太陽のデイジー 〜私、組織に縛られない魔術師を目指してるので。〜

スズキアカネ

文字の大きさ
76 / 209
Day‘s Eye 魔術師になったデイジー

人を呪わば穴二つ

しおりを挟む
 依頼主のエドヴァルド氏が戻ってきたとの知らせを聞いた私は使用人に案内されて大広間に向かった。

「お早かったですね…」
「はい。お先にお茶とお菓子を頂いてました。おいしかったです。…それで、早速患者を診たいのですが」

 依頼主が戻るまでは診察はしないほうがいいかなと思って待っていたんだ。私の言葉にエドヴァルド氏は旅疲れもあるだろうに、すぐに案内してくれた。

 このお屋敷は本邸と別邸に別れていて、この本邸にはエドヴァルド氏とお母さん、そして使用人が住んでいるそうだ。別邸に、父と愛人とその息子が住んでいて、滅多な事とがなければこちらには寄り付いてこないそう。
 奥まった場所にある部屋の扉を使用人がそっと開くと、そこは真っ暗だった。カーテンはきっちり閉められ、明かりもつけずに空気もこもっている。患者にとって最悪の環境である。こんな場所じゃ病気になっても仕方ないぞ。

「──母上、魔術師様をお連れしました」

 エドヴァルド氏の優しい声に、ベッドの上の住人が身じろぎする物音が聞こえた。シャウマン伯爵夫人であるその女性は頑張って起き上がろうとしているが、衰弱しきってその力すら出せないようである。
 暗くて見えないので許可をとってカーテンを開けてもらうと、その姿が外から漏れ入る光でその姿は晒された。
 エドヴァルド氏がそっと背中に腕を差し入れて起こした女性は老婆のようにやせ細っていた。
 
「隣国エスメラルダの高等魔術師のお嬢さんですよ。とても優秀な方との評判を聞いてお呼びしました」
「まぁ、若いお嬢さんなのね…あぁ、こんな情けない姿をお見せすることになるなんて…」

 ひと目でわかった。
 彼女を蝕むは体に広がる黒いアザだ。これだけなら、なにか怪しい伝染病を疑うことだろうが、彼女のは違う。
 シャウマン伯爵夫人の身体の周りには禍々しい黒いモヤが囲んでいた。そりゃあ、どんな高名な医者が手を施しても治るはずがない。彼女のは病気じゃないもの。

「──黒呪術です」

 禁忌とされる黒呪術で命を吸い取られているのだ。

「…え?」

 耳慣れない単語だったのだろう。エドヴァルド氏が間の抜けた声を出していた。

「お母様は病気ではなく、呪いで命を吸い取られ衰弱しているのです」
「……呪い…? 黒、呪術」

 そうなると魔法が使える人間の仕業である。私は犯人探しに来たわけじゃないので、その辺はどうでもいいのだが……

「すまない、私に魔力がないばかりに気づけず…」

 エドヴァルド氏は自分の不甲斐なさに落ち込んでいる。

「お気になさらず。呪いに関しては魔力を持っていても気づけない人も大勢いますんで」

 私がたまたま、人一倍黒呪術に敏感な体質みたいなんだ。他の人はそうでもないらしいのでエドヴァルド氏の責任ではない。
 しかしこのまま呪いを放置しておくわけにも行くまい。

「あまりよろしくない状態なので、なるべく早く解呪したいのですが、私一人では失敗した時困るので、他の魔術師に協力を仰ぎます」

 そこは魔術師協会を使って、こちらで呼ぶから心配しないで欲しい。
 私達魔術師には独自の魔術師協会というものがあって、シュバルツとエスメラルダ、グラナーダの3国は協定を結んでおり、国をまたいで魔術師同士の連携を図っているのだ。こんな風に困った時、名簿に名前を登録している魔術師に協力を仰ぐことが出来る。
 伝書鳩でシュバルツの魔術師協会に向けて黒呪術の案件として連絡した。直ぐに返事は来るだろう。

 衰弱している夫人には栄養剤を飲ませて一旦睡眠を取らせると、私はそっと退室した。部屋の外では難しい表情を浮かべたエドヴァルド氏が待機していた。

「…母上に黒呪術とは…一体誰が…」
「…呪い返しすれば、誰か分かるでしょう」

 夫人に死んで欲しい、消えて欲しい、苦しんで欲しいと願う誰かが掛けたものに違いない。しかし、黒呪術は禁術。その相手は報いを受けなくてはならない。
 エドヴァルド氏はなにか言いたそうにして口を噤んでいた。誰か、思い当たる人物がいるのだろうか。だけどまだ確定した訳じゃない。だから口に出せないのであろう。

