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後日談
お正月 ④
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ヒロさんとアカリと3人で社務所に向かう途中、遠巻きに人に囲まれた。
突風が吹いて、その風にヒロさんの髪の毛が煽られて隠されていた素顔が現れたからだ。
アカリがすぐに直したけど、偶然それを見かけた女子とオメガの男子が多かった。
そのため、両脇を囲み花道のようになった。
恥ずかしそうな様子のヒロさんに向けられる好意の視線にアカリが嫉妬してヒロさんに抱きつきながら歩くものだから、逆に歩みが遅くなってちょっと時間がかかった。
社務所の裏に行くと、やっと人が途切れた。
そして、裏口の前には人影があった。
「あれっ……?」
「ゆう」
「皇貴先輩?」
名を呼ばれ駆け寄ると、そこにいたのは皇貴先輩だった。
「ゆう、お前どこ行ってたんだよ?」
「あー、瑠可が楓兄に会いたいっていうから付き合ってた」
「そうか……んで、アレは?」
不審者を見るような目をして、顎で後ろを指す。
振り返るとヒロさんは苦笑してて、アカリがめっちゃニヤニヤしてた。
「あれ、従兄弟のアカリとアカリの幼馴染で番のヒロさんだよ」
「従兄弟?」
「やっほー。従兄弟でーす」
アカリが能天気に手を振った。
❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎
「よく見たら、お前らウチの大学の有名人じゃん」
「その言葉、そっくりそのまま返すよ」
3人とここには居ない望月先輩は同じ大学だけど、言葉を交わすのは今回が初めてらしい。
そういえば、望月先輩もそんなこと言ってたな。
「棗は見た目に反して喧嘩がめちゃくちゃ強くて、特に足癖が悪いって有名だぞ」
「何それー⁉︎ボクはね、ヒロという素敵な番がいるって言うのにウザく絡んでくる奴らを蹴り飛ばしただけだよ」
「それだろ。原因は」
オロオロするヒロさんをそっちのけで皇貴先輩とアカリは話す。
「それを言うなら、君だって女子やらオメガやベータの男に毎日めちゃくちゃ囲まれてんじゃん」
「うっ……」
「ちょっ、アカリちゃん!」
ふーん。
「ゆ、ゆう……あのなーー」
「女子だけでなく男にも囲まれてんだ…」
「ん?結季、どうしたの?」
「あ、アカリちゃん、ちょっと……。じゃ、じゃあね」
ヒロさんはアカリを連れて離れて行った。
「ゆう……あのなーー」
「先輩。やっぱりモテるんですね」
皇貴先輩はもうオレ以外とは何ともならないって分かっているけど、なんとなくムカムカする。
やっぱり、オレの心は狭いな。
自己嫌悪に陥りそうになる。
「っ!」
「……ゆう」
ぎゅっと抱き締められると耳元で名前を呼ばれる。
それだけで胸がギュッてなる。
「あんなぁ。初恋引き摺ってやっと番になったんだ。俺はもうお前以外興味ねぇよ」
「……うん。……うん、分かっているけど……」
それでもオレ、時々自信がなくなるんだ。
オメガはたった1人のアルファとしか番えない。
もし皇貴先輩がオレから離れたらって考えるだけで息の仕方を忘れてしまう。
皇貴先輩にしがみつくように抱きついて、肺いっぱい匂いを吸い込む。
背中をトントンとされ、少しずつ呼吸が落ち着いてきた。
「俺の瞳の色を変えたのはお前だ。ずっとゆうだけしか見えないし、愛することはできない。……信じて」
ネックプロテクターの上から項にキスをされる。
その行為で嘘のように気持ちが軽くなった。
「こ…き先輩。ごめん、なさい。オレ、ちょっとだけ不安になって……」
「不安になったらいつでも俺に言え。何度でもこうしてお前に好きだと言うから」
「……うっ……それ、恥ずい…」
そう言いつつもぎゅっと抱き締めあった。
「結季」
「…ん?」
身体を少し離して皇貴先輩を見上げる。
「もうすぐ発情期だろ」
「う、うん」
なんか、嫌な予感がする。
もう少し離れようとしたけど、ガッチリオレの腰を掴まれて動けなかった。
「お前が疑う隙がなくなるくらい、めいいっぱい愛してやる」
「や、それはーー」
遠慮したい。
オレの言葉は、皇貴先輩の唇に塞がれてしまった。
____________________________________
後日談、完結です。
前作の主人公で赤のレア・アルファのヒロと、今作の金のレア・アルファの皇貴が出会いましたが、会話らしい会話をすることなく終わってしまいました(^_^;)
冬休み明け以降、なんやかんやで連んでいると思います。
アカリがいれば余計な虫は駆除されるので。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
