真面目に生きたいのにジョブ遊び人って…ホンマもんの遊び人やん!

3匹の子猫

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第70話 閑話 エメラルドの伝説2

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エメラルドとライルが付き合い出して1ヶ月が経った頃、


ライルから、ゼストの拠点で一緒に皆で暮らさないかと誘われた。


勿論エメラルドは二つ返事で快諾した。



その日のうちに、宿を引き払い、拠点である大きな屋敷に越して行った。




それからの生活は、とても温かいものだった。

ゼストのメンバーは、年の離れているエメラルドを同等に扱ってくれ、料理や縫い物を教えてくれたり、戦闘の技術を教えてくれたりした。


ゼストのメンバーは、Aランク冒険者としての大きな仕事をこなす毎日を送り、

エメラルドは、午前は雑魚のモンスターを大量に倒し、午後は食材を購入し、夕飯を作って皆の帰りを待つ生活を送っていた。


とても、充実して幸せだった。
しかし、エメラルドには1つ不思議なことがあった。


付き合い出して、更に同じ建物で暮らしているにも関わらず、ライルが自分に手を出そうとする気配が全くないのだ…


エメラルドは、実は最近初潮がきていた。もう大人の身体になったのだ。ライルを受け入れる準備は出来ているのだ。



ある日、エメラルドはとうとう我慢出来なくなり、ライルを問い質した。


何故私を抱こうとしないのかと…


ライルは、エメラルドの年がまだ若いから、無理をさせてしまうのではないかと手を出さずにいたそうだ。



エメラルドは、自らキスをして、ライルを誘った。

そして、ライルもこれに応えて、この日エメラルドは、この世界で初めて男に抱かれた。


初めてのときは、前の世界でも痛いものだったと記憶していたので、遊び人のスキルにあった「絶技」というスキルを使うことにした。


このスキルは、使うと30分異性に触ると絶頂させる気持ち良さを与える上、自身の気持ち良さもさらに倍増させる効果があるそうだ。


初めての性交では、ライルがエメラルドに入ってくる直前に絶技を放った。


そうすると、ライルはエメラルドと結ばれた瞬間雷に打たれたように痙攣を始め、その痙攣の震えで、さらに絶頂を迎えたようで、ビクッビクッとずっとしている。


エメラルドはというと、転生のときに神ファルスと結ばれた時に比べると全然大したレベルではないが、通常のセックスとは比べ物にならないくらい気持ちのいい感覚を感じることが出来た。


初めての行為は何の苦痛もなく終えることが出来たのだ。



翌朝ライルは、エメラルドを抱きしめ、

『エメラルド…君は何て最高の女性なんだ!俺は昨日までも、君と一緒にいれるだけで、十分幸せを感じていた。

でも、昨日君を抱いてからのそれは、昨日までの比ではない!俺はどんなことをしても、君を必ず幸せにする!!君のために俺の全てを捧げる!

愛してる!!!』

そう言い、さらに強く抱きしめてくるライルだった。


絶技の影響を受け、ライルのエメラルドへの思いは膨らみ、信仰心にも近いほどに確固たるものへ変貌を遂げたのだ。



それからも幸せな日々は続き、
その幸せはいつまでも変わらず続くものだと疑いもしないまま、エメラルドは15歳を迎えていた。


そんなとき、ゼストは、国からの指名依頼を受け、辺境に現れた強いモンスターを倒しに行くことになったのだ。

この5年、長く王都を離れても3日程度だったが、今回は少なくとも1ヶ月はかかるとの話だった。


『エメラルドと離れることは身を裂かれるように辛い!早く終わらせて、出来るだけ早く戻ってくるから、待っててくれ。』

ライルがエメラルドを抱きしめながら言ってくる。


『まさか、あのライルがこんなに恋に生きる男になっちゃうなんてな…エメラルドちゃん可愛いから仕方ないのか?』

キーラが呟く。


『へー!私は可愛くないから、キーラは恋に生きられないっていうの?』

彼女、嫌、今は妻となったプリシアがキーラに突っ込む。


『まあまあ。キーラじゃないけど、エメラルドちゃんの美貌は、この5年でこの国でもトップクラスまでなってるし、ライルがメロメロになるのも分からんでもないぞ!?』

コミットがフォローをしてるのだが、


『ふーん…!コミットもエメラルドちゃんにメロメロになっちゃうの?』

同じく、コミットの妻となったサーシャが突っ込む。


『そんなんじゃねーよ!昨晩ベッドでサーシャをずっと愛するって誓ったのを忘れたか?』


『みんなの前で何言ってるのよ!?バカコミット!』

顔を真っ赤にさせてるサーシャがかわいい。



ライルがそんな中、大きな声で皆に呼び掛ける。

『みんな、聞いてくれ!!俺はこの仕事が終わったら、エメラルドと結婚する!

