太陽のデイジー 〜私、組織に縛られない魔術師を目指してるので。〜

スズキアカネ

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Day‘s Eye 魔術師になったデイジー

悲しい瞳

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 どうして自分がエスメラルダにいたかは未だに不明だが、自分が捨て子ではなく、戦乱の末の迷い子だったことが判明してからは早かった。
 私の意志は関係なく、私は貴族になってしまった。
 私は最後まで渋ったのだが、貴族の血を引く娘という立場上、私を放置するわけにはいかないのだという。

 我慢の限界が来た私が泣きながら村に帰りたいと訴えると、辺境伯はようやく頷いてくれた。私を育ててくれた養家族にお礼の挨拶へ行きたいという辺境伯一家同行の上で里帰りすることとなった。
 ちょっとしたバカンス気分で田舎に行く気分なのか、日傘がどうのドレスがどうのとウキウキ準備する夫人に辟易したのは記憶に新しい。
 領地は大丈夫なのかと聞けば、信頼できる腹心に任せたら大丈夫、何かあれば転送術で戻れるからというのが辺境伯の持論である。
 
 乗り心地の良すぎる立派な馬車がゆっくり止まる。……あぁ、着いたのか。夢にまで見た村を見た私はなんだか泣いてしまいたい気分になった。
 田舎な村にやって来た馬車。以前にもエドヴァルド氏の来訪に戸惑っていたがそれもそうだ。こんな高級そうな馬車が立ち寄るほどうちの村はおしゃれでもなんでも無い。

 困惑した村人たちの視線が、馬車から降りてきた私に突き刺さる。その目は異物を見るかのような目。……昔に逆戻りだ。
 私はデイジーなのに、その名を奪われ、願った自由さえ奪われ、デイジーとしての存在すら脅かされようとしている。

 大きく口を開けたお母さんの姿を見つけると、私はドレスの裾を持ち上げて駆け寄った。

「お母さんっ!」
「で、デイジー…? あんたどうしたの、そんなお姫様みたいな格好して…この人達は一体何だい?」

 幼い頃のようにお母さんの胸に飛び込み抱きつくと、私は泣き叫びたい衝動に駆られた。幼い頃から私を守り、受け止めてくれたお母さんのあたたかい腕。
 状況が理解できないお母さんが私の背中を宥めるように撫でてくる。私がグズるといつもお母さんはそうして優しく宥めてくれた、私のお母さんはこの人だけなのだ。デイジーという存在を作ってくれた大切な人なのだ。

「はじめまして、わたくしシュバルツ王国のフォルクヴァルツ辺境伯が妻・マルガレーテと申します。この度は急な訪問申し訳ございません」

 そこに夫人が貴族らしく優雅に話しかけてきた。私はお母さんの服を握りしめて身を縮こませる。
 ──フォルクヴァルツの人たちと私は未だに距離があった。だって、誰があっさり認められる?
 私は自分を否定されたようなものなのだぞ。従う立場であるメイドにはイビられるし、城に監禁みたいになっているし、好きに動けない。……相手の腹の内もわからず、味方もいない環境でどうやって心を開けと言うのか。

「実はそちらのアステリアはかのシュバルツ侵攻で我が領が戦禍に遭った際に行方不明になった我が娘だと判明いたしまして…」
「嫌だ! 私はデイジーだよ!」

 私は耳を塞いだ。これまでの我慢が一気にはじけ飛んで取り乱してしまったのだ。その名前は私のものじゃない。私はデイジーだ。
 頭では解ってるんだ。夫人は、私の本当の母親はいなくなった娘をずっと探していたって。フォルクヴァルツ家の執事、古参使用人たちからも切々と語られた。
 私の可愛げのない、棘のある態度にめげそうになっても、私の心を開こうとそっと近づいてくる夫人に何度か心揺れそうになったが……デイジーという存在が消されてしまいそうで、私はこの人が怖かった。
 私を産んだこの人が、私という存在を上から塗りつぶして私の人生を勝手に決めてしまうんじゃないかって。

