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第20話
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ニコルさんが走り去った後、ゴブリンジェネラルは左耳を吹き飛ばされた恨みから僕だけを睨み付けてきています。どうやらこれでニコルさんは助かることでしょう。
僕も絶対に死んだりはしたくありません。ここからは細心の注意を払って時間を稼ぐことにします。
「絶対に負けないです!!」
僕は気合いを入れ大きな声を出しました。これが開戦のゴングとなり、ゴブリンジェネラルは僕を真っ二つにしようと剣を横凪ぎに斬り払ってきました。
僕は冷静にバックステップで剣の間合いから離れます。
やはり先のやり取りでも感じていましたが、ゴブリンジェネラルの動きはスピードもパワーもあるのですが、力任せなだけで先日のシーフの男のように技がないのです。
僕は力では圧倒的に負けてる分、技で対抗することにしました。といっても口で言うのは簡単ですが、実行するのは本当に大変です。
1発でもいいのを喰らえば即命を奪われるパワーを持っているのです。そして、先日のシーフの男のように油断もしてくれません。真っ直ぐに僕の命を刈り取ろうと向かってきます。
僕は長期戦を覚悟していたので体力をできるだけ温存しようと考えていたのですが、実際に戦い始めるとそんな余裕全くなく、最初から全力で避け、受け流し、相手の体勢を崩していかないと少しの時間も持ちそうにありませんでした。
僅か5分が経つ頃には僕はゼエゼエと肩で息をしているような状態でした。このままではとても助けが来るまで体力が持ちそうにありません。
そんな状況を救ってくれたのはやはりボッチの特性でした。いつものようにアナウンスが流れてくれます。
《スキル 体力上昇lv1 を覚えました》
さらに次々とスキルのレベルが上がっていきます。
《スキル 見切り のレベルが上がりました》
《スキル 速度上昇 のレベルが上がりました》
《スキル 疲労回復 のレベルが上がりました》
《スキル クイックステップ のレベルが上がりました》
《スキル 受け流し のレベルが上がりました》
《スキル 体力上昇 のレベルが上がりました》
《スキル 気配関知 のレベルが上がりました》
正直スキルを覚えてもしんどいのは変わらずですが、大元の体力そのものが底上げされ、無駄な動きが減り、疲労回復速度が上がったことにより、元々自然回復能力が5倍と破格なボッチの特性上動けなくなるほどバテることもありませんでした。
たまにダメージを受けてもすぐに回復薬で回復をしていきます。
戦いがとうとう1時間を経過しようという頃ようやくこの長い守りの戦いにも変化が訪れました。
これまでずっと衰えることのなかった化け物のような体力をみせていたゴブリンジェネラルに初めて疲れの色が見え始めたのです。
これまで右手だけで軽々と振り回していた剣を両手で持つようになったのです。
それでも僕は自分から不用意に攻めたりはしません。これだけスキルレベルが上がってるにも関わらず、実力はまだはるかにゴブリンジェネラルの方が上なのです。
さらに1時間これまでと同じようにゴブリンジェネラルの強烈な攻撃を凌いでいると、さらに変化が訪れました。
ゴブリンジェネラルが肩で息をするようになり、時々攻撃を休むようになったのです。
これにより僕はこれまでギリギリの体力をスキルの回復力と気力だけで体を動かしていたのが、徐々に息も整い、これまで身体中が鉛のように重くなっている感覚だったのも取れてきて、まるで体に羽が生えたように軽くなってきました。
もちろんこの1時間の間にさらにスキルのレベルは上がっています!
僕はここにきてようやく戦い方を変える決心ができました。
といっても倒しに掛かるには余りにもリスクが高いので、ゴブリンジェネラルが攻撃の手を休めた時にだけ、ゴブリンジェネラルを休ませない程度の攻撃を繰り返すだけです。
この作戦は見事にハマりました!!
ゴブリンジェネラルに大したダメージを与えることはできてませんが、ゴブリンジェネラルはみるみるうちに動きが鈍くなってきました。
その上、さらに新たなスキルを得ることができました!
