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本編
3月 ② side khoki
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「何があったんだ?」
卒業式が終わると俺と佳都は担任に呼ばれ保健室に向かった。
担任と共にオメガ用の保健室に入ると保健医の他に1-Aのクラス担任がいた。
そして、奥のベッドには結季と同じクラスの深月瑠可が眠っていた。
その顔には殴られたような痣と所々に擦り傷があった。
「深月くんが目覚めないと詳しいことは判らないけど、如月くんが学園からいなくなりました」
「は?」
確かに卒業式の在校生の席はポッカリ空いていた。
「居なくなったって…」
「連れ去られた可能性が高いです。深月くんが倒れていた場所の近くに血痕があったので彼も怪我をしている可能性もあります」
「何だよそれ!」
「皇貴、落ち着いて」
保健医に掴みかかる勢いの俺を佳都が押さえる。
「そうだ、落ち着きなさい」
背後から声がし振り返ると、スーツ姿の男が立っていた。
急いで来たのか、額には汗が滲んでいた。
「如月さん…あの、申し訳ありません」
如月と呼ばれた男に保健医は駆け寄り、謝罪の言葉と共に頭を下げる。
「斉藤さんのせいではありませんよ。それより、連絡ありがとうございます。妻と息子ももうすぐ到着すると思います」
それから数分後、バタバタと足音が聞こえ、その足音の主が保健室のドアを乱暴に開けた。
「父さん!ゆうが居なくなったって?」
「楓、もう少し静かに来なさい。母さんは?」
「楓、もう先に行かないで。お母さん、あなたみたいに若くもないし、足も速くないんだから」
ゼェゼェ息を切らして女性が現れた。
息子は兎も角、両親は落ち着いているように見える。
「ぅ……ぁ…あれ?」
「深月、大丈夫か?」
「瑠可?……おい、どうした?」
楓と呼ばれた男が瑠可に駆け寄る。
瑠可の身体を支えて起こすと、瑠可は不思議そうに楓の顔を見る。
身体の痛みに顔を歪めた数秒後、ガクガクと震え出した。
「あ……あの…結季くんは?」
「結季はいなくなった」
「え……?うそ……結季、くん……結季くん、ボクを庇って……血がたくさん……ぁ……あ……」
「瑠可、落ち着け。ゆっくりでいいから順を追って話してくれ」
楓が動揺して涙を流す瑠可に寄り添い、背中をさすって呼吸を落ち着かせる。
数分泣いて少し落ち着きを取り戻した瑠可は話し出した。
「結季くんと講堂に向かってるときに神凪先生に会ったんだ。結季くん、すごく嫌そうな顔してたのがボクよくわからなかったんだ……その後、ボク、先生に背中押されて階段から落ちて……下にいた結季くんがボクを受け止めて一緒に落ちちゃったんだ……」
そこまで話すと瑠可はまたカタカタと震え出した。
「それで、結季くんの頭からたくさん血が出て……結季くん、先生のこと『清暙兄さん』って呼んで……それで、先生が結季くんに『思い出したのか』って……それからすぐ、ボク、先生に蹴り飛ばされちゃって、その後のこと…わからない………ご、ごめん、なさい……ボク……ボクのせいっで……」
「瑠可のせいじゃない。瑠可は巻き込まれただけだ」
しがみつき泣きじゃくる瑠可の背中を楓は優しくさするが、その顔はかなり険しい。
俺を含め、その場にいる皆、険しい顔になっていた。
佳都の手に持つスマホがブルルと振動し、それを確認した佳都が口を開いた。
「これから父がここに来ますが、よろしいですか?」
「君の父親って…あの?」
「はい。皇貴の両親と一緒に式に出席していました。先程連絡しましたので、もうすぐ到着すると思います」
3分ほどで俺の両親と佳都の父親が保健室に到着した。
「父さん。あの話を皇貴に話しても?」
「構わない。如月さんは神凪家についてご存知ですね」
「ええ。さすが噂通りの優秀な秘書ですね」
「恐れ入ります」
結季の父親と兄、佳都と佳都の父親、俺の父親と俺の6人は、神凪清暙が使っていた準備室に移動した。
「神凪家について私から話しましょう。その後、望月さんが知り得た情報がありましたら教えてください」
結季の父親はそう言うと、話し始めた。
