父逮捕のため、王子との婚約破棄を望みます!

メル

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なりきれなくて

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どうするんですか!クリス様!

「アリア。服を着替えましょう。」
「は!?」
「こんなこともあろうかとあなたの服はいつでもここにありますから。ドレスにしますか?ワンピースにしますか?」
「いえ、コンタクトと眼鏡をつけて髪を結びます。」
「ステラに会えるチャンスですよ?ラインがまだ時間稼ぎしてくれてます。」 

ステラに会える。。
私の秘密を知ってるのは王族とベルトン家。今はライン様が私を隠そうと努力してくれている。

「わかりました。そのワンピースに着替えます。とはいえ、アリーナはどうするんですか?」
「裏口から帰ったそれでいいんです。」
「まぁ、それもそうですね。」

思えば、なぜ生徒会室に更衣室があるのだろう。 
ガラッ。
「これ、全部?」
「はい。アリアの服ですよ。」

お、驚くのは後にしよう。今はとりあえずステラとライン様を受け入れなければ。
私はサイズぴったりのワンピースに手を通し、エマの見よう見まねで髪を編む。

「クリス様。準備オーケーです。」
「はい。ステラ。入ってもいいですよ。ラインもどうぞ。」
「ぼ、僕はもう行くよ。ステラ嬢、ごゆっくり。」 

あ、ライン様いっちゃった。

「感謝致します。ライン様。クリス様!鍵をあけてくださらない?」
ガチャ。
「はい。どうぞ?」

その声でステラは扉に手をかけた。
久しぶりに対等に話せる。それにはワクワクしていた。
「失礼致します。」
「どうぞ。ステラ。」

長い礼から顔をあげたステラは私を凝視した。
「あ、アリア様?」
「ひ、久しぶりね。ステラ。」
「アリア様ですわ!本物なのですね!お会いできて私、幸せでございます!」

学校でたまに会ってるけど。そんなことは言えない。

「ステラも元気そうでなによりよ。」
「あの、アリア様?学校にいらっしゃると言うのに私に教えてくれないのはなぜですか?」
「それは、その。」
「アリアは僕の婚約者ですので、ステラに伝える義務はありませんからね。」
「婚約者だからなんだと言うのです?私は!アリア様の一番の親友ですわ!クリス様なんかにアリア様を渡しませんから!」

と、こんな感じで揉め始めた。

「ちょっ!ステラ。もうダメよ?」
「アリア様!私のことも構っていただきありがとうございます!」
「構ってるんじゃないの。私が、ステラと一緒に居たいだけ。」
「アリア様!このステラ。アリア様のことずっとお慕いしております!一番の親友ですわ!」 
「ありがとう!すごく嬉しいわ!」

「...もう、仕方ないですね。みんなでお茶しましょうか。」

クリス様はやれやれとばかりに呟いた。

「さすがですわ、クリス様。一割の優しさ発揮ですわね。」
「一割ってどういうことです?ステラ。」
「アリア様のいとおしさに嫌なことでも受け入れたんだなって感じますわ。」
「は、はぁ?」
「そんなことよりアリア様!茶葉はこれでよろしいですか?昔から大好きなメーカーですわよ?」
「うん!それにする!」

私は楽しくお茶をみんなで飲んでいた。そして、すごく大切なことを忘れていることに私はまだ気づいていない。



生徒会室前
セシルside
ステラとクリス王子。そして、アリア姉様がこの中にいる。なぜそんなことになっているんだ。

アリア姉様は庶民棟の報告をしに行っただけなのに!!

このままじゃ、アリア姉様貴族棟やみつきになるじゃん!僕だけ置いてきぼりとか許さないからね!!

眼鏡を外して。
ウィッグとって。 

コンコンコン。
「アリア姉様。庶民の散歩をしたいっていってたよね?僕準備万端なんだけと帰らないの?」 

きっとアリア姉様は今ごろ目的を思い出しただろう。ここに婚約破棄の話をしに来てることを。

「そ、そろそろ帰るわね。」
「まだ返しませんわよ。アリア様。」
「僕のアリアはいつまでもここに居ていいんですよ。」

そして。僕は察した。
今日はきっと遅くまで帰れない。
「アリア姉様、先帰ってるよ?」
「う、うん。」

今日の僕は厳しめでいく。
見捨てるからねアリア姉様。

だってさ、、誘うなら僕も誘ってくれれば良かったのにぃ!

「シスコンな僕にあまりにもひどい仕打ちだ!アリア姉様!!」

僕は無意識に空に向かって叫んでいた。

「おい、なんでここにいるんだ?庶民棟の服着て。」
「え?か、カルム?」
「ああ、そうだけど?セシル、今天に向かって叫んでたよな。シスコンって。傑作なんだけど。」

聞かれていたのか。しかも、カルムに。アリア姉様の男友達として僕らの関係も良好だ。つまり、お友達に。

「く、黒歴史じゃん!」
「ははは、もとからそんな感じだろ。」
「て、てか、カルムこそ。なんでここに?」
「アリアが来てるって聞いたからな。来たんだよ。そしたら、セシルが叫んでたってわけ。」
「カルムもなんだね。アリア姉様をよろしく頼むよ。。」
「そんなこと言わないで!セシルも行けばいいじゃねぇかよ!」

僕も結局部屋へと入っていった。
アリア姉様は謎のドレスアップを遂げていた。もう考えることはやめよう。

「カルム!久しぶりね!!」
「久しぶりだな、アリア!」
「セシルもいらっしゃい。」
「アリア姉様随分と楽しげだね。」
「久しぶりの友達だから!嬉しくて!」 

学校で正体隠して会ってるのに?
まぁ、会ってるってもステラだけだし。カルムとはたまたまがなきゃ会えないか。そのときのステラは全然違う様子だからね。

「なら、いいけどさ。」
「セシル様も久しぶりですわね。まだ、シスコンやってらっしゃるとは。」
「カルム、それ以上アリアに近付かないでください。」
「クリス様、酷いです。再会に嫉妬しなくても!」
「あなたは1番危険ですからね。」
「うわぁ、圧力。助けろ、アリア~。」
「ふふ、私の助けなんか乞わなくても!カルムなら行けるわよ!」
「頑張ってくださいまし、カルム。腹の中真っ黒な王子に一矢報いるのです!」

アリア姉様楽しそう。
でも、わかってる?この関わりこそが僕たちが庶民になりきれない理由だって。
本当に庶民になりたいなら、すべて捨てるんだよ。アリア姉様。
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