そして、この前話したように、ゼストを解散し、エメラルドと組んで細々と安全に冒険者を続けようと思っている。

こんな勝手な我が儘を受け入れてくれた、みんなに感謝しかない!』


そう、エメラルドはライルと婚約し、結婚の約束をしたのだ。


『何言ってるのよ!この前も話したでしょ?私たちもそろそろ蓄えも十分だし、安全に生きてもいい頃合いだって!!

ちょうどいい転換の時期だったのよ?』
プリシアがウインクしながら言う。


素晴らしい仲間に囲まれ、愛するライルとの結婚生活という未来に、エメラルドの人生は希望に溢れていた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『エメラルドちゃん、大変だ!!』


それは、ライルたちが旅立って1ヶ月が経とうとしていた頃、突然起こった。

エメラルドのところへ来たのは、冒険者の先輩の男であった。



『ゼストのメンバーが全員死んだ!今、死体が冒険者ギルドに運び込まれたんだ!!早く、ギルドへ向かうんだ!』


この時、エメラルドの刻は止まった…




『い、今なんて?』

『だから、ゼストのメンバーが全滅したんだ!早くギルドへ向かうんだ!!』


エメラルドは目の前が真っ暗になった。

目の前に広がっていた明るい未来の光景が、粉々になって地面に消えていくのだ。

その真っ暗な空間に、エメラルドは一人崩れ去るのだった。


『大丈夫か!?』

急に倒れたエメラルドに、心配して駆け寄る男…


『遺体の確認は無理そうか?それなら、ギルマスへそう報告しとくが…』

『大丈夫…行くわ!』

エメラルドは、気丈に冒険者ギルドに向かった。



そこにいたのは、見るも無惨な5人の遺体だった。
しかし、遺体はどう見てもおかしいところだらけだ…


『ギルマス…疑問はたくさんありますが、先ず何があったか聞かせて下さい!?』

エメラルドはギルドマスターへ状況の説明を求めた。



『ゼストは、指名依頼で辺境の街「マルテミス」へ向かったのだ。街の側に、クイーンアントと大量のソルジャーアントの存在が確認されたからな。

そして、遺体を運んできた者たちの話によれば、ゼストのメンバーはクイーンアントの討伐に成功するも、大量のソルジャーアントに襲われ、そのような姿になったと言っている。

マルテミスの兵が駆けつけた時……』

『ギルマス!』

エメラルドは説明を続けようとするギルドマスターを大きな声で制する。


『この遺体を見てそのことが嘘だということは分かりますよね?それでも、そのくだらない話を続けるのですか?』


そう、遺体は偽装の跡は多少見えるが、傷のほとんどが、どう見ても剣や槍で攻撃されたものなのだ。

さらに、5人が身に付けていたはずの武器やマジックバッグや貴重なアクセサリーなどは、どれも消え去っていた。



どう見ても、モンスターではなく、欲をかいた悪意を持った人間に殺られたものなのだ。



『確かにそうなんだが、この情報を裏付ける形で、マルテミスを治める、辺境伯の直筆の文書が付けられていたんだ。

これを疑うのは、辺境伯を疑うこととなり、冒険者ギルドとしても、余程の証拠でもないと、おいそれと口に出すことすら出来んのだ!

エメラルド辛いのも悔しいのも俺も同じだ!だが、我慢してくれないか?』


・・・・プチン…


エメラルドの中で、何かが弾けた。


『もういいです。私が1人で解決します。』

それだけ言うと、エメラルドは動き出した。



『遺体はこのまま、私が屋敷に連れて帰っていいですよね?』

『これから、調べようと…』


『本気で調べる気もない人たちにあの人たちに触れてほしくないですので、お断りさせて頂きます。

ここまで、遺体を運んできた下さった方たちはどこにいらっしゃしますか?』


『奥の酒場でゆっくりしてもらっている。』


『その方たちへ案内して下さい。』



その男たちは、兵士の格好はしているが、下品な性格が顔にまで出ている低レベルな男たちだった。

『私は運んで頂いた、ゼストのリーダーのライルの婚約者だった者です。あの人や仲間たちの遺体を運んで下さり、ありがとうございました。

それで、お願いがあります。これから、屋敷に遺体を運ぼうと考えております。このままあなたたちの馬車で運んで貰えないでしょうか?

勿論お礼も十分用意しますし、よければ今夜のご馳走と、宿もまだ用意されてないのでしたら、そのまま屋敷に泊まられてはいかがでしょうか?』


『いいのかい?それじゃーお言葉に甘えさせてもらうぜ。』


男たちは、遺体を再び馬車に乗せ、屋敷へ移動する。


エメラルドには、分かっていた。


この男たちもライルたちの殺害に何らかの形で関わってるだろうことを…

そして、エメラルドを見た瞬間、汚らわしい雄の顔になっていたことを…

上手くすれば、エメラルドを襲い、屋敷の財産も持っていけるのでは?とでも考えてるのだろう…



しかし、今夜の生け贄はエメラルドではない…
この男たちなのである。



断罪の時間の始まりである。

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