44 / 312
本編
期待させないで欲しい。勘違いしてしまうから。
しおりを挟む
こんな寒い夜に何をしてるんだ先輩は。
私が呆然と橘先輩を見上げると、彼は目を逸らして言いにくそうに答えた。
「…いやちょっと息抜きを」
「この寒いのに外に!? あぁこんなに冷えてるし」
「!」
手にとった先輩の手は冷えていた。
この様子じゃ長時間外にいたのだろう。
そういえば私のコートポケット内にホッカイロがあったはずだ。…手袋もあるが流石に先輩の手は入らないだろう。
「先輩! 受験生なんだからこんな真冬の夜に出歩くなんてしないでください!」
「…悪い」
「どうしたんですか。勉強に行き詰まったんですか?」
「いや、そういうわけじゃなくて…」
「?」
じゃあなんだろうか。
でもこんな寒空の下、先輩を放置できない。
私のマフラーを巻いてあげようと思ったけどそれはお断りされてしまった。背伸びして先輩の首元に無理やり巻こうとしたけどもやんわり拒否された。こないだふんわり仕上げで洗ったから綺麗なのに!
仕方なくコートのポケット内で高熱を発していたホッカイロを彼の手に握らせると私は「帰りましょう」と促した。
急いで家に帰さねば。
…そう言えば、乙女ゲームの橘先輩の設定では自分に自信がなくて、風紀やルールに縛られた真面目で堅苦しい人間だったはずだけど…
堅物なのは変わらないけど、それが過剰とは感じたことがない。
橘先輩は元々名門私立の高校が第一希望だった。
しかし安全圏であると油断して落ちたため、公立高校に進んだ。エリート街道から転落した彼にとってそれは大きな挫折であった。
厳しい風紀副委員長・ストイックな剣道部部長でありながらも何処か自分に自信がないというキャラ設定。
なんかちょっと和真と似てるな。学業で挫折感を味わっているところとか。和真みたいにグレてないけど。
だけど優秀なお兄さんがいて、お兄さんに見下されている設定なんてなかったし、彼女がいたという設定もなくて所々異なるところがある。
まぁ私が存在している時点でこの世界、既におかしいんだけどね。
橘先輩ルートではライバルキャラは確かいなかった気がする。
彼の弱さを受け入れ、自信をつけることで彼とのルートが開ける。
ちょっとでも浮気心を出して彼を不安にさせたらバッドエンド。
学業や学校イベントを真面目にこなさないと失望されバッドエンド。
ヒロインは彼のトラウマを克服してあげること、それと同時に自分自身もしっかり成長しないといけない。
眞田先生や大久保先輩よりはルートに入りやすかったけど、その後がちょっと、大分大変だったような気がしないでもない。
だけど現実の彼はもっと複雑ななにかがある気がする。橘兄然り、元彼女然り。
橘先輩の口からお祖父さんお祖母さんの話はよく聞くけど、ご両親の話はあまり聞かないからそんなに仲が良くないのかもしれない。
それに、大学に進学したら家を出るとも言っていた。橘兄はまだ実家にいるみたいだけど、橘先輩は一人暮らしするつもりらしい。
…ただの後輩である私が詮索することじゃないんだけどさ。
私はゲームのことを思い出していたが、なんだかもやもやしてきたので考えるのをやめた。
先輩は現実の人間だからもうキャラクターとして見れないし、考えたくない。
気を取り直して、隣を歩く先輩に話しかけてみる。
「…先輩、共通テストいつですか」
「来月半ばだ」
「もうすぐなのに体調崩すような真似しちゃダメじゃないですか!」
「…そんな柔な体してないぞ俺は」
「何言ってるんです! インフルエンザが流行り始めてるんですからね! 大切な時期なんですから油断しない!」
私はまるで弟を叱りつけるような心境で注意したのだが橘先輩はキョトンとして、そして小さく笑った。
「気をつけるよ…今日はまた兄さんに進学のことで言われていたのか?」
「いえいえ。進学も視野に入れてると言ったら小言だけで済みました」
「田端の気を変えるくらい兄さんの調査結果はすごかったか」
「違いますよ。…先輩が言った通り、頑なになるのは良くないなと思ったんです。他の大学も見てみて就職か進学かもう一度決めようと…将来をよく考えてみようと思っただけですよ。決してお兄さんのレポートの影響ではないですよ」
「そうか」
そう言えばこうして橘先輩と二人でゆっくり話すのはいつ振りだろうか。…球技大会前以来だから一ヶ月前かな?
