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Day‘s Eye デイジーの花が開くとき
花壇の草はロバの草
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今週の日曜日は薬の配達と買い物に行くからちょっと会えないとテオに告げると、ついていくと言われた。
一応形式的には付き合い初めてのデートになるんだろうが、ロバ同行の上である。
「道草は帰りにしてよ」
「ベェェ」
「このロバ!」
薬を運ぶために連れてきたロバがその辺に生えた草を食べ始めたので、手綱をグイグイ引っ張るとロバは抵抗する。苛ついた私は思わずロバを罵倒してしまった。
私が不在の数カ月間で私のことを忘れたのか。──いや違うな、昔からあんたはそんなんだったよ。私の言うことは聞かないよね…!
「ほら、帰りに好きなだけ食っていいから今は行くぞ」
「ピィィー」
それがテオだったらあっさり言うことを聞くという。ペシペシとお尻を叩かれると、ロバはのっそりした動きで足を動かし始めたではないか。
なんなの、獣人か人間かで態度変えるの? そういえばメイとジーンを召喚したときも怖がっていたな…肉食獣限定で従順になる奴なのか?
しょっぱい気持ちに襲われながら、私はテオと肩を並べて町へと顔を出したのである。
久々に町の詰め所に顔を出すと、警らのジムおじさんが目をまんまるにして、「デイジー! 久しぶりだなぁ!」と歓迎してくれた。
どうやら私がハルベリオン討伐に出向いたことを彼も知っていたようだ。
「怪我はないか? 大丈夫か?」
「怪我はしたんですが、終戦後に治癒魔法で治してもらったので今はすっかり」
「そうか、それにしても無事で良かった。あんな国に若い女の子まで派遣されるとは思わなかったよ」
その言葉に私は苦笑いする。確かに本来であれば派遣命令はくだされなかったからなぁ。
「私は既に魔法魔術学校を卒業して、高等魔術師という身分があったのでどうしても」
私はもう既に一人前の魔術師だから、派遣は避けられなかった。それに自分の生まれに関係する因縁だったからどっちにしても参戦していただろうが。
「私はこの国の国民が収める税金で魔法魔術学校に通えて、魔術師になれたんですから当然のことです」
その考えは今でも変わらない。
今でもあの悪夢のような戦いの日々を夢で見るし、そのせいで気分が落ち込むこともあるが、敵を討てたのでそこは良かったと思っている。
誰かが奴らを止めなくてはまた同じ悲劇が起きていた。やらなくてはいけないことだったのだ。
私が拳を握りしめていると、キュッ…と肘に何かが巻き付いた。視線を下ろすとそこには白銀のもふもふが巻き付いていた。
横を見上げれば。そっぽ向いて不貞腐れたような複雑な表情をするテオ。そう、テオの尻尾が私の肘に巻き付いていたのだ。
「何よ暑苦しいな」
「……俺、デイジーのそういう考え方やっぱり理解できねぇ」
そんな今更。
仕方ないでしょう。与えられたものも立場も違うんだから。
「仕方ないでしょ、私達は根本から違うんだから。そんなこと言ったら私だって獣人の考え方が理解できないことたくさんあるんだよ?」
理解できないのは仕方ない。
それに私達魔術師は学校でそう学ぶのだ。
「私に与えられた贈り物は人を守るための力。私利私欲で扱ってはいけない。……同胞がその力で人を傷つけているなら、同じ魔術師である私がそれを止めるのは当然のことでしょ?」
そう説明すると、テオはぐるぐる言って黙り込んでしまった。耳も尻尾もへにょんと垂れ下がっている。
「まぁまぁデイジー。テオの気持ちもわからんでもない。好きな女が戦場に行くなんて想像できないくらい苦しいものだろうからな」
「もー…無事に帰ってきたんだからもういいでしょそのことはー」
テオは私の存在を確かめるかのように私に抱きつくとすんすんと匂いを嗅いできた。
こいつはもう…どさくさに紛れて人の匂い嗅いで……恥ずかしいやつだな。
「仲が良くて何よりだよ。しかしお前さん、貴族をやめて平民として戻ってくるとは余程テオのことが好きなんだな」
「え?」
「噂だぞー? 貴族令嬢と平民の獣人の恋物語って。恋人と結ばれるために身分を捨てて戻ってきたって……熱いことだねぇ」
「いや、そういうわけじゃないですけど」
恋人になったのは最近だし、テオがいなかったとしても私は自然と平民に戻っていたと思うし…別にテオのために特権身分を捨てたわけじゃないです。
しかしテオには都合のいい方に聞こえたのだろう。彼の尻尾はブンブン勢いよく動く。ご機嫌な彼は私に擦りよってぐりぐり愛情表現をしてきたのであった。