「坊っちゃま、マック様」

 黙り込んでしまった私達の沈黙を破るように執事が声を掛けてきた。

「魔術師協会から魔術師様方がお見えでございます」
 
 先程伝書鳩を送ったばかりなのに、動きが早いな。助かる。
 私は早速同業者の協力を仰ぐため、彼らをおまたせしているという談話室に案内してもらったのである。



 協会からやってきたのは上級魔術師の男性2名だった。その人達とは初対面だったが、私を一人の魔術師として尊重して話を聞いてくれた。私が在学中に遭遇したリリス・グリーン事件を耳にしていたから話が早かったのかもしれない。

「…これが呪いとは」
「伝染病の1つに似ていますから気づかないのも無理もありません」

 死の病に似た衰弱の仕方である。病気と疑うのが普通だ。
 そもそも黒呪術を使ったら問答無用に死罪である。使おうとする人間はそこまで多くないのでお目にかかることもない。呪いに気づかないのも無理はない。

 彼らに簡単に説明した後に打ち合わせをする。2人で解呪して、残された1人はもしもの時のために待機する感じである。方法は呪い返し一択だ。返した呪いは術者に還る。見つけ次第そのまましょっ引く流れである。

「では、始めます」
「よろしくおねがいします」

 私と一緒に呪い返しをする魔術師が夫人の体に触れる。呪文のタイミングは別に合わせずともいい、同じ白呪術の呪い返しを行うだけだから。

「我に従う光の元素たちよ──……」

 私ともう片方の魔術師が呪文を唱えると、開け放った窓からファッと元素達が押し寄せてくる気配がした。
 光の元素たちは夫人の中に蝕む黒呪術の元を押し出そうと彼女の身体に入り込み、光り輝いた。──目の錯覚かもしれない、光に負けた黒い影が霧散して消え去っていったように見えたのは。
 

「……顔色が、戻ってきましたね」

 少し離れて待機していた魔術師が夫人の顔を覗き込んでつぶやく。彼女の体に残っていた痣が消え去り、青白さは残っているものの、元の肌の色を取り戻していた。依然として衰弱したままだが、それは加療すれば…

「…後は衰弱した身体を治療するだけですかね…はぁ……」

 一緒に呪い返しをした魔術師は力が切れたのかヘナヘナとベッドの向こう側でへたり込んでいた。
 呪い返しきついよね、私もさすがに疲れた。代償にごっそり魔力抜き取られちゃうもん…

「じゃあ僕は報告してきますんで」
「よろしくおねがいします」

 私は備え付きの椅子に腰掛けて息を吐き出す。
 難しい病気じゃなくてよかったが、この案件なら請求金額が更に釣り上がるなぁ。魔術師2人へ協力金支払わなきゃならんし……あとでエドヴァルド氏と話しなきゃ。

 呪い返ししたのでそう時間を置かずに術者にすべて跳ね返っているだろう。
 ……誰だろうね、夫人に死にゆく呪いを掛けたのは…


■□■


「エドヴァルド!」
「…父上?」

 その人物が押しかけてきたのは夕飯時だった。

「影でコソコソしていると思えば、何している! 誰だコイツらは!」
「……母上のお見舞いにこられた、って訳じゃなさそうですね」

 私達はエドヴァルド氏と使用人におもてなしされ、おいしい食事に舌鼓を打っていた。和やかな雰囲気で食事をしていたのだ。
 そんな私達の目の前に彼らは現れた。エドヴァルド氏が父と呼んだその人は見事な餌を吊り下げてやってきた。

「わたくしの美しい顔がこんな風になってしまったのよ! あのすかした女がやったに違いないわ!!」

 宝石や派手なドレスで豪勢に飾られたその餌は、見覚えのある黒い痣をこさえていたのである。その痣は顔だけでなく首やデコルテまで広がっており、見た目は痛々しい。
 同席していた私並びに魔術師2名は食事を中断すると、黙って席を立ち上がった。
 彼らとは黒呪術を放った術者を探さなきゃなぁとは話していたんだけど、犯人からやってきてくれたお陰で捜索する必要はなくなった。