その悍ましい話に、怒りのあまり俺の身体は震えた。
卒業式が終わると俺と佳都は担任に呼ばれ保健室に向かった。
担任と共にオメガ用の保健室に入ると保健医の他に1-Aのクラス担任がいた。
そして、奥のベッドには結季と同じクラスの深月瑠可が眠っていた。
その顔には殴られたような痣と所々に擦り傷があった。
「深月くんが目覚めないと詳しいことは判らないけど、如月くんが学園からいなくなりました」
「は?」
確かに卒業式の在校生の席はポッカリ空いていた。
「居なくなったって…」
「連れ去られた可能性が高いです。深月くんが倒れていた場所の近くに血痕があったので彼も怪我をしている可能性もあります」
「何だよそれ!」
「皇貴、落ち着いて」
保健医に掴みかかる勢いの俺を佳都が押さえる。
「そうだ、落ち着きなさい」
背後から声がし振り返ると、スーツ姿の男が立っていた。
急いで来たのか、額には汗が滲んでいた。
「如月さん…あの、申し訳ありません」
如月と呼ばれた男に保健医は駆け寄り、謝罪の言葉と共に頭を下げる。
「斉藤さんのせいではありませんよ。それより、連絡ありがとうございます。妻と息子ももうすぐ到着すると思います」
それから数分後、バタバタと足音が聞こえ、その足音の主が保健室のドアを乱暴に開けた。
「父さん!ゆうが居なくなったって?」
「楓、もう少し静かに来なさい。母さんは?」
「楓、もう先に行かないで。お母さん、あなたみたいに若くもないし、足も速くないんだから」
ゼェゼェ息を切らして女性が現れた。
息子は兎も角、両親は落ち着いているように見える。
「ぅ……ぁ…あれ?」
「深月、大丈夫か?」
「瑠可?……おい、どうした?」
楓と呼ばれた男が瑠可に駆け寄る。
瑠可の身体を支えて起こすと、瑠可は不思議そうに楓の顔を見る。
身体の痛みに顔を歪めた数秒後、ガクガクと震え出した。
「あ……あの…結季くんは?」
「結季はいなくなった」
「え……?うそ……結季、くん……結季くん、ボクを庇って……血がたくさん……ぁ……あ……」
「瑠可、落ち着け。ゆっくりでいいから順を追って話してくれ」
楓が動揺して涙を流す瑠可に寄り添い、背中をさすって呼吸を落ち着かせる。
数分泣いて少し落ち着きを取り戻した瑠可は話し出した。
「結季くんと講堂に向かってるときに神凪先生に会ったんだ。結季くん、すごく嫌そうな顔してたのがボクよくわからなかったんだ……その後、ボク、先生に背中押されて階段から落ちて……下にいた結季くんがボクを受け止めて一緒に落ちちゃったんだ……」
そこまで話すと瑠可はまたカタカタと震え出した。
「それで、結季くんの頭からたくさん血が出て……結季くん、先生のこと『清暙兄さん』って呼んで……それで、先生が結季くんに『思い出したのか』って……それからすぐ、ボク、先生に蹴り飛ばされちゃって、その後のこと…わからない………ご、ごめん、なさい……ボク……ボクのせいっで……」
「瑠可のせいじゃない。瑠可は巻き込まれただけだ」
しがみつき泣きじゃくる瑠可の背中を楓は優しくさするが、その顔はかなり険しい。
俺を含め、その場にいる皆、険しい顔になっていた。
佳都の手に持つスマホがブルルと振動し、それを確認した佳都が口を開いた。
「これから父がここに来ますが、よろしいですか?」
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「はい。皇貴の両親と一緒に式に出席していました。先程連絡しましたので、もうすぐ到着すると思います」
3分ほどで俺の両親と佳都の父親が保健室に到着した。
「父さん。あの話を皇貴に話しても?」
「構わない。如月さんは神凪家についてご存知ですね」
「ええ。さすが噂通りの優秀な秘書ですね」
「恐れ入ります」
結季の父親と兄、佳都と佳都の父親、俺の父親と俺の6人は、神凪清暙が使っていた準備室に移動した。
「神凪家について私から話しましょう。その後、望月さんが知り得た情報がありましたら教えてください」
結季の父親はそう言うと、話し始めた。
その悍ましい話に、怒りのあまり俺の身体は震えた。
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