下下水道をダンジョンと盛大に勘違いし、そこでのビッグとの妙な出会いによって、王都で密かに進んでいた、王都を滅ぼしかねないほどの邪教による怪しい儀式へ巻き込まれることになるのだった…
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