…こうして話せるのはいつまでなんだろうか。
それを意識するとまた胸が苦しくなる。
私は橘先輩にバレないように小さく深呼吸した。
先輩は私がこんな思いをしてるなんて思ってもいないだろうな。
「そういえば田端は来月修学旅行だったか?」
「そうですよ。京都に行ってきます」
「羽目を外すなよ」
「二言目にそれってどういうことですか」
「俺はいないから、行動する時は注意して…」
「先輩の中で私どんだけ危なっかしいんですか」
心配性な橘先輩に修学旅行の話題でまず「羽目を外すな」と釘を差された。解せぬ。
むう、と顔を顰めていた私はとある事を思い出して橘先輩を見上げた。
「そうだ! 橘先輩、京都では清水寺に行くんで学業にご利益ありそうな写真送りますよ! ご利益おすそ分けします」
「…あぁ、楽しみにしてる」
橘先輩は柔らかく微笑んだ。
前はそんなに笑顔を見ることはなかったけど、ここ最近橘先輩はよく笑ってくれるようになった。私はそれを見る度に自分までつられて笑顔になっていた。
だって笑ってくれると嬉しいじゃない。
それを近い距離で直視した私の胸はドキドキしてしまう。バレないように深呼吸して落ち着こうとしたがしばらく収まらなかった。
その後駅に辿り着き、ホームで電車を待っていたのだが、同じく電車を待っていた橘先輩が意を決したように口を開いた。
ずっとなにか言いたそうにしていたから急かさずに待っていたのだけど…なんだろうか。
「…沙織のことだが」
「…え?」
突然出てきた沙織さんの名前に私の心臓は凍ったように大人しくなった。
…なに?
沙織さんの話がなんでここで出てくるの?
私はそれを聞きたくないような気持ちになっていたが、先輩はそれに気づくことなく話を続けた。
「兄さんから聞いたかもしれないが、去年まで沙織と付き合っていた。…中学の同級生だったのだが、俺が志望校に落ちてからすれ違いが増えて…最後の一年は音信不通も同然だった」
「あ…そう、なんですか…」
過去の話だとしても聞きたくなかった。
だって沙織さんは過去の橘先輩を知っているのだもの。
嫉妬しても仕方ないのは分かっているけど私はあの、どす黒い醜い感情が出てきそうで嫌な気持ちになった。
まさか、復縁したとでも言うのだろうか。
それを私に言うために待っていたの?
橘先輩の次の言葉に私は思わず耳を塞ぎたい気持ちになった。
「だからなんともないから。既に終わった間柄だ。…今日もゼミが同じだから一緒にいただけだ」
「え…」
「勘違いされたくなかったんだ。お前に」
「…へ」
ガタンゴトンガタンゴトン……と電車が駅のホームに入ってくる。そしてドアが開くと橘先輩に背中を押されて電車に乗車した。
残業帰りのお疲れ気味の会社員が多く乗車している電車内で人に潰されないように橘先輩が壁になってくれているので快適に乗れている。
このシチュエーション、いつもなら心臓バクバク物なはずなのに…
…その時の私は頭が真っ白になっていた。
私と先輩は最寄り駅まで無言だった。
私を家まで送ろうとする先輩をまっすぐ帰そうとして結局送られ、家の前で別れた。
「先輩、送ってくれてありがとうございます…家に帰ったらすぐに湯船浸かって体温めてくださいね」
「わかった。…おやすみ田端」
「…おやすみなさい」
橘先輩が帰っていく姿を私はしばらく見つめていた。
…どうして私に勘違いしてほしくないんだろう。
…期待しちゃうからそういうの…思わせぶりな態度やめてほしいんだけどな…
だめだ、これ以上好きになったら自分が苦しいだけとわかっているのに。
好きです先輩。
どうしてあなたを好きになってしまったのだろう。
モブである私はあなたのヒロインにはなれないのに。
いつかこの想いを忘れることができるのだろうか。
あなたを諦める日は来るのだろうか。
私は、静かに涙を流していた。
私が呆然と橘先輩を見上げると、彼は目を逸らして言いにくそうに答えた。
「…いやちょっと息抜きを」
「この寒いのに外に!? あぁこんなに冷えてるし」
「!」
手にとった先輩の手は冷えていた。
この様子じゃ長時間外にいたのだろう。
そういえば私のコートポケット内にホッカイロがあったはずだ。…手袋もあるが流石に先輩の手は入らないだろう。
「先輩! 受験生なんだからこんな真冬の夜に出歩くなんてしないでください!」
「…悪い」
「どうしたんですか。勉強に行き詰まったんですか?」
「いや、そういうわけじゃなくて…」
「?」
じゃあなんだろうか。
でもこんな寒空の下、先輩を放置できない。
私のマフラーを巻いてあげようと思ったけどそれはお断りされてしまった。背伸びして先輩の首元に無理やり巻こうとしたけどもやんわり拒否された。こないだふんわり仕上げで洗ったから綺麗なのに!
