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勘違いを続ける彼女と彼女が気になる彼。
われが名は花盗人とたゝばたて【悠木夏生視点】
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空を見上げると、カァカァと空を徘徊するカラス。…なんか最近カラスが多いな。複数のカラスが空を舞っているのを眺めていると、ガサガサッと近くの茂みから音が聞こえた。視線を地面へ向けると、ニャーンと鳴く黒猫が現れる。
「…こら、学校に入ってきたら駄目だぞ」
学校に侵入してきたどこかの猫を追い払うと、俺はあくびを噛み殺しながら正門に向かった。
「おはようございまーす」
生徒会役員となって1年弱。前生徒会長の推薦で書記になったが、生徒会の仕事というのはなかなか地味だ。
今月はあいさつ強化週間とやらで、環境美化委員とともに正門に立ってただひたすら挨拶をするという活動をしていた。なんか挨拶の押し売りみたいで俺はあんまり好きじゃないけど、仕事と言われたらやるしかあるまい。
先月はボランティアと称して地域清掃にも参加したし、行事があれば実行委員会とともに色々動き回らなきゃいけないし…その分自分の時間は削れる。生徒会役員だった実績が進路に有利に働くと言っても、その分犠牲になるものもある…
「悠木君おはよー」
生徒会の仕事に少し嫌気がさしていたところに、飛び込んできた彼女の姿。それだけで俺は背筋が伸びた。彼女にはだらけた姿を見せまいと頑張るが、なんか気恥ずかしくて「はよ」とそっけない挨拶を返してしまった。
「毎日大変だね、頑張ってね」
だけど彼女はそれを気にすることなく笑顔で俺を労うと、自転車を押して自転車置き場の方向に向かっていた。
その後姿を見送りながら俺は思った。森宮が生徒会長の推薦を受けて同じ役員だったら今よりも沢山同じ時間を過ごせたのかもしれないなと。まぁ彼女は無償奉公がお気に召さないようなのでありえないが。
「おい夏生、森宮さんを目で追いかけてないで挨拶しろよ」
「……」
隣にいた大輔がにやにや声でからかうように肘でつついてきた。後ろ髪引かれる思いで森宮から視線を外すと、正門を通過する生徒たちに淡々と「おはようございます」と挨拶し続けたのである。
■□■
月に一度、委員会や部活動の代表を集めて話し合いをする会議の場がある。委員会をまとめて結束を高める目的があるんだが、この会議は各々の不満や要望をぶつける場になりつつあった。
「書籍の購入予算が去年より下がっています。なんとかしてくれませんか?」
図書委員会が予算削減について苦情を訴えた。
だが、図書室の本を利用する層はそこまで多くなく、去年は学業に関係ない娯楽目的の書籍の購入が多数確認されたため、そのへんの事情を鑑みた上で予算が抑えられた経緯がある。ラノベやマンガなど娯楽目的の本は個人で購入すべきだ。学校の予算を使うものじゃないと思う。
「各自不要な本を持ち寄りしてくれるように生徒たちへ呼びかけましょう。うちは公立校なので、どうしてもそこまで予算に余裕がない」
生徒会長が淡々とその要望を却下した。図書委員会が反論しようとすると、それをさせまいと生徒副会長が口を挟む。
「予算削減の理由についてはうちの会計から前もって説明しているかと思いますが、もう一度必要ですか?」
眼鏡を付けた先輩の瞳が鋭く光る。何も意地悪で予算を削ったのではない。限りある予算の使い方を間違った図書委員会が悪いのだと彼女の瞳は訴えていた。それに反論できないのか、図書委員会の委員長はすごすごと着席していた。
強い。副会長強すぎる。見た目はおとなしそうなのに…
……なんかこういうの森宮が得意そうだなぁ。前の生徒会長の緑谷先輩はそこを見抜いていたのだろうか……それでも森宮は絶対にやらないだろうけどな。タダ働きは嫌でござるとか言って。
