ボッチ英雄譚

3匹の子猫

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第43話

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 僕はあの日から属性魔法を学び出したのですが、魔法の基礎である魔力感知と魔力操作をかなり使えるようになっていた僕にはレベル1の魔法を覚えることは簡単な内容でした。

属性魔法を覚えるには魔力を手に集め、その魔力をそれぞれの属性の玉に変わっていくことを想像していくだけでした。その属性に適正があればそれほど時間を必要とせずに各属性魔法を覚えていきます。


 普通は3つ程度の属性適正が普通らしいのですが、僕はボッチの特性なのか全ての属性の適正を持っていました。さすがにちょっとズルいかもと思っちゃいました。

僕は早速街を離れて魔法を試していくことにしました。


 まずは定番の火属性です。レベル1で覚えたのはファイアアローという炎の矢を飛ばす魔法です。

放ったファイアアローはかなりの速度で狙った岩に向けて飛んでいきます。予想以上に魔法の命中精度は高いようです。これならば実戦でも十分に使えると思います。

実はこの命中精度は魔力操作のレベルに影響を受ける為、既にレベル9まで上がっている僕にはレベル1の魔法を思い通りに飛ばすことは難しいことではなかったのです。


5発使ったところでレベル2に上がり、ファイアボールという魔法を覚えました。この魔法は炎の玉を飛ばし、対象に当たると「ボワッ」と対象を燃え上がらせます。



 次は水属性を試しました。覚えているのはウォーターボールという水球を飛ばす魔法です。水球は勢いよく飛び始めたのですが、10メートルを越えた辺りで勢いを失い霧散してしまいました。

どうやらウォーターボールの射程は10メートル程度のようです。ファイアアローは30メートル以上飛んでいたので、同じレベル1の魔法でもその魔法によって特徴があるようです。


同じように5発使ったところでレベルが上がり、ウォーターガンという強力な勢いの細い水を飛ばす魔法を覚えました。この魔法は意識するとさらに細く絞ることができ、威力が上がるようでした。しかしやはり射程はウォーターボールと同じく10メートルほどでした。



 次は風属性です。覚えているのはエアスラッシュという風の刃を飛ばす魔法です。この魔法も射程は長く30メートル以上はあるようです。小さな風の刃が狙った岩に当たり消えていきました。硬い対象には効果が薄い魔法のようです。

レベルが上がり覚えたのはエアーインパクトという見えない衝撃波を飛ばす魔法でした。この魔法は射程が極端に短く体感では5メートルもないようです。



 次は土属性です。覚えてるのはエアバレットという石礫を飛ばす魔法です。礫そのものが物質化してるので、魔法攻撃の筈なのに物理攻撃の扱いになるそうです。

レベルが上がり覚えたのはストーンフォールという対象の頭上に1メートルほどの大きな石を作り出し、そのまま落とす魔法です。落下中軌道を変更できない為、不意討ちでなければなかなか当てるのは難しいかもしれません。



 次は光属性です。覚えてるのはライトアローです。これもファイアアローと同じように光の矢を飛ばす魔法です。飛距離も殆ど変わりませんでした。ファイアアローと違うのは、焼くのではなく熱そのものでダメージを与えるということです。

レベルが上がり覚えたのはライトボールという光の玉を自分の周りに浮遊させる魔法です。これは単純に明かりの魔法です。



 次は闇の魔法です。覚えてるのはダークアローです。これもファイアアローやライトアローと似た魔法なのですが、ダークアローは黒い矢である為、相手から見えにくい特性があります。特に夜には避けることが難しいと言われています。

そもそも闇属性魔法を使える人間は殆どいないそうです。魔族や上位の魔物が使うことが多い魔法らしいです。

レベルが上がり覚えたのは、ダークミストという目隠しの魔法です。周りに光を遮る闇のミストを張り、こちらの闇属性魔法を避けにくくしたり、単純に逃げ出す際の目眩ましに使ったりするようです。



 聖属性魔法は属性魔法とは別に分類されるらしいのですが、同じ方法で取得できないかと試したのですが覚えることができませんでした。他に取得方法があるのかもしれません。



 フラム師匠にあの時指示された内容は、次に会うときまでに覚えることができた魔法をいかに間なく連続で放てるようになってるかを見させてもらうから研鑽しておけということでした。


早速練習を開始します。

魔力回復や魔力消費減少のお陰で魔法は使い放題だったのでいくらでも特訓が可能でした。


 マルチキャストを利用して、同時に幾つもの魔法を構築して放っていきます。最初は同じ属性の魔法を連続で放っていきます。ファイアアローがほぼ同時に次々と飛んでいきます。慣れてくると、5発くらいなら同時に放てるようになりました。

次にファイアアローにライトアローとダークアローを混ぜて同時に放てるように練習をしました。これも慣れてくると、ファイアアローやライトアローの影にダークアローを隠すように配置して同時に放てるようになりました。


 次に挑戦したのはストーンフォールで頭上から落ちてくる石を、ウォーターガンを使って地面に落ちないように弾いていく練習をしました。これはゲーム感覚で楽しくなり、いつの間にかストーンフォールの数も増やして難易度を上げていました。

周りに人がいたらかなりおかしな人だったかもしれません。


 しばらくこれらの特訓を続けていたのですが、ここで風属性の魔法を全然利用してなかったことに気づいて、新しい特訓方法を考えました。それは近くにあった木にエアーインパクトを放ち、落ちてきた木の葉っぱをエアースラッシュで地面に落ちる前に全て切り刻むという、またしても遊び要素を入れた特訓方法です。

これがなかなかに難しく、やり続けているといつの間にか、風属性魔法が一番レベルが高くなっていました。バランスよく上げていくって難しいですね!


 このように遊びの要素を特訓に取り入れ、連日1人楽しく魔法の特訓に明け暮れていると各魔法のレベルはどんどん上がっていき、とうとう全属性10レベルを越えるまでになりました。



そして、そのレベル10になったことにより魔法に大きな変化が生まれたのです!!



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