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第二十五話 戦いが始まる
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決戦当日。空は抜けるような快晴であった。
レオンハートは、懐かしきカルファス王国正規兵の正装である白銀の鎧に袖を通すと、誇り高きカルファス王国の海鳥の紋章を胸に刻むその正装を身に馬に跨った。
王都を一望できる丘に各地から反乱軍の騎兵が集結する。数百にのぼる騎兵は静かにその時を待っていた。レオンハートが率いる騎馬隊は、作戦における陽動でありながら、レオンハートという個を有する主力部隊であった。
先陣を任されるレオンハートは、王国の旗を掲げると声を張り上げた。
「今日、我らカルファス王国兵は悪しき支配から国を救う為、クラリオ・ビザカルの首を獲る!!」
「「ウオオオオオオオオ」」
次々と剣を空に掲げる兵士とその地響きのような咆哮を聞いたレオンハートの胸が熱くなった。
作戦決行時刻は、昼を知らす王都の鐘が鳴る頃。警備の気が最も緩む時間帯である。
懐中時計を開きながら、時間を待つ。
チク……タク……チク……タク。
「ゴーン……ゴーン……ゴーン……」
王都の鐘が鳴り響く。作戦開始の合図だ。
「王国を取り戻しにいくぞ!!!」
高く鳴くレオンハートの愛馬の声とレオンハートの掛け声に続いて、反乱軍の騎馬隊は一斉に丘を駆け降りた。
咆哮と熱気を纏った白銀の騎馬隊は、地面を揺らしながら王都の門を勢いよく駆け抜ける。
カラン……カラン……カラン
「敵襲!敵襲!敵襲!」
門兵が鐘を鳴らし危機を知らせる。
「目的は王城!!」
騎馬隊は真っ直ぐ王城へと走った。
しかし、その行き先を先んじて知っていたかのように、既に敵は布陣を敷いて待っていた。
大通りを塞ぐ壁の如く盾を構える陣形をとった敵兵が待ち構えていた。
レオンハートは腰につけた角笛を取り出すと、大きく吹き鳴らした。
プオーーーーン!!!
角笛の音が合図となり、王都の地面が光り始める。
それは魔法で隠されていた「秘密の扉」を出現し、扉の中から次々と地下で待機していた反乱軍が地上へ勢いよく飛び出した。
「「ウオオオオオオオオ!!」」
大通りで布陣を敷いていた敵兵の背後を取った反乱軍の奇襲攻撃により、陣形が崩れ始める。
「後ろだ!」
「奴ら、どこから現れた!」
「陣形を崩すなー!」
敵兵は、思わぬ形での反乱軍の登場に完璧に整った陣形が瓦解したことで、王都は敵味方が入り乱れる乱戦に突入していった。
ギィィィン
剣と剣のぶつかり合いで王都に金属音が鳴り響き、火花が散る。
「ぐわぁぁ!!」
レオンハートは崩れた陣形を馬で飛び越えると、陣形を組んでいた敵兵の背後を弓で射った。
「騎馬隊はそのまま王都へ直行する!」
レオンハートの掛け声に続いて、崩れた陣形を次々と飛び越えていく騎馬隊は、王城への距離を確実に詰めていた。
◆◇◆◇
王都を見下ろせる一室では、クラリオが眼下に広がる戦いを眺めながら、王族御用達の高級カップを手に優雅にお茶を嗜んでいた。
「たった数百の兵力にも関わらず、真正面から戦いを挑むとは、レオンハートは相変わらずの脳筋ですね」
クラリオは風味を楽しみがらゆっくりとお茶を啜ると、鼻で嘲笑った。
突然の地面からの奇襲によって、一時的に陣形が崩されたものの、単なる兵力差で優位差を覆しつつあった。戦争において数の暴力は絶対である。
「私が出る幕は無さそうですね」
クラリオは部下に二杯目を注文した。
◆◇◆◇
「ケディウス!」
レオンハートの悲痛の叫びが響き渡る。愛馬の眉間が敵の弓矢に射抜かれたのだ。愛馬が体勢を崩し、レオンハートは地面に投げ出された。
(ここまでありがとう……)
「その首、もらった」
体制を崩し地面に膝をついていたレオンハートを好機とみた敵兵たちが、剣を手に突撃してくる。
「負けてなるものかぁ!!」
レオンハートは受け身を取りながら素早く抜刀すると、大きく剣を横凪し、敵兵を蹴散らしていく。
次々と迫る敵兵をバターのように斬っていく様は正に鬼神であった。
「怯むな!!奴も人間だ、いずれ疲れる」
敵兵をまとめる隊長は部下のケツを叩き、鬼神との戦いを継続させる。
ザン!!ズバァン!!!
(無限に湧いてくるな……キリがない。何か打開できる手段はないか!?)
レオンハートを囲む無数の兵士、飛んでくる弓矢と魔法、その全てに対処する兵長の異次元の個。
それは敵を恐怖させるとともに味方を安心させるものであった。
しかし、この無理な戦いを長引かせることが、負けに繋がることをレオンハート及び反乱軍は理解していた。やはり物量差で押されてしまうのだ。
善戦しているかのように思えた反乱軍であったが、その前線は無常にも単純な兵力差で徐々に後退し始めていた。
「【ファイアボール】!」
「【サンダーボルト】!」
「【アイスランス】!」
敵の魔法部隊の一斉射撃が追い討ちをかける。集団で王都を駆け回り撹乱させる反乱軍の騎馬隊を魔法で蹴散らし始めたのだ。
馬から投げ出された騎馬兵が、一人、また一人と敵兵の集団に囲まれて八つ裂きにされていく様は地獄であった。
じわりじわりと負けを予感させる戦況の変化にレオンハートは焦りを感じ始めていた。
◆◇◆◇
「いよいよ出発か……」
「気合い入れていくわよ」
「暴れに暴れてやるぜ」
「向こうに着いたら、アリス様と私は後方で支援ですね」
「はい!」
アリスはしっかりとベルトを締める。
ゴゴゴゴゴオオオオオオオオ!!!
飛行船の下部についたエンジンが、轟音と共に点火を始める。
「お前はそこでいいのか?サラマンダー」
ブレイブは飛行船の屋根の上に仁王立ちするサラマンダーに声をかけた。
「問題ない。これもカリーナの作戦の一部だ」
「落ちんじゃねえぞ」
「心配は無用だ」
「さぁ『ベルタ』のみんな!『王国救出作戦』を始めるわよ!」
『スターダッシュ号』の四枚の翼が大きく広がり、空高く舞い上がると、とてつもないスピードで空を駆けていった。
レオンハートは、懐かしきカルファス王国正規兵の正装である白銀の鎧に袖を通すと、誇り高きカルファス王国の海鳥の紋章を胸に刻むその正装を身に馬に跨った。
王都を一望できる丘に各地から反乱軍の騎兵が集結する。数百にのぼる騎兵は静かにその時を待っていた。レオンハートが率いる騎馬隊は、作戦における陽動でありながら、レオンハートという個を有する主力部隊であった。
先陣を任されるレオンハートは、王国の旗を掲げると声を張り上げた。
「今日、我らカルファス王国兵は悪しき支配から国を救う為、クラリオ・ビザカルの首を獲る!!」
「「ウオオオオオオオオ」」
次々と剣を空に掲げる兵士とその地響きのような咆哮を聞いたレオンハートの胸が熱くなった。
作戦決行時刻は、昼を知らす王都の鐘が鳴る頃。警備の気が最も緩む時間帯である。
懐中時計を開きながら、時間を待つ。
チク……タク……チク……タク。
「ゴーン……ゴーン……ゴーン……」
王都の鐘が鳴り響く。作戦開始の合図だ。
「王国を取り戻しにいくぞ!!!」
高く鳴くレオンハートの愛馬の声とレオンハートの掛け声に続いて、反乱軍の騎馬隊は一斉に丘を駆け降りた。
咆哮と熱気を纏った白銀の騎馬隊は、地面を揺らしながら王都の門を勢いよく駆け抜ける。
カラン……カラン……カラン
「敵襲!敵襲!敵襲!」
門兵が鐘を鳴らし危機を知らせる。
「目的は王城!!」
騎馬隊は真っ直ぐ王城へと走った。
しかし、その行き先を先んじて知っていたかのように、既に敵は布陣を敷いて待っていた。
大通りを塞ぐ壁の如く盾を構える陣形をとった敵兵が待ち構えていた。
レオンハートは腰につけた角笛を取り出すと、大きく吹き鳴らした。
プオーーーーン!!!