仕方なくコートのポケット内で高熱を発していたホッカイロを彼の手に握らせると私は「帰りましょう」と促した。
急いで家に帰さねば。
…そう言えば、乙女ゲームの橘先輩の設定では自分に自信がなくて、風紀やルールに縛られた真面目で堅苦しい人間だったはずだけど…
堅物なのは変わらないけど、それが過剰とは感じたことがない。
橘先輩は元々名門私立の高校が第一希望だった。
しかし安全圏であると油断して落ちたため、公立高校に進んだ。エリート街道から転落した彼にとってそれは大きな挫折であった。
厳しい風紀副委員長・ストイックな剣道部部長でありながらも何処か自分に自信がないというキャラ設定。
なんかちょっと和真と似てるな。学業で挫折感を味わっているところとか。和真みたいにグレてないけど。
だけど優秀なお兄さんがいて、お兄さんに見下されている設定なんてなかったし、彼女がいたという設定もなくて所々異なるところがある。
まぁ私が存在している時点でこの世界、既におかしいんだけどね。
橘先輩ルートではライバルキャラは確かいなかった気がする。
彼の弱さを受け入れ、自信をつけることで彼とのルートが開ける。
ちょっとでも浮気心を出して彼を不安にさせたらバッドエンド。
学業や学校イベントを真面目にこなさないと失望されバッドエンド。
ヒロインは彼のトラウマを克服してあげること、それと同時に自分自身もしっかり成長しないといけない。
眞田先生や大久保先輩よりはルートに入りやすかったけど、その後がちょっと、大分大変だったような気がしないでもない。
だけど現実の彼はもっと複雑ななにかがある気がする。橘兄然り、元彼女然り。
橘先輩の口からお祖父さんお祖母さんの話はよく聞くけど、ご両親の話はあまり聞かないからそんなに仲が良くないのかもしれない。
それに、大学に進学したら家を出るとも言っていた。橘兄はまだ実家にいるみたいだけど、橘先輩は一人暮らしするつもりらしい。
…ただの後輩である私が詮索することじゃないんだけどさ。
私はゲームのことを思い出していたが、なんだかもやもやしてきたので考えるのをやめた。
先輩は現実の人間だからもうキャラクターとして見れないし、考えたくない。
気を取り直して、隣を歩く先輩に話しかけてみる。
「…先輩、共通テストいつですか」
「来月半ばだ」
「もうすぐなのに体調崩すような真似しちゃダメじゃないですか!」
「…そんな柔な体してないぞ俺は」
「何言ってるんです! インフルエンザが流行り始めてるんですからね! 大切な時期なんですから油断しない!」
私はまるで弟を叱りつけるような心境で注意したのだが橘先輩はキョトンとして、そして小さく笑った。
「気をつけるよ…今日はまた兄さんに進学のことで言われていたのか?」
「いえいえ。進学も視野に入れてると言ったら小言だけで済みました」
「田端の気を変えるくらい兄さんの調査結果はすごかったか」
「違いますよ。…先輩が言った通り、頑なになるのは良くないなと思ったんです。他の大学も見てみて就職か進学かもう一度決めようと…将来をよく考えてみようと思っただけですよ。決してお兄さんのレポートの影響ではないですよ」
「そうか」
そう言えばこうして橘先輩と二人でゆっくり話すのはいつ振りだろうか。…球技大会前以来だから一ヶ月前かな?
…こうして話せるのはいつまでなんだろうか。
それを意識するとまた胸が苦しくなる。
私は橘先輩にバレないように小さく深呼吸した。
先輩は私がこんな思いをしてるなんて思ってもいないだろうな。
「そういえば田端は来月修学旅行だったか?」
「そうですよ。京都に行ってきます」
「羽目を外すなよ」
「二言目にそれってどういうことですか」
「俺はいないから、行動する時は注意して…」
「先輩の中で私どんだけ危なっかしいんですか」
心配性な橘先輩に修学旅行の話題でまず「羽目を外すな」と釘を差された。解せぬ。
むう、と顔を顰めていた私はとある事を思い出して橘先輩を見上げた。
「そうだ! 橘先輩、京都では清水寺に行くんで学業にご利益ありそうな写真送りますよ! ご利益おすそ分けします」
「…あぁ、楽しみにしてる」
橘先輩は柔らかく微笑んだ。
前はそんなに笑顔を見ることはなかったけど、ここ最近橘先輩はよく笑ってくれるようになった。私はそれを見る度に自分までつられて笑顔になっていた。
だって笑ってくれると嬉しいじゃない。
それを近い距離で直視した私の胸はドキドキしてしまう。バレないように深呼吸して落ち着こうとしたがしばらく収まらなかった。
その後駅に辿り着き、ホームで電車を待っていたのだが、同じく電車を待っていた橘先輩が意を決したように口を開いた。
ずっとなにか言いたそうにしていたから急かさずに待っていたのだけど…なんだろうか。
「…沙織のことだが」
「…え?」
突然出てきた沙織さんの名前に私の心臓は凍ったように大人しくなった。
…なに?
沙織さんの話がなんでここで出てくるの?
私はそれを聞きたくないような気持ちになっていたが、先輩はそれに気づくことなく話を続けた。
「兄さんから聞いたかもしれないが、去年まで沙織と付き合っていた。…中学の同級生だったのだが、俺が志望校に落ちてからすれ違いが増えて…最後の一年は音信不通も同然だった」
「あ…そう、なんですか…」
過去の話だとしても聞きたくなかった。
だって沙織さんは過去の橘先輩を知っているのだもの。
嫉妬しても仕方ないのは分かっているけど私はあの、どす黒い醜い感情が出てきそうで嫌な気持ちになった。
まさか、復縁したとでも言うのだろうか。
それを私に言うために待っていたの?
橘先輩の次の言葉に私は思わず耳を塞ぎたい気持ちになった。
「だからなんともないから。既に終わった間柄だ。…今日もゼミが同じだから一緒にいただけだ」
「え…」
「勘違いされたくなかったんだ。お前に」
「…へ」
ガタンゴトンガタンゴトン……と電車が駅のホームに入ってくる。そしてドアが開くと橘先輩に背中を押されて電車に乗車した。
残業帰りのお疲れ気味の会社員が多く乗車している電車内で人に潰されないように橘先輩が壁になってくれているので快適に乗れている。
このシチュエーション、いつもなら心臓バクバク物なはずなのに…
…その時の私は頭が真っ白になっていた。
私と先輩は最寄り駅まで無言だった。
私を家まで送ろうとする先輩をまっすぐ帰そうとして結局送られ、家の前で別れた。
「先輩、送ってくれてありがとうございます…家に帰ったらすぐに湯船浸かって体温めてくださいね」
「わかった。…おやすみ田端」
「…おやすみなさい」
橘先輩が帰っていく姿を私はしばらく見つめていた。
…どうして私に勘違いしてほしくないんだろう。
…期待しちゃうからそういうの…思わせぶりな態度やめてほしいんだけどな…
だめだ、これ以上好きになったら自分が苦しいだけとわかっているのに。
好きです先輩。
どうしてあなたを好きになってしまったのだろう。
モブである私はあなたのヒロインにはなれないのに。
いつかこの想いを忘れることができるのだろうか。
あなたを諦める日は来るのだろうか。
私は、静かに涙を流していた。
20
あなたにおすすめの小説
会社のイケメン先輩がなぜか夜な夜な私のアパートにやって来る件について(※付き合っていません)
久留茶
恋愛
地味で陰キャでぽっちゃり体型の小森菜乃(24)は、会社の飲み会で女子一番人気のイケメン社員・五十嵐大和(26)を、ひょんなことから自分のアパートに泊めることに。
しかし五十嵐は表の顔とは別に、腹黒でひと癖もふた癖もある男だった。
「お前は俺の恋愛対象外。ヤル気も全く起きない安全地帯」
――酷い言葉に、菜乃は呆然。二度と関わるまいと決める。
なのに、それを境に彼は夜な夜な菜乃のもとへ現れるようになり……?