彼女のことを思い浮かべて少しほのぼのしていると、「野球部から要望があります」と野球部の主将が声を上げたので、俺は慌てて書記作業に戻った。
「消耗品のボールの買い替え費用を予算として計上してほしい。各自のユニフォームなどは自費でも納得しているが、消耗品は学校側で負担するべきだ。体育の授業で使うものも学校で負担したものだろう」
「それならうちのサッカー部も」
「いや、うちだって」
運動部が固まって消耗品扱いになる共有物を新しく買い替えてほしいと訴えてきた。それに対してえぇ? と言いたげな顔をするのは文化部や委員会のメンバーたち。みんな何かと予算が欲しいんだな。
あーでもないこーでもないと討論が始まるが、だいたい要望を訴えられるばかりだ。自分でどうにかしようと考える奴はいないのだろうか。
消耗品にしても、体育の授業と使うのとはわけが違う。奴らのボールの破損スピードが早すぎるのだ。それに運動部だけ特別というわけにもいくまい。それこそ有志でお金を出し合ってその備品を大切に使うとかしてもらわないと…と俺が考えていると、生徒会長も同じことを言っていた。
「そのために各部活動で部費を払っているんだろう。それから購入してほしい。君たちを特別扱いしたらえこひいきになってしまう」
「はぁあ!? なんだよそれ!」
「そもそも、年度初めに消耗品代として予算をそれぞれの部活動に振り分けている。それで必要な共有物を購入できたはずだ。野球のボールなんて頑丈そのものなのにそれを買い替えを必要なくらい壊しているとなると、扱い方の問題になるだろう」
会長は一刀両断すると、「はい、では次……環境美化委員会からも予算の追加申請がきていましたね。これはどういうことですか? 美化委員長」
前もって申請書を出していたのだろう。それについて説明を求めると、環境美化委員長が席を立った。
「はい、ここ最近、中庭の花壇が掘り起こされるという事象が起き続けています。植えた草花は根っこをやられて使い物にならなくなり、仕方なく新しい苗を仕入れて植え直しましたが同じことが起きてしまい…頂いた予算、そして私達がそれぞれ出し合った費用で維持してきましたが、底を尽きてしまいました」
「花壇を掘り起こされている……」
「なにか心当たりは?」
美化委員長の訴えに考え込む生徒会長と、心当たりを問う副会長。なんか急に事件めいたことになったな。ますます森宮の得意分野じゃないか。ここに森宮いねぇけど。
「誰かの憂さ晴らしじゃないかなと思うんですが…ストレスが溜まった生徒の誰かが…」
この学校には監視カメラがない。証拠がないならなんとも言えないが、その線もあり得る。実際にニュースでもそういう心無い悪さをする人間がいるとも聞くし。物言わぬ植物にあたっても仕方ないだろうに…
「むしろ花なんか誰も観ねぇよ! 美化委員会に予算出すくらいならこっちに出せよ!!」
たぶん自分よがりな性格なのだろう。さっきあっさり要望をあしらわれた野球部の主将が怒鳴り散らしていた。完全なる八つ当たりである。
「なんだって!? 地区大会止まりのくせに何を偉そうに!!」
気が細そうに見えた美化委員長はそれにカッとなったのか、言ってはいけない一言を発してしまう。
「なんだとてめぇ!」
「僕たちは身銭を切った上で要望しているんだ! それすらしない君たちにどうこう言われる筋合いはないね!」
そこからもう大変だ。彼らの不満が吹き出して口喧嘩になってしまったのだ。抑え込むのがもう大変で、俺は無駄に疲れた。生徒会役員として一緒に同席していた礼奈と大輔は涼しい顔して我関せずを貫いており……その2人のメンタルがとてもうらやましくて仕方なくなった。
■□■
つっかれた……
修羅場と化した会議から解放された俺はげっそりしながら、例の花壇周りを調べていた。生徒会長に命じられたのだ。俺の目で観た考えを報告してほしいって。