今後、同じ世界軸のオメガバースをもう一作公開予定です。
その時、また皆様にお会いできたら嬉しいです。
突風が吹いて、その風にヒロさんの髪の毛が煽られて隠されていた素顔が現れたからだ。
アカリがすぐに直したけど、偶然それを見かけた女子とオメガの男子が多かった。
そのため、両脇を囲み花道のようになった。
恥ずかしそうな様子のヒロさんに向けられる好意の視線にアカリが嫉妬してヒロさんに抱きつきながら歩くものだから、逆に歩みが遅くなってちょっと時間がかかった。
社務所の裏に行くと、やっと人が途切れた。
そして、裏口の前には人影があった。
「あれっ……?」
「ゆう」
「皇貴先輩?」
名を呼ばれ駆け寄ると、そこにいたのは皇貴先輩だった。
「ゆう、お前どこ行ってたんだよ?」
「あー、瑠可が楓兄に会いたいっていうから付き合ってた」
「そうか……んで、アレは?」
不審者を見るような目をして、顎で後ろを指す。
振り返るとヒロさんは苦笑してて、アカリがめっちゃニヤニヤしてた。
「あれ、従兄弟のアカリとアカリの幼馴染で番のヒロさんだよ」
「従兄弟?」
「やっほー。従兄弟でーす」
アカリが能天気に手を振った。
❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎
「よく見たら、お前らウチの大学の有名人じゃん」
「その言葉、そっくりそのまま返すよ」
3人とここには居ない望月先輩は同じ大学だけど、言葉を交わすのは今回が初めてらしい。
そういえば、望月先輩もそんなこと言ってたな。
「棗は見た目に反して喧嘩がめちゃくちゃ強くて、特に足癖が悪いって有名だぞ」
「何それー⁉︎ボクはね、ヒロという素敵な番がいるって言うのにウザく絡んでくる奴らを蹴り飛ばしただけだよ」
「それだろ。原因は」
オロオロするヒロさんをそっちのけで皇貴先輩とアカリは話す。
「それを言うなら、君だって女子やらオメガやベータの男に毎日めちゃくちゃ囲まれてんじゃん」
「うっ……」
「ちょっ、アカリちゃん!」
ふーん。
「ゆ、ゆう……あのなーー」
「女子だけでなく男にも囲まれてんだ…」
「ん?結季、どうしたの?」
「あ、アカリちゃん、ちょっと……。じゃ、じゃあね」
ヒロさんはアカリを連れて離れて行った。
「ゆう……あのなーー」
「先輩。やっぱりモテるんですね」
皇貴先輩はもうオレ以外とは何ともならないって分かっているけど、なんとなくムカムカする。
やっぱり、オレの心は狭いな。
自己嫌悪に陥りそうになる。
「っ!」
「……ゆう」
ぎゅっと抱き締められると耳元で名前を呼ばれる。
それだけで胸がギュッてなる。
「あんなぁ。初恋引き摺ってやっと番になったんだ。俺はもうお前以外興味ねぇよ」
「……うん。……うん、分かっているけど……」
それでもオレ、時々自信がなくなるんだ。
オメガはたった1人のアルファとしか番えない。
もし皇貴先輩がオレから離れたらって考えるだけで息の仕方を忘れてしまう。
皇貴先輩にしがみつくように抱きついて、肺いっぱい匂いを吸い込む。
背中をトントンとされ、少しずつ呼吸が落ち着いてきた。
「俺の瞳の色を変えたのはお前だ。ずっとゆうだけしか見えないし、愛することはできない。……信じて」
ネックプロテクターの上から項にキスをされる。
その行為で嘘のように気持ちが軽くなった。
「こ…き先輩。ごめん、なさい。オレ、ちょっとだけ不安になって……」
「不安になったらいつでも俺に言え。何度でもこうしてお前に好きだと言うから」
「……うっ……それ、恥ずい…」
そう言いつつもぎゅっと抱き締めあった。
「結季」
「…ん?」
身体を少し離して皇貴先輩を見上げる。
「もうすぐ発情期だろ」
「う、うん」
なんか、嫌な予感がする。
もう少し離れようとしたけど、ガッチリオレの腰を掴まれて動けなかった。
「お前が疑う隙がなくなるくらい、めいいっぱい愛してやる」
「や、それはーー」
遠慮したい。
オレの言葉は、皇貴先輩の唇に塞がれてしまった。
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後日談、完結です。
前作の主人公で赤のレア・アルファのヒロと、今作の金のレア・アルファの皇貴が出会いましたが、会話らしい会話をすることなく終わってしまいました(^_^;)
冬休み明け以降、なんやかんやで連んでいると思います。
アカリがいれば余計な虫は駆除されるので。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
今後、同じ世界軸のオメガバースをもう一作公開予定です。
その時、また皆様にお会いできたら嬉しいです。
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