暑苦しいなぁ……その暑苦しさが愛しいとか思っちゃう自分もちょっとおかしいけどさ。
「湿布薬ちゃん! あいたかったよぅ!」
お父さんを介して注文を受けていた湿布薬をジムおじさんに手渡すと、彼は薬の入った瓶に頬ずりしていた。
私が帰ってきたと言う噂を聞きつけた町の人達は木材の配達にやってきたお父さんに言伝ならぬ注文を押し付けて来たそうで…ジムおじさんもその一人であった。
なので帰ってきた翌日から魔術師としての仕事を再開する羽目となった。商品を待ち構えてくれて魔術師としては嬉しいことだ。
□■□
人で賑わう町を歩いていると、幼女にはじまり妙齢の女性からお年寄り女性にまで熱い視線を向けられるテオ。ロバを引き連れての配達の最中であるが、その熱い視線は変わらなかった。
別にめかしこんでいるわけでもなく、ロバの手綱を握って歩いているだけなのによくもここまで視線を集められるな……。
改めて見るとテオって本当に美形だよな。一介の村人なのが不思議なくらいだ。
「買い物してくる。ちょっとロバ見てて」
配達を一通り終えた後は買い物のために問屋さんに足を踏み入れた。ロバは外につないでいてもいいが、今の空腹ロバを放置していたらそのへんの草花に顔を突っ込みそうなので、テオに監視をお願いする。
もう既にどこかのお宅の花壇に顔を突っ込んだ前科があるんだけどね。ちゃんと餌を食べさせてないみたいだからやめてほしい。家でもちゃんと枯れ草を食べさせているのに何故なのだ、ロバよ。
「私達とお茶しませんかー?」
「や、悪いんすけど…」
買い物を終えてお店から出ると、テオが女の子に声をかけられていた。女子に囲まれるテオの姿なんかこれまでにも散々見てきたが、ホントにモテるなと感心してしまう。
もしもテオがお硬い獣人じゃなければいろんな女の子を取って食っていたんじゃないかなぁと下世話な想像をしてしまう。
私は彼らを観察するように眺めていたのだが、物音を立てていないのにテオの獣耳がピクリと動いた。
ぱっと振り返ったテオは満面の笑顔だった。尻尾ブンブン振って私に近づくと、私の手にある薬草束の入った包装を持ち上げた。
「買い物って草のことかよ」
「薬草だよ」
包装紙に包まれても香ってくる薬草の匂いにテオが「くせぇ」と言って眉間にしわを寄せた。
…おい、私はロバじゃないんだぞ。草じゃなくて薬草を購入したのだ。そこのロバと一緒にするな。
「これで終わりか?」
「まぁね」
「じゃあ帰ろう」
ロバの荷馬車に購入した薬草束を載せると、テオは手綱を握っていない方の手で私の手を握ってきた。
拒絶する理由がないのでおとなしくついて行ったのだが、どこからかチクリと針に刺されたような鋭い視線を感じる。
その視線のもとを辿ると、今しがたテオに声をかけていた女性陣からであった。視線に羨ましい、憎たらしいという感情が含まれていて、とても怖い。
かつて獣人は差別を受けてきたが、その差別も薄れてきた昨今、一途な気質の獣人男性を旦那にしたいという人族女性が増えてきたのだそうだ。
テオの場合それを抜きにしても容姿がいいからなぁ…。私がマジマジとテオを見ていたからか、テオが不思議そうに首を傾げていた。
「なんだ?」
「今更だけどテオは整った顔立ちだなと思って。あのラウル殿下に負けないくらい」
素直な感想だ。別に含みをもたせて言ったわけじゃない。
なのだが、テオは不快そうにしかめっ面になり、グルグル唸り始めた。どうやら機嫌が悪くなったみたいである。
「他の男の話するなよ」
「なに、テオのほうがかっこいいって言わなかったからへそ曲げてるの?」
「ちげぇ!」
私を片腕で抱き寄せてきたテオはグリグリと頬ずりしてきた。
はいはい、ヤキモチ焼いてるのね。ごめんてば。
でも相手はあのラウル殿下よ。ラウル殿下は恋をしてはいけない相手を想ってる不憫な男なんだから。ヤキモチを焼くような相手じゃないからね。
テオの気の済むまで頬ずり攻撃を受けていると、いつの間にかあの女性陣は姿を消していた。
なんか意図せず牽制かけたみたいになってしまった。
一応形式的には付き合い初めてのデートになるんだろうが、ロバ同行の上である。
「道草は帰りにしてよ」
「ベェェ」
「このロバ!」
薬を運ぶために連れてきたロバがその辺に生えた草を食べ始めたので、手綱をグイグイ引っ張るとロバは抵抗する。苛ついた私は思わずロバを罵倒してしまった。
私が不在の数カ月間で私のことを忘れたのか。──いや違うな、昔からあんたはそんなんだったよ。私の言うことは聞かないよね…!