ていうか警察でも探偵でもないから俺の審美眼を信じられても困るんだけど…
現状を報告するためにそのままにされていた花壇は見事に掘り返されていた。植物の苗が転がり、花や柔らかい葉の部分はちぎられている。土は掘り返されて花壇外にも土が散乱していた。
「おぉーい悠木くーんなにしてるのー?」
そこにカフェオレの紙パックを持った森宮が声をかけてきた。昼休みなのに昼寝してないとは珍しい……
「実は、花壇が荒らされてるって環境美化委員会から訴えがあって、それの調査に命じられたんだ」
俺は会議で聞かされた話を端的に森宮に話す。別に個人情報でもないし、花壇はこの有様だ。隠さずとも公になっていることなので話してもなんの問題もない。むしろ注意喚起にもなる。
ストローでカフェオレを飲みながら俺の話を聞いていた森宮はそのままぐるぐると花壇周りを歩いて観察していた。3周くらい回ってピタリと足を止めると、花壇の土を凝視して首を傾げ、カラスの鳴く声に反応して空を見上げた。
「うーん、私はこれやったの人間じゃないと思うけどね」
彼女の細い人差し指が何かを指し示す。俺が目を凝らし、土の上に乗ったそれを見つめると、そこにはかりんとうサイズの……小さな糞。
「物的証拠発見。この大きさなら猫、小型犬サイズかな?」
そう言われて、俺は先日学校に侵入していた黒猫を思い出す。
「それとねぇ、カラスって花も食べちゃうんだよ。雑食性だし、賢いからねぇ」
空を見上げて、こちらを嘲笑うかのように飛び回るカラスの大群を遠い目で眺める森宮。
「猫にしてもカラスにしても、それに応じた対策を練るといいよ。多分ネットで調べたら方法がたくさんあるだろうし。景観が悪くなるのはしばらくの我慢だと思ったほうがいいかも」
森宮が答えまで導き出してたどり着いた答え。
俺はすぐさま生徒会メンバーと環境美化委員会に森宮に推理してもらったすべてを報告した。もちろん、森宮が解明してくれたことも付け加えて。女子の手柄を横取りするなんてかっこ悪いからな。
それからすぐに環境美化委員のメンバーがカラスよけ、猫よけの罠を設置する方針を固めた。
「…こら、学校に入ってきたら駄目だぞ」
学校に侵入してきたどこかの猫を追い払うと、俺はあくびを噛み殺しながら正門に向かった。
「おはようございまーす」
生徒会役員となって1年弱。前生徒会長の推薦で書記になったが、生徒会の仕事というのはなかなか地味だ。
今月はあいさつ強化週間とやらで、環境美化委員とともに正門に立ってただひたすら挨拶をするという活動をしていた。なんか挨拶の押し売りみたいで俺はあんまり好きじゃないけど、仕事と言われたらやるしかあるまい。
先月はボランティアと称して地域清掃にも参加したし、行事があれば実行委員会とともに色々動き回らなきゃいけないし…その分自分の時間は削れる。生徒会役員だった実績が進路に有利に働くと言っても、その分犠牲になるものもある…
「悠木君おはよー」
生徒会の仕事に少し嫌気がさしていたところに、飛び込んできた彼女の姿。それだけで俺は背筋が伸びた。彼女にはだらけた姿を見せまいと頑張るが、なんか気恥ずかしくて「はよ」とそっけない挨拶を返してしまった。
「毎日大変だね、頑張ってね」
だけど彼女はそれを気にすることなく笑顔で俺を労うと、自転車を押して自転車置き場の方向に向かっていた。
その後姿を見送りながら俺は思った。森宮が生徒会長の推薦を受けて同じ役員だったら今よりも沢山同じ時間を過ごせたのかもしれないなと。まぁ彼女は無償奉公がお気に召さないようなのでありえないが。
「おい夏生、森宮さんを目で追いかけてないで挨拶しろよ」
「……」
隣にいた大輔がにやにや声でからかうように肘でつついてきた。後ろ髪引かれる思いで森宮から視線を外すと、正門を通過する生徒たちに淡々と「おはようございます」と挨拶し続けたのである。
■□■