溺愛×性格に難ありの執着男子 × 冴えない自分から変身する健気ヒロイン。
王道と刺激が詰まったオフィスラブコメディ!
*全28話完結
*辛口で過激な発言あり。苦手な方はご注意ください。
*他誌にも掲載中です。
理想の男性(ヒト)は、お祖父さま
たつみ
恋愛
月代結奈は、ある日突然、見知らぬ場所に立っていた。
そこで行われていたのは「正妃選びの儀」正妃に側室?
王太子はまったく好みじゃない。
彼女は「これは夢だ」と思い、とっとと「正妃」を辞退してその場から去る。
彼女が思いこんだ「夢設定」の流れの中、帰った屋敷は超アウェイ。
そんな中、現れたまさしく「理想の男性」なんと、それは彼女のお祖父さまだった!
彼女を正妃にするのを諦めない王太子と側近魔術師サイラスの企み。
そんな2人から彼女守ろうとする理想の男性、お祖父さま。
恋愛よりも家族愛を優先する彼女の日常に否応なく訪れる試練。
この世界で彼女がくだす決断と、肝心な恋愛の結末は?
◇◇◇◇◇設定はあくまでも「貴族風」なので、現実の貴族社会などとは異なります。
本物の貴族社会ではこんなこと通用しない、ということも多々あります。
R-Kingdom_1
他サイトでも掲載しています。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語
ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。
だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。
それで終わるはずだった――なのに。
ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。
さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。
そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。
由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。
一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。
そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。
罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。
ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。
そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。
これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。
婚約解消されたら隣にいた男に攫われて、強請るまで抱かれたんですけど?〜暴君の暴君が暴君過ぎた話〜
紬あおい
恋愛
婚約解消された瞬間「俺が貰う」と連れ去られ、もっとしてと強請るまで抱き潰されたお話。
連れ去った強引な男は、実は一途で高貴な人だった。
ハイスぺ幼馴染の執着過剰愛~30までに相手がいなかったら、結婚しようと言ったから~
cheeery
恋愛
パイロットのエリート幼馴染とワケあって同棲することになった私。
同棲はかれこれもう7年目。
お互いにいい人がいたら解消しようと約束しているのだけど……。
合コンは撃沈。連絡さえ来ない始末。
焦るものの、幼なじみ隼人との生活は、なんの不満もなく……っというよりも、至極の生活だった。
何かあったら話も聞いてくれるし、なぐさめてくれる。
美味しい料理に、髪を乾かしてくれたり、買い物に連れ出してくれたり……しかも家賃はいらないと受け取ってもくれない。
私……こんなに甘えっぱなしでいいのかな?
そしてわたしの30歳の誕生日。
「美羽、お誕生日おめでとう。結婚しようか」
「なに言ってるの?」
優しかったはずの隼人が豹変。
「30になってお互いに相手がいなかったら、結婚しようって美羽が言ったんだよね?」
彼の秘密を知ったら、もう逃げることは出来ない。
「絶対に逃がさないよ?」
冷徹義兄の密やかな熱愛
橋本彩里(Ayari)
恋愛
十六歳の時に母が再婚しフローラは侯爵家の一員となったが、ある日、義兄のクリフォードと彼の親友の話を偶然聞いてしまう。
普段から冷徹な義兄に「いい加減我慢の限界だ」と視界に入れるのも疲れるほど嫌われていると知り、これ以上嫌われたくないと家を出ることを決意するのだが、それを知ったクリフォードの態度が急変し……。
※王道ヒーローではありません
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる