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昔話 ~クリス・スティンガーとの出会い 中編~
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クリスside
国王の命令でアリア・ベルトンと婚約することになった。
彼女は無知だ。
僕の手駒としての役割とこれとして理解していない。
「クリス様、よろしかったのですか?」
「はい。公爵令嬢ですし、身分的に問題ありませんよ。なにより、国王がそうおっしゃるなら。手駒の僕は...」
「クリス様は手駒じゃないんですよ?わかってますか?」
「使用人が口を出すなんて無礼ですね。」
「も、申し訳ございません。」
「僕の生き方に文句を言わないでください。」
僕はこれでいいんだから。
数日後
例の婚約者が王城に来るようだ。
「く、クリス様。ごきげんよう。」
「ごきげんよう、アリア様。」
「....」
あ、困ってるな。見てすぐにわかる。チラチラと使用人の方を見ながら怯えた目で僕を見る。
「そんなに怯えないでいただけます?」
「す、すみません。」
「なんか、言いたいことでもあるんですか?」
「た、楽しくしませんか?じゃないと、苦しいばかりですよ。それに ...」
楽しくする。とはなんだろうか。
「別に楽しい必要はないと思います。」
「わ、私は楽しくないと嫌です!クリス様が笑ってないと楽しくないです。」
「なるほど。アリア様は王族の僕に文句を言いに来た。あってます?公爵の分際で王族に歯向かうなんて...」
僕は魔法で威嚇の風を吹かす。
「す、すみません。」
無知な彼女の目から涙が流れていた。冗談が通じないのか?
まぁ、やりすぎたか。
「冗談ですけど?」
「え、冗談?」
「アリア様は婚約者ですし、泣かせたら国王に怒られてしまいますからね。」
僕は笑みを浮かべる。
「...この間の方がよかったです。この間の一瞬。クリス様はホントに笑ってた気がするんです。」
「今の僕は?」
「ホントに笑ってるってわけでは無さそうで怖いですよ。」
「ふふ。なるほど?怖いってそんなことよく言えますね。」
「す、すみません!で、でもカッコいい?と思いますよ?」
疑問符を重ねながらも僕のことを褒めてくれてるようだ。
無知なりに励ましてくている。
「てか、その顔ですっ!」
指摘されてはじめてわかった。
いつもと笑顔が違うと。
「あなたは無知ですからね。たしかに顔がいつもと違うのは認めましょう。」
「その顔。美しいですよ。」
「でも。その顔をしたからってなんか特でもあるんですか?」
僕の顔はいつものような仏頂面へ戻る。得なんてがあるはずない。
そして、無知な令嬢に教えられることでもない。
「あの!クリス様。」
「なんですか?」
「クリス様と釣り合えるよう言葉を一生懸命調べてお勉強しました!ステラにも教えてもらって、あのその。」
「なにが言いたいんですか?」
「クリス様は手駒なんかじゃありません!国王様はクリス様のことそんな風に思っていません。」
なにかと思えば。使用人と同じようなことを。
「ですから、公爵令嬢の分際で僕に!」
今度は冗談抜きで、魔法を放った。
「ぐっ!わ、私はたしかに公爵令嬢です。貴族の中では身分が高くてもクリス様には敵いません。でも、身分がなんだと言うのです?国王様が言えば従うんですか?それは、身分に囚われすぎです!」
なのに、無知な彼女は習ったばかりの言葉を並べて必死に話す。
「そんな説得をしたところで僕の生き方は変わりませんよ?」
「なら、変えてみせます。楽しくなきゃ嫌なんです。笑ってもらわなきゃ嫌なんです。たまには庶民のように思いきって遊ぶのも楽しいんですよ。」
彼女は僕に構うんだ?
「せっかく、婚約者になったんです。クリス様が辛いことや嫌なこと一緒に抱えます。元気になってください。自分に、自信を持ってください。」
自分に自信を...
「クリス様はかしこくて。顔も綺麗です。そして、根はお優しい。ですから、元気になってくれればもっと魅力的になります!」
「はぁ、もともと僕は元気ですけどね?」
「その顔で元気だとは言わせませんよ!」
「その顔って。ふふふ。失敬な。」
「す、すみません。でも、その顔とても素敵です。」
「いいですよ。あなたなら許します。」
彼女の笑顔が努力が僕の凍てついた心を溶かしてきている。
自覚があった。
彼女をもっと知りたい。僕のそばにずっと居させたい。
そう、願ってることに。
「アリア、今日は来てくれてありがとうございます。」
「いえ、クリス様が元気になるためならいくらでも行きますからね!」
アリア、気づいてないのか。
「てか、アリア!?ど、どういうことですか?クリス様。もしや、お元気になられたとか?」
「ふふ、ですから。僕はもとから元気ですって。まぁ、あなたのおかげでもっと元気出ましたけどね。」
「なら、よかったです。」
無知なのは僕の方だった。
僕はアリアに救われたんだ。僕は手駒じゃないんだ。
そんなことを教えてくれたアリアを僕は...
「もう、絶対放しませんからね!」
「え?は、はい!」
大好きになっていた。
国王の命令でアリア・ベルトンと婚約することになった。
彼女は無知だ。
僕の手駒としての役割とこれとして理解していない。
「クリス様、よろしかったのですか?」
「はい。公爵令嬢ですし、身分的に問題ありませんよ。なにより、国王がそうおっしゃるなら。手駒の僕は...」
「クリス様は手駒じゃないんですよ?わかってますか?」
「使用人が口を出すなんて無礼ですね。」
「も、申し訳ございません。」
「僕の生き方に文句を言わないでください。」
僕はこれでいいんだから。
数日後
例の婚約者が王城に来るようだ。
「く、クリス様。ごきげんよう。」
「ごきげんよう、アリア様。」
「....」
あ、困ってるな。見てすぐにわかる。チラチラと使用人の方を見ながら怯えた目で僕を見る。
「そんなに怯えないでいただけます?」
「す、すみません。」
「なんか、言いたいことでもあるんですか?」
「た、楽しくしませんか?じゃないと、苦しいばかりですよ。それに ...」
楽しくする。とはなんだろうか。
「別に楽しい必要はないと思います。」
「わ、私は楽しくないと嫌です!クリス様が笑ってないと楽しくないです。」
「なるほど。アリア様は王族の僕に文句を言いに来た。あってます?公爵の分際で王族に歯向かうなんて...」
僕は魔法で威嚇の風を吹かす。
「す、すみません。」
無知な彼女の目から涙が流れていた。冗談が通じないのか?
まぁ、やりすぎたか。
「冗談ですけど?」
「え、冗談?」
「アリア様は婚約者ですし、泣かせたら国王に怒られてしまいますからね。」
僕は笑みを浮かべる。
「...この間の方がよかったです。この間の一瞬。クリス様はホントに笑ってた気がするんです。」
「今の僕は?」
「ホントに笑ってるってわけでは無さそうで怖いですよ。」
「ふふ。なるほど?怖いってそんなことよく言えますね。」
「す、すみません!で、でもカッコいい?と思いますよ?」
疑問符を重ねながらも僕のことを褒めてくれてるようだ。
無知なりに励ましてくている。
「てか、その顔ですっ!」
指摘されてはじめてわかった。
いつもと笑顔が違うと。
「あなたは無知ですからね。たしかに顔がいつもと違うのは認めましょう。」
「その顔。美しいですよ。」
「でも。その顔をしたからってなんか特でもあるんですか?」
僕の顔はいつものような仏頂面へ戻る。得なんてがあるはずない。
そして、無知な令嬢に教えられることでもない。
「あの!クリス様。」
「なんですか?」
「クリス様と釣り合えるよう言葉を一生懸命調べてお勉強しました!ステラにも教えてもらって、あのその。」
「なにが言いたいんですか?」
「クリス様は手駒なんかじゃありません!国王様はクリス様のことそんな風に思っていません。」
なにかと思えば。使用人と同じようなことを。
「ですから、公爵令嬢の分際で僕に!」
今度は冗談抜きで、魔法を放った。
「ぐっ!わ、私はたしかに公爵令嬢です。貴族の中では身分が高くてもクリス様には敵いません。でも、身分がなんだと言うのです?国王様が言えば従うんですか?それは、身分に囚われすぎです!」
なのに、無知な彼女は習ったばかりの言葉を並べて必死に話す。
「そんな説得をしたところで僕の生き方は変わりませんよ?」
「なら、変えてみせます。楽しくなきゃ嫌なんです。笑ってもらわなきゃ嫌なんです。たまには庶民のように思いきって遊ぶのも楽しいんですよ。」
彼女は僕に構うんだ?
「せっかく、婚約者になったんです。クリス様が辛いことや嫌なこと一緒に抱えます。元気になってください。自分に、自信を持ってください。」
自分に自信を...
「クリス様はかしこくて。顔も綺麗です。そして、根はお優しい。ですから、元気になってくれればもっと魅力的になります!」
「はぁ、もともと僕は元気ですけどね?」
「その顔で元気だとは言わせませんよ!」
「その顔って。ふふふ。失敬な。」
「す、すみません。でも、その顔とても素敵です。」
「いいですよ。あなたなら許します。」
彼女の笑顔が努力が僕の凍てついた心を溶かしてきている。
自覚があった。
彼女をもっと知りたい。僕のそばにずっと居させたい。
そう、願ってることに。
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「いえ、クリス様が元気になるためならいくらでも行きますからね!」
アリア、気づいてないのか。
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「ふふ、ですから。僕はもとから元気ですって。まぁ、あなたのおかげでもっと元気出ましたけどね。」
「なら、よかったです。」
無知なのは僕の方だった。
僕はアリアに救われたんだ。僕は手駒じゃないんだ。
そんなことを教えてくれたアリアを僕は...
「もう、絶対放しませんからね!」
「え?は、はい!」
大好きになっていた。
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