 私はガタガタ震えながらお母さんに抱きつく。不安で仕方ない。今までにこんな恐怖を味わったことがあっただろうか。
 殺されるわけでもない。侮られ、傷つけられたわけでもない。なのに、怖い。
 ……私はこんな風に人生が一変してしまうことを望んじゃいなかった。

 私のこれまでの努力がすべて無駄になってしまいそうで恐ろしかったのだ。


■□■


「…狭いところですが…」

 外で話すことではないということで、家の中に案内されたフォルクヴァルツ一家は物珍しそうにマック一家の家を観察していた。

「この子はここで育ったのですね…」

 目を細めてため息を漏らす夫人はどこか遠くへ思いを馳せているようである。
 私はお母さんにくっついて座り、黙り込んでいた。お母さんはそれになにか言うわけでもなく、私のしたいようにさせてくれた。

「改めて、娘を保護した上に大切に育てて頂きありがとうございます」
「お礼と言っては形ばかりの品で申し訳ないが…」

 辺境伯によってすっと机の上に置かれた箱。恐らく大金が納められているに違いない。まるで私は金で買われて行くようだ。

「あ、いや…いただけません。そんなつもりでこの子を育てたわけじゃありませんから」

 お父さんもお母さんも私に対する態度を迷っているようだ。私がアステリアと呼ばないでと訴えたのでその名では呼ばないが、デイジーとも呼びにくい、そんな反応をしていた。
 お礼を辞退したことでお互いギクシャクして、沈黙が走る。そこで口を開いたのはお父さんである

「…私どもはこの子が望むことを出来る限り叶えてきました。雨に打たれて衰弱していたこの子が不憫でならなくて……周りからの視線に負けじと努力するその姿勢を尊重してきました」

 そうだ、彼らは叶えられる範囲で私のしたいことを尊重してくれた。心配しつつも応援してくれたのだ。

「この子の望まないことはしないでいただきたい。お願いしたいのはそれだけです」

 一介の村人が隣国の貴族に物申すのは気が引けただろうに、お父さんは私の為を思って言ってくれた。それが正しく相手に伝わったかどうかはわからないが、辺境伯夫妻は「もちろんです」とうなずいていた。

「村人風情が生意気ですよ。口をつぐみなさい。一介の村娘から貴族の令嬢になれるのですよ、この上ない幸せでしょう」
「これ、ギルダ。失礼でしょう、おやめなさい」

 そこに水を指したのは家庭教師であり、私のお目付け役であるギルダである。私はこの人が苦手だ。苦手通り越して大嫌いだ。
 夫人がたしなめるとムッとした顔をしていた。この人は使用人の分際でしゃしゃり出過ぎじゃないだろうか。口を挟む権利があるとでも思っているのか。

「失礼なのはどちらですか。私を育ててくださった方々に失礼でしょう。あなたに口を挟む権利はありません」

 ギルダは獣人に対して差別的な思想があるようで、これまでに何度も私の家族を貶してきた。
 それだけは見逃してやらない。放置していたら調子に乗って更に人を傷つけるような発言をするのだ。

「まぁ…アステリアお嬢様、口が回る女は可愛げのないとしてあまり殿方に好まれませんことよ」

 あんたが言うな。
 この人は身分至上主義なところがあって、何かに付けて貶してくる。この人のそばにいると息が詰まって気まで滅入ってくる。
 これまでにも辺境伯夫妻と冷静に話し合おうとしても、頼んでもいないのに横にピッタリくっついて口を挟んでくるので建設的な話し合いにならず…ってことが何度かあった。
 意見を言えば生意気だ、ご両親に失礼だ、貴族の子女というものはうんぬんと説教が始まる。
 こうして言い返すと、まるで私がわがままを言って困らせているみたいな扱いを受けている。……自分の思い通りにならないから、抑えつけようとしているだけなんじゃないか?