「ほら、帰りに好きなだけ食っていいから今は行くぞ」
「ピィィー」
それがテオだったらあっさり言うことを聞くという。ペシペシとお尻を叩かれると、ロバはのっそりした動きで足を動かし始めたではないか。
なんなの、獣人か人間かで態度変えるの? そういえばメイとジーンを召喚したときも怖がっていたな…肉食獣限定で従順になる奴なのか?
しょっぱい気持ちに襲われながら、私はテオと肩を並べて町へと顔を出したのである。
久々に町の詰め所に顔を出すと、警らのジムおじさんが目をまんまるにして、「デイジー! 久しぶりだなぁ!」と歓迎してくれた。
どうやら私がハルベリオン討伐に出向いたことを彼も知っていたようだ。
「怪我はないか? 大丈夫か?」
「怪我はしたんですが、終戦後に治癒魔法で治してもらったので今はすっかり」
「そうか、それにしても無事で良かった。あんな国に若い女の子まで派遣されるとは思わなかったよ」
その言葉に私は苦笑いする。確かに本来であれば派遣命令はくだされなかったからなぁ。
「私は既に魔法魔術学校を卒業して、高等魔術師という身分があったのでどうしても」
私はもう既に一人前の魔術師だから、派遣は避けられなかった。それに自分の生まれに関係する因縁だったからどっちにしても参戦していただろうが。
「私はこの国の国民が収める税金で魔法魔術学校に通えて、魔術師になれたんですから当然のことです」
その考えは今でも変わらない。
今でもあの悪夢のような戦いの日々を夢で見るし、そのせいで気分が落ち込むこともあるが、敵を討てたのでそこは良かったと思っている。
誰かが奴らを止めなくてはまた同じ悲劇が起きていた。やらなくてはいけないことだったのだ。
私が拳を握りしめていると、キュッ…と肘に何かが巻き付いた。視線を下ろすとそこには白銀のもふもふが巻き付いていた。
横を見上げれば。そっぽ向いて不貞腐れたような複雑な表情をするテオ。そう、テオの尻尾が私の肘に巻き付いていたのだ。
「何よ暑苦しいな」
「……俺、デイジーのそういう考え方やっぱり理解できねぇ」
そんな今更。
仕方ないでしょう。与えられたものも立場も違うんだから。
「仕方ないでしょ、私達は根本から違うんだから。そんなこと言ったら私だって獣人の考え方が理解できないことたくさんあるんだよ?」
理解できないのは仕方ない。
それに私達魔術師は学校でそう学ぶのだ。
「私に与えられた贈り物は人を守るための力。私利私欲で扱ってはいけない。……同胞がその力で人を傷つけているなら、同じ魔術師である私がそれを止めるのは当然のことでしょ?」
そう説明すると、テオはぐるぐる言って黙り込んでしまった。耳も尻尾もへにょんと垂れ下がっている。
「まぁまぁデイジー。テオの気持ちもわからんでもない。好きな女が戦場に行くなんて想像できないくらい苦しいものだろうからな」
「もー…無事に帰ってきたんだからもういいでしょそのことはー」
テオは私の存在を確かめるかのように私に抱きつくとすんすんと匂いを嗅いできた。
こいつはもう…どさくさに紛れて人の匂い嗅いで……恥ずかしいやつだな。
「仲が良くて何よりだよ。しかしお前さん、貴族をやめて平民として戻ってくるとは余程テオのことが好きなんだな」
「え?」
「噂だぞー? 貴族令嬢と平民の獣人の恋物語って。恋人と結ばれるために身分を捨てて戻ってきたって……熱いことだねぇ」
「いや、そういうわけじゃないですけど」
恋人になったのは最近だし、テオがいなかったとしても私は自然と平民に戻っていたと思うし…別にテオのために特権身分を捨てたわけじゃないです。
しかしテオには都合のいい方に聞こえたのだろう。彼の尻尾はブンブン勢いよく動く。ご機嫌な彼は私に擦りよってぐりぐり愛情表現をしてきたのであった。
暑苦しいなぁ……その暑苦しさが愛しいとか思っちゃう自分もちょっとおかしいけどさ。
「湿布薬ちゃん! あいたかったよぅ!」
お父さんを介して注文を受けていた湿布薬をジムおじさんに手渡すと、彼は薬の入った瓶に頬ずりしていた。