《スキル 鎚技 のレベルが上がりました》
《攻撃技 シェイクインパクト を覚えました》
《攻撃技 エネルギーブレイク を覚えました》
そうです。ハンマーの新たな攻撃技を覚えたのです!!
僕は技の詳細を調べる為にゴブリンジェネラルから距離を取りました。ゴブリンジェネラルは攻めてくるよりも一瞬の休息を選択したようで追いかけてきませんでした。
シェイクインパクト
対象の外部でなく、内部に振動を伝えることによりダメージを与える技。振動を伝えにくい物質系の魔物には効果が薄い。
エネルギーブレイク
物理的ダメージは与えられない。対象の体力に対してダメージを与えることができる。
これは!正にこの戦いの為にあるようなスキルだ!!
そこからは正に一方的な戦いとなりました。これまでと同様ゴブリンジェネラルの攻撃を受け流しつつ、隙をみてエネルギーブレイクを当てていくのです。
みるみるうちに動きが悪くなっていくゴブリンジェネラルにエネルギーブレイクを当て放題となりました。
試しにシェイクインパクトを当ててみると、これまでは不意討ちのあの一撃以外はダメージを与えることができてなかったのが嘘のように、ゴブリンジェネラルは血を吐き出し、苦悶の表情を浮かべました。
それからさらに5回のシェイクインパクトを当てたところでゴブリンジェネラルは地面に倒れ起き上がらなくなってしまいました。
僕は動けなくなったゴブリンジェネラルにアーマーブレイクを当てた後、その頭にメガインパクトを放ちました。
ゴブリンジェネラルはもう疲弊のあまり痛みに対して悲鳴を上げることすらできないようですが、まだ生きています。
僕はメガインパクトを繰り返し放っていきました。それを黙って喰らっているゴブリンジェネラルの目は未だに僕を呪い殺そうとでもしてるように睨み付けてきます。
僕はそのあまりの殺気に負けそうになる気持ちを奮い立たせ、メガインパクトをさらに当てていきました。何度も何度も…
《レベルが上がりました》
ようやく終わったようです。
僕は力尽きたようにその場に横になりました。
強かった…まさか勝てるなんて思いもしなかった。。
僕も絶対に死んだりはしたくありません。ここからは細心の注意を払って時間を稼ぐことにします。
「絶対に負けないです!!」
僕は気合いを入れ大きな声を出しました。これが開戦のゴングとなり、ゴブリンジェネラルは僕を真っ二つにしようと剣を横凪ぎに斬り払ってきました。
僕は冷静にバックステップで剣の間合いから離れます。
やはり先のやり取りでも感じていましたが、ゴブリンジェネラルの動きはスピードもパワーもあるのですが、力任せなだけで先日のシーフの男のように技がないのです。
僕は力では圧倒的に負けてる分、技で対抗することにしました。といっても口で言うのは簡単ですが、実行するのは本当に大変です。
1発でもいいのを喰らえば即命を奪われるパワーを持っているのです。そして、先日のシーフの男のように油断もしてくれません。真っ直ぐに僕の命を刈り取ろうと向かってきます。
僕は長期戦を覚悟していたので体力をできるだけ温存しようと考えていたのですが、実際に戦い始めるとそんな余裕全くなく、最初から全力で避け、受け流し、相手の体勢を崩していかないと少しの時間も持ちそうにありませんでした。
僅か5分が経つ頃には僕はゼエゼエと肩で息をしているような状態でした。このままではとても助けが来るまで体力が持ちそうにありません。
そんな状況を救ってくれたのはやはりボッチの特性でした。いつものようにアナウンスが流れてくれます。
《スキル 体力上昇lv1 を覚えました》
さらに次々とスキルのレベルが上がっていきます。
《スキル 見切り のレベルが上がりました》
《スキル 速度上昇 のレベルが上がりました》
《スキル 疲労回復 のレベルが上がりました》
《スキル クイックステップ のレベルが上がりました》
《スキル 受け流し のレベルが上がりました》
《スキル 体力上昇 のレベルが上がりました》
《スキル 気配関知 のレベルが上がりました》
正直スキルを覚えてもしんどいのは変わらずですが、大元の体力そのものが底上げされ、無駄な動きが減り、疲労回復速度が上がったことにより、元々自然回復能力が5倍と破格なボッチの特性上動けなくなるほどバテることもありませんでした。
たまにダメージを受けてもすぐに回復薬で回復をしていきます。
戦いがとうとう1時間を経過しようという頃ようやくこの長い守りの戦いにも変化が訪れました。
これまでずっと衰えることのなかった化け物のような体力をみせていたゴブリンジェネラルに初めて疲れの色が見え始めたのです。
これまで右手だけで軽々と振り回していた剣を両手で持つようになったのです。
それでも僕は自分から不用意に攻めたりはしません。これだけスキルレベルが上がってるにも関わらず、実力はまだはるかにゴブリンジェネラルの方が上なのです。
さらに1時間これまでと同じようにゴブリンジェネラルの強烈な攻撃を凌いでいると、さらに変化が訪れました。
ゴブリンジェネラルが肩で息をするようになり、時々攻撃を休むようになったのです。
これにより僕はこれまでギリギリの体力をスキルの回復力と気力だけで体を動かしていたのが、徐々に息も整い、これまで身体中が鉛のように重くなっている感覚だったのも取れてきて、まるで体に羽が生えたように軽くなってきました。
もちろんこの1時間の間にさらにスキルのレベルは上がっています!
僕はここにきてようやく戦い方を変える決心ができました。
といっても倒しに掛かるには余りにもリスクが高いので、ゴブリンジェネラルが攻撃の手を休めた時にだけ、ゴブリンジェネラルを休ませない程度の攻撃を繰り返すだけです。
この作戦は見事にハマりました!!
ゴブリンジェネラルに大したダメージを与えることはできてませんが、ゴブリンジェネラルはみるみるうちに動きが鈍くなってきました。
その上、さらに新たなスキルを得ることができました!
《スキル 鎚技 のレベルが上がりました》
《攻撃技 シェイクインパクト を覚えました》
《攻撃技 エネルギーブレイク を覚えました》
そうです。ハンマーの新たな攻撃技を覚えたのです!!
僕は技の詳細を調べる為にゴブリンジェネラルから距離を取りました。ゴブリンジェネラルは攻めてくるよりも一瞬の休息を選択したようで追いかけてきませんでした。
シェイクインパクト
対象の外部でなく、内部に振動を伝えることによりダメージを与える技。振動を伝えにくい物質系の魔物には効果が薄い。
エネルギーブレイク
物理的ダメージは与えられない。対象の体力に対してダメージを与えることができる。
これは!正にこの戦いの為にあるようなスキルだ!!
そこからは正に一方的な戦いとなりました。これまでと同様ゴブリンジェネラルの攻撃を受け流しつつ、隙をみてエネルギーブレイクを当てていくのです。
みるみるうちに動きが悪くなっていくゴブリンジェネラルにエネルギーブレイクを当て放題となりました。
試しにシェイクインパクトを当ててみると、これまでは不意討ちのあの一撃以外はダメージを与えることができてなかったのが嘘のように、ゴブリンジェネラルは血を吐き出し、苦悶の表情を浮かべました。
それからさらに5回のシェイクインパクトを当てたところでゴブリンジェネラルは地面に倒れ起き上がらなくなってしまいました。
僕は動けなくなったゴブリンジェネラルにアーマーブレイクを当てた後、その頭にメガインパクトを放ちました。
ゴブリンジェネラルはもう疲弊のあまり痛みに対して悲鳴を上げることすらできないようですが、まだ生きています。
僕はメガインパクトを繰り返し放っていきました。それを黙って喰らっているゴブリンジェネラルの目は未だに僕を呪い殺そうとでもしてるように睨み付けてきます。
僕はそのあまりの殺気に負けそうになる気持ちを奮い立たせ、メガインパクトをさらに当てていきました。何度も何度も…
《レベルが上がりました》
ようやく終わったようです。
僕は力尽きたようにその場に横になりました。
強かった…まさか勝てるなんて思いもしなかった。。
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