「黒呪術行使、及びシャウマン伯爵夫人殺害未遂容疑にて、魔術師権限であなたを捕縛させていただきます」

 私が声を上げると、その人は大きな目をこれでもかってくらいに見開いていた。血走ってギョロギョロした目が私を睨みつけてくる。その恐ろしい形相にちょっと腰が引けそうである。

「はぁ!? この小娘、何の権限があって…わたくしを誰だと思ってるの!?」

 知らんけど。他国の貴族の愛人の名前まで分かるわけ無いでしょうが。

「私はエスメラルダ王国の魔術師ですからね、あなたのお名前は存じ上げません」

 女の意識が私に向いている隙に他の魔術師達があっさり捕縛呪文を掛けて拘束していた。

「お前っ何をする!」
「……シャウマン伯爵、あなたにも事情をお聞かせ願いたく」
「魔術師風情が私に楯突けるとでも!?」

 参考人として同行してもらおうと伯爵の方も拘束されていた。協力者かどうかは知らないけど、これから事情聴取で明かされるであろう。

「仕事なので」

 慇懃無礼に返した彼らは伯爵と愛人を拘束してひとまとめにすると、連行用の馬車を手配していた。

 伯爵とその愛人には魔封じの首輪と自害防止に猿ぐつわを噛ませている。往生際悪く「むぐー! んー!」となにか喚いているその横で、神経図太い魔術師たちはごちそうをこれでもかってくらいに口に詰めているではないか。彼らいわく、これから仕事が待っているのでごちそう食いだめだという。

「せっかくのおもてなしですからね」
「もったいないですからね」

 しっかりデザートまで召し上がった彼らは動いた。今回露見した件はシュバルツ国内の犯罪なので、シュバルツの魔術師である彼らに一旦おまかせすることにする。
 その後伯爵邸前にやって来た馬車に乗せられて彼らは運ばれていった。伯爵の身柄は表向きは参考人としてだが、実際には容疑者として連行されていく。そんな父親をエドヴァルド氏は微妙な顔で見送っていた。

 これにて一件落着なのであろうが、お家騒動にまで発展してしまった。
 まぁ黒呪術を解くに当たってこうなることは必至だったのだろう。
 私は悪くないぞ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

夫に顧みられない王妃は、人間をやめることにしました~もふもふ自由なセカンドライフを謳歌するつもりだったのに、何故かペットにされています!~

狭山ひびき
恋愛
もう耐えられない! 隣国から嫁いで五年。一度も国王である夫から関心を示されず白い結婚を続けていた王妃フィリエルはついに決断した。 わたし、もう王妃やめる! 政略結婚だから、ある程度の覚悟はしていた。けれども幼い日に淡い恋心を抱いて以来、ずっと片思いをしていた相手から冷たくされる日々に、フィリエルの心はもう限界に達していた。政略結婚である以上、王妃の意思で離婚はできない。しかしもうこれ以上、好きな人に無視される日々は送りたくないのだ。 離婚できないなら人間をやめるわ! 王妃で、そして隣国の王女であるフィリエルは、この先生きていてもきっと幸せにはなれないだろう。生まれた時から政治の駒。それがフィリエルの人生だ。ならばそんな「人生」を捨てて、人間以外として生きたほうがましだと、フィリエルは思った。 これからは自由気ままな「猫生」を送るのよ! フィリエルは少し前に知り合いになった、「廃墟の塔の魔女」に頼み込み、猫の姿に変えてもらう。 よし!楽しいセカンドラウフのはじまりよ!――のはずが、何故か夫(国王)に拾われ、ペットにされてしまって……。 「ふふ、君はふわふわで可愛いなぁ」 やめてえ!そんなところ撫でないで~! 夫(人間)妻(猫)の奇妙な共同生活がはじまる――

まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?

せいめ
恋愛
 政略結婚で愛することもなかった旦那様が魔物討伐中の事故で亡くなったのが1年前。  喪が明け、子供がいない私はこの家を出て行くことに決めました。  そんな時でした。高額報酬の良い仕事があると声を掛けて頂いたのです。  その仕事内容とは高貴な身分の方の閨指導のようでした。非常に悩みましたが、家を出るのにお金が必要な私は、その仕事を受けることに決めたのです。  閨指導って、そんなに何度も会う必要ないですよね?しかも、指導が必要には見えませんでしたが…。  でも、高額な報酬なので文句は言いませんわ。  家を出る資金を得た私は、今度こそ自由に好きなことをして生きていきたいと考えて旅立つことに決めました。  その後、新しい生活を楽しんでいる私の所に現れたのは……。    まずは亡くなったはずの旦那様との話から。      ご都合主義です。  設定は緩いです。  誤字脱字申し訳ありません。  主人公の名前を途中から間違えていました。  アメリアです。すみません。    

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

はじめまして、旦那様。離婚はいつになさいます?

あゆみノワ@書籍『完全別居の契約婚〜』
恋愛
「はじめてお目にかかります。……旦那様」 「……あぁ、君がアグリア、か」 「それで……、離縁はいつになさいます?」  領地の未来を守るため、同じく子爵家の次男で軍人のシオンと期間限定の契約婚をした貧乏貴族令嬢アグリア。  両家の顔合わせなし、婚礼なし、一切の付き合いもなし。それどころかシオン本人とすら一度も顔を合わせることなく結婚したアグリアだったが、長らく戦地へと行っていたシオンと初対面することになった。  帰ってきたその日、アグリアは約束通り離縁を申し出たのだが――。  形だけの結婚をしたはずのふたりは、愛で結ばれた本物の夫婦になれるのか。 ★HOTランキング最高2位をいただきました! ありがとうございます! ※書き上げ済みなので完結保証。他サイトでも掲載中です。

公爵家の秘密の愛娘 

ゆきむらさり
恋愛
〔あらすじ〕📝グラント公爵家は王家に仕える名門の家柄。 過去の事情により、今だに独身の当主ダリウス。国王から懇願され、ようやく伯爵未亡人との婚姻を決める。 そんな時、グラント公爵ダリウスの元へと現れたのは1人の少女アンジェラ。 「パパ……私はあなたの娘です」 名乗り出るアンジェラ。 ◇ アンジェラが現れたことにより、グラント公爵家は一変。伯爵未亡人との再婚もあやふや。しかも、アンジェラが道中に出逢った人物はまさかの王族。 この時からアンジェラの世界も一変。華やかに色付き出す。 初めはよそよそしいグラント公爵ダリウス(パパ)だが、次第に娘アンジェラを気に掛けるように……。 母娘2代のハッピーライフ&淑女達と貴公子達の恋模様💞  🔶設定などは独自の世界観でご都合主義となります。ハピエン💞 🔶稚拙ながらもHOTランキング(最高20位)に入れて頂き(2025.5.9)、ありがとうございます🙇‍♀️

余命六年の幼妻の願い~旦那様は私に興味が無い様なので自由気ままに過ごさせて頂きます。~

流雲青人
恋愛
商人と商品。そんな関係の伯爵家に生まれたアンジェは、十二歳の誕生日を迎えた日に医師から余命六年を言い渡された。 しかし、既に公爵家へと嫁ぐことが決まっていたアンジェは、公爵へは病気の存在を明かさずに嫁ぐ事を余儀なくされる。 けれど、幼いアンジェに公爵が興味を抱く訳もなく…余命だけが過ぎる毎日を過ごしていく。

王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません

きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」 「正直なところ、不安を感じている」 久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー 激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。 アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。 第2幕、連載開始しました! お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。 以下、1章のあらすじです。 アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。 表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。 常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。 それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。 サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。 しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。 盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。 アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?

【12月末日公開終了】有能女官の赴任先は辺境伯領

たぬきち25番
恋愛
辺境伯領の当主が他界。代わりに領主になったのは元騎士団の隊長ギルベルト(26) ずっと騎士団に在籍して領のことなど右も左もわからない。 そのため新しい辺境伯様は帳簿も書類も不備ばかり。しかも辺境伯領は王国の端なので修正も大変。 そこで仕事を終わらせるために、腕っぷしに定評のあるギリギリ貴族の男爵出身の女官ライラ(18)が辺境伯領に出向くことになった。   だがそこでライラを待っていたのは、元騎士とは思えないほどつかみどころのない辺境伯様と、前辺境伯夫妻の忘れ形見の3人のこどもたち(14歳男子、9歳男子、6歳女子)だった。 仕事のわからない辺境伯を助けながら、こどもたちの生活を助けたり、魔物を倒したり!? そしていつしか、ライラと辺境伯やこどもたちとの関係が変わっていく…… ※お待たせしました。 ※他サイト様にも掲載中

処理中です...