姫からシャンパン戴きましたァ!〜元ホストのダンジョンマスターは異世界でホストクラブを経営し始めました。〜

如月 燐夜

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これからの方針

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アンナとメイから情報を聞き出した後オレはマスタールームへ戻った。

椅子と机をCPで購入しこれからの方針について紙に記入していく。

まずはCPとDPを増やし着実に実力を付けていく事が先決だ。

冒険者をダンジョンに取り込む為に手っ取り早いのは宝だろうか。
他にはこのダンジョンでしか手に入らない資源や生活必需品…
思い付くのは鉱物や岩塩などだろうか?

だが二キロ離れた場所には海があり、海塩を容易く入手する事が出来る。

アンナから仕入れた情報ではそこまで技術は発展していないが、塩を生成する事は可能な様だ。

「ヘイヘーイマスター!そんな顔にシワを寄せてちゃ梅干しみたいになっちゃいますよー?!アイター!」

「黙れ虫!オレはこれからの方針を考えている。邪魔をするならゴブリン共に玩具としてお前の身柄を渡すぞ?」

「ヒィッ?!辛辣ですぅ!私の事めちゃくちゃにする気でしょう?エロ同人みたいに!!」

何処からか取り出したハンカチを噛み嘘泣きするティンクルの事は放りオレは思考に没頭する。

今こうしている間にもダンジョンの行く末は刻々と危険度が増していくのだ。

「ねぇねぇマスター?聞いてますぅー?私の同僚のミューちゃんてば酷いんですよぅ?私の顔を見るたび『汚らわしい豚!私に近づかないで頂戴!』って私の顔見る度に言って来るんですよぅ…ひどくないですかぁー?あ、そういえばこの前風の噂でミューちゃんのマスターが決まったって聞きましたぁ!すごくデブで頭もハゲ散らかっていつもミューちゃんに欲情してるオーク以下の奴らしいですよー!豚はミューちゃんのマスターの方ですよぅ!私、アラシ様がマスターでほっとしてるんですぅ!あ、この前妖精街でうぃんどぅしょっぴんしてた時の話なんですけど、ミューちゃんに会いまして『神は死んだ…』って呟いてチラシを配ってましたねぇ。何か宗教でも始めたんでしょうか?」

ティンクルのどうでもいい話を聞き流していると少し気になるワードが耳に残る。

うぃんどぅしょっぴん…ウィンドウショッピングか?発音が下手すぎて聞き取れなかった。
じゃなくて、
チラシ?
勧誘…冒険者…なる程な。

「ティンクル、でかした!褒美は後でやる。急げ!」

「急げって…何をですー?」

「出掛けるぞ、直ぐに用意をしろ!」

「えぇー!もしかしてダンジョンから出るつもりですかー?!」

「別に問題はなかろう。宣伝にはお前の協力が必要だ!」

ティンクルの手を取り見つめ合う。それだけでティンクルは顔を真っ赤にして狼狽えている。

「私が必要…ですか…!分かりましたー、人肌脱いであげましょう!」

そう言ってティンクルは着ているローブの様な服に手を掛ける。

こいつは本当に脳味噌が有るのだろうか?
オレはCPで鳥籠を購入すると間抜け面をしているティンクルをヒョイと摘み押し込んだ。

「お前にはダンジョンの宣伝役になってもらう。さぁ、がっぽり稼ぐぞ?」
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