召喚から始まる異世界生活〈召喚された無能な俺に助けを求めてきたので、魔法が使えず魔力のみで命を返りみる事なく戦ってたら、実は異世界最強!〉

アンドリュー

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中二病ブレイカー

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クラインに唐突に投げられたベルトレは、あまりの奇行に思考が追い付かず、なすがまま洞穴の中を通過していた。やがて、長い下り坂の終わりが見えてきたベルトレだったが、未だ放心状態だった為、〈ズドンッ!〉という音と共に頭から地面に突き刺さった。







下り坂を終えた場所には闘技場の様な大広間があり、ベルトレが落ちてきた場所から対面には大きな鉄製の門があり、その向こう側では、〈ギギギ〉と歯車が軋むような音がしていたが、未だ地面に突き刺さったままピクリともうごかないベルトレには、その音は届かなかった。







「ベルー!大丈夫かー!」

「ベルちゃん!返事してー!」

地上でベルトレを待っていた三人は、なかなか帰って来ない事を心配し、クラインが先頭に立ち、壁に手を添えながらゆっくり下っていた。道中一ノ瀬達が洞穴の奥にベルトレの名を呼びかけたが、返事が帰ってくる事はなかった。







下に下る三人は、下り坂の終わりで突き刺さったままのベルトレを見つけた。

「ベル!?大丈夫か!!!」







一ノ瀬が急ぎベルトレの所まで滑り降り、地面から引き抜いたが、気絶してるだけなのを確認し、三人は安心し、ロゼッタが安堵の声を出した。

「ベルちゃん、良かったー。」

「!?姫様、あれを!」









その時、クラインが前方を指してロゼッタに声をかけた。その先には、四人が居る対面の扉が一ノ瀬達を招くように開いていた。中には広間にあるものと一緒の松明が道を示すように点在しており、不気味な雰囲気をかもし出していた。戻るか扉の中に進むか迷っていたロゼッタだったが、背後に伸びる 登り坂はかなりの急勾配だったため、今は前に進む事を決めた。

「戻っても外は雨だし、とりあえずあの扉の中に進みましょう。」







一向は扉の中に入り、曲がりくねった道をひたすら進んだ。未だ目を覚まさないベルトレは、クラインの肩に担がれ運ばれていたが、暫くすると、一向の前の道は行き止まりになっていた。目の前の状況にロゼッタは不満をもらした。

「なっ何よ!行き止まりじゃない!」

「姫様のせいではありません!この者にまかせず、私が先に確認しておけばよかったのです。」







ロゼッタの言葉に謝罪をするクラインを視界に入れる一ノ瀬は、天井に描かれた壁画を見つけた。

「二人共!?上を!!」

「「!?」」







三人は行き止まりの部屋の天井に描かれた壁画を見上げた。そこには中央の扉の回りに四体のゴーレムらしき姿が描かれており、その回りにはこの世界のものと思われる文字が刻まれていた。一ノ瀬は嫌な予感を感じ、この場を離れるよう喋りかけたが、ロゼッタの言葉により遮られてしまった。

「この絵の意味は分からないけど、周りに刻まれているのは、この場所で行われた儀式の記録みたい!」







ロゼッタはそのまま天井に記されていた文字を読んでいった。

「『我、この場所に全てを記す。我知る魂の箱と繋ぎとめる鎖を持ち、暗闇の光照らす時、灯し火を箱に入れ、鎖が音色を奏でる刻をまつ。白き光が照らす頃、我鎖の音色を聞く。我鎖の者を知らず、ここにとどめる。白き者立ち塞がり陣を描く。改変の世に至るまで。』」







「、、、」

一ノ瀬は、緊張感に支配されるなか、ロゼッタによって神妙に語られる記録に畏怖していたが、その空気は唐突に破られた。







「要約すると、『死んだ知人を生き返らせようとしたら、知らん奴が生き返ってしまい、皆に知られると困るから、見張りを置いて閉じ込めました!そいつの事を知ってる奴が年老いて亡くなるまでは見つけないでね!テヘッ!』と、言う事だな。」







未だクラインの肩に担がれたままのベルトレは、いつの間にか、目覚めており、クラインにより頭から地中に埋められた腹いせをするように、張り詰めていた場の空気をぶち壊した。神妙に読み上げたロゼッタは、みるみるうちにエルフ族特有の耳先まで赤く染め、その目に恥ずかしさからか、涙を溜め、見開いた瞳で一ノ瀬に何かをうったえてきた。







ベルトレの言葉で呆気にとられていた一ノ瀬とは対照的に、未だベルトレを肩に担いだままだったクラインは、先程のベルトレの投てきを棚にあげ、自身が仕えるロゼッタに恥をかかせたベルトレを壁に叩きつけた。







「貴様、目を覚ましたなら自分で歩けボケー!」〈スパンッ!!〉

「ゴッフォォ!!?」







壁に背を叩きつけられたベルトレは、そのまま地面に落ちて、届かない手を背に回しプルプルしていた。







一部始終を見ていた一ノ瀬は、最大の被害者であるロゼッタを哀れむ事しかできなかった。

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