「まぁ、そんなことはないわ。しっかりしている女性が好きだという男性もいます。特にうちのような危険を伴う辺境にいる女は自分で判断できる方が好まれるのよ。アステリアはきっといい御縁に恵まれるはずよ」

 私を庇う発言をする夫人。その言葉は庇っているかのように聞こえるが、その言葉の裏にちらつくのは結婚である。
 これまでに何度か話し合いの場で反対意見を訴えてきたが、どうあがいても、私がデイジー・マックからアステリア・フォルクヴァルツになるのは絶対。
 私がその名から逃れるのは、誰かの元にお嫁に行くか、死ぬかの二択である。今の時点で私が誰かと結婚していたら話が違ったのかもしれない……
 私はこの人達に決められた相手と結婚しなきゃならないのか。きっと私の意志なんか無視して、相手を宛てられるんだ。
 ……嫌だな、そんなの。
 私は黙り込んでムッスリしていた。
 …私はまだまだ旅を満足に出来ていない。
 高等魔術師として自由に各地を飛び回りたいのに、貴族の令嬢という枷に嵌められて身動き取れなくされるのか。私は貴族としての恩恵を全く受けていないのに、ここに来て義務だけを押し付けられるというのか……

 私の気持ちはどんどん沈んでいく。
 こんなことなら出会わなければよかった。自分のルーツ探しなんかしなきゃ良かったなって悲しくなってしまった。

 私の心を置いてけぼりにして、夫人は「アステリアはどんな人が好みなの?」と問いかけてくる。そしてその横からギルダがチクチク口を挟んでくる。
 余計なことは言うまい。私は口を閉ざして無になった。

「あの、良かったらお茶を淹れたので休憩しませんか? これ昔自分が書いた絵画なんですが…これでデイジー…彼女の成長の姿を確認できるかと」

 悪くなった空気を和らげようと、タナ義姉さんがお茶を出してくれ、カール兄さんは数枚の絵画を家から持ってきたと言って見せてきた。

「まぁ…」

 絵画が趣味のカール兄さんは昔から色んな絵を書いていた。風景画ばかり書いていたのに、私がやって来た日から私をスケッチするようになったらしい。
 そこには私が成長していく姿が鮮明に描かれている。赤子時代から幼児、少女へと成長していく私の姿が描かれていた。
 お母さんに抱っこされてウトウトしている姿、初めてつかまり立ちできた日、絵本を真剣に読む姿、麦わら帽子をかぶった私が太陽の下で笑顔を向けている姿…
 私のありのままの姿を素直に描かれていた。

「彼女の瞳の色がなかなか表現できなくて色が安定してないんですが」
「私のアステリアが…」

 夫人はカール兄さんが過去に描いた絵画を見て感動していた。私の瞳と同じ色をした彼女の紫色の瞳が潤む。

「こんなに生き生きしているなんて、素敵な絵…」

 そう言って目元をハンカチで拭うと、懇願するような眼差しを向けた。

「カールさん、だったかしら? この絵を売ってくださらない?」

 突然の申し出にカール兄さんは目を丸くして、ブンブンと首を横に振っていた。

「あ、いえ、これは個人で描いたもので売り物ではないので申し訳ないのですが…」

 それに、これは大切な思い出なんです。
 そう言って断っていた。
 今では奥さんのタナ義姉さんや可愛い2人の息子を描くようになったカール兄さんにとって、絵は思い出であり、宝物なのだそうだ。

 そう言われたら無理にとは言えないらしい夫人は悲しそうに「そう、それなら仕方ないわね」と苦笑いしていた。

「……画家に描かせたアステリアの絵はどれも悲しそうな目をしているの」

 年齢ごとに描かせたその絵はどれも素晴らしいものだったが、そのどれも悲しそうな目でこちらを見ているのだと夫人は言った。

「……アステリア、あなたは王宮のパーティで出会った時はとても強い瞳をしていた。……その瞳を曇らせてしまったのは、私なのかしらね」

 夫人の悲しそうな顔に私は口を開きかけたが、なんと言えばいいのかわからずに黙り込んでしまったのであった。
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