私が帰ってきたと言う噂を聞きつけた町の人達は木材の配達にやってきたお父さんに言伝ならぬ注文を押し付けて来たそうで…ジムおじさんもその一人であった。
なので帰ってきた翌日から魔術師としての仕事を再開する羽目となった。商品を待ち構えてくれて魔術師としては嬉しいことだ。
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人で賑わう町を歩いていると、幼女にはじまり妙齢の女性からお年寄り女性にまで熱い視線を向けられるテオ。ロバを引き連れての配達の最中であるが、その熱い視線は変わらなかった。
別にめかしこんでいるわけでもなく、ロバの手綱を握って歩いているだけなのによくもここまで視線を集められるな……。
改めて見るとテオって本当に美形だよな。一介の村人なのが不思議なくらいだ。
「買い物してくる。ちょっとロバ見てて」
配達を一通り終えた後は買い物のために問屋さんに足を踏み入れた。ロバは外につないでいてもいいが、今の空腹ロバを放置していたらそのへんの草花に顔を突っ込みそうなので、テオに監視をお願いする。
もう既にどこかのお宅の花壇に顔を突っ込んだ前科があるんだけどね。ちゃんと餌を食べさせてないみたいだからやめてほしい。家でもちゃんと枯れ草を食べさせているのに何故なのだ、ロバよ。
「私達とお茶しませんかー?」
「や、悪いんすけど…」
買い物を終えてお店から出ると、テオが女の子に声をかけられていた。女子に囲まれるテオの姿なんかこれまでにも散々見てきたが、ホントにモテるなと感心してしまう。
もしもテオがお硬い獣人じゃなければいろんな女の子を取って食っていたんじゃないかなぁと下世話な想像をしてしまう。
私は彼らを観察するように眺めていたのだが、物音を立てていないのにテオの獣耳がピクリと動いた。
ぱっと振り返ったテオは満面の笑顔だった。尻尾ブンブン振って私に近づくと、私の手にある薬草束の入った包装を持ち上げた。
「買い物って草のことかよ」
「薬草だよ」
包装紙に包まれても香ってくる薬草の匂いにテオが「くせぇ」と言って眉間にしわを寄せた。
…おい、私はロバじゃないんだぞ。草じゃなくて薬草を購入したのだ。そこのロバと一緒にするな。
「これで終わりか?」
「まぁね」
「じゃあ帰ろう」
ロバの荷馬車に購入した薬草束を載せると、テオは手綱を握っていない方の手で私の手を握ってきた。
拒絶する理由がないのでおとなしくついて行ったのだが、どこからかチクリと針に刺されたような鋭い視線を感じる。
その視線のもとを辿ると、今しがたテオに声をかけていた女性陣からであった。視線に羨ましい、憎たらしいという感情が含まれていて、とても怖い。
かつて獣人は差別を受けてきたが、その差別も薄れてきた昨今、一途な気質の獣人男性を旦那にしたいという人族女性が増えてきたのだそうだ。
テオの場合それを抜きにしても容姿がいいからなぁ…。私がマジマジとテオを見ていたからか、テオが不思議そうに首を傾げていた。
「なんだ?」
「今更だけどテオは整った顔立ちだなと思って。あのラウル殿下に負けないくらい」
素直な感想だ。別に含みをもたせて言ったわけじゃない。
なのだが、テオは不快そうにしかめっ面になり、グルグル唸り始めた。どうやら機嫌が悪くなったみたいである。
「他の男の話するなよ」
「なに、テオのほうがかっこいいって言わなかったからへそ曲げてるの?」
「ちげぇ!」
私を片腕で抱き寄せてきたテオはグリグリと頬ずりしてきた。
はいはい、ヤキモチ焼いてるのね。ごめんてば。
でも相手はあのラウル殿下よ。ラウル殿下は恋をしてはいけない相手を想ってる不憫な男なんだから。ヤキモチを焼くような相手じゃないからね。
テオの気の済むまで頬ずり攻撃を受けていると、いつの間にかあの女性陣は姿を消していた。
なんか意図せず牽制かけたみたいになってしまった。
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