23 / 73
第23話
しおりを挟む
ニコルさんのパーティーメンバーにして欲しいという申し出をあっさりと断った後ろめたさと、僕を助ける為に馬車まで準備して西の森まで駆けつけてくれたお三方への感謝から、僕はボッチのジョブについての秘密を守ることはできませんでした。
僕はボッチのジョブについて一通り説明をしました。
全員驚いた顔をして聞いていましたが、途中からはガープさんだけは少し納得したような顔になっていました。
「…というわけで、このジョブの特性上僕は誰ともパーティーを組めないのです。一緒に成人したらパーティーを組む約束をしていた幼なじみの友とすら、別々となってしまいました。
ニコルさんすいませんが、僕とパーティーを組むことは諦めて下さい。」
「そのような理由があったんですね…それにしても不思議なジョブですね…でもそれでしたら、ロンさんは私と同じく異空間収納のスキルも覚えられるんじゃないですか?私がお教えしますので習得した方がいいと思います!!」
「そうだな!他にもどんなスキルでももれなく覚えることができるってことだ!攻撃魔法も回復魔法も武術も…生産職すらな!!
こりゃーロンは、正に英雄になる為に生まれてきたような存在だな!
俺も面白そうだからお前に俺の持つ技術を全て教えてやるぞ!」
「ガープさん?」
「おっ!何だか面白そうな話になってきたな!!じゃー俺も回復魔法や補助魔法を教えてやるぜ!
俺たちで英雄を作れるなんて楽しくなりそうだな!!!」
「ハインさんもですか?」
「俺だって参加させてもらうよ!俺の魔術の全てを教えてやるよ!!英雄の魔術の師匠になれるなんて誇らしいからな♪」
「フラムさんまで…」
「あー!俺たち3人が今日からロンの師匠ってことでいいな!?」
「私の異空間収納も忘れないで下さいね!」
「そうだな!ニコルの場合は師匠って感じじゃないけどな…」
「私の場合はただ感謝の気持ちから技術を提供したいだけなので…協力者という位置にいさせて下さい!スキルだけでなく、生活に関わる全てに対して協力させてもらいます!!」
「おっ!ニコルは中々積極的だな?久しぶりに楽しくなってきたぜ!!」
当の本人の僕を放っておいて4人の中で話は進んでいき、既に決定事項へと変わっていました。
どうやら僕は4人からしばらく鍛えられる毎日となるようです。お三方の時間の空きがあるときは僕は冒険者としての仕事をすることすらも許されないようです。
僕はお三方が忙しい日のみ目一杯冒険者として仕事をして、生活費とお三方に酒を奢る為のお金を稼がねばならないようです。
な、何だか理不尽です…
王都の冒険者ギルドに戻ると、いつもより盛り上がってるようにみえました。ゴブリンの討伐隊に参加すれば通常よりも多くの報酬が約束されているようです。まして、ゴブリンキングがいるのならば稼ぎも大きくなる可能性があるからです。
でも僕はまだ参加資格が無いようです。
Fランクなら最低でもパーティーで参加、ソロならばDランク以上が参加条件となるようです。
そもそも討伐隊に参加するとなると大勢と共に戦うことになるので、僕の場合はレベル1のステータスで戦わないといけない上、経験は10分の1しか稼げないという理不尽な条件が前提となるので、たとえ参加できても大して稼げるとはとても思えないのです…
というわけで、依頼の報告をしました。
受付に並んで、ヒール草50本と毒消し草50本を納品して銀貨1枚をゲットしました。残りの薬草は常時クエストとして報告するか迷ったんですが、宿に帰って調合します。
しばらくまともに冒険者をできなさそうなので、せめて回復薬と毒消薬だけでもカッシュたちに多目に提供したかったのです。僕が生産職を頑張って育てたのもカッシュたちの役に立つ為ですからね!
それとニコルさんとパーティーを組んでいた奴らのことをギルドに報告しました。話を聞いた受付のお姉さんは真剣な顔で話を聞いてくれました。
受付のお姉さんの話によるとゴブリンジェネラルが現れたことで、それぞれの判断でニコルさんを置いて逃げ出すこと自体は罪にはならないそうですが、ニコルさんを突き飛ばして時間を稼いだ行為は卑劣であり、絶対に許されない行為だということです。
後日事実関係をハッキリとさせてから処罰を加えてくれることを約束してくれました。
それとこの話の中でニコルさんから僕がゴブリンジェネラルをソロで討伐した話になって、受付のお姉さんに凄く驚かれました。
冒険者の紋を何かの魔道具で読み込み、そのことを確認までさせられてしまいました。
「信じられませんが事実のようですね。Fランク冒険者がソロでゴブリンジェネラルを討伐するなんて前代未聞ですよ!残念ながら依頼が出る前の討伐となりますので報酬はありませんが、これはランクの見直しが必要となる案件かもしれませんね。
こちらで話を纏めて後日ご連絡させて頂きます。」
こうして簡単な依頼を受けて冒険者初日を無難に過ごそうと思っていた僕の目論はあっさりと破れ去る結果となりました。
僕はボッチのジョブについて一通り説明をしました。
全員驚いた顔をして聞いていましたが、途中からはガープさんだけは少し納得したような顔になっていました。
「…というわけで、このジョブの特性上僕は誰ともパーティーを組めないのです。一緒に成人したらパーティーを組む約束をしていた幼なじみの友とすら、別々となってしまいました。
ニコルさんすいませんが、僕とパーティーを組むことは諦めて下さい。」
「そのような理由があったんですね…それにしても不思議なジョブですね…でもそれでしたら、ロンさんは私と同じく異空間収納のスキルも覚えられるんじゃないですか?私がお教えしますので習得した方がいいと思います!!」
「そうだな!他にもどんなスキルでももれなく覚えることができるってことだ!攻撃魔法も回復魔法も武術も…生産職すらな!!
こりゃーロンは、正に英雄になる為に生まれてきたような存在だな!
俺も面白そうだからお前に俺の持つ技術を全て教えてやるぞ!」
「ガープさん?」
「おっ!何だか面白そうな話になってきたな!!じゃー俺も回復魔法や補助魔法を教えてやるぜ!
俺たちで英雄を作れるなんて楽しくなりそうだな!!!」
「ハインさんもですか?」
「俺だって参加させてもらうよ!俺の魔術の全てを教えてやるよ!!英雄の魔術の師匠になれるなんて誇らしいからな♪」
「フラムさんまで…」
「あー!俺たち3人が今日からロンの師匠ってことでいいな!?」
「私の異空間収納も忘れないで下さいね!」
「そうだな!ニコルの場合は師匠って感じじゃないけどな…」
「私の場合はただ感謝の気持ちから技術を提供したいだけなので…協力者という位置にいさせて下さい!スキルだけでなく、生活に関わる全てに対して協力させてもらいます!!」
「おっ!ニコルは中々積極的だな?久しぶりに楽しくなってきたぜ!!」
当の本人の僕を放っておいて4人の中で話は進んでいき、既に決定事項へと変わっていました。
どうやら僕は4人からしばらく鍛えられる毎日となるようです。お三方の時間の空きがあるときは僕は冒険者としての仕事をすることすらも許されないようです。
僕はお三方が忙しい日のみ目一杯冒険者として仕事をして、生活費とお三方に酒を奢る為のお金を稼がねばならないようです。
な、何だか理不尽です…
王都の冒険者ギルドに戻ると、いつもより盛り上がってるようにみえました。ゴブリンの討伐隊に参加すれば通常よりも多くの報酬が約束されているようです。まして、ゴブリンキングがいるのならば稼ぎも大きくなる可能性があるからです。
でも僕はまだ参加資格が無いようです。
Fランクなら最低でもパーティーで参加、ソロならばDランク以上が参加条件となるようです。
そもそも討伐隊に参加するとなると大勢と共に戦うことになるので、僕の場合はレベル1のステータスで戦わないといけない上、経験は10分の1しか稼げないという理不尽な条件が前提となるので、たとえ参加できても大して稼げるとはとても思えないのです…
というわけで、依頼の報告をしました。
受付に並んで、ヒール草50本と毒消し草50本を納品して銀貨1枚をゲットしました。残りの薬草は常時クエストとして報告するか迷ったんですが、宿に帰って調合します。
しばらくまともに冒険者をできなさそうなので、せめて回復薬と毒消薬だけでもカッシュたちに多目に提供したかったのです。僕が生産職を頑張って育てたのもカッシュたちの役に立つ為ですからね!
それとニコルさんとパーティーを組んでいた奴らのことをギルドに報告しました。話を聞いた受付のお姉さんは真剣な顔で話を聞いてくれました。
受付のお姉さんの話によるとゴブリンジェネラルが現れたことで、それぞれの判断でニコルさんを置いて逃げ出すこと自体は罪にはならないそうですが、ニコルさんを突き飛ばして時間を稼いだ行為は卑劣であり、絶対に許されない行為だということです。
後日事実関係をハッキリとさせてから処罰を加えてくれることを約束してくれました。
それとこの話の中でニコルさんから僕がゴブリンジェネラルをソロで討伐した話になって、受付のお姉さんに凄く驚かれました。
冒険者の紋を何かの魔道具で読み込み、そのことを確認までさせられてしまいました。
「信じられませんが事実のようですね。Fランク冒険者がソロでゴブリンジェネラルを討伐するなんて前代未聞ですよ!残念ながら依頼が出る前の討伐となりますので報酬はありませんが、これはランクの見直しが必要となる案件かもしれませんね。
こちらで話を纏めて後日ご連絡させて頂きます。」
こうして簡単な依頼を受けて冒険者初日を無難に過ごそうと思っていた僕の目論はあっさりと破れ去る結果となりました。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
転生先はご近所さん?
フロイライン
ファンタジー
大学受験に失敗し、カノジョにフラれた俺は、ある事故に巻き込まれて死んでしまうが…
そんな俺に同情した神様が俺を転生させ、やり直すチャンスをくれた。
でも、並行世界で人々を救うつもりだった俺が転生した先は、近所に住む新婚の伊藤さんだった。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
貧弱の英雄
カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。
貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。
自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる――
※修正要請のコメントは対処後に削除します。
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる