父逮捕のため、王子との婚約破棄を望みます!

メル

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昔話 ~クリス・スティンガーとの出会い 前編~

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今日は王家の王子と会うらしい。
6歳の脳ではなにも考えることができない。

「いい?これは、アリアのお見合いよ。セシルは...」
「それを見守るよ!いいかな、お母様。」

お見合い?それってなに?

「まぁ、そうね。第二王子との見合いだもの。見守り人も必要よね。でも。」

は?今なんて言ったの?お母様?

「お見合いって第二王子となにするの?」
「婚約について話し合うんです。アリア様。私もついていきますので、ご安心してください。」
「エマ...!って、婚約?それお母様がよく言う嫁ぎ先ってやつじゃ?」
「アリア姉様どっか行くの?嫌だ。僕も絶対ついてくからね!!」
「どう説明しましょうか。まぁ、無理に婚約する必要はありません。アリア様、セシル様。お稽古で覚えたマナーを思い出して頑張りましょうね。」

うん。とうなずく暇もなく。お母様によるドレスアップが始まった。



そして、時は来た。

「はじめまして。アリア・ベルトン嬢。クリス・スティンガーと申します。」
「はじめまして。お会いできて光栄でございますわ。クリス様。」
「はじめまして。双子の弟のセシル・ベルトンです。」

挨拶は特に問題なくすまされた。

だが、ここからが問題とも言えた。

「アリア様、こちらが贈り物です。今日の出会い嬉しく思いますよ。」
「あ、ありがとうございます。」 
「アリア姉様なにか話さないと。」

セシルが耳打ちしてくる。わかってる。なんか話しなきゃって。

「クリス様はなぜこのお見合いを?」
「僕が一番手駒として使いやすいと国王が考えているからでしょう。弱気な弟も距離を詰めすぎな兄もダメなようですし。」
「なるほど。」

手駒って。お稽古で習ったことない言葉。

「理解できてますか?アリア様。」
「うっ。」
「アリア姉様が理解できなくても仕方ないかと。」
「セシル!」
「まぁ、いいんですよ。このお見合い通しますか?どうしますか?」
「えっ、と。」
「アリア姉様。落ち着いて。」
「う、うん。そうよね。お見合いを通すかどうかですが、少し考えさせてもらえませんか?」
「考える。ですか。」
「僕からもお願い致します。クリス王子。」
「すみませんが、考える時間があるかどうか。そしてこのお見合いの行く先は僕の手の中にはありませんから。」

ヤバい。お稽古で聞いたことのない言葉ばかりだわ。

「クリス様、聞きたいのですがこのお見合いの行く先はどこに?」
「さぁ、何処でしょう。ただの付き人にしてはよくしゃべりますね。」  

こ、怖い。なんだこの圧力!

「す、すみません。」

エマ、エマが!

「あの、クリス様!エマは悪くありませんわ!さっきから難しい言葉ばかり使うクリス様が...!」
「アリア姉様。お稽古思い出して。」

王族に歯向かったら首斬りされる。

「ひ、ひぇ。」
「僕が首斬りするとでも思ってるんですか?」
「しそうですよね。」
「ふふ、なんだと思ってるんです?僕を。」

あ、笑った。

「クリス様、アリア様はいかがですか?」
「魅力的な女性だと思ってます。」

ホントかなぁ。 

「いつもそればかりと国王が心配していらっしゃいますよ。」
「国王が?そんなわけないでしょう?魅力的な女性だ、と僕は言ってるじゃないですか。」
「クリス様。国王がアリア様との婚約を進めるご意向を示していますが?」
「仰せのままに。と、伝えていただけますか?」

え?

「そ、それって。」
「アリア様、今日から僕とあなたは婚約者ですって。以上です。また、今度お会い致しましょう。」

その目はすごく怖かった。
この人はなにかを抱えてる。それを私は到底理解することすら出来ない。

「わからないよ。セシル。エマ。」
「ならさ、わかるようにしてみたら?あの王子を見返すんだ!」
「説得して楽しくしましょ?アリア様?」
「楽しくできるよね...?」
「アリア姉様なら。きっと。」 
「頑張る。」

決めた!クリス様を元気にさせる。
そのためには言葉を理解しなきゃ。



次の日
「ステラ、言葉の勉強を手伝ってほしいの。」
「いいですわよ。これは、なかなか難しい言葉ですね。さ、アリア様こちらへ。まずは、王位、王族などこの国の王様たちのもっと詳しい専門用語から。」
「う、うん!頑張る!」

この言葉を覚えてクリス様を元気にさせてやる!
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