角笛の音が合図となり、王都の地面が光り始める。
それは魔法で隠されていた「秘密の扉」を出現し、扉の中から次々と地下で待機していた反乱軍が地上へ勢いよく飛び出した。
「「ウオオオオオオオオ!!」」
大通りで布陣を敷いていた敵兵の背後を取った反乱軍の奇襲攻撃により、陣形が崩れ始める。
「後ろだ!」
「奴ら、どこから現れた!」
「陣形を崩すなー!」
敵兵は、思わぬ形での反乱軍の登場に完璧に整った陣形が瓦解したことで、王都は敵味方が入り乱れる乱戦に突入していった。
ギィィィン
剣と剣のぶつかり合いで王都に金属音が鳴り響き、火花が散る。
「ぐわぁぁ!!」
レオンハートは崩れた陣形を馬で飛び越えると、陣形を組んでいた敵兵の背後を弓で射った。
「騎馬隊はそのまま王都へ直行する!」
レオンハートの掛け声に続いて、崩れた陣形を次々と飛び越えていく騎馬隊は、王城への距離を確実に詰めていた。
◆◇◆◇
王都を見下ろせる一室では、クラリオが眼下に広がる戦いを眺めながら、王族御用達の高級カップを手に優雅にお茶を嗜んでいた。
「たった数百の兵力にも関わらず、真正面から戦いを挑むとは、レオンハートは相変わらずの脳筋ですね」
クラリオは風味を楽しみがらゆっくりとお茶を啜ると、鼻で嘲笑った。
突然の地面からの奇襲によって、一時的に陣形が崩されたものの、単なる兵力差で優位差を覆しつつあった。戦争において数の暴力は絶対である。
「私が出る幕は無さそうですね」
クラリオは部下に二杯目を注文した。
◆◇◆◇
「ケディウス!」
レオンハートの悲痛の叫びが響き渡る。愛馬の眉間が敵の弓矢に射抜かれたのだ。愛馬が体勢を崩し、レオンハートは地面に投げ出された。
(ここまでありがとう……)
「その首、もらった」
体制を崩し地面に膝をついていたレオンハートを好機とみた敵兵たちが、剣を手に突撃してくる。
「負けてなるものかぁ!!」
レオンハートは受け身を取りながら素早く抜刀すると、大きく剣を横凪し、敵兵を蹴散らしていく。
次々と迫る敵兵をバターのように斬っていく様は正に鬼神であった。
「怯むな!!奴も人間だ、いずれ疲れる」
敵兵をまとめる隊長は部下のケツを叩き、鬼神との戦いを継続させる。
ザン!!ズバァン!!!
(無限に湧いてくるな……キリがない。何か打開できる手段はないか!?)
レオンハートを囲む無数の兵士、飛んでくる弓矢と魔法、その全てに対処する兵長の異次元の個。
それは敵を恐怖させるとともに味方を安心させるものであった。
しかし、この無理な戦いを長引かせることが、負けに繋がることをレオンハート及び反乱軍は理解していた。やはり物量差で押されてしまうのだ。
善戦しているかのように思えた反乱軍であったが、その前線は無常にも単純な兵力差で徐々に後退し始めていた。
「【ファイアボール】!」
「【サンダーボルト】!」
「【アイスランス】!」
敵の魔法部隊の一斉射撃が追い討ちをかける。集団で王都を駆け回り撹乱させる反乱軍の騎馬隊を魔法で蹴散らし始めたのだ。
馬から投げ出された騎馬兵が、一人、また一人と敵兵の集団に囲まれて八つ裂きにされていく様は地獄であった。
じわりじわりと負けを予感させる戦況の変化にレオンハートは焦りを感じ始めていた。
◆◇◆◇
「いよいよ出発か……」
「気合い入れていくわよ」
「暴れに暴れてやるぜ」
「向こうに着いたら、アリス様と私は後方で支援ですね」
「はい!」
アリスはしっかりとベルトを締める。
ゴゴゴゴゴオオオオオオオオ!!!
飛行船の下部についたエンジンが、轟音と共に点火を始める。
「お前はそこでいいのか?サラマンダー」
ブレイブは飛行船の屋根の上に仁王立ちするサラマンダーに声をかけた。
「問題ない。これもカリーナの作戦の一部だ」
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