月に一度、委員会や部活動の代表を集めて話し合いをする会議の場がある。委員会をまとめて結束を高める目的があるんだが、この会議は各々の不満や要望をぶつける場になりつつあった。
「書籍の購入予算が去年より下がっています。なんとかしてくれませんか?」
図書委員会が予算削減について苦情を訴えた。
だが、図書室の本を利用する層はそこまで多くなく、去年は学業に関係ない娯楽目的の書籍の購入が多数確認されたため、そのへんの事情を鑑みた上で予算が抑えられた経緯がある。ラノベやマンガなど娯楽目的の本は個人で購入すべきだ。学校の予算を使うものじゃないと思う。
「各自不要な本を持ち寄りしてくれるように生徒たちへ呼びかけましょう。うちは公立校なので、どうしてもそこまで予算に余裕がない」
生徒会長が淡々とその要望を却下した。図書委員会が反論しようとすると、それをさせまいと生徒副会長が口を挟む。
「予算削減の理由についてはうちの会計から前もって説明しているかと思いますが、もう一度必要ですか?」
眼鏡を付けた先輩の瞳が鋭く光る。何も意地悪で予算を削ったのではない。限りある予算の使い方を間違った図書委員会が悪いのだと彼女の瞳は訴えていた。それに反論できないのか、図書委員会の委員長はすごすごと着席していた。
強い。副会長強すぎる。見た目はおとなしそうなのに…
……なんかこういうの森宮が得意そうだなぁ。前の生徒会長の緑谷先輩はそこを見抜いていたのだろうか……それでも森宮は絶対にやらないだろうけどな。タダ働きは嫌でござるとか言って。
彼女のことを思い浮かべて少しほのぼのしていると、「野球部から要望があります」と野球部の主将が声を上げたので、俺は慌てて書記作業に戻った。
「消耗品のボールの買い替え費用を予算として計上してほしい。各自のユニフォームなどは自費でも納得しているが、消耗品は学校側で負担するべきだ。体育の授業で使うものも学校で負担したものだろう」
「それならうちのサッカー部も」
「いや、うちだって」
運動部が固まって消耗品扱いになる共有物を新しく買い替えてほしいと訴えてきた。それに対してえぇ? と言いたげな顔をするのは文化部や委員会のメンバーたち。みんな何かと予算が欲しいんだな。
あーでもないこーでもないと討論が始まるが、だいたい要望を訴えられるばかりだ。自分でどうにかしようと考える奴はいないのだろうか。
消耗品にしても、体育の授業と使うのとはわけが違う。奴らのボールの破損スピードが早すぎるのだ。それに運動部だけ特別というわけにもいくまい。それこそ有志でお金を出し合ってその備品を大切に使うとかしてもらわないと…と俺が考えていると、生徒会長も同じことを言っていた。
「そのために各部活動で部費を払っているんだろう。それから購入してほしい。君たちを特別扱いしたらえこひいきになってしまう」
「はぁあ!? なんだよそれ!」
「そもそも、年度初めに消耗品代として予算をそれぞれの部活動に振り分けている。それで必要な共有物を購入できたはずだ。野球のボールなんて頑丈そのものなのにそれを買い替えを必要なくらい壊しているとなると、扱い方の問題になるだろう」
会長は一刀両断すると、「はい、では次……環境美化委員会からも予算の追加申請がきていましたね。これはどういうことですか? 美化委員長」
前もって申請書を出していたのだろう。それについて説明を求めると、環境美化委員長が席を立った。
「はい、ここ最近、中庭の花壇が掘り起こされるという事象が起き続けています。植えた草花は根っこをやられて使い物にならなくなり、仕方なく新しい苗を仕入れて植え直しましたが同じことが起きてしまい…頂いた予算、そして私達がそれぞれ出し合った費用で維持してきましたが、底を尽きてしまいました」
「花壇を掘り起こされている……」
「なにか心当たりは?」
美化委員長の訴えに考え込む生徒会長と、心当たりを問う副会長。なんか急に事件めいたことになったな。ますます森宮の得意分野じゃないか。ここに森宮いねぇけど。
「誰かの憂さ晴らしじゃないかなと思うんですが…ストレスが溜まった生徒の誰かが…」
この学校には監視カメラがない。証拠がないならなんとも言えないが、その線もあり得る。実際にニュースでもそういう心無い悪さをする人間がいるとも聞くし。物言わぬ植物にあたっても仕方ないだろうに…
「むしろ花なんか誰も観ねぇよ! 美化委員会に予算出すくらいならこっちに出せよ!!」
たぶん自分よがりな性格なのだろう。さっきあっさり要望をあしらわれた野球部の主将が怒鳴り散らしていた。完全なる八つ当たりである。
「なんだって!? 地区大会止まりのくせに何を偉そうに!!」
気が細そうに見えた美化委員長はそれにカッとなったのか、言ってはいけない一言を発してしまう。
「なんだとてめぇ!」
「僕たちは身銭を切った上で要望しているんだ! それすらしない君たちにどうこう言われる筋合いはないね!」
そこからもう大変だ。彼らの不満が吹き出して口喧嘩になってしまったのだ。抑え込むのがもう大変で、俺は無駄に疲れた。生徒会役員として一緒に同席していた礼奈と大輔は涼しい顔して我関せずを貫いており……その2人のメンタルがとてもうらやましくて仕方なくなった。
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つっかれた……
修羅場と化した会議から解放された俺はげっそりしながら、例の花壇周りを調べていた。生徒会長に命じられたのだ。俺の目で観た考えを報告してほしいって。
ていうか警察でも探偵でもないから俺の審美眼を信じられても困るんだけど…
現状を報告するためにそのままにされていた花壇は見事に掘り返されていた。植物の苗が転がり、花や柔らかい葉の部分はちぎられている。土は掘り返されて花壇外にも土が散乱していた。
「おぉーい悠木くーんなにしてるのー?」
そこにカフェオレの紙パックを持った森宮が声をかけてきた。昼休みなのに昼寝してないとは珍しい……
「実は、花壇が荒らされてるって環境美化委員会から訴えがあって、それの調査に命じられたんだ」
俺は会議で聞かされた話を端的に森宮に話す。別に個人情報でもないし、花壇はこの有様だ。隠さずとも公になっていることなので話してもなんの問題もない。むしろ注意喚起にもなる。
ストローでカフェオレを飲みながら俺の話を聞いていた森宮はそのままぐるぐると花壇周りを歩いて観察していた。3周くらい回ってピタリと足を止めると、花壇の土を凝視して首を傾げ、カラスの鳴く声に反応して空を見上げた。
「うーん、私はこれやったの人間じゃないと思うけどね」
彼女の細い人差し指が何かを指し示す。俺が目を凝らし、土の上に乗ったそれを見つめると、そこにはかりんとうサイズの……小さな糞。
「物的証拠発見。この大きさなら猫、小型犬サイズかな?」
そう言われて、俺は先日学校に侵入していた黒猫を思い出す。
「それとねぇ、カラスって花も食べちゃうんだよ。雑食性だし、賢いからねぇ」
空を見上げて、こちらを嘲笑うかのように飛び回るカラスの大群を遠い目で眺める森宮。
「猫にしてもカラスにしても、それに応じた対策を練るといいよ。多分ネットで調べたら方法がたくさんあるだろうし。景観が悪くなるのはしばらくの我慢だと思ったほうがいいかも」
森宮が答えまで導き出してたどり着いた答え。
俺はすぐさま生徒会メンバーと環境美化委員会に森宮に推理してもらったすべてを報告した。もちろん、森宮が解明してくれたことも付け加えて。女子の手柄を横取りするなんてかっこ悪いからな。
それからすぐに環境美化委員のメンバーがカラスよけ、猫よけの罠を設置する方針を固めた。
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